概要
キラキラルをうばう存在の一つで、序盤でプリキュア達が戦う敵対勢力。
思いの詰まった美味しいスイーツから生まれる人々の元気の源となるエネルギー“キラキラル”を我が物にしようと暗躍し、いちか達の身の回りで次々にスイーツを真っ黒な灰へと変えて行く事件を起こしている。
この妖精達はまとまったグループとして行動している訳では無いので、グループ名のようなものはない。放映前の公式サイトでは彼らを「悪い妖精たち」と呼称していたためpixivでは暫定的にその名前でタグが作られた。他にも公式では「ガミー軍団」などとの呼び方もされている。
第1話でいちご山のスイーツ工房へ襲撃をかけ、長老との戦いの果てにクリーム爆発が起こり工房は壊滅した。その後はいちご山の眼下にあるいちか達の町で悪さを続けている。
また、いちか達の町に現れる前から他の町で活動していたことが第7話で判明している。
この妖精達はクリームエネルギーを介した攻撃以外ではダメージを受けることがなく、普通にパンチやキックで攻撃しても微動だにしない。
なお、本作の人間界には多様な妖精が世界中のあちこちに隠れ住んでいるという設定であり、プリキュア達の導き手であるペコリンや長老もまた妖精である。ただし、ペコリンたちは「キラキラルを守る良い妖精」であり、悪い妖精達とは対照的な存在。
ペコリン達もキラキラルが入ったスイーツが大好物ではあるが、悪い妖精達のようにむりやり奪ったりはしないし、キラキラルだけ抜き取るということもない。
この悪い妖精達は個人個人が欲望のままに暴れているように見えるが、第7話の回想シーンで10体の悪い妖精が徒党を組んでいちご山に攻め入った事が確認されているため、少なくともある程度の仲間意識もある事はうかがえる。また、彼らの共通点として、黒い星の文様が刻まれた赤いオーブを体のどこかに身に付けている。
11話までプリキュア側に浄化技がなかったため、10話までは妖精を撃退しても気づくと消えていただけで、消滅したり浄化されたりはしていない。11話では10話までに登場した個体が一斉に襲撃している。
消えた敵側のシーンが一切描かれないため、最初の頃は非常に謎が多い敵となっていた。
これは前作の闇の魔法つかいや終わりなき混沌にも共通するが、前年でもアジトのシーンは少しはあったので今回はより極端である。
ただし前年のように敵側の事情を描くことを避けているのではなく、逆に物語を通じて敵の事情を徐々に明らかにしていく構成ゆえとのこと。
11話でのガミーの台詞によれば「自分達の欲望を満たすためにキラキラルを奪え」と唆した人物がいるようだが……?
彼らの正体や彼らを操っていた黒幕について明かされるのは第12話。しかし、同時に新たなる謎がいくつも生まれることになった。詳細は後述。
変身
悪い妖精達は、回収したキラキラルを体内に吸収することで変身することができる。
変身は三形態あり、妖精形態、怪人形態、巨大化形態である。
妖精達は怪物を召喚してきたこれまでのシリーズの悪役構成員とは違い、毎回、自ら巨大化してプリキュアと戦うのである。つまり妖精達は本作での怪物枠であるともいえる。RPGでいうところの町中を徘徊しているモンスターと言えば分かりやすい。その為、毎週同じ種類の怪物が登場しない代わりに声優の兼役もある。
- 妖精形態
妖精と言ってもいわゆるフェアリーとかピクシーのような姿をしているわけでなく、本作のプリキュアの味方側の妖精であるペコリンや長老と同じく「よく分からない謎生物」のパターン。
サイズ的にもペコリンと同等で腕で抱えられるくらい。デフォルトで空を飛ぶことができるのも同じ。
全員が愛嬌あるデザインがされているが、性格や言動は外道そのものである。
妖精形態でも普通の人間くらいなら一撃でふっとばせるくらいの力はあるようだが、さすがにこの形態ではプリキュアと戦えるほどの力はない。
- 怪人形態
ある程度のキラキラルを体内に溜め込めば人間より少し大きなサイズの怪人形態になる。
見た目は妖精形態をベースに、それの細部をリアルにして頭身や手足などを無理やり引き伸ばしたような感じであり、愛嬌が中途半端に残っているのが逆に不気味さに転化されている。
怪人形態になればパワーもスピードもキラキラルの回収量も上昇する。
- 巨大化形態
怪人形態からさらにキラキラルを体内に溜め込めば、任意に巨大化することができるようになる。
見た目もそれまでとはガラリと変わり、醜悪で凶悪な化け物そのものとなる。体には好物のスイーツの意匠が表れる。
プリキュアと戦う時は基本的にこの形態となる。
- 合体妖精
ジュリオの手によってこれまでに登場した10体の妖精が合体した最終形態。
外見としては頭部はガミー、腹部はプルプル、角はホットー、胴体と右腕はシュックリー、左肩はマキャロンヌ、翼はビダード、トサカはフエール、左腕はスポンジン、右肩はクッカクッキー、脚はタルトーンのような姿に変化する。
キラキラル
キラキラルは悪い妖精達にとっては、それこそ美味しい食べ物のようなものであり、それらを体内に吸収することで満足と快楽を得る。
つまり、今までの敵組織のように「組織の仕事」として悪事を重ねているわけではない。
上述した様に、悪い妖精達はクリームエネルギーによる攻撃しか受け付けない。しかし、このクリームエネルギーとはキラキラルを戦闘利用できるように錬成したものである。
妖精達はキラキラルを吸収することでパワーアップするが、同時に自らを傷つける力にもなりうるというのは興味深い。
妖精がキラキラルを体内に吸収する時は口から摂取するが、スイーツそのものを食べるわけではない。不思議な力でキラキラルのみを取り出してそれを食らっている。キラキラルを抜き取られたスイーツはその瞬間に灰の塊になってしまう(3話でホットーがアイスクリームを直接食べているように見えるシーンがあるが、正確にはスイーツを口に近づけてキラキラルのみを吸い取っているようで、スイーツ本体は灰化して霧散している様子)。
スイーツ自体は妖精達にとっては「キラキラルの器」にすぎず、大した価値など感じていないのである。
巨大化形態になった妖精がプリキュアのクリームエネルギーによってある程度のダメージを受けると、吸収したキラキラルが体内から排出され妖精形態に戻り、そのまま逃げてしまう(厳密には逃げるというよりかは、吹っ飛んで星になる)。この場合は浄化されて「キレイな心」に戻ったとかではないことに注意が必要。
排出されたキラキラルは灰化していたスイーツの中に再び戻っていき、スイーツは元の姿を取り戻すが、灰化したスイーツが既に霧散して戻るべき場所がなくなっていた場合はその限りではない。
悪い妖精達はスイーツそのものを強奪してキラキラルを抜き取った後の「器」を廃棄してしまうようなことも度々あるため、全てが元どおりになるようなケースはむしろ少なめである。
尚海外にいるペコリン達の同族によると、事件そのものは本編開始以前から地球上で発生していたようである。
彼らの末路とその正体
11話で合体形態となりプリキュア達と死闘を繰り広げ、スイーツを愛する人々から生まれたキラキラルによって新たに生まれたキャンディロッドにより敗れ、この影響でガミー達に取り付けられたベルトは破壊され正気に戻る。
そして後日、全員でキラキラパティスリーを訪ね、いちか達にこれまでのことを詫びた。
彼らが自ら語ったことには、自分達はペコリン達とは異なるグループの妖精で、最初から心が悪に染まっていた訳ではなかったらしい。
しかしこの10体の妖精に共通する点として「もっと強くなりたい」「もっと大きくなりたい」などの劣等感からくる強い願望を持っていた。
ある日、不思議な仮面の人物がそれぞれの妖精たちの前に現れ、「人間達が作るスイーツからキラキラルを奪えばその願いは叶う」と唆し、黒い星のオーブがはまったベルトをくれた。妖精達は半信半疑ながらも本当に願いが叶うならばとそのベルトを受け取り身につけてみた。
すると気持ちが大きくなって暴れたくなってそれが自分でも制御できなくなり、キラキラルを強奪する悪事を重ねるようになったのだという。つまり彼らはその人物の被害者に過ぎなかったのだ。
そもそもキラキラルをスイーツから直接奪いとったり、それを使ってパワーアップしたりする能力も彼らが持っていたものではなく、この黒い星のオーブによってもたらされたものである。
事情を知ったいちか達は彼らを許し、和解の証としてパティスリーのマカロンを御馳走した。
その後、ガミー達はクリーム爆発で知らない土地へ吹き飛ばされて途方に暮れていたいちご山の妖精達一人一人を探して助け出しており、その時にガミー達から「いちご山で長老とペコリンが待っている」とメッセージを伝えられた妖精達は第21話でいちご山へと集結することになる。
そして第39話でもいちご山妖精大会議の為に他の山の長や妖精達への呼び掛けと召集を行った。この時、ガミーは自分達を悪に染めた元凶である昏睡状態のピカリオと対面し、ドーナッツを差し入れる。姉のキラリンは弟の犯した過ちと、そしてその弟を闇に堕としてしまった自分の過ち(詳細はキラ星シエルを参照)を謝罪する。しかしガミーは「お前が謝る事じゃねえ、元々俺にあった心の闇のせいさ……。お前(ピカリオ)もスイーツ食えるように早く起きて来いよ」と答え、ピカリオを恨むことなく姉弟を気遣った。
各話の悪い妖精
話数 | 名前 | 声優 | 狙ったスイーツ | 撃退経緯※1 |
---|---|---|---|---|
1話 | ガミー | うえだゆうじ | ショートケーキ | キュアホイップのクリームエネルギーに飲み込まれた |
2話 | プルプル | 武虎 | カスタードプリン | キュアカスタードのクリームエネルギーの拘束されたところでホイップのクリームに飲まれる |
3話 | ホットー | 伊丸岡篤 | アイスクリーム | キュアジェラートの氷の拳による一撃 |
4話 | シュックリー | 武虎 | シュークリーム | ホイップ、カスタード、ジェラート3人がクリームエネルギーを一つにまとめてぶちまける |
5話 | マキャロンヌ | 川崎恵理子 | マカロン | キュアマカロンのヨーヨー攻撃で吹き飛ばされる |
6話 | ビタード | 伊丸岡篤 | チョコレート | キュアショコラがクリームエネルギーの足場を作って空中戦を制する |
7話 | フエール | 武虎 | ドーナツ | 5人の連携攻撃で分身したフエールを一箇所に追い詰め最後はホイップのムチでトドメ |
8話 | スポンジン | 伊丸岡篤 | スポンジケーキ | 5人全員がクリームエネルギーを一つにまとめてぶちまける |
9話 | クッカクッキー | 武虎 | クッキー | ジェラートが巨大な氷塊をパンチで敵に命中させる |
10話 | タルトーン | 川崎恵理子 | タルト | マカロンのヨーヨーに乗っかって勢いをつけたショコラの一撃 |
11話 | 1話~10話まで登場した悪い妖精全員 | - | それぞれの好みのお菓子 | スイー・ツー・ワンダフル・アラモード |
※1:本作では10話まではプリキュア側にいわゆる「キメ技」というものが存在せず、敵側にも特殊なパワーアップ要因もなかったため、1〜10話の間はある程度大きなダメージを与えた時点で撃退できていた。
ジュリオ
妖精達にキラキラルを奪うように唆した「不思議な仮面の人物」。
言わば悪い妖精達の黒幕と言えるが、当の妖精達にもその素性や正体はわかっていない。
妖精達に対して何かを指示することもなく、好き勝手に暴れさせその様子を観察していた。
本編に実際に登場したのは第10話終盤からであるが、プリキュア達と直接接触するのは第12話から。OP映像では第1話時点から映っており謎の人物として注目されていた。
だが17~18話にて彼の背後にも元凶の元凶たる人物がいたことが判明する。悪い妖精達は真の元凶の存在は知らされていなかった。
関連タグ
幻影帝国:こちらも本編開始以前から地球上で悪さしていた連中。
宇宙刑事ギャバン:「悪いやつらは 天使の顔して心で爪を といでいるものさ」という歌詞の主題歌を持つ作品。