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概要編集

Go!プリンセスプリキュアに登場する魔女ディスピアを頂点とし、ディスダークの三銃士を始めとした絶望の僕達を従えている闇の勢力。


どんな人間達でも多少なりとも持っている「夢」いう心を忌み嫌っている(眠っている時に見る夢ではなく、未来への希望の意味の方)。世界中の夢を憎み、絶望に変えることを目的とする。

そしてディスダークの幹部たちは夢を奪われた人間の絶望からゼツボーグという怪物を作り出すことができる。それを使ってプリキュアたちと戦っている。


本編開始より少し前にカナタ王子の母国であるホープキングダムに侵攻、国民達の夢を奪って「絶望の扉」に閉じ込めた。

その結果、人々は死人同然に眠り続け、ホープキングダムは壊滅同然の状況となっている。そして王国の中心にあったホープキングダム城は乗っ取られ、ディスダーク拠点となった。

ディスピアが何故そこまで夢というものを忌み嫌うのかについては物語開始時点では不明であり、カナタ王子も理解に苦しんでいた。


ディスダークの特徴の1つとして、首領・ディスピアの統率力が強いことがある。

彼女の指示がない限りは勝手な出撃が許されておらず、任務外の目的で人間界に留まることも許していない。任務失敗に対してもかなり厳しく、容赦なく粛清しようとする。

これは2010年代に入ってからのプリキュアシリーズでは本作まで余り見られなかった傾向である。



構成員編集

上層部編集

ディスピア(CV:榊原良子
無題
ディスダークの「絶望の魔女」。絶望という概念から生まれた存在。第49話でプリキュアに倒された。
トワイライト(CV:沢城みゆき
トワイライト様
ディスピアの娘で、元ホープキングダムトワ王女。第13話から登場。第21話でプリキュアに救済される。

三銃士編集

ディスピアに仕える3人の幹部で、シリーズ恒例の三幹部的な存在。いずれもディスピアの魂から生まれた魔物で構成されている。

第13話から第21話まではトワイライトの指揮下に置かれ、第31話以降は復活したクローズがリーダーとなり、ストップとフリーズを加えた新体制になる。


クローズ(zcv:真殿光昭
クローズ
ヤンキー風の三銃士の一員。最初に絶望収集の任務に就くが、第11話で殉職。第31話で復活し、第50話でキュアフローラと停戦する。
シャット(CV:日野聡
シャットさん
貴族風の三銃士の一員。トワイライトを崇拝、キュアスカーレットに執着する。第46話でディスピアと決別。
ロック(CV:甲斐田ゆき
\その夢鍵掛けちゃうんだね~~!/
ゲーマー風の三銃士の一員。第23話から野心を露にし、第30話で殉職。第48話で復活し、シャットの影響で反旗する。

クローズの部下編集

ストップ(CV:井澤詩織)、フリーズ(声:伊東みやこ
MYSTIC VOICE
クローズに仕える双子の戦士。「絶望の種」から生まれた存在で、第31話から登場。第49話でクローズに吸収された。

怪物編集

ゼツボーグ(CV:中務貴幸)
ゼツボーグアイコン素材
ディスダークが使役する怪物。人間の夢を絶望で閉ざすことで誕生する。三銃士が使役する通常個体、トワイライトの強化個体、成長したロックの強化個体、ストップとフリーズの強化個体が登場する。
メツボーグ(CV:中務貴幸)
滅
ディスピアが使役する強力な怪物。ディスピアの分身ともいえる存在で、「ディスプラウト」というアイテムから誕生する。プリキュアを圧倒する力を宿す。

元構成員編集

ウォープ(CV:諏訪部順一
ナイトパンプキン&ウォープ
映画版に登場(イラストの右側)。闇のコレクター。ディスピアとの関係が悪化して独立した。パンプキン王国を乗っ取るが、最後はプリキュアに倒された。

展開編集

ディスダークは現場で活躍するキャラが時期によって変化して行くタイプの悪の組織である。

以下にその変化を記載。


クローズ決戦編(第1 - 12話)編集

ディスダーク三銃士のクローズがプリキュア討伐の任務の主導権を持っていた期間。

クローズはディスダークの「三銃士」と呼ばれるいわゆる三幹部の一員であるが、元々、人間界での作戦活動はクローズ1人に与えられていた任務であった。


最初のころは、次世代プリンセスプリキュア達が生み出されるのを阻止することを目的に、人間界にやって来たロイヤルフェアリーのアロマパフを付け狙っていた。

しかし、結局は次世代プリキュア誕生を防ぐことは出来ず、人間界に散らばった12本のドレスアップキーをプリキュア達が揃える前に倒してしまおうと、ゼツボーグを生み出し続けている。


もし、12本のキーが全てプリキュア達の下に集まれば「絶望の扉」が開放され、全ての夢が取り返されてしまうので、ディスダークからすれば何としてでも避けなくてはならない。

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上述したとおり、人間界での作戦活動はもともとはクローズ一人に与えられていた任務であったのだが、第5話に至るまで毎回失敗を重ねてプリキュアの誕生を許してしまう。

その責任をとる形で第6話からクローズは謹慎を申し渡され、以後しばらくはシャットロックが出撃している。


しかしクローズはその屈辱に耐えきれず、最後のチャンスをディスピアに懇願して第9話にて再び出撃。それでも敗北したためにもはやディスダークに帰ることもできなくなり、最後はただ私怨でプリキュアたちを倒そうと付け狙うようになる。

第11話では、クローズは命をかけてプリキュアを倒すことを決意し、フローラに対して憎悪の感情をぶつけて猛攻撃をしかけ、フローラがもつ夢に対して「迷惑な夢」と吐き捨てるが、夢の目標が決まっていくプリキュア達に逆転されそうになる。

遂に最終形態となったクローズは「夢なんてない」「希望なんてない」「未来なんてない」とプリキュア達を追い詰めるが、彼女達が得た新しい必殺技を受けて倒され、主君であるディスピアの名を叫びながら消滅した。

ごきげんよう…鳥クローズさん


この時期のディスピアはあくまでプリキュア討伐を優先するようクローズ達に指示していたため、結果的に人間界への大々的な侵略活動が抑えられている。

ただ、三銃士達はプリキュアのことを無視していいなら、ゼツボーグを無差別に暴れさせて人間界など簡単に落とせると豪語している。

また、プリキュアとの戦いの過程で無関係な一般人が巻き込まれることにはなんら躊躇も遠慮もないので、三銃士たちは基本的に人間達を虫ケラのようにしか思っていないのは確かである。


トワイライト登場編(第13 - 22話)編集

ディスピアの娘・トワイライトが任務主導権を担当するようになった期間。

ディスダーク三銃士の生き残りであるシャット・ロックをトワイライトが指揮するという上下関係の構図になっている。特に、シャットが従者となることが多い。


目的などは三銃士編と変化はないが、トワイライトが執着している「偽者のプリンセス打倒」への意向が色強く出る様になる。

第16話からは、プリキュア達に新しい力を与えるとされる「ミラクルドレスアップキー」強奪・破壊に重点を置くようになる。


この期間は、トワイライトがディスピアから授かっていた「ブラックキー」と称されるアイテムを用いてシャットやロックを強化させて出撃しており、強化された幹部が生みだすゼツボーグもパワーアップしている。

気高く、尊く、麗しくゲーム機が気になるトワ様


第18話でプリキュア達がミラクルドレスアップキーをコンプリートしたことで、いつも余裕の態度であったトワイライトも本腰を入れることを決意、ディスピアから授かった2個目のブラックキーを用いてプリキュア達を圧倒する。

戦いの最中、トワイライトはプリキュアに対して「偽者のプリンセス」と罵倒、「高貴なる者は生まれた時から高貴なる者」「努力を重ねたところでプリンセスにはなれない」と現実を突き付けるが、自分だけが目指せるプリンセスがあるとフローラに反論され、己が理想とするプリンセス像を決めた彼女に逆転される。

そして、トワイライトはミラクルドレスアップキーの力で強化したプリキュア達に追い詰められ、初めて撤退を余儀なくされる。


第20・21話では、ディスピアから「失敗作」と酷評される程に落ちぶれたトワイライトは名誉回復のため、事前入手していた「プリンセスパフューム」に3個目のブラックキーを差し込むことで「ブラックプリンセス」という、最早トワイライトとしての自我も失われた暴走形態に変身、プリキュア達を打倒寸前まで追込む。

しかし、兄・カナタの説得とキュアフローラの必死の想いを受けたことでトワイライトは浄化され、本来の姿であるトワに戻ることに成功。

Go!プリ 第18話 トワ様激おこ降臨!ブラックプリンセス★絶望よりも深いモノ…ダークオーブの姫君


トワイライトの正体は、ホープキングダムの王女にして、カナタの妹「トワ」であった。ディスダークを離脱した彼女は「キュアスカーレット」として罪を背負いながら生きて行くことを決意し、ついにプリンセスプリキュアの仲間となった。


ロック下克上編(第23 - 30話)編集

ディスダーク三銃士の1人であるロックが任務主導権を得ることとなった期間。

首領代行ともいえる立場になったロックが、同僚であったシャットを強引に指揮するという構図となっている。そのため、この期間のシャットは鬱憤を晴らすため旅に出ている。


第22話の戦闘で傷を負ったディスピアが「絶望の森」で傷を癒し、力を蓄えることとなり、その期間中はロックに主導権が与えられた。ディスピア復活・強化のための「絶望の力」集めが主な活動になる。


主導権を得たロックが、いままで隠していた本当の力を発揮し、少年の姿であったロックが青年の姿となったのもこの時期である。

また、ゼツボーグもロックが所持するアイテムによって強化されており、赤い角と翼が生える様になり、瞳も黄色いものに変化している。

ロックさんロック様らくがき


第28話で絶望のエナジーをいっきに溜めるために「ドレスアップキー」をねらい、プリンセスプリキュアに対抗するため自身の分身を2人分つくり、結果として9個のドレスアップキーを強奪することに成功する。

奪ったドレスアップキーを「絶望の檻」に封じ込め、絶望のエナジーを大量に入手。

これによりディスピアを復活させるかと思いきや、集めた「絶望の力」をホープキングダム城に注入し、巨大なゼツボーグ要塞を生みだして人間界へと侵攻する。

実はロックはディスピアの僕という身分に不満を秘かに持っており、いつかディスピアを超える存在となり、世界を楽しい絶望で満たそうと企んでいたのである。


第30話では、ゼツボーグ要塞と共にロックはプリキュア達と交戦するが、結果として奪取したドレスアップキーをプリキュア達に奪還されたため、本気になったロックは最終形態となってディスピアをも超える存在となる。

しかし、皆に託された想いに応えるため未来を切り開くことを決意したプリキュアに逆転され、ロックは「皆とか想いとかどうでも良い」「僕は王となる」とプリキュアとは正反対の独りよがりな野望で反撃するが、新しい必殺技を得たプリンセスプリキュアによって倒され、ロックの悲願である下克上劇に幕を閉じる。

\ロックユアドリームプリキュア/竜ロック


倒された後は、身を包んでいたパーカーが消滅すると同時に妖精の姿に変わってしまった。

実は、ロックの男の子の様な身体部分はホープキングダムの妖精「クロロ」に憑依して得た姿であり、本体となる部分は「パーカー」などの服装部分であった。

ロックから解放されたクロロはミス・シャムール保護下に置かれて睡眠状態にあったが、第33話で目が覚めた。


絶望の種編(第31- 39話)編集

かつてプリンセスプリキュアによって倒されたクローズが地獄から復活し、ディスダークのナンバー2となって主導的に活動する期間。

さらに、クローズが「絶望の種」から生み出した新幹部のストップフリーズのほか、三銃士のシャットを従わせるという構図になっている。


クローズから絶望のエナジーを受取ることでディスピアが目覚めたため、ディスダークは再度ディスピア直接統治の下に置かれることとなった。

今まで拠点として使用していたホープキングダム城は、ロックとプリキュアとの決戦の煽りで消滅してしまったため、ディスピアは城跡地に無数のイバラを生やして新しい「絶望の森」を作り出し、以後はここが新拠点となる。


伝説の12個のドレスアップキーをプリキュア達に全て揃えられてしまったこともあり、人間界を絶望に染め上げる侵攻計画をディスピアは本気で決断。

侵略の下準備として人間界に無数に「絶望の種」がばらまかれ、この種を「絶望の森」として育てるために人間達の絶望を集めることが、復活したクローズに与えられた新しい目的となった。

クリスタルプリンセスロッドの販促に使われた人ストップ&フリーズ&クローズ


第38話にて、クローズがはるかをプリンセスプリキュアの中心であることを確信し、希望に溢れる彼女を絶望させるために行動し、ノーブル学園に「黒須」(くろす)という男子生徒に扮装して潜入を計る。

表向きには、はるか達の夢を応援することで油断させた後、単独になったはるかにクローズとしての正体を明かして襲撃して追い詰めるも、既に成長していたキュアフローラには通用しなかった。

しかし、偶然にもカナタの言葉によってはるかが絶望したことでクローズの作戦が功を奏し、彼女の絶大な絶望を吸収した絶望の森が成長したことで夢が浜の町を覆ってしまう。


第39話ではクローズが次々と人間達を絶望させて無数のゼツボーグを生み出して行くが、そこにキュアフローラを除いたプリキュアと交戦となるも、ストップとフリーズを呼び出したことで優勢になる。

しかし、自力で立ち直ったはるかがキュアフローラとして復活したことでクローズが動揺、「夢はお前を追い詰める」「プリンセスなんてなれやしない」とフローラに猛攻撃を仕掛けるが、痛いのも苦しいのも受止めてでも夢を叶えることを決意したフローラに逆転され、結果としてクローズの絶望の森を使った計画は潰えることとなった。

【ぷり】黒須くん【きゅあ】クローズさんかっけええええ!!


また、この時期からシャットの待遇が以前よりも悪化しており、上司となったクローズには凄まれ、同僚のストップとフリーズからは相手にされず、迷走しては落ち込むことが多くなっている。


メツボーグ編(第40 - 47話)編集

絶望の森の計画が失敗に終わったことで猶予がなくなり、支配しているホープキングダムの「炎の城」「星の城」「海の城」「花の城」4つの城をプリキュアに解放されないように動き出す期間。

構成員や基本的な作戦などは「絶望の種編」と変化はないが、「メツボーグ」というディスピアの分身である怪物を使役することもあり、人間の「より強い絶望」に重点を置くようになる。


第45話にて、ディスピアから最終通告を受けたシャットが最後のチャンスとして、メツボーグを使役してプリキュア達に襲撃を仕掛けるが、結果として敗北してしまう。

第46話では、シャットは自分が落ちぶれたのはトワのせいだと決め付けて憤慨。ロックやクローズには見下され、ディスピアからは見限られたことへの鬱憤から強化形態となり、さらには自身の絶望の力で最終形態と変貌して暴走するが、プリキュア達の必殺技を受けて元の姿に戻る。

そして、トワから救いの手を差し伸べられるシャッであるだが、シャットはそれを拒んでどこかへと去って行く。

獣化第一形態シャット

第47話にて、最後の砦である「花の城」を死守するため、クローズが小鳥に化けてはるかを城へと誘導し、彼女を騙すためプリンセスにさせて夢を叶えさせるが、はるがが理想としたプリンセスではないと拒まれ、正体を明かしたクローズとキュアフローラの一騎打ちになる。

クローズは「グランプリンセスにはいつなれる」「終わりのない夢を追い続けている」とフローラを精神的に追い詰めるが、逆に夢に終わりがないことがフローラの強みになり、さらにはフローラが目指す夢が具体化されたことで逆転され、挙句の果てには最後のメツボーグまでも倒される。

宿敵つよく、やさしく、美しく


花の城が解放されたことで、支配していたホープキングダムが解放され、ディスダークのアジトまでもが消滅したため、決戦舞台は人間界へと移行する。


最終決戦(第48 - 50話)編集

開放されたホープキングダムを放棄したディスピアが、人間界への総攻撃を開始する最後の決戦に突入する期間。

構成員はシャットを除くクローズ達、そしてプリキュアに倒されたロックもディスピアの操り人形のような形で復活、離反したシャットも駆け付けてディスダーク三銃士が本編で初めて3人揃うこととなる。


第48話にて、復活したロックがディスピアのために絶望を集めるも、ゆいの活躍によって絶望のエナジーが抜けだして弱体化するロックであるが、以前のような偉そうで野心家であった部分が欠けているとシャットに一喝されたことで自我が蘇り、ディスピアの洗脳から解放される。

この時点のシャットは、ゆいの奮闘を見た影響で、プリキュアを助ける決意を固めた。

そして、プリキュアの必殺技を受けたことでロックを撃退、ついにディスピアが自ら動き出す決意を固める。

三銃士変わるぞ、私たちも!


第49話では、ディスピアがクローズを吸収して世界中をイバラで覆い尽くし、さらにはプリンセスプリキュアを変身解除まで追い込んだ。

しかし、パフ&アロマや学園関係者達の奮闘、さらにシャットやロックの力を借りたクロロが反旗をしたことでプリキュアは「グランプリンセス」へと覚醒、遂に絶望の化身であるディスピアを倒した。

しかし、依然としてホープキングダムの住人の夢は封じられたままであり、ディスピアは倒される間際に「忘れるな、絶望は…」と言い残していた。

未来への選択「がんばるロロ!」「だね!」


第50話では、ディスピアが消滅の間際に全ての力をクローズに託したことが判明し、ディスピアの力を得たクローズがプリンセスプリキュア最後の敵として君臨。

クローズは絶望そのものであるディスダークが不滅であると豪語、世界を再度イバラで覆い尽くしたあと、クローズに話をしに来たキュアフローラと因縁の決戦となり、ストップとフリーズを駆使してフローラを追い詰める。

戦闘の最中、絶望は消えないと主張するクローズに対して、フローラは夢同様絶望も消えないことを理解。「夢だけでなく絶望も自分を成長させてくれた」と絶望をも受入れたフローラにクローズは興醒め、戦闘を途中で放棄。「俺は絶望がある限りまた現れ続けるが、今のところは消えてやる」と宣言。フローラと別れの言葉を交わした後、どこかへと消えて行った。フローラもまた絶望の化身であるクローズを消し去ることは出来ないと知ったため「ごきげんよう」の言葉で彼をただ見送るのみであった。

フローラはクローズを倒す訳でも許した訳でもなく、クローズもフローラと和解する訳でも改心した訳でもないが、互いの存在を「理解し合った」が故にどちらも悔いの感情は残さなかった。

はるかな夢へ


クローズとフローラが互いに休戦を決意したことで世界には取り敢えずの平和が戻り、プリキュアとディスダークの戦いは一応の終結を迎えた。

その後はホープキングダムと人間界は互いに干渉しない「遥か彼方」の世界同士として往来も禁じられる。これがこの2つの世界の本来あるべき姿であるため。

トワやカナタやロイヤルフェアリー達は当然故郷に帰還したが、改心したシャットは服装や顔のメイクなどを一新して人間界に留まり、ロックは三銃士としての力を失ったためにシャットのマフラーとして仕方なく人間界に住み着くことになる。

ディスピアの分身である彼らにとってはホープキングダムに帰属意識などある訳ではないであろうが、「悪役」の意地としてプリキュア達と馴れ合わないことを選んだともいえるかもしれない。

闇の力を失い、普通の人間同様な存在になった彼らが人間界でどの様に生きて行くのか……?それは語られぬまま終わったが、いわぬが花というところであろう。



結末編集

ディスピア後継者であるクローズがどこかに去った影響からか、シャット・ロックは生存しているものの、絶望の力供給が止まり空を飛ぶことも出来ない状態になったため、ほぼ無害の存在となる。

ここにディスダークという組織は事実上壊滅したことになる。


しかし、最終回で描かれたエピローグでは、ホープキングダムにおいては絶望の森は完全に消滅した訳ではなく、未だに残り続けていることが示されていた。

夢は必ず叶うものではなく、叶わない夢がある限り絶望は生まれる。故に夢の思いによって形成されるホープキングダムは絶望を必ず生み出す世界なのである。それは決して誰も否定出来ない事実としてあえて本作が残した負の面である。

森のイバラは今は眠っているかの様に大人しいが、いつの日かこの森からディスダークの様な組織が再度生まれることをカナタもトワも確実視している。

だがその時はまた、未来のプリンセスプリキュアが絶望との戦いに挑むのであろう。


叶わぬ夢が絶望を生む以上、夢を持つ限りは絶望を生む可能性は誰にもある。そして、カナタ王子が記憶喪失となった時、夢を忘れたが故に絶望に飲まれることもなかった。だが、夢破れて絶望に沈むことを恐れて、夢を持つこと自体を避けるのは寂しいことでもある。

絶望は夢の光がもたらす影であり双子の様なもので、いうなれば夢と絶望は表裏一体なのである。ディスダークは絶対悪と同時に必要悪でもあったといえるかも知れない。



制作スタッフ見解編集

実はディスダークの扱い方は、放映途中に180度の方針転換がされている。

元々は視聴者がディスダーク側のキャラに感情移入しない様に、余り敵側の描写をする予定はなかったという。


『Febri』Vol.30(2015年8月10日発売)で今作のシリーズディレクターである田中裕太は、『フレッシュプリキュア!』以降「敵が改心する」というパターンが多くなって来たことで、初期の頃の様な「敵が改心せずに倒される」という展開がし辛くなっている現状を指摘している。

シリーズ構成・田中仁も、ディスダークについては「シリアスかつシンプルな悪」と位置づけている。

そのため、今作企画の早い段階で「敵は悪くて怖い絶対悪の存在」と位置付けられており、「今年の幹部は倒す」とまで宣言している。


実際にこのインタビューが掲載された時期まではそれが忠実に守られており、クローズは悪の誇りを貫いて散り、シャットは嫉み妬みに捉われた小悪党で、ロックは外道そのものと言った感じで、単純に憎たらしい敵としてしか描かれていない。

この時期からOPが2番に変更されるが、この歌詞に『悪はバンバンバン倒す 私達でいたいね』というフレーズがあることも、悪いディスダークはプリキュアがやっつけるんだという分かりやすいテーマが強調されていた。

なお、映画版の敵キャラクターであるウォープナイトパンプキンも同様で、彼らは「同情の余地もない外道」であると、担当声優の諏訪部順一中尾隆聖がインタビューで述べている。


ただし、3クール目に入ってからは、

  • クローズが復活。フローラに対し強い敵意を持ちつつではあるが、彼女の思想に一定の理解を示す様になる
  • シャットが1度倒された後にディスダークを離脱。最終決戦時にディスピアに反旗を翻す
  • このシャットの行動に理解を示したロック(復活後)もディスダークを離脱

という展開が続き、シャットやロックは勿論、クローズも最後まで消滅することはなかったため、最終的にかなりの数の幹部が生き残ることとなった。

クローズ&シャット&ロックの3人とも決して和解はしていない(シャットだけはある程度改心している)ものの、プリキュアや人間達の行動に影響を受けており、シャット・ロックに至ってはディスピアを倒すため、呉越同舟的な形で一時的にプリキュア・人間側に協力することとなった。

結局、『Febri』インタビューでの決意表明とは異なる方向性で決着したこととなる。


どうしてこういうこととなったのかについては、放映終了後に刊行された『Go!プリンセスプリキュア コンプリートガイドブック』で田中仁が事情を語っている。

本作が元々は敵側の描写を同情の余地なき悪党にしようとした理由は上述の通りなのだが、もう一つ理由があって、それは「尺の問題」ということ。

田中仁は「本作はプリキュアとなる少女達の心の交流と成長を描くのがメイン」としており、シナリオのすべての尺をできる限りプリキュアメンバーの視点に集約する様に物語を構成している。

このことは徹底しており、そもそも全寮制学園という閉ざされた空間が舞台になったのも主人公達がいつも一緒にいることに説明を省略するためとしている。例えば、過去作であると学校時間帯なら一緒に入れるかもしれないが、それ以外の時間帯ならば移動し、集合する描写が僅かでも必要となる。何より家族の描写も必要になるであろう。それら全てカットして不自然でない舞台設定が全寮制学園であったのである。

当然、敵サイドに関して細く描くのも否定的で「最後まで描ける尺があるならやるけど、尺がなくて中途半端になるなら止めるべき」と考えていたということ。

クローズが倒された11話についても、あくまでフローラ側の視点による彼女のドラマとして脚本が描かれたのである。クローズはそのドラマを盛り上げるための悪役で、だからこそ悪役らしく散って行った。


だがその第11話の脚本を書いていた時に、プロデューサーから「クローズを復活させる展開にできないか」と打診されたらしい(※本作ではプロデューサーが複数人いるが誰かははっきりしない)。

クローズは悪の華として散るのが最大の見せ場なので復活なんてしてしまうと構成が崩れるとして最初は否定的だったものの、クローズの復活なんて考えてもいなかったので「もしも復活させたらどういう物語になるのか」ということにも同時に興味を持つようになったようだ。

そして第11話の放映を見たときに、クローズ役の真殿光昭の快演に心が打たれたことと、クローズを倒したときのフローラの「ごきげんよう」の表情にとても複雑に見えたことで、この二人の物語も続きを書けるかもしれないと思い直したということ。

そして、中途半端になるから敵に関しては細かい描写はしないと考えていた以上は、敵に関して描くなら中途半端は許されないとして、フローラとクローズの関係性を物語クライマックスに置く形で構成を作り直したのである。

そしてクローズが復活させるのにロックだけ退場させるのは寂しいということでロックも最終的に復活して見せ場を作ってやり、ならばシャットも……という流れになった。ロックの本体がフードという設定は初期からの構想であったが、妖精のクロロに取り憑いているという設定はロック復活の構想が固まってから加わった後付け設定である。


田中仁は『ドキドキ!プリキュア』からシリーズの脚本チームに参加しているが、「敵キャラを細かく描写しようとすると、多くのスタッフが視聴者以上に敵キャラに感情移入しすぎてしまう」ということを体験談として語っている。そして、「今回は敵を細かく描くことは尺の都合で難しいので感情移入し過ぎないようにと1番頑なであった自分が、結局は思いきり敵に感情移入してしまった」と皮肉を交えて述懐している(穿った見方をすれば、『Febri』インタビューで指摘された「最近のプリキュアが敵を倒せなくなった問題の原因」の1つが垣間見えたといえるのかもしれない)。

なお、もし当初の構想通りにクローズが復活しなかった場合は、2番目にシャットが倒されて、次にロック、そしてディスピアとの決着で終わる予定であったそうである。


ちなみに、ラスボスがクローズなのかディスピアなのかについては、スタッフ見解ではあくまでディスピアがラスボスとしている。最終回でのクローズとの一騎打ちは戦いではなく対話という位置付けなのである。

(歴代作品のラスボスのコピーが現れる『プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!』でゴープリ枠で出演するのもディスピアである)


最後の敵が最終的に「改心しないまま立ち去った」路線の先駆け編集

前述の通り、ディスダークはクローズが最後の敵として立ちはだかったものの、最終的には改心しないまま立ち去るという結末を迎えている。

この様な展開はプリキュアシリーズにおいては初の試みであり、これ以降の作品でもクローズと近い結末を迎える最後の敵が現れる様になるなど、クローズは倒されることも改心することもなく立ち去った敵の先駆けともいえる存在である。


クローズに近い結末を迎えた最後の敵として、『キラキラ☆プリキュアアラモード』のエリシオと、『スター☆トゥインクルプリキュア』の蛇遣い座が挙げられる。

この2者とクローズの共通点として、エリシオは主の力を得て最後の敵となったところが共通し、蛇遣い座は再降臨を示唆するところが共通している。



関連項目編集

Go!プリンセスプリキュア

プリキュアの敵一覧


  • ナイトメア:絶望の力を行使するプリキュアの敵組織繋がり。こちらも首領は女性である。
  • ビョーゲンズ:絶対悪として描写されているプリキュアの敵組織繋がり。こちらは作品スタンス上、終始「シリアスな悪」且つ「同情の余地なき悪党」を貫き、最終的に全滅の末路を辿った。ディスダークの当初の構想が5年越しに実現した形といえる。


プリキュア歴代敵組織編集

幻影帝国ディスダーク闇の魔法つかい/終わりなき混沌

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