概要
『キラキラ☆プリキュアアラモード』に登場する地名で、本作に登場する妖精たちが隠れ住んでいる場所。
名前の通りに山頂部がいちごの形をしている山地である。正式な表記は「苺山」(19話より)。
地理
異世界では無く人間界に存在する自然地形である。この山の裾野に宇佐美いちかが住む町「いちご坂」がある。
登山道が敷かれ、登山客向けのバス停や案内板が用意されている。このことからわかるようにごく普通に人の出入りがある山であり、人跡未踏の隠れ里のようなものではない。
山中にはベリーやハーブなどが自生し、人間たちは自然の恵みをうまく商売に利用しており、山腹では養蜂所などが作られている。ただし大規模な開発などは行われておらず、現状のいちご坂の市政方針として山の自然を壊さないことが意識されている様子。
物語の始まりの地
第1話冒頭にて、この山で謎の爆発が起こり眼下にあるいちかの町にクリームの様な物が飛びちる異常現象が描かれた。町の人々はざわついていたが、クリームのようなものはすぐ消えてしまったために特に被害は与えていない。
山に住む妖精のひとりであるペコリンもクリームと一緒に町まで吹き飛ばされ、そこでいちかと出会うことになる。これが本作の物語の発端となる。
また、この時に爆発とともに吹き出た煙が雲のように町の上空に漂っており、それをスイーツの形みたいだと認識した人たちが後にプリキュアに変身したという共通点がある。
いちご山の妖精たち
いちご山には、長老を中心とする妖精のコミュニティが形成されている。妖精たちは人間に見つからないように山の奥地にうまく隠れ住んでおり、あらゆる山の幸のありかを熟知している。
ペコリンやキラリン・ピカリオ姉弟は、ここの出身である。その山の妖精たちは飛行能力を持っている。
第7話の回想シーンによると、ここに住む妖精達の使命は「いにしえのプリキュア」が見出した奇跡のエネルギー「キラキラル」を生み出し守ることであるようだ。
このキラキラルはスイーツに宿るものであるため、妖精達は山中の開けた場所に作られた青空工房でスイーツ作りの修行に精を出していた。
この青空工房は、登山道からは大きく離れているものの人間避けのセキュリティなどはないので、場所さえ知っていれば誰でもたどり着くことはできる。もっとも、この場所に何か施設などが常設されている訳ではない(7話では作業テーブルや石窯を見ることが出来るが、それも岩を巧みに利用したものである)ので、妖精たちが姿を隠してしまえば人間たちから見れば「奇岩が点々とあるだけのただの開けた場所」にすぎない。
しかし、ある日この青空工房に悪い妖精たちが襲撃してきて、ここで作られていたスイーツのキラキラルを大量に吸収しようとする。
それを防ぐため、長老は不思議な力でキラキラルを吸収し返そうとしたが、力のせめぎ合いによってキラキラルは行き場を失い一箇所に凝縮。最終的に大爆発を起こしてしまい、いちご山の妖精たちは全員がどこかへ吹き飛ばされてしまう。これが第1話のクリーム爆発の真相である。
ペコリンと長老はいちかに保護されることになったが、この時点で他の妖精たちの行方は分からなくなってしまった。そもそも青空工房は爆発により壊滅したため、妖精たちが戻ってきてもかつてのようにみんなでスイーツ作りを楽しむ場所が失われている。
そのため、「妖精たちがまたいつか戻ってきたときに、再びスイーツをみんなで楽しめる場所を作ろう」と考えたいちかによって、移動可能なスイーツショップ・キラキラパティスリーが開店することになる。
その後、洗脳が解けた(元)悪い妖精たちは贖罪のためいちご山の妖精たちの捜索に奔走。彼らの尽力によって、第21話でいちご山の妖精たちは故郷に帰還を果たした。
そしていちかは最初の目的の通りに、青空工房の跡地にキラパティを出張開店。妖精たちみんなを招待してみんなでスイーツ作りを楽しみ、大パーティーを開いた。
21話で再集結したいちご山の妖精たちは数としては50体近くが確認できる。姿形は様々だが、どうも犬をモチーフとしていると思われる。これはいちご山の妖精のコミュニティに限ったことであり、悪い妖精たちにはむしろ犬っぽいのは少ない。
人間には姿がばれないように暮らしている一方で、いちご坂に棲む猫とは水飲み場を共有するなど共存関係であり、いちご坂の猫達は妖精の存在を周知している。いちご山の妖精たちがほとんど犬っぽい見た目しかいないのも、共存関係にある猫と姿的に区別するためかもしれない。
因みに当然ながら人間は猫の言葉がわからないが、妖精たちは人間の言葉も猫の言葉もわかり、どちらとも会話ができる。つまり、見方によってはいちご山の妖精たちはみんな人語と猫語を話せるバイリンガルである。
なお、本作では世界中で妖精たちが隠れ住んでいるという設定で、いちご山に限らずいろんな場所に妖精たちがいて人間たちにバレないように隠れている。実際、悪い妖精たちは元々はいちご山とは全然違う場所のコミュニティで暮らしていた。
また、キラリンのように人間に変身できる一部の妖精は人間社会に混じって暮らしている。
注意しなくてはならないことは、本作の妖精たちはスイーツの化身とかではなく、地球の自然の中で生まれたフシギなイキモノという扱いであること。シリーズディレクターの貝澤幸男によると、本作の妖精たちの生態は「ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪のような感じ」としてイメージしているということ。(ちなみに貝澤・暮田公平の両SDを筆頭に本作の演出系のスタッフには『ゲゲゲの鬼太郎(5期)』の参加者が多い)
スイーツ修行をするのはいちご山独自の妖精文化であり、他の里の妖精はキラキラルやプリキュアのことは知識としては知っていてもスイーツ修行に精を出すほどの強いこだわりはない。39話では世界各地の妖精の里の代表団がいちご山にやってきて妖精大会議が開かれたが、この話では住んでいる里による妖精達のスイーツへの温度差がよくわかる描写になっている。いちご山の妖精がスイーツに強いこだわりをもつのは、ここが「いにしえのプリキュア」ことルミエルゆかりの地だからである。
いちご山の妖精達の中で、本作で名前が判明しているものは以下のとおり。個別記事が作成済みのものはそちらを参照。
- ヤパパ(声:引坂理絵)
- ペコリンの耳に、ピカリオの前髪をつけたような外見の妖精。前髪はかなり大きくそれで左目が隠れている。語尾は「ヤパ」。21話でガミーに助けられたと語っている妖精である。口調からすると男の子な様子。第7話ではミスに落ち込むペコリンを励まし、「海外で修行している仲間」(=キラリンとピカリオ)を心配するなどモブ妖精の中では一番セリフがある。
- ポポヌン(声:石橋桃)
- ペコリンの耳に、キラリンの前髪をつけたような外見の妖精。21話でプルプルに助けられたと語っている妖精である。語尾は「ヌン」。一人称が「わたし」なので女の子な様子。ヤパパとセットで登場するので彼女も出番が多い。
- マハニャ(声:松重慎)
- ダニーダニ(声:尾畑美依奈)
- ポメラニアンのようなふさふさの毛並みをした妖精。語尾は「ダニ」。21話でキラリンが正体を見せた時に一言だけ喋っている。
地下の祭壇
第22話で、プリキュアとジュリオの戦闘中に、莫大な量のキラキラルを封じていた巨大な地下洞穴が発見された。ここの存在は長老でさえ知らなかったらしい。
その洞穴の中央には、人工湖に囲まれ、大きな台とカップケーキ型の神殿からなる祭壇がある。この祭壇は「いにしえのプリキュア」と呼ばれた女性ルミエルを祀ったものであった。
ルミエルは肉体を失っても自らのキラキラルをここに残した。この地下空間を満たす膨大なキラキラルはその「ルミエルのキラキラル」なのである。
そのルミエルのキラキラルはプリキュアたちを今でも見守っているが、実体を持って顕現することはできない。たまに幻影の姿で現れるのがせいいっぱいで喋ることもできない。なので、プリキュアたちに直接的な助力や助言はできないが、彼女たちの成長を促すための導きを示すことはある。
詳細はルミエルの項目にて。
第23話の戦闘で致命傷を受けたピカリオは、その肉体と魂がキラキラルに分解されて霧散する寸前に、ルミエルの意思によってそのキラキラルは彼女の祭壇に吸収された。それ以降はこの祭壇の上で幽霊のように半透明な状態でピカリオが眠り続けていて、39話で肉体を取り戻し復活するまでの休眠状態であった。
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