概要
「結局お前も同じじゃん」とは、『ヒーリングっど♥プリキュア』第41話のラストでダルイゼンが言った台詞である。
『ヒーリングっど♥プリキュア』41話にて、キングビョーゲンはキンググアイワルを取り込み復活を遂げた。
そして、ダルイゼンにも自分の一部になるよう求める。
その言葉に、キングビョーゲンはグアイワルに続き自分も進化の糧とするつもりと気づいた。
元々キングビョーゲンへの忠誠心も低く、自分自身のために地球を蝕んでいたダルイゼンが、自我を失い自分の体と心が消失することを受け入れるはずも無く、彼はキングビョーゲンが生み出した多数の魔獣に追われながらほうぼうの体で逃げ出した。
そして、早朝のすこやか市でランニングする花寺のどかの前にダルイゼンが現れ彼女に襲いかかる。キュアグレースに変身してダルイゼンに対峙するのどかだが、ダルイゼンはまともに戦うこともできず倒れこんでしまう。
キングビョーゲンが生み出した多数の魔獣にやられ、ダルイゼンは傷だらけで息も絶え絶えだった。グアイワルの末路を見ていたキュアグレースは、ダルイゼンが置かれた状況を察する。
「もしかして、キングビョーゲンにやられたの? グアイワルを取り込んだみたいに、また、仲間を…。」
「助けて…くれ…。」
「このままじゃ…おれはおれじゃなくなる…。消えて、なくなる…。」
「頼む…。キュアグレース…。お前の中におれを匿ってくれ…。」
ダルイゼンはキュアグレースに命乞いをし、かつての宿主であるキュアグレースに自分を体内にかくまうよう求めた。
彼にとってキングビョーゲンに取り込まれ「自我を失う」事は「死」も同然で耐え難いことだった。
「おまえはおれを育てた宿主だ…。おまえの中ならきっと、この傷は癒える…。キングビョーゲンに見つからずに、回復できる…。」
「頼む…。助けてくれ…。キュア…、グレース…。」
ダルイゼンは助けを求め、彼女の手を掴んだ。
しかし、グレースはかつての病の苦しみへの恐怖から、助けを求めるダルイゼンの手を振り払い逃げだした。ダルイゼンを自分の体内に入れれば、再び重い病にかかる事は明白だった。
見捨てられたダルイゼンの脳裏に浮かんだのは、キュアグレースが6話で彼に言った「自分さえ良ければいいの!?」という言葉だった。
「おまえ…おれに言ったよな!?『自分さえ良ければ良いのか!?』って…!!結局おまえも同じじゃん!!」
キュアグレースの心に、ダルイゼンの怨嗟の声は深く突き刺さった。グレースは反論する事も振り向くことも無く、逃げる事しか出来なかった。
その後、のどかは自分の運命に対峙し強い覚悟をもってある決断をする事になる…。
スタッフインタビューより
『アニメージュ』2021年3月号のスタッフインタビューで、シリーズディレクターの池田洋子氏は、インタビュアーの「ダルイゼンが逃げ去るグレースに呼びかけた、『結局お前も同じじゃん!』は彼女の心に刺さりましたね。」という質問に対して、「ズルい手でのどかを追い込むなぁーって。結局のところ、ダルイゼンはのどかにとって災厄でしかないわけで。」と答え、さらにその後の展開について「博愛主義が通用しない相手を見捨てる結果になりましたけど、のどかも自分の手を汚すという覚悟を決めた上での決断なんですよ。」と語っている。
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サルロー…「人間などもはやビョーゲンズと変わらない」と人間という種を嫌悪し浄化を望んでいるヒーリングアニマル。サルローはのどかとダルイゼンの因縁の事は知らないが、皮肉にも浄化対象であるビョーゲンズのダルイゼンと同じような言葉で人間という種を非難している。