CV:小松未可子
概要
「スター☆トゥインクルプリキュア」の登場人物。キュアセレーネに変身する。
お淑やかで努力家の中学3年生。代々続く家柄の令嬢で、父は政府の高官、母は世界的に有名なピアニスト。ピアノと弓道は全国大会で優勝するほどの腕前で、華道や茶道もたしなみながら学業成績もトップを維持する、絵に描いたような文武両道&才色兼備。皆の憧れの生徒会長で「観星中学校の月」の異名を持つ。
11月23日生まれ。一般的には勤労感謝の日だが、1963年のこの日は日米間の衛星テレビ中継が成功した日であるため、それにちなんだものとされる。
月のプリキュアに変身するということなので、名前の由来は「かぐや姫」からであろうが、JAXAの月周回衛星「かぐや」(国際正式名が「SELENE(セレーネ)」)からも取られているのではという推測もある。
人物
「観星中の月」と呼ばれる通り、清楚な外見と物静かで上品な立ち振る舞いをしている。
学校では生徒会長として活躍しているだけでなく、学業はどの科目も全く申し分なく、茶道や華道を嗜み、弓道の大会でも常に好成績を収めている。まさに文武両道を体現しているといえよう。
生徒一人一人のフルネームや容姿を把握出来る記憶力の持ち主でもあり、えれなを探すひかるの名を「星奈ひかるさん」と呼んでいる。
周囲からは「なんでも上品に完璧にこなす憧れな人」として見られているが、実際のところは「完璧なお嬢様像」を無理に演じている節もある。
実は彼女は天才タイプではなく努力家タイプ。OP映像では雪が降る中、真剣な顔つきで弓道の稽古に励む姿が描かれている。ただし、自分が汗をかいて努力する姿は基本的に他人には見せないようにしている。
また、お嬢様という育ちの良さが図らずも影響しているのか、彼女のメンタルは実はひ弱で、悩み事があったりプレッシャーを感じたりすると「完璧な自分」が崩れて失敗してしまうという意外な弱点がある。ただし、そのような時でも咄嗟に誤魔化し続けているため、彼女が「お嬢様を無理して演じている」と言うことに気づいている人はほとんどいない。特に父親の冬貴に対してはそういう自分の姿がバレないようにまどかは必死になっている。
その結果、いかなる事にも正確で優秀な成績を挙げるものの、その一方で第24話の様にコンクールで楽しそうに演奏し、入賞出来なかったのに観客の心を掴んだ少女のピアノが、なぜそこまで皆を惹きつけたのかが理解出来なかったりする。感性が欠落しているのではなく、他を気にかける余裕の無さの表れであろう。
また、境遇や社会的な事情から悪の道に走ったノットレイダーに対し、他のメンバーはその境遇には大なり小なり同情や歩み寄りを見せる中、まどかはそう言った姿勢をあまり見せていない。恵まれた環境に生まれ育ち、自分を厳しく律してきた彼女にとっては、理解し難いのかもしれない。
政府高官の父の影響なのか、第15話のオークションで見せたように駆け引きの類にも意外に長けているようである。また、第22話では父の書物を読んだ影響でUMAやオカルトの類にも関心が高く、第26話でのホラー映画に登場する幽霊に対しても耐性が高い。
容姿
曲線状に切りそろえられた紫髪が特徴。これを赤いリボンでツーサイドアップにしている。
瞳の色は青。
かなりわかりにくいが、ひかるに比べてやや色白の肌である。
私服
春服
お嬢様らしく、紺と白のストライプ柄のジャンパースカートにブラウス、胸元の大きなリボンという中学生にして大人っぽい気品漂うもの。
リボンには月(三日月)の意匠が施されたバッジが着いており、ベルトにも同型のバックルが着いている。
夏服
トップスを半袖のブラウスに衣替えしている程度で他は春服と同じ。
ちなみに他の4人は衣替えしていない様子から本作のプリキュアメンバーの中で夏服はまどかのみとなっている。
冬服
タートルネックのシャツとウエスト辺りにリボンが付いたジャンパースカートの組み合わせ。
家族構成
父:香久矢冬貴
母:香久矢満佳
上述通り、父・冬貴は政府高官、母・満佳は世界的ピアニストで、実家も豪邸。使用人も多い。
香久矢家は由緒正しい家柄で、冬貴曰く「代々、人の上に立つのが定め」との事。
民にあだなす怪異に対して武を持って祓ってきたという伝承があることから、武士の家系であると思われる(漫画版ではかぐや姫が月に帰るのを阻止するために派遣された帝の軍勢の1人とされる)。
まどかにも帝王学が厳しく仕込まれている。地元の中学校に通わせているのも「一般的な家庭の人々の気持ちを知るため」である。
その冬貴の性格ゆえなのか、空気が常に張り詰めて息苦しい雰囲気の家庭であり、庶民的で子沢山で笑顔があふれる天宮家とは、あらゆる意味で対照的に描かれている。
また、冬貴は内閣府宇宙開発特別捜査局局長という役職についており、最近頻繁に起きる宇宙人騒ぎの調査を行っている。そして「宇宙人及び、宇宙人に味方する者にも容赦しない」という方針を打ち出している。そのうえ冬貴は家庭内での隠し事を嫌う人物でもある。
まどかが宇宙人の存在を知り、その宇宙人の味方となるプリキュアとなったのは、言うまでもなく冬貴には秘密である。「プリキュアであることは家族にも秘密」というのはシリーズの定番ではあるが、まどかの場合は冬貴の存在がこのシリーズの定番を更に緊張感のあるものにしている。
余談
プリキュアと政治
プリキュアでは初の家族が王族以外の政治関係者である。
プリキュアは基本的に政治とは無関係であり、『ドキドキ』が最終決戦後に内閣総理大臣から直接救助要請を受けたり(但しこの時描かれていたのは首相官邸ではなく国会議事堂)、『ハピネス』でぶら下がり取材中の首相官邸を幻影帝国の襲撃から守った時ぐらいしか例がない(この2つは奇しくも本作同様、妙なところでファンタジーでごまかさずリアルな描写が多いのも特徴)。
しかも父・冬貴は彼なりの職責と信念あっての事とはいえ、お世辞にも宇宙人に友好的ではなく、厳格さと一種の無理解を象徴する人物として設定されている。
ララ達の秘密を隠すまどかとの相克も、この物語の重要な軸の一つである。
声優について
小松も過去にプリキュアのオーディションを5年間に渡って受け続けており、「「わたしにはまだ、夢やキラキラした輝きを与えられるだけのパワーや何かが足りないんだ…!」と思いながらも、「プリキュアが続く限り、わたしもまだまだ挑戦できるんだ!」という希望の光をわたしに与えてくれていた」とキャスト発表時のコメントで語った。
各話ネタ
本編
■第1話
- ラストシーンで初登場。夜空を墜落するララのロケットを目撃し、「流れ星?」と呟いていた。
■第4話
- 人だかりに囲まれていたことで、えれなを探しに体育館付近に来ていたひかるに彼女と間違われてしまう。周囲の生徒は訂正したが、まどかは気を悪くする事もなく、「星奈ひかるさん」とフルネームで呼び、「天宮さんならもう帰ったんじゃないかしら?」とひかるに伝えた。だが、ひかると一緒に去ってゆく部外者の少女(ララ)に何か違和感を感じる。さらにララのバッグの中からフワが飛び出す姿を目撃するのだが………
■第5話
- 朝から自宅の弓道場で鍛錬に励み、その集中ぶりを父・冬貴に「これで今年も優勝間違いなし」と褒められる。
- その父は朝から宇宙人騒ぎの調査で多忙。「香久矢の家に秘密はない」と言われ、先日学校で目撃した、ララのバッグから出てきた不思議な生き物の事を伝えようとするが、ちょうど電話が入り、言いそびれてしまった。
- さらに学校で、ララの背負っていたリュックが、プルンスの姿になるのを見てしまい、授業中も生徒会の会議中も集中できず、気もそぞろに。放課後、ひかるとえれながフワにミルクを与えているところに現れ、咄嗟にフワを隠した2人に「わたしは生徒会長として全てを把握する義務がある。何か隠していませんか?」と問いただすも、もちろんシラを切られる。が、その甲斐もなく、当のフワが「バイバイフワ~」としゃべって自ら正体をばらしてしまい、万事休す。
- 「父に報告する義務がある」と言うまどかだが、ひかるに「宇宙人だとバレたら、ララもプルンスも地球にいられなくなっちゃう」と必死に懇願され、ひとまず自分の胸に収めたものの、その心の乱れは冬貴に見抜かれる。「たかだか学校の事で心を乱されるべきではない」と説く父の言葉に頷いたが、この秘密をどうするべきかわからず、夜になっても、月を見上げてまどかは悩み続ける。
- そして翌日、ひかるの後をつけ、遂にララのロケットも発見してしまう。事情を説明しようとするひかるやプルンスを遮り、「どんな理由であれ、わたくしはあなた方の事を秘密にするわけにはまいりません。父を裏切ることはできない…」と厳しく告げるが、そのまどかにフワは、ひかるが作ったおにぎりを「おいちいフワ!」と無邪気に差し出した。フワの幼く純真な姿は、父が言うような危険で排除すべき宇宙人のイメージとは程遠く、まどかは戸惑う。
- ひかるは再び、ララ達の事は口外しないよう頭を下げて懸命に頼み込み、「お父さんの事はわかったけど、先輩はどう思ってるんですか?フワが悪い宇宙人だと思う?」と尋ねてきた。今まで、父の言う事は絶対と信じて全て従ってきたまどかは、自分の心を問われて即答できず、言葉に詰まる。
- そこへテンジョウとノットレイが登場。フワを守るため、ひかる・ララ・えれなはまどかにフワを託し、自ら囮になってテンジョウの前に姿を見せ、注意を引こうとするが、まどかはうっかり物音を立ててテンジョウに見つかってしまう。涙目で怯えるフワを抱いて逃げながら、「この子を守らないと!」と覚悟を決めるまどか。その思いに応えてフワが叫ぶと、変身スターカラーペンとスターカラーペンダントが現れた。
- 「プリキュアになってフワを守って!」と頼むキュアスターの声に、まどかはカラーペンに手を伸ばしかけるが、父の「香久矢の家に秘密はない」という厳しい言葉が脳裏をよぎり、躊躇する。しかし、まどかは父の教えを破ってでも、今の自分の心に従う事を決意した。「わたくしは…この子を守ります!フワを守る!わたくしはそう…決めたんです!」そしてカラーペンとペンダントを手にしたまどかは、4人目のプリキュア・キュアセレーネに変身した。「夜空に輝く!神秘の月あかり!キュアセレーネ!」
- また新たなプリキュアが増えて怒るテンジョウは、ノットレイの数に物を言わせた「陣形・テング風」でセレーネを取り囲み襲わせる。しかし彼女は全く動ぜず、ノットレイの動きを見切っていた。「お父様は上に立つために、人々の気持ちを知るようにとおっしゃいました。知ったからこそわたくしはフワを…皆さんを…放ってはおけません!」そして放たれたプリキュア・セレーネアローは、大勢のノットレイを一撃で片づけた。
- 戦いが終わって一息つき、フワの笑顔に相好を崩していると、冬貴と政府職員が調査にやってきた。先程の戦闘を聞きつけてやってきた冬貴は「ここで騒ぎがあったようだが、何か見なかったか?」と尋ねるが、フワやララの事を明かさなかった。
- 「危ないから早く帰るように」と言って去ってゆく父の背中に、まどかは心の中で謝る。そして父に嘘をついた心苦しさを感じながらも、一刻も早く騒ぎを収束させるために、みんなと共にプリキュアとして戦う決意をするのだった。
■第6話
- ひかるに誘われる形でララのロケットに。この時点でプリキュアの使命を聞かされ理解。だがロケットの修理はうまく行かない状況だった。
- ララの気分転換とプリキュア集結祝いを兼ねて天文台に。フワの相変わらずのフリーダムな行動を空見遼太郎に見られそうになるが、ララとえれな共々さっと移動して隠し、「目の錯覚ではないか」とフォロー。
- アイワーンとバケニャーンが襲撃し、ダークペンを用いて遼太郎のイマジネーションを闇に染めてノットリガーを召喚。変身して応戦するのだが、他の3人が直ちにペンやペンダントを構えたのに対し、2度目の変身であるまどかはワンテンポ遅れて準備する。
- ノットリガーの素早い砲撃に通常のセレーネアローでは太刀打ちできず逆に迎撃を受けてしまう。ならばチームワークで、とまずはセレーネがセレーネアローを連射しノットリガーの攻撃を相殺する。そしてソレイユ、スター、ミルキーへの連係プレーに繋ぐ。
■第7話
- ロケット修理に際してのAIによる作業分担では、「まどか様は冷静沈着なリーダータイプ。修理計画を元に作業を指示するリーダーとなってください」と診断され、「かしこまりました」と笑顔。まさに適材適所で、頭脳労働だから楽…とは限らず、小型端末の画面とにらめっこするうちに眼精疲労で目がショボショボに。
- ひかるが描いたロケットのイラストにえれながアイデアを出すと、まどかも遠慮気味に「あの…この辺りに別の色を足してみてはいかがでしょう」と口をはさみ、採用されてうれしそうな顔をする。しかし実際にその通りに改造しようという段になって、冷静なリーダーらしく「勝手に変えるわけには…」と疑問を呈するが、当のララがノリノリで「みんなが楽しくなるような素敵なロケットにしたいルン!」と言ってくれたので、ノープロブレムで作業開始。
- かくして完成した『みんなのロケット』で宇宙へ出発。無重力も経験し、地球の姿を見て「本当に青いんですね…」と感激する。つい先日までは考えられなかった数々の体験。その分お父様には秘密が増えてゆくわけだが……でも今のまどかは、とても楽しそうであった。
■第8話
■第9話
- スタードーナツの話題になり、それが何なのか知らず、「ほら、商店街の!」と言われても「わたくしは商店街に行ったことがないので…」と返答して皆に驚かれる。「そんなに珍しいですか…?」と戸惑うのも当然、まどかは常にお迎えの自動車で登下校しているため、寄り道などしたことがないのであった。
- 帰宅すると、仕事に出かけようとする冬貴に「友達づきあいは大切だが、香久矢家の一員としてなすべきことがあるはず」と心の内を見透かされたかのように釘を刺され、さらに「未確認飛行物体の目撃情報も多いから、安全のためなるべく車を使うように」とまで命じられる。
- 父の言葉には従わねばならない。しかし今のまどかにはプリキュアとしての使命や、新たにできたひかるやフワなどの友達も大事。「全てを完璧にこなさなくては…学校もプリキュアも…」と自分を叱咤し、まどかは勉強に励む。しかしそう思えば思うほど、逆に悩むことが多くなり、授業中も上の空。
- 多忙なスケジュールの合間を縫ってロケットに手伝いに駆けつけるも、今日の分の作業は終わっていて、えれなは既に帰宅済み。えれなも家の手伝いで大変と思いきや、まどかの方は「わたしは弓とお茶にピアノ、お花の習い事、家庭教師の先生との受験勉強だけですので」とのこと。せっかく来たのだからと表の掃除だけでも手伝ったが、まどかは自分が何もかも中途半端になりつつあることを感じていた。
- その思い悩みは弓筋にも現れ、冬貴に「香久矢家にミスは許されない」と指摘される。「心の乱れをお父様に気づかれてはいけない。プリキュアを続けるためには全てを完璧に、完璧に…!」と己に言い聞かせるも、靴下を左右違う柄のものを穿いてきてしまったり、生徒会の会議中も考え込んでしまったりと、逆に心の乱れが激しくなってしまう。
- そんなまどかの手を引っ張って、ひかるは商店街へと連れてゆく。ララも加わり、今まで経験したことのない楽しいひと時を過ごした後、子守をしていたえれなも合流して、えれなお勧めの見晴らしの良い場所でスタードーナツをみんなで堪能。今まで知らなかったドーナツの味、すぐ近くにあったのに見たことのなかった美しい光景にまどかは安らぎを感じる。
- 以前、ララを天文台に連れて行って息抜きさせたように、今日は自分を商店街でリラックスさせてくれたひかるに感謝しながらも、えれなに対し「わたくしは自分のことだけなのに気持ちに余裕がなくて、毎日が綱渡りみたいで…このままじゃプリキュアも続けられないかもしれないって不安で…」と本音を吐露する。そんなまどかにえれなは「まどかは生徒会長として生徒みんなのことを考えてる。ロケットでも冷静だし、本当にすごいと思う。だからさ、まどかが困った時はあたし達を頼ってよ。友達でしょ?」と言って笑った。感謝を述べるまどかの心は少し軽くなった。
- その時、アイワーンが姫ノ城桜子を素体として作ったノットリガーが出現。アイワーンが持つダークペンを奪うべく、スター・ミルキー・ソレイユが撹乱し、ソレイユは援護役を任される。ソレイユを直撃しそうになった砲弾も「絶対に外さない!」と射落とし、冷静にチャンスを待つセレーネ。「みなさんが困った時はわたくしが守ります!」と気迫を込めた矢を放ち、アイワーンの手から弾き飛ばされたダークペンは、やぎ座のスターカラーペンへと浄化される。それを手にしたセレーネは、やぎ座セレーネアローでノットリガーを倒して桜子を救い出し、やぎ座のプリンセスが復活した。
■第10話
- 「サザンクロスを見に行きたい」と駄々をこねるひかるを、「やめた方がいいかもしれません。父から聞きました…この前のロケットの発射を捉えていたと…以前にも増して調査に力を入れています。ですから状況が落ち着いてから…」と説得しようとするも、スターカラーペンの捜索を大義名分として結局押し切られる。
- 到着した惑星クマリンは、重力が地球の2倍ある上に、極寒と猛暑が次々やってくる過酷な星。さすがのまどかもグロッキー気味。
- 強化されたノットレイダーの面々に完膚なきまでに叩きのめされ変身解除にまで陥り、命からがら敗走。そればかりか、今回のロケットの発射と着陸を父に見られてしまった。
■第11話
- 無事に地球に戻ってきたものの、ロケットを誰かに見られた可能性があると感じその場から立ち去ろうとする一行。まどかは自分の失態でショックを受けているひかるの手を取って駆け出す。そして森の中に潜んで様子を見るとやはり父と捜査局員が調査に来ていた。
- 天文台に向かってひとまず遼太郎にかくまってもらうが、しばらくするとおうし座のペンの反応が。ノットレイダーも地球にやってきたが、森には父達がいる。さすがに関係ない一般人にまで危害を与えるわけにはいかず、森へと急ぐ。
- 森に向かうと襲撃を受けて気を失っている父。プルンスに任せて戦うが、幹部3人の力をあわせたノットリガーには歯が立たない。
- そしてスターが立ち向かうも攻撃を受けるばかりか、「想像力が無い」と彼女を真っ向から否定。しかしミルキーに続いてセレーネも反論する。「スターが…ひかるがいなければ、わたくしは皆さんと楽しくお話しすることもありませんでした!」そしてソレイユも「あと、スタードーナツも知らなかったでしょ?」と付け加える。
- 仲間たちの励ましを受けてスターは立ち直り、4人は地球を、宇宙を守る決意を新たにする。その決意がトゥインクルステッキを生み出し、サザンクロスショットで撃した。
■第12話
- 現れたのは映画監督のP・P・アブラハムで、「実は映画の撮影中」とまどか達の味方をしてくれた。かなり無理のある説明とはいえ、世界的映画監督の言い分を頭越しに否定しようものなら、日米の外交問題になりかねないと慌てた政府職員が外務省に連絡を取ると、なんと内閣総理大臣につながり、「私も監督の大ファンです。映画の撮影を是非続けてください」と公私混同気味ながらもお墨付きが出て、まどか達はピンチを脱した。
- 映画を撮影することになり、まどかが演じるのは月ノ姫。まあ、かぐや姫系統を演じるのは青・紫キュアの伝統ですから。しかし冬貴が撮影に立ち会っているため、「お父様が見ている…完璧にやらなくては、完璧に…」と自らプレッシャーをかけてしまいガチガチに。そのせいもあって「台本は一言一句頭に入っているだろうな」との監督の檄に対し、自分のセリフだけでなくト書きや他の人物のセリフまで台本の文章をすべて発声しながら演技するというボケをかます。
■第13話
- 転入してきたララを学校で出迎え、「困ったことがあったら言ってくださいね」と声をかけるまどか。一方それを見た他の生徒達はえれな、まどかと既に知り合いであるララに「観星中の太陽と月両方と既に知り合いの転校生」とざわつく。
■第14話
- すっかりスタードーナツが気に入ったようなまどか。ひかるたちとドーナツを買い、えれなを誘ってロケットでお茶にしようとソンリッサに向かうが、そこに現れたのはえれなの父カルロス。いきなりのハグにびっくり。
- そしてさらに来たのは母のかえで。こちらも思わず一同をハグ。えれなからいろいろ話を聞いていたようである。
- ラテン系な天宮家、みんなして踊る陽気な家族なのだが、ただ一人そのノリについて行けないとうまは部屋を出る。それを見たまどかは「何か心配事でもあるのでしょうか」ととうまのことを気にかける。
- 天宮家のホームパーティー当日。「パーティーと言えばこれでしょ!」とひかるが持ってきて着けさせられたのはなんと髭眼鏡。困惑するまどかであったが、直後パーティーに出ないととうまが家を飛び出してしまう。
■第15話
- ペンダントに導かれて一同がやって来たのはゼニー星。宇宙アイドル・マオの立体映像で大興奮するプルンスを宥めつつ、ペンダントが指す方角に向かうと、そこはオークション会場だった。父について何度か行った事があるというまどかはオークションの仕組みを説明しつつ、中へ……簡単に入れるわけがなく、あっさり門前払い。
- そこに豪華リムジンで現れたのは、星空界一の大富豪ドラゴン家のドラムス。彼によれば、ここは超セレブしか入れない場所であるだけでなく、宇宙怪盗ブルーキャットが現れるという噂があるため、特に今夜は警備が厳重らしい。唖然となるまどか達の前に続いて現れたのは、ドラムスによって特別ゲストとして招待されたマオだった。プルンスが大ファンだと言うと、マオは「ファンは友達も同然」とドラムスにおねだりし、まどか達は無事オークション会場へ。
- 初対面の自分達に、なぜマオはここまで親切にしてくれるのかと訝しみつつも、客達から拍手喝采を浴びるマオの歌を聴いて、「こんな見事なパフォーマンスは初めてです」と感激し、しばし疑念を忘れる。オークションが開始するが、桁外れの財力に物を言わせたドラムスが、出品物をことごとく落札してゆく。そしていよいよ最後の出品物としてプリンセススターカラーペンが登場し、当初は興味を示さなかったドラムスが9億キランの値を付け、もはや落札寸前。しかし皆が慌てふためく中、ひらめいたまどかが待ったをかけた。
- 立ち上がったまどかは「ドーナツお1つで!」と、プルンスが作ったスタードーナツを掲げて見せた。「わたくしの星・地球の大変価値のあるスイーツです。こちらと交換でいかがでしょうか?初めてこれを食べた時、わたくしはいたく感動しました。それと同じくらい先程のマオさんの歌にも感動いたしました。であれば、文化も星の垣根も越えて、このドーナツの味、その価値、皆様にもおわかりいただけるはず!」
- あまりにも無謀で大胆不敵なブラフだったが、凛として主張するまどかの声に興味を惹かれた宇宙料理評論家のシタコ・エーテルが味見に手を挙げる。幸い彼女の嗜好にマッチしたらしく、ドーナツ1個に10億キランの価値ありと絶賛で判定してくれた。ひかる・ララ・えれなはびっくり仰天、まどかはしてやったりと思いながらも平静を装う。
- もちろんドラムスがおとなしく引き下がるわけがなく、まどかとの1対1の勝負は20億、30億とどんどんヒートアップ。ありったけのドーナツを提示し、70億までいったところで遂に手持ちのドーナツが尽きてしまった。だがそれでもなおまどかは、冷静さを失わない。「大丈夫です。幼い頃より、オークションで戦う父を見てきました。勝利の法則、それは…逆境の時にこそ…!」そしてまどかは、あえて不敵に微笑んで見せた。
- 「わ、笑っている…だと!?」その笑顔を見て、とうとうドラムスの心が屈した。まどかの資金が底なしではないかと恐れた彼は、レディーファーストを口実に勝負を降り、ペンは見事まどかが落札する。ところが花火が打ち上がったかと思うと、次の瞬間ペンは消えていた。ブルーキャットが現れたのだ。
- ペンダントの音を頼りに追跡を開始した先にはマオが立っていた。ブルーキャットなど見ていないととぼけるマオだったが、ペンダントは変わらず彼女の方を指し示している。詰問された彼女は悪びれる事なく、宇宙怪盗ブルーキャットの正体を現した。
- さらに、ドラムスをノットリガー化させたアイワーンまで来襲。ノットリガーはスター達に任せ、セレーネはペンを取り返すべくブルーキャットを追う。しかしスター達が叩きのめされ、攻撃の矛先がセレーネに向いた時、ブルーキャットは「予定変更!それで何とかしなさい!」とペンを投げ渡す。真意を測りかねながらも、セレーネはいて座セレーネアローを放ち、サザンクロスショットで勝利、いて座のプリンセスも復活する。そしてブルーキャットは「それは一旦預けておく」と言い残して姿を消した。
- なぜブルーキャットは自分達の事を知っていたのかという謎を残しながらも、とりあえずプリンセススターカラーペン入手の目的を果たし、帰途に就く一同。憧れのマオが宇宙怪盗と知って、夢破れたプルンスはドーナツをヤケ食いするが、そのプルンスとドーナツのおかげで今回の試練を切り抜けられたとあって、笑顔でヤケ食いにおつきあいするまどかだった。
■第16話
- 昨年優勝した「全国弓道王大会」で、今年も決勝進出したまどか。応援に行くと言うひかる達に「父のためにも勝ちたい」と呟く。先日のロケットが冬貴に目撃されてしまった一件で、アブラハム監督が「一連の宇宙人騒ぎは映画の撮影」と説明したために、今では調査も思うようにできなくなってしまっているという。そんな父の仕事の邪魔をしていると感じるまどかは、せめて大会で結果を出して父を喜ばせたいと思っていた。
- そして決勝戦の日、ダークホースと目され、まどかも注目していた那須ゆみかが、皆中の連続で勝ち上がる。ところが、まどかを応援するひかるの声を聴いたゆみかは、「応援なんて集中の邪魔よ」と言い放ち、まどかを睨みつける。
- まどかも最終戦の5人まで勝ち上がって、ゆみかと直接対決。両者とも皆中で、まどかとゆみかの優勝決定戦に持ち込まれる。しかし先程のゆみかの言葉でわずかに集中の乱れたまどかの矢は、皆中とはいえギリギリ的に当たったものだった。ゆみかは「あなた、弱くなったね。友達なんかと仲良しごっこしてるからよ。的に当てた数は同じ、でも正確さはわたしの方が上だった!」と手厳しい言葉を投げつけた。
- 自分は弱くなったのかと動揺するまどかに、ひかる達が一緒にお弁当を食べようと声をかけてきた。しかし食事中も、ゆみかの「仲良しごっこ」という言葉が頭から離れず、表情は晴れない。そんなまどかにひかる・ララ・えれなは、みんなで作ったお守りを差し出した。その想いに目を潤ませたまどかは元気を取り戻す。
- その光景を物陰から見ていたゆみかは「友達なんか…!」と虚勢を張りながら1人で弁当を食べていたが、「本当は淋しいくせに強がっているだけ」という本心をアイワーンに見抜かれ、ノットリガーにされてしまう。ノットリガーの中で「友達なんか邪魔…友達なんかいらない…1人が一番強いのよ!」と意地を張るかのように叫び続ける彼女を救うべく、まどか達は変身する。
- 「那須さんを解放して!こんな事に彼女の弓を使わせないで!」と訴えるセレーネを、アイワーンは「邪魔者をノットリガーにしてやったんだから感謝しろっつーの」と挑発。その言葉に強い憤りを露わにし、「違います、邪魔者なんかじゃありません!彼女は素晴らしい選手です。わたくしは弓道で彼女と決勝戦を戦いたいんです!」と叫び、いて座セレーネアローで射ち勝ち、この『番外戦』を制した。
- そして救い出されたゆみかとの優勝決定戦が始まり、両者一歩も譲らぬ激闘が続く。ゆみかは「勝つために友達なんか必要ない!」と自分に言い聞かせながら射続け、観戦する冬貴も「最後に頼れるのもまた自分だけだ」と心の中でまどかを叱咤する。しかしまどかは「でも今は…1人じゃない!」と、ひかる達がくれたお守りを握りしめた。
- そんなまどかの友達に囲まれる姿が脳裏をよぎったゆみかは遂に的を外す。そして「みんなの応援を力に…自分を信じて進む!それがわたくしの信じる弓道です!」と放ったまどかの矢は的中し、勝負は決した。冬貴はまどかを1人で戦わせるために、あえて決定戦までは姿を見せなかったのだが、ひかる達友人の応援が今日のまどかに力を与えたのだという事を、内心では認めていた。
- 表彰式で、まどかは「来年もまたここで会いましょう、必ずね」と手を差し出し、ゆみかも「来年は負けないわ!」と笑顔で握手を交わした。かけがえのない友達、そしてライバルも得て、まどかはまた一つ成長したのだった。
■第17話
- 乙女座のプリンセススターカラ―ペンを追いドラムスの屋敷へやってきた一同。そこへブルーキャットが現れ盗みの手伝いを持ち掛ける。あんまりな頼みごとに、ララやプルンスと一緒になって猛反対。
- 結局ドラムスがペンを賭けた勝負にしたため否応なく協力することに。なおスタート地点である落とし穴に落下した際はしっかりスカートをおさえていた。さすがお嬢様。
- センサーの反応に応じてレーザーが発射されるトラップを突破し次の場所へと向かうが、その時プルンスは自分の甘さとチョロさを悔いて頭をポコポコ殴る。ブルーキャットがマオに変身してそのおねだりに屈してしまったのだが、まどかはそのことに触れるかと思いきや、「意外といい音しますね」…。
- ドラゴン兵団に追われ、ブルーキャットはプリキュアに変身することをすすめる。しかしまどかが「悪者ではない方々をやっつけるわけにはいきません!」と主張し全員同意見だったため却下。
- しかしブルーキャットが心から笑顔になるほど大切に想っている惑星レインボーの宝がドラムスに壊されかかってるとなれば別。ひかるがいち早く促し、逡巡しながらも巨大ドラゴン像に立ち向かうため変身する。
■第18話
- ひかるの母輝美が新作漫画を描く月刊あさがおは「イケメン」「恋愛」「医療」が読者にウケるとのことで、それらを全て盛り込もうと提案。
- モデルのため、えれなと共に医者と看護師のコスプレを披露する。その後もノリノリで原稿作業を指揮した。
■第19話
- 惑星レインボーにてプリンセススターカラーペンを探していると、ペンダントは明らかに崖を示している。まさかの無茶振りにまどかも困惑したが実は洞窟があると知り一安心。
- 洞窟の中で襲撃したアイワーンとバケニャーンと対峙。セレーネアローを射とうにも、バケニャーンがあまりに身軽すぎて全く当たらなかった。
■第21話
- キュアコスモに覚醒したブルーキャットことユニたちは皆オリーフィオの子、そしてオリーフィオは皆の父であり母でありあるいは彼ら自身だという。迫害された歴史を考えるとかなり意味深なカミングアウトだろうが、漠然とした表現にまどかは「なんだか哲学的」とフワッとした解釈を示した。
- プルンスがユニを含め全員にドーナツを振る舞う。すぐに「マオに食べてもらいたい」という話を思い出し、まだぎこちないユニにそれとなく促す。
■第22話
- 前述通り唯一半袖になってロケットのメンテナンス。と、その時七夕用の笹を持ってきたひかるを見て疑問に思ったララに織姫と彦星の伝承を教える。
- 七夕にララの誕生日、さらにもう一つ嬉しいことが重なると興奮するひかるを見る中、フワに近づく怪しい人影。フワを見て「ケサランパサランか!?」とキラやば〜っ☆状態で興奮する男性、まさかのひかるの父だった。
- UMAの研究をしているひかるの父。「UMAって何?」と疑問に思うえれなに対し説明を行う。「詳しいんだね」と感心するえれな。それも当然、まどかは父の書斎にあったUMA関連の書物を読んでいたのだった。
- ララ達が宇宙人である事をひかるのお願いであまりにも軽いノリで秘密にすることにしてくれた上で改めて挨拶する父・陽一。その名前を聞いてまどかは感激。読んだ本の中に陽一による研究書があり、感銘を受けていた模様。
- 星奈家に向かうと陽一は愛犬イエティと再会。それを聞いたまどかはイエティの名前の由来を解説。えれなはまたも感心。
- 陽一の年に1度の帰宅とララの誕生日を祝うための七夕バーベキューパーティを行うため、その準備のお手伝い。その中でどうして陽一が海外に行って研究するようになったかをひかるから聞くことに。
■第23話
- ユニの携帯食・マタークッキーを食べたフワから大量のコピーフワが出現。「宇宙またたび入りのマタークッキーがフワの増殖を引き起こした可能性は99.26%」というAIの分析を聞き、「宇宙またたびって、猫が好むあのまたたびですか?」と驚く。
- コピーフワは食べ物を与えると消えるので、まどかはララと一緒にドーナツ製造を担当するが、ドーナツ製造機がオーバーヒートしてしまい、ララと共にできているだけのドーナツを抱えて出動。……がまどかもララ同様ドーナツたすき掛け状態に。
- フワが増殖する原因を調査中のAIから「宇宙またたびの刺激により、横隔膜の痙攣から声門が開いて『フワヒック、フワヒック』と音を発し、その度に増殖している」と聞き、まどかは「それ、しゃっくりでは?」と言うが、ララもAIも「しゃっくり?」とそろって怪訝そうな声。星空界にはしゃっくりという現象はないらしい。またたびはあるのにしゃっくりがないという宇宙の不思議。
■第24話
- どことなく元気のないまどか。ひかるに「夏休みの宿題で憂鬱なの?」と聞かれるも、「もう半分終わりました」との返事。夏休み2日目だというのにさすが優等生。弓道や生徒会活動が多忙で、ピアノの練習が最近あまりできていないのが気になっていたのだが、もう一つ心に引っ掛かっている出来事があった。
- とあるピアノコンクールに出場した時の事。まどかはミスのない完璧な運びで曲を演奏し、審査員も聴衆も皆神妙に聞き入っていた。だが次に演奏した少女は同じ曲を大胆かつ自由奔放に奏で、その楽しそうな顔につられて、会場中の誰もが楽しげな笑顔になっていた。結果としてまどかが優勝し、彼女は入賞すらしなかったのだが、その演奏でなぜ会場中が笑顔になったのか、まどかにはわからなかった。自分のピアノには何かが欠けているのではないだろうか…?
- 宇宙アイドル・マオの姿で人々を魅了していたユニに、「マオの歌を歌う時に、何か気を付けている事とかありますか?マオの歌はなぜあんなにも観客を引きつけられるのですか?」と尋ねるが、ユニは暗い顔で押し黙ってしまった。オリーフィオに褒められた事がモチベーションの一つであったが、そのオリーフィオが石化している今、彼女の事を思い出すのが辛かったのだ。
- そうこうする内に、スターカラーペンダントに導かれて、雪と氷の星・アイスノー星に到着。そこで出会ったユキオがプリンセススターカラーペンを持っているとわかり、譲渡してくれるようお願いするが、イルマという娘を笑わせる事ができたら譲るという条件を出された。イルマは一度も笑った事がないのだという。
- 洞窟内のつららを叩くと綺麗な音が出ると気付いたひかるの発案で、つららの音楽会でイルマを笑顔にさせようという運びになる。演奏担当のまどかは真剣な表情で、ピアノと同じような美しい音色を奏でるが、イルマの表情は全く変わらなかった。あのコンクールの時と同じだ。「わたくしに何が足りないの?」とまどかは思い悩む。
- 「♪好きよ、嫌いよ、どっちが本音?」そこでユニが突然歌を口ずさみ始めた。その歌声に合わせてまどかが伴奏すると、ひかるとララは手拍子し、プルンスとフワはノリノリになる。その姿を見てまどかははたと気づいた。「わたくしに足りなかったのは…楽しむ心!」
- しかしその演奏の最中、イルマは突如洞窟を飛び出して、出くわしたテンジョウによって巨大ノットレイにされてしまう。まどか達はプリキュアに変身し、「これでイルマを助けてほしい」とユキオに託されたみずがめ座のペンで、セレーネアローからレインボースプラッシュへ繋げて勝利。みずがめ座のプリンセスが復活。
- 救い出されたイルマは、ユキオの顔を見るや「ユキオ可愛い!」と笑い出した。実は彼女はとても笑い上戸で、些細な事でも笑い転げてしまうため、他の人に嫌われたくなくて、笑わないようにしていたのだ。さっき洞窟を飛び出したのも、ユキオが転んで鼻が取れてしまったのがおかしくて、しかし笑ったらユキオに失礼だと思ってその場を逃げ出してしまっただけだったのだ。本来の笑顔を見せるイルマの姿に、ユキオやまどか達も笑顔になった。
- 悩みが吹っ切れて、帰ったらピアノの練習を始めようと決め、「夏休みの宿題もやらなきゃ」とげんなりするひかるに「宿題もまずは自分が楽しむこと」とアドバイスを送った。
■第25話
- 今日は観星町の夏祭り。初の夏祭りにウキウキするララと同様に、今までこの手の催しに参加した事がなかったまどかも「わたくしも楽しみです。初めての夏祭りですから」と顔をほころばせる。
- しかし射的の屋台の親父に「やってみるかい?」と声をかけられるや、一瞬喜んだ後に「はい、心して挑みます!」と狩人の顔に豹変。ララに「この緊張感、弓道大会以来ルン」と言わしめるほど真剣な表情のまどかは、何と一発の弾(+衝撃波)で全部の景品を倒してしまった。※
この後、えれなも輪投げで景品を総取りしてしまい、『観星中の太陽と月』は校外でも半端ない事を知らしめたのだった。
■第26話
- 惑星サマーンに行く事になり、その道中でひかる発案のパジャマパーティーが行われる。ひかるが持ってきたアブラハム監督作のSFホラー映画『ジャマシックパーク』をみんなで見るが、チープなテイストに辟易するララや、本気で怖がるえれなを余所に、まどかは「このセンス、素晴らしいです!」と大興奮。あちこちで解説を入れるひかるに対しても「ネタバレ禁止です!」と怒るなど、初めて見るB級映画を満喫し、終了後には「ブラボー!最高でした」と絶賛してアンコール上映をしようと言い出す始末で、ララとえれなに思い切り拒否されていた。
- 日頃は習い事のハードスケジュールに忙殺され、このように穏やかな1日は久しぶりだと言うまどか。今回の1週間もの旅行では、まどかの父・冬貴が一番の難関になりそうであったが、アブラハム監督の口添えがあったのと、「留学を前に見聞を広めておくのもいいだろう」という判断で許可が下りていた。その説明でひかる達は、まどかが夏休みの後に留学の準備を始める事を知らされた。別れの日は遠からずやって来る…。
■第27話
- 前話でロケットに密航していたヤンヤンの故郷・プルルン星に立ち寄る事になる。その後、ヤンヤンの持っていた「へんしんじゅ」の力で人魚に変身し、美しい海中の光景を楽しんだ。
- ちなみに人魚姿になって他の4人はウエストを露出していたが、唯一まどかだけはウエストの露出がない。
■第28話
- プルルン星の中心に到着。職人・フレアに修理をお願いしたところ、「直したいというのなら、熱いハートを見せろ」と言われる。体力がありそうというフレアの見立てで、まどかとえれなは足踏み式のふいごで炉に風を送る役目になった。
- えれなが「イカ!」、まどかが「タコ!」と声を掛け合ってふいごを踏み続けたものの、2人とも体力が尽きてしまいギブアップ。「これ以上は無理です…」と弱音を吐くまどかは、「お前らのハートはそんなもんか!」と怒鳴られても、疲労困憊で返事すらできない。降り出したスコールの中、心身ともボロボロのまどかとえれなは、屋内に駆け込む気力もなく、座り込んだまま雨に打たれ続けた。まどかは「わたくし達のせいで修理が遅れてしまって…」と蚊の鳴くような声でひかる達に詫びる。今まで見せた事のない弱々しい姿だった。
- フレアは若い頃、故郷である火の星・プラズマ星とはまるで逆の水の星・プルルン星の存在を知り、未知の世界に行ってみたいという冒険心に駆られて、「そんなところでは火が消えて生きていけない」と引き留める家族や友人を振り切った上でプルルン星にたどりつき、それ以来この星で生きてきたのだという。その熱いハートと最後まであきらめなかった生き様に、まどかとえれなは活を入れられた思いだった。
- 「いつも元気なえれなが『もう限界』なんて言うの初めて聞きました」と言うと、えれなも「まどかの方こそこんな弱音吐くなんて」と答える。「わたくしはえれなほど強くありません!」とまどかは店の手伝いや弟妹の世話に日々追われるえれなの事を称賛するが、えれなは生徒会の激務をこなしつつ弓道も習い事もこなしているまどかの方がすごいと言い返す。妙な口論になりかけた2人は笑い合いながら気付いた。自分自身の事はよくわからないし、だから自分の限界を決めつけてしまっていたのかもしれない。自分のいいところを見つけてくれる仲間がいれば、限界の先まできっと行けるはずなのだ。
- そこへ現れたカッパードは、水の星でいつも以上の力を発揮して襲ってきた。フレアを守り、猛威力のカッパードストライクを全力で防ぐセレーネとソレイユを、「あきらめるんだな、これがお前達の限界なのだよ!」とカッパードは嘲笑う。しかし「あきらめない!限界は越えるためにあるんだ!」「熱いハートがある限り、わたくし達に限界などありません!」と叫んだ2人はカッパードストライクを跳ね返し、おとめ座ソレイユシュートといて座セレーネアローの合体攻撃で勝利する。
- フレアに「もう一度やらせてください!」「ロケットを直してサマーン星に行きたいんです!」と改めて頼み込むまどかとえれな。先刻まで挫けていた2人の瞳に炎が蘇っているのを見て取ったフレアは、作業の再開を了承する。「イカ!」「タコ!」「イカ!」「タコ!」と叫びつつ、力強くふいごを踏み続ける2人に、フレアの炎も最大火力となり、無事ロケットの修理は完了した。「熱いハートを忘れるなじゃけぇ!」とフレアに激励され、まどかとえれなは「はい!」とその思いを心に刻む。かくして思わぬ寄り道によって一つ成長した一同は、改めて惑星サマーンへの旅を再開するのだった。
■第29話
- 遂に惑星サマーンに到着。出会ったララの一家は全員エリートで、ララが肩身の狭い思いをしていた事を知る。さらに宇宙星空連合はプリキュアを引き込もうとしているらしい。
- レクリエーションドームの中のホログラム映像で、各地の絶景の景色を見てひかる達が大喜びする中、まどかは沈んだ顔のララに話しかける。同じように家族に秘密を持つ者として、まどかはララの心中を察していた。もしプリキュアになったと言えば家族はきっと自分を認めてくれる。しかし星空連合の監視下に入ってしまえば、みんなの生活は滅茶苦茶になり、ひかる達は地球に帰れるかどうかすら危うくなってしまうのだ。
- まどかも、父に話せば政府がノットレイダーに対処してくれるかもしれないと悩んだ時期もあったと告白する。しかし結局言わず、自分の直感に従った。フワを守りたいという一心で、生まれて初めて父に逆らい、プリキュアになったあの日、ひかるが教えてくれた。「お父さんの事はわかったけど…先輩はどうしたいんですか?」という言葉で。「ひかるの言葉をお借りすれば…ララはどう思っているのですか?自分の気持ちに従うべきです」とまどかはララを諭す。決めるのはAIでもなければ、家族でもない。自分自身で決める事なのだ。
- その時警報が鳴り響き、ペンの反応をかぎつけたテンジョウが研究所を襲撃した。撃退したまではよかったが、ララの上司・ククは、ララがテンジョウを手引きしてペンを奪おうとしたと思い込んでしまい、一同は指名手配されてしまう。さらにその騒ぎを眺め、不気味な笑みを浮かべるアイワーンの姿があった。
■第30話
- 逃げる一行に、ララの家族が説得を試みようと呼びかけてくる。自分がプリキュアであることを話せば誤解は解けるが地球人のみんなに迷惑がかかると悩むララに対し、「お父様、お母様もああおっしゃってますから」と、悪いことはしてないのだから家族に正直に話せばいいと促した。
■第31話
- 地球へ帰還。星空連合のトッパーからプリキュアの連合参加を打診されるがあっさりと断る。この時にちゃんとスケジュール帳を確認してたあたりの律儀さはまどからしい。
■第32話
- ユニコーン形態に進化したフワを狙ってガルオウガが襲来してくる。フワを守ろうとしながら戦うから隙ができるとしてプリキュアを追い詰めていくガルオウガに、「フワを守ろうする思いは誰にも負けません!」と反論しながら遠距離から弓矢の連射で攻撃するキュアセレーネだったが…。
- ガルオウガが突如セレーネの背後に転移。接近戦になれてなために咄嗟の対応できずに固まるセレーネに対し、ガルオウガは「自分を捨てる覚悟のないものに何ができる!」と吐き捨て豪腕で殴りつけた。セレーネは盛大に吹っ飛び大ダメージを受ける。
- バトルものではしばしば見かける射撃系のキャラが安全地帯で説教展開することに対する痛烈な皮肉と言えるが、フワを守るということに対して「自分を捨てる覚悟がない」というのは、父に秘密を抱えているまどかの立ち場にもかけられているとも言えるだろう。
- 仲間達みんなで必死にいくつもの小さいダメージを積み重ねたことでガルオウガをパワーアップさせていた腕輪の効力がきれ、トゥインクルスタイルへの覚醒も伴い、ガルオウガを撤退させることに繋げた。
- 後に、謎の力トゥインクルイマジネーションを求めて新たな冒険が始めるのであった。
■第33話
- 3年生の二学期ともなれば進路のことや引き継ぎ作業で大忙し。「猫の手も借りたいって言ってた」というひかるの言葉を真に受けたフワが、なら馬の手でもいいよねとまどかの手伝いをしようと飛び出していく。
- 備品の片付けを指示しているまどかのもとに飛んで行ったフワ。演劇部の衣装を被ってたため運良くみつからなかったがまどかはびっくりして「フワ!?」と叫んでしまう。それを聞いた姫ノ城桜子が怪訝顔になったので、テンパったまどかは「ああ〜 フワ山さんはこちらへ〜」と衣装を被ったままのフワを物陰へと連れて行った。さすがにこれには桜子も「フワ山」とは…?と余計に不信を感じてしまう。
■第35話
- 卒業前に次期生徒会長を任命することになる。生徒会メンバーにやりたい人はいないかと問いかけるが、超人的だったまどかの後釜になるにおは荷が重いとみんな尻込み。桜子だけはやる気満々だったが、がっつくとみっともないと挙手のタイミングを見計らってるうちに、みんなのやる気のなさにガッカリしたまどかが「この件は持ち帰ります」とさっさと閉会してしまう。
- 放課後、プリキュメンバーたちが集まっているララのロケットにやってくると、ひかるがララたちとのおしゃべりで「宇宙からの修学旅行を迎え入れて、観星中の生徒と合同生徒会を開いてみたい」という、いかにも彼女らしい夢を披露していた。まどかはその発想力に感服し、「生徒会長になってみませんか」と勧める。戸惑うひかるだったが、まどかさんのたっての頼みなら断れないと快諾。
- だが桜子がこれに猛反対し、結果的にひかると桜子で選挙が争われることになる。最初はいつものような自由でのびのびとした発想で公約を掲げていたひかるだが、生徒たちからは笑われるばかりだったので、途中から「まどかさんのような立派な会長を目指す」「まどかさんのやっていたことを引き継ぐ」という形へ転換する。それからはひかるは日々の生活を「まどかさんのように」周囲に気を遣いながら過ごすようになり、生徒たちからの信頼度が急上昇する。
- だがそれはひかるが無理をしてやっていることであり、まどかは自分がひかるを推薦したことは間違いだったかもしれないと後悔することに。しかし立場的に今更2人の選挙戦に介入することもできず、まどかもまた心を痛めるのだった。
- だが最終的にひかるは自分の行動が「まどかさんのため」でしかないことに気づき、逆に、一見自己中心的なだけのように見えた桜子が、実はまどかとは別の視点で、生徒や学校のため、生徒会を親しみやすくするためのプランを模索したり、設備の不備・不足に気を配るなど、日々自分なりの努力を重ね、かつそれを誇りを持って行っていたことを理解する。そして投票日に自分の抱負を語る際、なんと桜子の応援演説をしてしまう。これには生徒たちも唖然としてたが、まどかは「でもひかるらしくて素敵です」と久々に安心した笑顔を見せた。
- その後、まどかは生徒会室にて、新生徒会長への就任が決まった桜子に「これから、教えることは沢山あります。よろしく頼みます、姫ノ城生徒会長。」と激励の言葉と一冊の本を手渡す。(この本の内容は不明。ただ、恐らく歴代の会長に受け継がれているものだろう。)役員たちから拍手で祝福されたこともあり、感極まって涙を流す桜子の肩を優しく抱くまどか。かくして、まどかは円満退任。新たな生徒会長にその座を譲ることとなった。
■第36話
- 宇宙マフィアドン・オクトーからレインボー星の宝を取り返すためにユニはブルーキャットとして再び活動。他の仲間達も心配になってついていくことに。オクトーがアジトの宇宙船で開催したマフィアのボスを集めたパーティーに潜入するため、自分たちもマフィアの一味に変装。
■第37話
- 商店街のハロウィン仮装コンテストにえれな、ユニとチームを組んで参加。まどかは猫耳コスプレを披露。髭眼鏡の二週連続はなかった。ニャン語尾つきで猫のモノマネしたり結構ハジけており、生徒会長としての重圧から解放されて少し楽になったのかも知れない。
■第38話
■第39話
- えれなが「学校対抗英語スピーチコンテスト」に出場する事になり、「えれな、頑張ってください」とエールを送る。それに合わせてやってきたジョー・テングという特別講師の女性に「あの先生、どこかでお会いしたような…」と首を傾げるも、プルルン星の「へんしんじゅ」によって地球人に変身したテンジョウとは気付かなかった。
- その当日えれなが発表したスピーチの内容は、小学生の頃に肌の色の違いでからかわれたことをきっかけに、自分が他の子と違う事に悩むようになり、笑顔を失くしていた時期があったというものだった。いつも明るく振る舞うえれなの、初めて聞く過去にまどかは絶句。
- しかしそのスピーチは「みんな人それぞれ違いや個性があると気づき、それ以来誰とでも笑顔で接する事ができるようになった」と、えれなの満面のスマイルで締めくくられた。『観星中の太陽』の誕生秘話に目を潤ませて「素敵です、えれな」と呟く。
- えれなのトラウマを呼び起こさせようとしたテンジョウの奸計は打ち砕かれたが、まどか達はまだ知らなかった。今回の戦闘が観星中の近所の住人に目撃され写真を撮られてしまっていた事を……。
- そして、その写真はすでに内閣府宇宙開発特別捜査局が回収して冬貴の手に渡っていた。そこにはフワとプルンス、そしてララの姿がはっきりと写し出されていた……。
■第40話
- 放課後、桜子と生徒会の引き継ぎ作業を行うが、まどかと別れた直後の桜子に冬貴が近づいてくる。最近観星中近辺で起きている奇妙な出来事にララが関わっているのではないかと尋ねられ、いろいろと心当たりのある桜子の中ではララに対する不安や疑念が膨れ上がった。それはクラスメイトにも伝わり、ララは孤立してしまう。
- カッパードに襲われた2年3組一同をかばい、大切な友達を守るためにララとひかるは正体発覚を覚悟の上で変身しようとしていた。そのやり取りを見たまどかは「大丈夫ですか?わたくしも!」と2人に駆け寄った上で、スターカラーペンダントを取り出す。プリキュアだとバレる事など恐れない。今は仲間と共に戦いたいと思う自分の素直な気持ちに従うのみ。フワに連れられたえれなやユニも到着し、5人はプリキュアに変身。冬貴からイマジネーションを吸い取って襲いくるカッパードに勝利する。
- 意識を取り戻した冬貴が「わたしは一体何を…」と言いかけると、桜子やタツノリ、他の一同が「羽衣さんは異星人などではありませんわ!わたくし達のクラスメイトです!」「ララルンは友達っしょ!」と口を揃えてララを擁護する。その真剣な表情に押されつつも「だが…!」となおも食い下がる冬貴をまどかが制した。「皆さんの言う通りです。ララはわたくし達の友人です!」曇りなき瞳で凛として主張する娘の姿に、さすがの冬貴も返す言葉がなく、それ以上の追及を諦めた。そしてまどかはえれなやユニと一緒に、笑顔でサマーン式センサータッチの挨拶をクラスメイトと交わすララの姿を、嬉しそうに見守るのだった。
■第41話
- 先日の一件で「ララはわたくし達の友人です!」と、父の疑念を突っぱねたまどかではあったが、冬貴の中でララに対する疑いが完全に消えたとは思えない。父と娘の間には微妙な空気が流れていた。
- 生徒会職務の引き継ぎを全て終え、全校生徒から万雷の拍手を贈られるまどか。その日の夕食時、「生徒会長をやって本当によかった」と両親に報告すると、「お疲れ様」とねぎらいの言葉をかける満佳に対し、冬貴はいつもの口調で「これからは本格的に留学の準備だな」と言うのみ。留学すれば仲間とも離れ離れ。このまま父の敷いたレールの上を歩み続けるしかないのだろうか。それにララの事について、なぜ何も問い質さないのか?様々な思いを胸に「はい…」と、小声で返事するまどかの顔を、満佳は静かに見つめていた。
- まどかが獲得した数々のトロフィーや盾を、淋しげに眺める冬貴にまどかは「なぜ何もおっしゃらないのですか?」と問い掛ける。冬貴は、ララが宇宙人だという確証が得られず、調査の権限を剥奪され、中央への返り咲きに失敗した事を淡々と答えた。「上から調査しろと言われていたからしたまでだ。異星人を排除しろと言われればそうするし、友好関係を築けと言われれば友となろう」と言う彼は、職務を忠実に果たしただけであり、決して異星人に対する敵意を持っていた訳ではなかった。
- しかし冬貴の信念は揺るがず、「お前を導いてきた判断は誤りではないと確信している。もうすぐロンドンへ留学だ。彼女達ともそれで終いだ。全てわたしに任せればいい」と告げる。ララが宇宙人であろうとなかろうと、好ましくない友人である事には変わりなく、早く遠ざけてつながりを断つべきだと彼は考えていた。まどかはその場では何も言い返さなかったが、今まで無条件で服従してきた父の言葉を、素直に受け入れられないものが心の内に芽生えていた。
- 英語の時間中も、物思いに耽ってしまい上の空。宇宙飛行士のアームストロング船長が月に降りた時の言葉、「That's one small for man,one giant leap for mankaind」を訳するよう指名されるも、狼狽える事なく「これは1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」と答えるのはさすがだったが、着席した途端、再び憂い顔で「London」とノートに書いた文字を見つめて考え込んでしまう。えれなはそのまどかの背中から、悩み事があるのを感じ取る。
- 湖畔で仲間達と共にスタードーナツを食べていると、えれなが「何かあったの?」と尋ねてきた。まどかは自分が『観星中の月』と呼ばれる理由は、いつも明るいえれなは太陽のようで、対照的に物静かな自分は神秘的な月のようだから、いつしかそう呼ばれるようになったと明かし、太陽の光を受けて輝く月のように、父の言葉に従うだけで己がどう進むべきかもわからないと打ち明けた。「わたくしは自分の意志では輝けない…」
- そんなまどかにえれなは「そうかな?眩しいけどね、まどかの笑顔」と言い、プリキュアになる前のただのクラスメイトだった頃は、こんなに笑顔が素敵な子だとは知らなかったと言ってくれた。その褒め言葉をうれしく思いつつも、「わたくしの笑顔はみんなのおかげです。えれなが見ているのはみんなと一緒にいる時の笑顔ですから」と謙遜すると、「じゃあさ、生徒会長のまどか、まどかのパパやママの前でのまどか、ひかるやあたし達といる時のまどか、どの自分が一番の笑顔になれるかで進む道を決めればいいんじゃないかな」とえれなはアドバイスする。
- しかしその会話も終わらぬ内にガルオウガが出現、フワを奪うべく襲い掛かってきた。一同はプリキュアに変身するも、前回の戦い以上に速い瞬間移動と、圧倒的パワーに叩きのめされる。ボロボロになりながらも「フワは…わたくしが守ります!」と叫ぶセレーネだったが、ダークネストの力を授かったガルオウガにはいて座セレーネアローすら通じず、痛恨の一撃を食らって遂に地に倒れ伏した。
- 「わたしは自分自身を捨て、この力を手に入れた。宇宙を乗っ取るためならば、自分など必要ない!」と言いながら、とどめを刺すべくガルオウガが近づいてくる。倒れ込んだセレーネの脳裏に、「全てわたしに任せればいい」という父の声と、「どの自分が一番の笑顔になれるかで進む道を決めればいいんじゃないかな」という先刻のえれなの声が木霊した。自分の進むべき道は……セレーネは力を振り絞って立ち上がる。
- 「なぜ立とうとする?この力には勝てぬ!たった1人で何ができる!」と言い放つガルオウガに対し、セレーネは「何ができるかわかりませんでした…みんなと出会う前は…でも…今はわかります…わたくしはみんなと一緒に笑顔でいたい!だからわたくしは…もう自分に嘘はつかない!」と叫ぶ。次の瞬間、セレーネの全身が眩く輝いた。トゥインクルイマジネーションだ。ガルオウガのように自分を捨ててダークネストから与えられた借り物ではない、自らの意志で行くべき道を見出したがゆえに目覚めた力だった。
- ガルオウガは「あり得ぬ!ふざけるな!」と特大のエネルギー弾をぶつけようとするが、迷いを吹っ切ったセレーネは「お父様、わたくしは…自分で自分の未来を決めます!」と叫び、父の幻影を振り払う。そして放たれたセレーネアローはエネルギー弾を打ち砕いただけでなく、空高く飛んでいき、上空の雲をかき消して青空に変えた。もはやガルオウガに勝ち目はなく、敗れた彼は退却してゆく。
- その夜、まどかは冬貴に「お父様、わたくしはひかる達と交流を続けます」と告げる。「わかっていないようだな」と否定しようとする父の言葉を遮り、「はい、わかっていないからお父様に従ってきました。わからないからこそ、自分で見つけたいのです。観星中に行ってみんなを知る事で、わたくしは気付く事ができました。これもお父様のおかげです」と、初めてまどかは冬貴に反発した。
- 怒りで震える拳を握り締め、「そんな勝手が通るとでも?留学はどうする!?」と詰問する冬貴だったが、「それもどうするべきなのか、自分で考えます」と言って一礼したまどかは、冬貴の制止する声に背を向けて部屋を出て行った。愕然となる冬貴とは対照的に、その会話を聞いていた満佳は「大きくなって…」と目を細める。そして「私が甘かったのか?まどかは誤った判断を…」と呟く冬貴の言葉を優しく訂正した。「誤りではないわ、これは成長って言うのよ」
- まどかが開いた英語のノートには、今日の授業で聞いたアームストロング船長の言葉が書かれていた。授業の時、先生はその英文を指して「でも実は、文章としては間違っています。『For man』では『人類』という意味になってしまうので、『1人の人間』とするには『1人』を意味する『a』を入れなければなりません」と解説していた。それを思い出しながらまどかは、赤ペンで「a」という文字を書き加える。For a man… 「これは1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」…。父から自立するという小さな一歩。しかしそれはもっと大きな世界に貢献することにつながる一歩でもあった。
■第42話
- 留学の件は一旦保留する事にしたと仲間達に報告。「将来、どんな自分になりたいのか。しっかりと自分の気持ちと向き合ってみようと思うんです」と言うまどかの顔は晴れ晴れとしていたが、対照的に将来の夢が見つからないえれなの悩みは深まっていた。
- そんなえれなの様子が気になって「何かあったんですか?今日、三者面談でしたし、ひょっとして進路の事ですか?」と尋ねる。えれなは口ごもってはっきり返事しなかったが、「この前えれなはわたくしに、笑顔が輝いていると言ってくれました。あの言葉にわたくしは救われたんです。困った時は頼ってと言ってくれましたよね?今度はわたくしの番です」と続ける。その言葉に、えれなもようやく心情を打ち明けてくれた。
- 家の事や店の手伝い、プリキュアなどやるべき事はいろいろあるけれど、その中で自分が何をしたいのかがわからないのだと言う。「わたくし達、実はとても似てるんじゃないかって思うんです。いろいろできるようで、何か引っかかると前に進めなくなる。本当はとても不器用なのかもしれませんね、わたくし達」とまどかは答えた。観星中の太陽や月などと褒めそやされても、二人とも普通の中学3年の少女なのだった。
- プリキュアとしていろいろな星を巡った経験を無駄にしたくないというえれなの想いに対しては、「ちゃんとヒントはあるじゃないですか。自分の経験してきた事を無駄にしたくない。それはひょっとしたら、えれながもっともっと新しい経験を求めているんじゃないでしょうか」と助言を与え、「わたくしは見たいです、えれなが選んだ道で輝いている笑顔を」と添えた。えれなの心は少し軽くなったのだが…。
- えれなの母・かえでが巨大ノットレイにされてしまい、しかも「えれなは心からの笑顔を見せてくれない」と口にしたため、えれなは大ショック。変身して戦うも、一方的に叩きのめされてしまう。テンジョウは「お前のその笑顔笑顔ってところが母親を苦しめていたんじゃないの?笑顔なんかで人と人がつながるなんてあり得ない!」とソレイユを罵倒するが、倒れたソレイユをかばったセレーネは、「そんな事ありません!辛い時、苦しい時にこそ、笑顔になる事で癒され、救われる!前を見る事もできる!ソレイユがそれを教えてくれたんです!」と果敢に反論し、「ソレイユ、わたくし達は信じています。あなたが守ろうとしてきたものを」と励ます。その温かく力強い激励で気力を甦らせたソレイユは立ち上がり、勝利してかえでを救い出した。
- しかしえれなの心には、先刻の母の言葉が重くのしかかっていた。心配する仲間達に背を向けたまま、「大丈夫だよ、チャオ!」と手を振って帰って行くえれな。その背中をまどかは憂い顔で見送っていた。
■第43話
- ノットレイダーの本拠地を調べるため、スターロケットでトッパーをグーテン星に連れていったプリキュアたち。しかしそこにテンジョウが攻め込み、キュアソレイユ以外のプリキュアは拘束されてしまう。もちろんセレーネも…。
- この星出身のテンジョウは「この星の住人は、星空界の国際社会には通用しない自分たちだけの狭い価値観で他人を見下しているが、そんな差別意識が国際的に問題視されないようにいつも笑顔で柔らかい態度をとっている。だけど被差別階級に生まれた自分には、みんなが私に向ける笑顔は上から目線の嘲笑にしか見えない」と吐露し、えれなを母星の連中と同類だと唾棄。テンジョウにとって笑顔なんて差別意識を隠した同情でしかないのだ。
- テンジョウの絶望に対して返す言葉が浮かばないソレイユは、自分の笑顔が無力であることを悟る。どうしてよいかわからず、拘束されて何もできないはずのセレーネに這い寄りながら「セレーネ…あたし…あたし、どうすれば…」と弱音を吐く。だがセレーネはそんなソレイユの手に、かろうじて動かせる自分の手をそっと重ね、「えれな、大丈夫…自分を信じて…」と優しく微笑みかけた。その顔を見たソレイユの瞳に光が蘇り、トゥインクルイマジネーションの覚醒につなげるのである。
■第44話
- 不慮の事故でプレゼントを配れなくなったサンター星人の代理として、臨時サンタクロースとして子供たちにプレゼントを配ることになったプリキュアたち。まどかは家屋に潜入するときもお邪魔しますと丁寧に礼をしており、育ちの良さを感じさせた。
- えれなが通訳になりたいから海外留学しようと思ってるという告白を聞いたときは素直に祝福。一方で、自分の意思と無関係にロンドン留学をする「権利」だけ得てしまったまどかがこれからどうするかとひかるに尋ねられた際は、相変わらず「まだ考え中」で答えを出さなかった。
■第46話
- スターパレスを巡ってノットレイダーの軍勢と星空連合艦隊がぶつかり合う最終決戦。プリキュアたちは半ば巻き込まれる形でその戦いに介入し、誰かを傷つけなくてはならないことに苦悩の中戦うという熱いシチュエーションだったのだが、セレーネは呆然と戦場を見つめるばかりで戦うシーンが皆無だった。
- 尺の問題というのもあるかもだが、このあたりは彼女の迷いを示していたかも知れない。
■第47話
- 前話の終盤、蛇遣い座のプリンセスとしての真の正体を現したダークネストが部下達を見捨てて使い捨てようとしたため、ノットレイダーの構成員の多くが離反し蛇遣い座を討つために星空連合と共闘することに。
- プリキュア達が心身ともの傷ついたノットレイダーの兵士たちを治療したりと寄り添ってくれることに、ガルオウガはまどかに「なぜ受け入れる? 我々の仕打ち、そう簡単に忘れられるものではない」と問う。まどかは少し険しい表情で「みなさんが心のそこから受け入れているのか、わたくしにはわかりません」とあえて現実的な回答をした。どれだけ親しい友達であっても、相手は自分でないのだから、その本当の気持ちを無責任に言えるわけがない。
- だから、言えるのは自分の気持ちだけ。「でも、わたくしは、ただ前を向いて歩いていきたいです」自信に満ちた笑顔でまどかはそう答えた。
- ひかるもララもえれなもユニも、自分と同じ理想を抱いた同志ではない。全然違う価値観を持っているのに素敵な偶然で繋がれた友達だ。少なくともまどかはそう思っている。だからこそ、ノットレイダーも受け入れられるのである。
■第48話
- 虚無の世界を舞台に蛇遣い座との最終決戦。ラスボス戦だけあってトゥンクルスタイルでの肉弾戦が解禁。セレーネはいつものイメージに反して無骨なガントレット状のアームパーツを腕につけて自分の身長よりでかい弓矢を引き放っていた。
- プリンセス達の借り物であるトゥインクルイマジネーションでは我には勝てぬと嘲る蛇遣い座。しかし、そんな蛇遣い座に反論した。「わたくし達は自分たちで考え、思いをめぐらせた!」
■第49話(最終話)
- 最終決戦からしばらく後の日常を描いたシーンで、留学は取りやめ、自宅の近くから通える学校にし進学したことが明らかになる。
- 15年後を描いたBパートでは、まどかは「宇宙開発特別捜査局 有人開発ロケットプロジェクト プロジェクトリーダー」になっている。かつての父親と同じ組織に入った経緯についての描写はないが、プロジェクトの内容が、宇宙に行こうとするひかるを後押しするものであることは明らかである。ひかるに対して「やっと……ひかるの夢がかなうのですね。宇宙にまた行くという夢が」と話していることからも、ひかるを長年サポートしてきたのだと推測できる。(→大人スタプリ)。
- ひかる、えれなとの関係には大きな変化があったようで、ロケット発射前にまどかとひかるが感慨深げに話すシーンはあるが、二人がえれなと直接話すシーンはない。この点については、2020年5月に発売されたオフィシャルコンプリートブックにおいて、シリーズ構成の村山氏より、15年後の3人の関係性について下記のコメントがあった。
- えれなは48話のあとで留学をして海外に行くので、ひかるとまどかが日本にのこる
- まどかとひかるがふたりで会話をしていて、えれながひとりでいるのは、えれなが留学中の3人の距離感をイメージ、15年の間の距離感を表現
- ひかるとまどかはふたりで宇宙の話をいろいろとしていたんだろうなぁとか想像力がふくらむように描いてる
- ちなみに父の冬貴はなんと総理大臣になっていた。客観的に見れば相当なエリート人生を歩んでいると言えるだろう。
映画
- ひかるたちと星空観賞をしていると突如宇宙にワープ。そこでミラクルライト見習い職人のピトンや先輩プリキュアのHUGっと!プリキュア&キラキラ☆プリキュアアラモードメンバーと出会う。
- ひかるたちと分断されてからはえれなとともに灼熱の惑星でプリアラメンバーの琴爪ゆかり&剣城あきらやハグプリメンバーの愛崎えみる&ルールー・アムールと行動を共にすることに。予告映像ではえれなとともにルールーに抱き着いていたが…。
- 本作では冒頭で沖縄へ修学旅行へ行くためユーマとは沖縄で出会う。その後、交流を深める。中盤では、ジャイロと対峙し、苦戦するもミラクルライトの光によってやぎ座ペンに力が宿り、やぎ座ドレスへパワーアップ。てんびん座ドレスのソレイユと共闘し、強化されたやぎ座セレーネ・アローで、ダイブとジャイロの動きを止める。
- 終盤では、暴走したユーマの元へスターとミルキーを向かわせるため残っていた力でいて座ドレスへ変身。大勢の宇宙ハンターを倒し、道を作る。その後はソレイユ、コスモと共にユーマのところへ向かいダンスと歌でユーマに気持ちを伝える。
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スター☆トゥインクルプリキュア 紫キュア バイオレットヒロイン