文化部とは、部活動の分類の一つである。
概要
運動部に属さない、主にインドアでの活動を展開する部活の総称。
一口に文化部といっても、その内容の幅は運動部の比ではなく、文芸部や美術部といった文化会らしいもの、オカルト研究会や漫画研究会といったマニアック臭漂うもの、各学校の運営方針によるがユースホステルや山岳部といった割と肉体派なものまでこのジャンルに放り込まれるケースもある。
吹奏楽部、合唱部、かるた部のように文化系のカテゴリーであっても練習内容が体育会系に近いものもある。
ただし小中学校では、生徒が部活動を新設できない場合がほとんどであるため、ありきたりな部活しかないことがほとんどである。高校でも生徒が部活動を新設できないことが多く、仮にできたとしても実際に新設されることは少ない。大学では公認団体になれるかは別として基本的にどのようなサークルを作ろうと学生の自由である。そのため高校までと異なり部活動の種類が格段に増える。また、実務系の部活、落語研究会、ユースホステル研究会などは大学にのみ存在することが多い。
また、宗教系の学校では宗教系の部活が存在することもある。
運動部と異なり、成績を求められなかったり、そもそも成績を測れないようなテーマの部も多く、「部活の名を借りたフリースペース」となることも多い。
またアジア・北アメリカなどでは肉体鍛錬と上下関係育成の見地から運動部を優等に見る傾向が強く(ジョックス、後述のナードの対義的な存在)、文化部は活動が目に見えにくいことから「怠けている」と決めつけられたりすることが多い。特にアメリカ合衆国では文化系差別が深刻で、文化部所属者(演劇部員は例外)は男女の別なくそれだけでいじめの対象(ナード←あえて日本語訳すればオタク)にされ、殺人事件に発展することもあった。アメリカが長年抱える社会問題である。
例:コロンバイン高校銃乱射事件(実際は動機不明であるが、当時「運動部員からのいじめに対する復讐」説がさかんに語られたことが前出の社会問題を連想させる出来事である。
こういった風潮に対する皮肉なのか、ホラー映画などではジョックスが死亡しナードが生き残る展開があるあるネタのように語られる。
これらのマイナスイメージは帰宅部にも共通しているように見えるがこの立場の場合は所属者(部活と委員会活動)と比べて時間に余裕がある所為で高校生バイトがしやすい環境であり、しかも仕事内容のほとんどがブルーカラーなので代わりにこれをしていれば少なくとも文化部と比べれば肉体鍛錬に取り組んでいると見なされやすい。
最も「文化部=ダメ人間」というのは大間違いであり、文化が運動と同じくらい重視されているヨーロッパの一部などでは、このような差別は少ない。
しかし日本では、就職活動が運動部の方が有利な扱いをされる傾向が強い。上に文句を言わず過労死するまで従うことが求められるためである。
創作における「文化部」の扱い
一言でいえば地味。
運動部がヒーロー、委員会活動が優等生というイメージが定着しやすい一方、文化部はどちらにも該当しにくく、部活がメインではない作品の場合、よほど特殊な部活でもない限りには基本的にクローズアップされる機会に乏しく下手すれば帰宅部の方が目立っているくらいで個性が濃ければレギュラーキャラ扱いされるが特にかっこいい見せ場に恵まれず、ただの残念なイケメン(残念な美少女)・三枚目である場合が多い(喜多川祐介等のよう本当にかっこいいキャラもいるが)。
屋外練習のため否が応にも人目に触れる運動部と異なり、活動内容が見えにくいためである。
しかし部活そのものをテーマとする場合、ある程度内容が想定・固定化される傾向のある運動部と異なり、読者の予想しない変わった部活動をテーマにすることができ、全くありえない部活を創作することも容易(わかりやすい例がホスト部・隣人部・ハーフプライサー同好会など)なため創作自由度が高い。
部員が少数になることが多く、新入部員の確保に苦労しているというのが定番の設定で、廃部ネタや合併ネタが描かれることも多い。また専門知識が頻出するため、読者にもその方面の知識を要求することもある。
近年では「けいおん!」など、まんがタイムきらら系列のようなコア系コミックを中心にこうした文化部の活動が大きく取り上げられるケースが増えている。特に4コマの場合動きを表現する事が難しいため、動きの少ない文化部をテーマとする作品の比率が高めとなる。
しかし少年誌などでは依然としてアクション性やドラマ性に富む運動部テーマの作品と比べると少数派である。中学生以下の世代にとってはマニアックになりがちでとっつきにくいこと、文化部自体の馴染みが少ないことが大きな理由と考えられる。
代表的な文化部
- 芸術系
- アウトドア系
- 宗教系
- 聖書研究会
- その他
※追加があればお願いします。