「大丈夫……きっと絶望なんて乗り越えられるよ! ここはノーブル学園。夢を叶えるための場所だもの!」
概要
元絵本作家の望月ゆめが50年前に設立した全寮制学校。本作のプリキュア変身者たちは全員がこの学園の生徒である。
全寮制というイメージから女子校と勘違いされやすいようだが、共学(現実にも全寮制の共学校は、ごく僅かながら存在する)である。生徒寮は男女別だが、教室内や学校の施設内には普通に男子生徒たちがいる。学内では男女共同で参加する交流イベントも多彩。きらら曰く「紳士・淑女の学校って感じ」。中高一貫校か中学単立校かは明示されていない。第44話に登場する書類(要約すると『一条らんこの本人像を作らせろ、これが卒業までのラストチャンスである』)によると、仮に高等部があっても別の敷地の様子。
プリキュアシリーズ初となる全寮制の学校が登場する。
制服
学園の創設時は既存の学校と同様にセーラー服と学ランであったが、現在に於ける制服は男女共にいわゆるセーラーブレザーである。
女子制服は身ごろが薄い紫のセーラーカラーでパフスリーブのトップスに、白いジャンパースカートのようにストラップが太い吊りスカート。
リボンタイは原則的にピンク、生徒会役員は青を着用。またきららのように多少のカスタマイズは許される様子。女子用のジャージは「N」の文字が左胸部分に入ったピンク色である。
(左:女子冬服、右:女子夏服)
男子の制服はセーラーカラーのブレザーに水色のシャツで、身ごろは女子制服と同色の紫、ボトムスはグレー。ネクタイは紅色(生徒会役員の場合は青)で、男子用のジャージは緑色。バッグも「N」のロゴが入った指定のバッグがある。
校風
「生徒の自主性」を強く重んじる校風で、伝統と風紀を守るための厳格なルールがある一方、そのルールを破らない限りはどんなことでも生徒達がやりたいことを学校側は否定しない。また、その厳格なルールの多くは学校の教師たちが生徒に押しつけたものではなく、歴代の生徒達が協議のうえで自ら作り出した自治のためのルールである。それゆえに、現行の生徒たちもそれらを軽くは扱わない。そして、そのルールを変更したり追加したりするのもあくまで生徒達の自主的な判断によって行われる。部活も活発で、それもアマチュア範囲ではなく運動部・文化部双方共に将来のプロフェッショナルを養成するためにふさわしい高度な指導が行われている。
在学中からの芸能活動など、実際に職業的な活動を行うことも何ら問題なく認められている。
自分の将来の夢をしっかり持っている少年少女には理想的な環境であり、この学園からは様々な業界で活躍している有名人を輩出してきた。きららの母であるスーパーモデルの天ノ川ステラもここの卒業生である。
これらの実績から「みんなが一緒に生活をして、夢を叶える学園」として世間で高い評判を持つ。
当然、この学園に入学を希望する生徒たちは強い「夢」を持つものばかりである。それ自体は素晴らしいことではあるのだが、ゼツボーグの素体適合者が揃っているという皮肉な状況も作り出している。
挨拶は「ごきげんよう」。因みにこちらはフレッシュプリキュアの山吹祈里/キュアパインが通う白詰草女子学院でも用いられていた。
立地環境
場所は海沿いの陸地に近い島にあり、風光明媚な好環境で、島を繋ぐ橋の向こうにある市街地「夢ヶ浜」へも路線バスでアクセスが比較的容易に可能であり寮の門限に間に合うなら遊びに行ける。夜間などは許可申請が必要な場合もある。
この島は断崖や森に囲まれた場所もあり、人があまり踏み入れない場所も数多くある。
施設
敷地内には男女別の学生寮や学生食堂、教室棟といったスタンダードな学校の設備からバレエの練習場やパーティーホールなどもあり、生徒を育成させるための恵まれた環境が整っている。
これらの施設はかなりの歴史を感じさせる木造建築で、この学園が作られた時代の風情を残している。
内部構造やインテリアはどちらかというとシャビーシックで落ち着いた雰囲気なのも特徴。時間が止まったようなノスタルジックな温かみが醸し出されており、悪目立ちするような豪奢さは抑制されている。
女子寮
女子寮は2段ベッドと机と棚を備えたゆったりとした間取りの2人部屋で、清掃や消灯時の見回り当番などは生徒が分担し、上級生がある程度生活面の指導も行う。寮もかなり古い建物なので最先端の設備に恵まれた快適さとはほど遠いのだが、その不便さが生徒の自立性を高めてもいるようだ。
女子寮には年配の寮監である白金がいるが、基本的なことは生徒の自治に任せている。
当然のことながら男子禁制で、第14話では人間の男子に変身してしまったアロマのおかげで、あわや女子寮でパニックが起こる寸前となった。
男子寮
男子寮の様子は詳細不明だが、女子寮と似たような感じで学生の自治をしている模様で、学生のうちから寮の代表者が選定されている。
第二生徒会室
ノーブル学園内に、誰からも忘れ去られたような小さな建物がある。これは「第二生徒会室」と呼ばれるが、ほとんど使われないものであるということ。
キュアマーメイドこと海藤みなみは生徒会長なので当然出入りできる権利を持ち、その特権を利用して、プリンセスプリキュアたちの拠点として使用している。
他の生徒会メンバーも同じくこの部屋に出入りする権限はあると思われるが、プリキュアの秘密基地になっていることは気づかれていない。本作のプリキュアは夢ではなく現実の存在として徐々に受け入れられているが、最終的にここをプリキュアの拠点として認識し出入りした一般人は、第10話で正体を知られた七瀬ゆいのみである。
秘密のローズガーデン
学園の敷地にある森の奥を抜けた海沿いの崖に、在校生には一切知られていない秘密の薔薇園がある。
薔薇園の中央には風車と水車が取り付けられた古めかしい小屋があり、常に清浄な水を庭園に送り続けている。
この場所の存在を知らされるのは卒業式の当日で、卒業生たちはこれからの人生の夢と目標を刻んだタイルをここの小屋に貼りつけ、バラの木を一本植えていくのが習わしである。
新たな卒業生たちはここで先輩たちが残していった夢の思い出を見せられることで、自分の夢を再確認し、新たな決意とともに学園を去る。
そして、後に続く後輩たちのためにここに自分の夢を残していくのである。
薔薇園の管理は女子寮の寮母でもある白金がしている。
卒業式の日以外では鑑賞する者が一人もいないこの薔薇園であるが、ここに残された無数の夢の残滓を見守るにふさわしい空間にするべく、いついかなる時期であっても常に美しい庭園として維持している。
しかしこの薔薇園の本当の価値は、見た目の美しさにあるわけではない。
「学園を卒業した人以外には、誰にも知られていない内緒の場所」という秘密が何十年も守られてきたという、その歴史そのものにこそ価値がある。
ゆえにここの場所を知った卒業生たちは、この場所のことは一切他言無用の誓約がなされる。
そもそもここが薔薇園として作られているのは、英語の慣用句「under the rose」にちなんだためである(直訳すると「薔薇の下で」だが、英語圏では伝統的に「秘密」の意味を持つ)。
外部の者にはもちろん在校生たちにも見つからないように、この薔薇園のある崖には地上の道からは辿り着くことができないようになっている。ここへは専用の鍵を用いた秘密の地下通路を通ることで初めて行くことができる(手の込んだ大仕掛けなので卒業生の誰かが造園家や建築家になり秘密裏に制作したのが妥当と言える)。
管理している白金も元々はノーブル学園の卒業生なので、秘密を共有することを許されている立ち位置にある。水車小屋のタイルの寄せ書きは彼女の代から始められたそうだ。
プリキュアシリーズのファンの中には秘密の薔薇園といえばプリキュア5のキュアローズガーデンを彷彿とする人も多いだろうが、ここはあのような「普通の人間が立ち寄れないファンタジックな異世界」などではなく、ただ単に「誰にも内緒の場所を洒落っ気で作り出している」だけなので、大分意味が異なる。
イベント
伝統ある名門校だけに、イベントも数多い。
球技大会
どんな学校にもある行事ではあるが、ノーブル学園では通常の共学校と異なりすべての競技が「男女混合」となる。これはクラスメイト同士の親睦を深めるためという目的のため。同じクラスでも男子と女子は分かれてしまいがちなので、交流の機会を作ろうというわけである。
このことから見るに、ノーブル学園は男女間のコミュニケーションの考え方について、生徒たちが自らを律して「やらかさない」ことに信頼を置いているのだと言える。
ノーブルパーティー
毎年開かれる名物イベントで、男女ともが正装して参加する晩餐会。
上述したようにゴテゴテした豪奢さはあえて抑え気味なノーブル学園だが、このイベントだけは特別。
学業に勤しむ普段の日常から離れた夢の時間を楽しむものであるため、目一杯着飾ることが推奨される。
だがこれは、衣装はすべて自前でなんとかして準備しなくてはならないことを意味している。
ドレスコードのようなものがあるかは不明だが「女生徒はみんなドレスを着る」とのこと。下手な衣装で参加することは恥をかくも同然なので、レクリエーションのように見えて実は結構な試練の場と言えるかも知れない。手製のドレスを縫うもの、既製品を用意する者など様々である。
男子もタキシード(男子生徒副会長の今川シュウのみ水色の燕尾服)などを着用し、ダンスイベントなども設けられる。
パーティに供される料理や、バックで流れるオーケストラの音楽の演奏も学生達によってなされる。ただし、義務教育期間中の未成年であるためカクテルは本物の酒ではなくジュースをそれらしくブレンドしたものである。
ファミリーデー
1年生の家族をノーブル学園に招待し、もてなすイベント。入学から3か月後ぐらいに開催される。
劇中では春野一家が登場。七瀬ゆい、藍原ゆうきの家族、天ノ川きららの父親は未登場だった。天ノ川ステラはモデルの仕事のため欠席。
招待されたご家族の方々をどのようにもてなすかは一年生の生徒たちが自ら企画し、すべての運営を自分たちで行う(生徒会が指導的立場にたちサポートはしてくれる)。入学からわずか3ヶ月でどれだけ子供たちが自立したかを体感できるので、招待される保護者にとっては感きわまるものだろう。
劇中では野外での立食パーティーや、講堂でのバレエの演技が行われていた。
夏休み・冬休み
ノーブル学園も普通に夏休みや冬休みはある。
ただ、授業が休止されるだけであって、寮は休暇中も普通に生徒たちの生活の場として機能しており、白金さんは常駐している。
ただし、基本的に長期休暇期間では生徒たちは帰省が許されるので、ほとんどの生徒は休暇期間中に寮では生活しない。
これはプリキュアメンバーに対しても例外ではなく、夏休み期間中は紅城トワを除くプリキュアメンバーがみんな実家に帰省しており、故郷への帰還が許されないトワは閑散とした寮での生活を強いられた(ただし仲間たちはスケジュールの都合がつく場合は、各人がトワを自宅に招待してお泊まりさせている模様)。冬休みではトワもカナタと共に錦戸邸に招かれており、そちらで年末年始を過ごしている。
ハロウイン
ハロウインの時期は学園をあげて大々的に仮装パーティーをすることが劇場版で描かれた。
クリスマス
クリスマス時期には学舎全体にモールや飾りつけを生徒たちの手で行い、寮単位でパーティーを行う。ノーブルパーティーとは逆にこの時は男女別であることが特徴。
45話で開催された女子寮のそれは、クリスマスと無関係に各生徒が芸を披露してどれだけ受けたかを競うというハイテンションなノリだったが。男子寮の方はどんなノリだったかはちょっときになるところだ。
その他の突発イベント
その他、学生たちが何かイベントをしたいと思えば、その計画書を丁寧に書いて生徒会を通し、そして会長が学園の理事運営にプレゼンすることができれば、どんなイベントでも開催することができる。今代の生徒会はお祭り好きの西峰あやかの影響もあってか、割と突発的なイベントが開かれやすいようだ。19話の宝探し大会(第二回目らしい)、43話のドリームファッションショーなどがある。
主な学園関係者
学生
一年生
二年生
三年生
学園長
教職員
OB・OG
部活動
作中で登場した部活は以下の通り。
生徒会メンバー
生徒会長は一人だが、それ以外の役職は男女別にそれぞれ存在する。
みなみ以外の名前の元ネタは言うまでもなく「古今東西」である。
なお生徒会役員の証として女子はリボン、男子はネクタイが青色になっている。
勘違い
第一話放送当時のTwitterでは卑猥な名称と勘違いした人が多かったとか。
関連タグ
ノーブルデーモン学園:ネタ
キュアノーブル:8年後に登場するプリキュア。同じくノーブルがつく。