もしかして→カルテル
🍸概要
数種類の酒や炭酸飲料、ジュース、氷などを混合してつくったアルコール飲料の総称。
一般に「サワー」「チューハイ」と呼ばれるものもカクテルの一種である。
種類が非常に多く3000~5000種類、あるいはそれ以上と言われている。
日本に渡来したのは明治初期で、東京の市民の間でカクテルという名前が知られるようになったのは大正元年、下町にバーが出現してから。
飲み干す時間による分類
短時間で飲み干すことに適したカクテル。
一般にアルコール度数が高く、量は少なめ。冷たいうちに飲み切ってしまわないと、味が落ちるとされる。
ある程度ゆっくり時間をかけて飲むことに適したカクテル。
スタイルによる分類
蒸留酒にレモンジュースとシロップを加えたカクテル。日本ではソーダ水を入れる場合が多い。
蒸留酒またはリキュールにレモンジュースとシロップを加えてシェイクし、タンブラーに注いでソーダ水を加えたもの。
作り方はフィズと同じだが、容量の大きいコリンズグラスに注いでソーダ水を加えたもの。このためフィズよりアルコール度が低くなる。
蒸留酒にレモンジュースとシロップを加え、水やソーダ水、ジンジャーエールなどを注いだもの。お湯を注いでホットにすることもある。
シロップを入れたグラスに蒸留酒を入れ、水あるいは熱湯を加えたもの。
蒸留酒にライムまたはレモンの果実を搾って入れ、ソーダ水を加えたもの。シロップを加えないためキリッと爽やかな味。マドラーが添えられ、果実を潰して好みの味にできるようになっていることもある。
かき氷スタイル。細かく砕いた氷(クラッシュドアイス)に甘口のリキュールを加えたもの。
数種類の、比重の異なるリキュールや蒸留酒を混ざらないように重ねて作ったもの(2種類の場合はフロートという)。飲むときも混ざり合わないようにしながらストローで飲む。
材料を氷と共にミキサー(バー・ブレンダー)にかけ、シャーベット状に仕上げたカクテル。氷は通常、クラッシュドアイスを使用する。
その他の用語・器具
スノースタイル
グラスの縁に砂糖または塩をまぶしたもので雪が凍りついたように見える。グラスの縁をレモンまたはライムの切り口にあてて1回転させ、平らな皿に広げた砂糖または塩をかぶせて回し付ける。
カクテルピン
オリーブやチェリーなどをカクテルにデコレーションする際に用いられるピン。様々な色や形状のものがある。
基本の製法・技法
ビルド
材料を直接グラスに注いで作る。
ステア
(1)バースプーンで手早くかき混ぜて作る。「ステアする・軽くステア」と表される場合はこちらの事を指す。
(2)ミキシンググラスと呼ばれる別の容器に、氷と材料を一緒に入れて、材料を混合しながら冷却する。
シェイク
シェイカーに氷と材料を一緒に入れ、シェイカーを振ることにより材料を混ぜる。この時に中の氷を砕いてはいけないので(味が薄まるから)、ほとんどのバーテンダーはひねりを加えて振っている。
ブレンド
ミキサー(ブレンダー)を使い、材料とクラッシュドアイスを細かく混ぜて作る。
カクテルの語源
いつ、どこで、どのように「カクテル」という言葉が生まれたのか諸説あり定かではない。
有力な説は以下
雄鶏のしっぽに見える木の枝
18世紀、メキシコのユカタン半島の町カンペチェの酒場で少年がきれいに皮を剥いだ木の枝で飲み物をかき混ぜていたのを見たとあるイギリス人船員が「それは何?」と聞いた。当時のイギリスでは酒はストレートで飲むもので、混ぜるのは非常に珍しかったからである。しかし少年は雄鶏のしっぽに見える木の枝のことを聞かれたと思って「コーラ・デ・ガジョ(Cola de gallo)」と返答した。
スペイン語で「雄鶏のしっぽ(Tail of cock)」を意味するこの言葉はやがてミクスド・ドリンクを意味するCocktail(カクテル)へ転じていった。
鶏の尾羽
独立戦争中のアメリカ、ニューヨークの酒場「四角軒」で女主人が独立反対派の大地主から盗んだ雄鶏と特製混合酒を兵士たちに振舞い、尾羽が酒瓶に刺してあるのを見た兵士が「Viva cock's tail!」と叫んだことから、その酒瓶に入っていたような混合酒を「カクテル」と呼ぶようになった。
卵酒
アメリカ、ニューオリンズに移住した医師が開いた薬局で販売していたラムベースの薬用卵酒で、フランス人が「コクチェ(Coquetier)」と呼んでいたその卵酒は病人以外にも売れるようになり、いつしかコクチェのような混ぜ物をした飲み物がアメリカ人に発音しやすいようにコクテール、カクテルと呼ばれるようになった。
メキシコ王の娘
19世紀、アメリカ軍とメキシコ軍の間に休戦協定が結ばれることとなった。
休戦交渉の場に調合した酒を持った美女が現れたが杯が1つしかない。どちらが先に飲むか、場に不穏な空気が流れるのを察知したその美女は自ら杯をあおり酒を飲みほしてしまう。すると場の緊張は解れ、交渉は成功に終わる。
アメリカの将軍がメキシコの王にあの機転の利く美女は誰かと尋ねると王は「私の娘でコクテル(Coctel)という」と答えた。
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