CV:安野希世乃
概要
スター☆トゥインクルプリキュアの登場人物。キュアソレイユに変身する。
太陽のように明るく、魅力的な笑顔が素敵な中学3年生。口癖は「チャオ!」
名前の英語表記は「Elena Amamiya」(あるいはその逆)。和式の「Erena」ではないので注意。
メキシコ人の父親と日本人の母親との間に生まれたハーフであり、流れる金髪と健康的な褐色肌が特徴。実家は商店街にある「SONRISA(ソンリッサ)」という花屋であるが、sonrisaはスペイン語(メキシコの公用語)で「笑顔」を意味する言葉(第4話でえれな自身も「パパの国の言葉で『笑顔』という意味」と語っている)である。
なので彼女の口癖である「チャオ!」もイタリア語の挨拶「ciao!」ではなく、スペイン語の挨拶「chao!」である。両者の違いとして、イタリア語の方は出会いと別れの双方で使われるがスペイン語では別れの時にしか使われないことがある。実際、作中でのえれなは「さようなら」の意味でしか「チャオ!」は用いていない。
(ただし、pixivで投稿されるファンアートの中には「こんにちは」の意味でえれなに「チャオ!」と喋らせているものもいくつか存在している)
『アニメージュ』2019年5月号の宮元宏彰シリーズディレクターへのインタビュー記事によれば、元々自分がメキシコ好きなのに加え、「メキシコにはキュアソレイユのモチーフでもある太陽のイメージがある」「メキシコは多様な人種が暮らしているため、『様々な人種の代表』と見てもらえれば」とキャラクター設定について語っている。
なお、えれな自身は日本生まれの日本育ちであって、帰国子女ではない。
6人姉弟妹の第1子で、忙しい両親に代わり弟や妹の面倒を見たり店の手伝いをすることも多い。家庭優先のために学校での部活動はしていない。
それでも、校内一の人気者で「観星中の太陽」の異名を持つ。その人気は宇宙人達に全く動じなかった星奈ひかるが思わず緊張してしまう程であり、学校では彼女の周りには常に人だかりができているので、簡単には近づけないくらい。
誕生日は9月8日。2004年のこの日は探査機ジェネシスが太陽風に含まれる粒子を地球に持ち帰った日でもある。
人物
「観星中の太陽」の異名に違わず、明るく朗らかでサバサバした性格の持ち主で、上記の家庭環境も相まって、面倒見が非常に良い。
家族や周囲の人間の笑顔を何より大切に思っていて、笑顔のために力を発揮できるタイプ。その笑顔を奪い、泣かせる者には怒りを見せる。
運動神経は抜群と言う次元を超えており、オーバーヘッドキックや、新体操並みの空中回転も軽々とこなす超人レベル。その評判たるや、3年生になっても各運動部からの勧誘が引く手数多なほどだが、本人は家の手伝いと弟妹の世話を最優先にしているため、丁重にお断りしている。
また家庭では「第二の母親」とも言える立場からか、料理の腕も優れている。
しかしその一方、ノットレイダーに襲われているフワを助けたくても、最初は恐怖から動けなくなってしまうなど、笑顔の多い普段の姿からは想像できない「弱さ」を見せる事も。
5人の弟や妹を守らなければいけない「長女」という立場もあり、意識的なのか無意識なのかは不明だが、自身の弱さを見せないようにしている節もある。
また、えれなは今でこそ自分とその家族の文化やルーツに誇りを持っているものの、小学生の頃は自分とその家族が(その当時の日本の学校において)クラスメイトたちとは色々と異なることにコンプレックスを感じていたらしい。実際、からかいという名のいじめを受けていたことも示唆されている。
最終的には、自分の両親が周囲の目など気にせずに笑顔で過ごしていることに気づき、「周りと違う自分でも楽しく笑顔で生きてもよい」と考えることで立ち直り、またこのことがきっかけでえれなは「自分だけでなく、誰もが周りと違うことで悩んでいる」ことにも敏感に気づけるようになり、それゆえに気遣いのできる素敵なお姉さんになった。
たが、当時のえれなが苦悩に苛まれて何とか立ち直った経緯については、家族にも打ち明けていない。このことから、自身の弱さを見せようとしないのは小さい頃からのものなようだ。
えれなは自分が立ち直った経験により「笑顔があれば、誰もが幸せになれる」ということをアイデンティティとして受け入れて現在に至っている。作中ではこのことは素晴らしいことと基本的に扱われているが、終盤では「笑顔になりたいと能動的に求めて笑顔になっているというのは、自分の本心を誤魔化して笑顔の仮面を被ったに過ぎないのではないのか」という重いテーマがえれなに突きつけられてもいる。
このように、明るい姉御肌キャラな印象が強いえれなだが、「笑顔」の裏に繊細な一面も隠されていると言えるだろう。また実はお化けが大の苦手である。
容姿
ウェーブの掛かった金髪のロングヘアーでもみあげ部分を三つ編みにしており、オレンジ色のリボン付きカチューシャを付けている。
褐色肌に泣きぼくろがチャームポイント。褐色の肌にしたことについて、宮元SDは以前からプリキュアシリーズのレギュラーキャラにこうした肌の人物がいないことに疑問を感じており、「キャラクターが魅力的に見えるのが一番大事」と自ら提案、さらに今作では多様性を謳っていることから、プリキュアの肌もそれに応じてそれぞれ変えたいという意図も含めているとしている。特に「プリキュアを見ている子たちの中には褐色系の子もいるはずで、ソレイユに憧れてなりきり遊びをしてもらえたら素敵」と、国際化が著しい現代日本において、こうした肌の色をした子供たちへの配慮や希望を込めていることも明かしている。
服装
私服
春~秋
肩が大きく開いた長袖の白シャツ、非常に短いショートパンツ、白色の靴を素足履きしている等、大変活発的なスタイルである。
冬
一方冬服はオレンジの長袖シャツの上に白いセーターを着用、下は紺色の長ズボンを履いており、大分落ち着いた服装になった。
映画版
白い長袖服の上に山吹色、黄緑、オレンジ、黄土色の模様が入ったポンチョと青いデニムのショートパンツ、足には茶色いロングブーツと言うメキシカンなスタイル。
家族構成
父:カルロス
母:かえで
長男:とうま
次女:れいな
次男:たくと
三男:いくと
三女:あんな
子供達だけが先に登場しており、第4話では弟妹たちが描いたらしい両親の似顔絵が確認できる。母のみOPで後姿が確認可能だったが、第14話で全員が登場した。
メキシコ人の父親カルロスと日本人の母親かえでに、子供は長女のえれなを筆頭にの6人兄弟。たくとといくとは双子で公式サイトでは二人一組で紹介されている。
肌の色はそれぞれ若干の濃さの差異があるが、末子のあんな以外はみんな褐色系である。(あんなだけペールオレンジ、俗にいう肌色)
髪の色はとうまとたくとが茶色系で、他は金髪。ただしこれも濃淡は個人差がある。
最終決戦終了後15年が経過した49話Bパートでは、有人ロケット発射のカウントダウンにて小学生程度の女の子と赤ん坊も家族に加わっているが、えれなの弟妹なのか実子、あるいは甥姪なのかは不明。
その他
シリーズ初の要素
声優について
演じる安野希世乃氏は前々作キラキラ☆プリキュアアラモードで「いにしえのプリキュア」ことルミエルを演じて以来2年ぶりのプリキュアシリーズ出演。
ルミエルは自分の得意分野である「大人しくて清楚なタイプ」だったがそれとは演技が被らない方がいいと考え、あえて普段演じる役からかけ離れた「自由気ままな元気少女タイプ」の役に挑戦しようと決心したとのこと。
各話ネタ
本編
■第1話
- ラストシーンにて初登場。店に花を並べている際に、夜空に流れ星のようなもの(墜落するララのロケット)を見つけて、「うん?何だ?」と呟いていた。
■第3話
- 口論になって睨みあうひかるとララの前に現れ、一輪の花を差し出して喧嘩の仲裁をする。「うちの弟と妹もよく喧嘩してさ、ほんとまいっちゃうんだよね。でもいつも言ってるんだ、『まず相手の話を聞いてあげな』って」という言葉はひかるとララの心に響き、その場はまた喧嘩状態に戻ってしまったものの、後刻きちんと仲直りするきっかけになる。
■第4話
- 弟妹達のにぎやかな声が響く中、8人前の朝ごはんを作る。お姉ちゃんは朝から働く。
- 登校すればみんなが挨拶し、たちまち人の輪ができ、ファンレターを差し出されるという人気っぷり。ひかるとララが、仲直りさせてくれたお礼を言おうとしても、簡単には近づくことすらできない有様に。
- その時飛んできたサッカーボールを華麗なオーバーヘッドキックで蹴り返し、体育の時間の跳び箱ではロンダートからのひねり伸身宙返りという、どう見ても跳馬の技を披露し、いずれも拍手喝采を浴びる。
- ひかるとララが「SONRISA」を訪れ、改めて礼を言いに来た。フワをぬいぐるみだと思い込み、弟妹達が食いついたため、ひかるとララが冷や汗を流す一幕も。えれなの弟妹達に明るく接する姿を見たひかるは、なぜ彼女が『太陽』と呼ばれるのか分かった気がした。だが2人が帰った後、その方角から謎の煙が立ちのぼっているのを見かけ、不安になって現場に駆けつける。
- そこではキュアスターとキュアミルキーがノットレイ達と戦っており、先ほどの『ぬいぐるみ』が泣きながらノットレイに追い回されていた。助けようとするえれなだったが、こんな戦闘の場に出くわした事のない彼女の足は怖くてガクガク震え、前に進まない。スターとミルキーが煙幕の中でてこずる隙に、ノットレイは大勢でフワに襲い掛かった。
- えれなは必死で勇気を振り絞りダッシュし、フワを救い出す。横槍を入れられたテンジョウが「地球人がなぜ?この状況を理解していて?」と文句を言うが、「よくわからないけど、そんなの大した問題じゃない。あんた達が誰だろうと、この子がぬいぐるみだろうとね。それよりさ…この子を泣かせるってのが大問題だよ!弟達を笑顔にしてくれたこの子は泣かせない!」と啖呵を切る。
- 再びえれなとフワを襲うノットレイ達をスターとミルキーは懸命に食い止めるが、テンジョウは「守るものが増えれば弱みも増える」と嘲笑う。しかし、必死に逃げ回りながらもえれなが「この子の笑顔を…守る!」と叫んだ時、フワが輝いて変身スターカラーペンとスターカラーペンダントが出現、第三のプリキュア・キュアソレイユが誕生する。「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」
- 驚くテンジョウに、「守るものが増えればその分弱点が増えるって言ってたけどさ、違うよ。守るものがあればあるほど強くなる!」と言い放つと、ノットレイ達を蹴散らしてゆく。さらに「みんなを笑顔にって思うと力が出る!そして!みんなの笑顔が力をくれるの!」と叫び、プリキュア・ソレイユシュートが炸裂。ノットレイ達は一掃され、テンジョウは逃げ去った。
- 新たな仲間が増えた事を喜ぶひかる達に「プリキュアって何なの?」と説明を求めるも、プルンスの話が長くなりそうと見るや、「ごめんね、長いんだったらまた今度!弟達が待ってるから、チャオ!」と走って帰ってしまった。
■第5話
- ひかると一緒に登校。とは言っても学校に到着した途端、『観星中の太陽』の周辺にはいつも通り人だかりが。
- 放課後、ひかると一緒にフワにミルクをあげていると、怪しんだまどかがやってきて、何か隠している事はないかと追及される。なんとかごまかして立ち去ろうとするも、事もあろうにトゥインクルブックの中に隠れていたフワが、まどかに「バイバイフワ~!」とご挨拶してぶち壊しに。ひかるとえれなは石化。
- 父を裏切れないと躊躇するまどかだったが、「フワを守りたい」という自分の心の声に従い、キュアセレーネに変身を遂げた。仲間が増えて喜ぶひかるに「言おうと思ってたんだけど、その『先輩』っていうのやめてよね。だって堅いし。えれなでいいよ」と彼女らしいサバサバ発言。憧れの太陽と月相手にそんな馴れ馴れしく呼べず、「えれなさん・まどかさんで!」と妥協案を出すひかるに対し、敬語という概念のないララは「えれな、まどか、よろしくルン!」と早速呼び捨て。ひかるとララの対照的な姿を見て、「あははっ、おもしろ!」と笑うえれなだった。
■第6話
- ひかるが息抜きにとララを天文台に誘い、えれなは「遊んでる場合じゃないルン」と渋るその背中を押す係。こういうあたりは年下の扱いに慣れたお姉さんっぽい。
- 巨大怪物ノットリガー相手には、得意のキックも通じず、跳ね返されてしまう。しかしくじけず、狙われたミルキーを庇って「あたし達が相手になるよ!」と、スターやセレーネと共に立ちはだかる。そしてセレーネがセレーネアローの連射で攻撃を防ぐ間に、ソレイユシュートを叩き込んで砲口を破壊し、勝利へと繋げた。
■第7話
- AIが修理のやり方を教えてくれると説明され、「えーあい?」と首をかしげる。惑星サマーンでは勉強もテストもないと聞き、「ちょっとうらやましいかも」と答えるあたり、日々の家事と弟妹の世話が忙しくて、勉強は得意ではないのかも。
- そのAIの診断では「えれな様は運動神経抜群、パワータイプですので、物を運んだりする力仕事の担当です」という、女の子にとっては少々微妙な褒め言葉で作業を任されるが、『観星中の太陽』はその程度のことで目くじらを立てたりせず、「力仕事ね、OK!」と快諾。体を動かすのは好きなのであろう。
- ひかるがぶつかりそうになって謝っても、「平気平気、チャオ!」と素敵な笑顔。しかし力仕事が1時間も続くとさすがにへばってきて、2時間後には疲労困憊に。
- 休憩の時、ひかるがトゥインクルブックに何かを描いているのを発見。ララに聞かれても恥ずかしげに隠そうとするひかるだったが、「見せてよ、ひかる」とえれなに迫られては断れず。
- それはポップでカラフルなロケットのデザインだった。「この辺に可愛い飾りとかあったらいいなぁ」とえれなもアイデアを出し、みんなで外装のペイントや内部の飾りつけに勤しむ。
- 完成したロケット内部には各人の個室も作り、「いいね~!一人部屋!」と、実家では望めない自分だけの部屋に大喜び。大気圏脱出時の強烈なGに苦しみながらも、初めての無重力体験や宇宙から見る地球の美しい姿に感激し、「本当に…宇宙に来たんだね」としみじみ呟く。その時、えれなのスターカラーペンダントがてんびん座のプリンセスの反応を捉え、舞台は星空界へ。
■第8話
- 到着したケンネル星には骨のようなものが無数に転がっており、「まさか凶悪なモンスターに食べられちゃった人の骨とか?」と、先代黄キュアの先輩が聞いたら腰を抜かしそうな事を呟く。「食べられて骨だけにされるなんて、恐ろしいでプルンス!」と震え上がるプルンスに対しては、「骨、無さそうに見えるけど」と冷静にツッコんだ。
- 吠えた後に逆立ちで名乗るというケンネル星独特の挨拶はさすがに無理なので、住民ドギーに対して「あたし達の星の挨拶をするね」と握手を求め、笑顔を見せる。曰く「顔を合わせて笑顔になれたら、もう友達なんだけどなぁ」との事。まさに『太陽』と呼ばれる所以である。
- 神殿のご先祖様の像の頭にプリンセススターカラーペンが刺さっているとわかり、譲ってほしいと頼み込むが、ドギーは「あれは『聖なる骨』だから渡せない」と拒否。宇宙の平和のために力づくでも抜いてしまえとプルンスが主張したために、ドギーはますます態度を硬化させる。さらにカッパードまで現れ、ペンを守るべく変身して戦うが、「俺達から見れば、『聖なる骨』を奪おうとするお前らもあの男も一緒だ」というドギーの痛烈な指摘がプルンスとソレイユの胸に突き刺さる。いくら「宇宙の平和のため」と主張しようと、ドギー達からすれば、プリキュアもノットレイダーも等しく、自分達の大切なものを奪っていこうとする略奪者に過ぎないのだ。
- だがソレイユは凛々しく宣言する。「確かにドギーたちからすれば一緒かも知れない。それでもあたしはペンを守る!」損得勘定も、宇宙の平和という大義も関係ない。「友達の笑顔を守りたい」、ソレイユにとってはそれだけで十分戦う理由なのだ。
- だが水と炎では相性が悪く、カッパードの攻撃で追い込まれた。それを見たプルンスは「強引だった事は謝る。でもみんなの事は信じてほしい。今だけでもいいからソレイユを助けるためにペンの力を貸してほしい」と頭を下げ、懸命に頼み込む。そのプルンスと、さっき会ったばかりの自分を「友達」と呼び、ペンを守るために戦うソレイユの姿を見て、遂にドギーの心も動かされた。
- ドギー達が力を合わせて引き抜いたペンをソレイユが受け取ると、てんびん座のプリンセスの力がペンに宿る。そしててんびん座ソレイユシュートでカッパードを撃退した後、スターパレスにてんびん座のプリンセスが復活した。
■第9話
- 色々多忙なまどか、ある日の英語の授業では上の空で、先生から教科書を読むよう指示されても気づかない。珍しい凡ミスを見た同じクラスのえれなだが、代わりに指名される。まどかのことを思いやってか、流暢な英語で「ごめんなさい、何ページを読めばいいですか?」と分からなかったフリでおどけるのだった。
- 放課後ひかると「正真正銘のお嬢様だよね」と話しあうが、多忙なのはえれなも同じ。ロケットの作業が終わると「お店の手伝いあるから、チャオ!」と直ちに帰ってしまった。
- 明くる日。家の手伝いの都合でロケットに行かず直帰したえれな。弟妹たちのお守りをしていると、スタードーナツの前にはひかるとララ、そしてひかるから連れてこられたまどかが。えれなたちも交えて一緒に食べることになり、それならばとお勧めの場所として湖のほとりに移動。
- 初めて食べるドーナツを美味しく味わうまどか。それを見て感心するえれなはまどかとひかるについて話しあう。不思議な子、でもララがロケットの修理で煮詰まった時には天文台に連れて行ったり、今日もまどかを商店街に連れ出したり。みんなのことをよく見ている、洞察力に長けた子だと感心していた。
- まどかはララやえれなも凄いと思いつつ、自分としては自分のことで気持ちに余裕がないと心情を吐露。しかしえれなはそんなまどかの冷静さや凄さを分かっていた。そしてまどかに「困ったときはあたし達を頼ってよ、友達でしょ?」と笑みを浮かべながら促した。
- ノットリガーとの戦闘では攻撃を避けきれなくなりピンチになるが、サポート役を託したキュアセレーネによって助けられる。
- 戦い終わって夕暮れ。まどかと別れの会話を交わすが、そこでえれなは「ところで、『天宮さん』っていうのそろそろやめない?『えれな』でいいよ」と名前呼びを促す。ひかるとララも同調し、まどかが呼び捨てで呼ぶようになると4人で手を取りあい、固い結束を誓い合った。
■第10話
- ペンダントの導きで惑星クマリンに到着。彼の地に踏み出したのだが、「体が重っ!」と異変に気づいたえれな。身体能力抜群のえれなも流石に重力が地球の2倍もあるこの星には馴れないようである。
- 戦闘では強化されたノットレイ達の前に歯が立たずキュアセレーネとともに敗北してしまう。
■第11話
- ノットリガーとの戦闘で幹部達に自らの想像力を否定されるスター。しかしその想像力の凄さを熱弁するミルキー、ひかる達に出会えたことで皆と仲良くなれたと語るセレーネの後を受けて、セレーネの言葉に「あと、スタードーナツも知らなかったでしょ?」と付け加えて、ソレイユも「ひかるのイマジネーションはみんなを新しい世界へ連れてってくれるんだよ!」と断言する。仲間たちの心強い言葉を受けたスターとともに4人は宇宙を守る決意を新たにし、その想いから新たな力を得ることになる。
■第12話
- 冬貴の追及をかわしきれなくなっていたところ、世界的映画監督のP・P・アブラハムが窮地を救ってくれた。冬貴と日本政府の目を欺くためと、実は星空連合の調査員であるアブラハムの協力を得るために、なし崩しに映画を撮る羽目に。
■第13話
- 観星中に転入してきたララに「登校初日だね、ファイト!」と手を振り、ララも返事をすると、えれなの周囲の女子生徒達は「誰?転校生?」「登校初日で天宮先輩と会話を…」とザワザワ。
■第14話
- 遂に天宮家の全貌が明らかに。陽気なメキシカンの父・カルロス、通訳の母・かえで、子供達もそろって笑顔満開の一家に、訪れたひかる・ララ・まどかも笑顔になる。しかしその輪の中に長男・とうまだけは入ろうとせず、そっぽを向く。えれなも「最近とうまの笑顔、全然見てないんだよね」と心配していた。
- その夜、えれながなぜ父や母に素っ気なくするのかと問い詰めると、友達の前でも仲睦まじく、手をつないで踊りながら挨拶するのがとても恥ずかしかったという。えれなが「他の家は知らないけど、うちはうちでしょ」と言っても、とうまは「うちは変なんだよ!」と布団をかぶって心を閉ざしたままだった。
- さらに、ひかる達を招いてパーティーを行うはずだったのに、相も変わらずラテンのノリで踊る父母の姿に我慢できなくなったとうまは、「普通の家がよかった、こんな家、大嫌いだ!パパもママも大っ嫌いだ!」と叫んで飛び出してしまう。
- とうまは、探しにきたララに「それぞれの場所にはいろいろな人がいるが、みんな変じゃない」と聞かされ、少し心が和らいだが、そこへテンジョウが現れ、とうまは巨大ノットレイに変えられてしまった。彼を救うべく、えれな達は変身して戦闘開始。
- 姉とも知らずソレイユを叩きのめし、巨大ノットレイの中でとうまは「僕は普通のうちがよかったんだ!」と苦悩していた。だがソレイユは、自分自身も小さい頃は我が家が普通ではないのではないかと思っていた事を打ち明け、「でもあたしは、笑顔で一杯のうちの家族が大好き。パパやママや、れいな・たくと・いくと・あんな…それからとうま!大好きだよ!」と叫ぶ。
- その言葉に躊躇しながらも攻撃を続行しようとする巨大ノットレイだったが、スターの加勢でテンジョウが落としたカラーペンを手に入れたソレイユは、さそり座ソレイユシュートで反撃。巨大ノットレイは倒されてとうまは救い出され、同時にさそり座のプリンセスもよみがえった。
- 目覚めたとうまを、涙ぐみながら抱き締めるえれな。とうまもようやく素直になり、両親に謝って、全員の笑顔が戻った一家とひかる達のパーティーが始まった。笑顔の輪の中で「僕も、うちの家族が大好きだ!」と言うとうまを、満面の笑顔で再び抱き締めるえれなだった。
■第15話
- オークション会場で宇宙アイドル・マオの歌を聴き、みんな感嘆する中で、特にえれなは体を動かしノリノリ。やはり父親のラテン系の血を引いているためか。
- プリンセススターカラーペンを盗んで逃げた宇宙怪盗ブルーキャットの後を追うと、その先にいたのはマオ。「ブルーキャットなど知らない」と言うマオだったが、えれなは勘鋭く「待って!あなた、ここで何を?」と問い詰める。さらにスターカラーペンダントの音が彼女の方向を指し示すと、マオは「へぇ~、思ったより高性能だね、それ」と笑いながら、ブルーキャットの正体を現すのだった。
■第16話
- 全国弓道王大会に出場したまどかを応援するためひかる・ララと共に大会会場で応援。決勝がまどかと那須ゆみかとの延長戦にもつれ込んだのを受けて、お昼休みに持参したお弁当を広げる。中にはまどかの勝利を願ってカツサンドにかつおぶしのおにぎりといった験担ぎも。この辺はさすがチームのお母さん的存在。
- ゆみかとの一騎打ちを制し、連覇を成し遂げたまどかを見て歓声に沸く一同。その中でえれなは感激のあまり目に涙を浮かべていた。
■第17話
- おとめ座のペンを探し、再びゼニー星へやってきた一同は、ドラムス邸の前でブルーキャットと再会。プリンセススターカラーペンを含むお宝を頂戴しようとする彼女にはさすがに同意できず、まずはペンを譲ってもらえないかドラムスに交渉してみようとしたところ、ドラムスの方からペンを賭けた勝負を提案してきた。
- 落とし穴で落とされた先の地下室には、センサーと対人ビームが備え付けてあり、迂闊に動けない。そこでブルーキャットは、えれなに「走るのが得意なあなたが適任なの」と攪乱役を依頼する。いや、もろに命懸けの囮なんですが……。しかしえれなはためらう事無く「わかった!」と、センサーを引き付けてビームから俊敏に逃げ回る。その間にブルーキャットがビーム発射装置を分解して第一関門突破。
- ドラゴン兵団や宇宙ケルベロスといった難所をかいくぐり、遂に宝物庫発見。惑星レインボーの宝を前に、「無事だったのね」とブルーキャットは呟く。サングラスで目は隠していても、彼女の口元には本当にうれしそうな笑みが浮かんでいる事にえれなは気付いていた。
- しかしドラムスが現れ、「ブルーキャットは惑星レインボーの宝以外は、奪った宝を貧しい人々に分配している」と指摘。宝の価値がわからない連中にやるくらいなら潰した方がマシだと、竜の巨人像を操って宝物を壊し始める。惑星レインボーの宝にも手をかけられ、ブルーキャットの顔がひきつるのを見た一同はプリキュアに変身した。
- 巨人像の手を必死で抑えながら、ソレイユは「だってこの宝物はブルーキャットを笑顔にしたんだ!普段見せてる笑顔とは違う心からの笑顔を!」と叫ぶ。笑顔を何より大切に思うソレイユだからこそ、このレインボー星の宝に秘められた彼女の想い、彼女なりの事情がある事を察したのだ。
- ところがカッパードまで現れ、ペンを奪われそうになる。しかしブルーキャットがカードで目くらましした隙に、スターとの連携でペンを奪取。おとめ座ソレイユシュートで勝利した。
- おとめ座のペンを手に入れる事はできたが、ブルーキャットがドラムスに「前回盗んだ宝の代わりとして、プリキュアをドラゴン兵団に入れてもいい」と勝手に約束していたために、ドラゴン兵団入りさせられそうになる一同。ララとまどかは付き合っていられないとばかりにさっさと帰り始めたため、えれなは「ごめんね、あたし達帰らないと。困った事があったら来るからさ」と、代表して丁重に断りを入れていた。
■第18話
- ひかるの母輝美の新作漫画を手伝うにあたり、医者役としてモデルに。完成したキャラクターはたしかにえれなの面影が見えるイケメンだった。
■第19話
- 上空から見た時は綺麗だったが、いざ惑星レインボーに着陸してみると荒涼とした風景が広がっており、「花も木もない…」と呟く。さらにレインボー星人を見つけたと思って近寄ってみると、それは幼い2人の子供をかばったまま石化している女性であり、えれなは「どうしてこんな…」と慄然となる。事前に話は聞いていたとはいえ、実際に目にしたレインボー星は、いつも花や家族の笑顔に囲まれている彼女にとっては、想像以上の悲劇の地であった。
■第22話
- ロケットの清掃点検をしているところに現れたひかるの父陽一。彼がUMAの研究をしていると聞いて「UMAって?」と疑問に。父の書斎にあった本を読んでいたまどかが解説するのを聞いて「詳しいんだね」と感心。
■第23話
- 今日はユニの歓迎会。もちろんえれなは御馳走作り担当で、いつも一人のユニに「ちゃんとごはん食べてるの?」と尋ねるさすがのお姉ちゃん体質。しかしユニの携帯食・マタークッキーを食べたフワから大量のコピーフワが出現し、思わぬ騒動に。
- ロケットの外にまで溢れたコピーフワを追いかけて出て行ったユニを放っておけず、後を追う。パンの耳を与えることで群れを一つ消滅させ、ひかるが持ってきたドーナツを手に、商店街に向かった別の群れをユニと共に追跡。
- その群れの中で本物のフワが増殖継続中のため、群れはどんどん大群になっていき、商店街の人々に見られたらパニック間違いなし。そこでユニは機転を利かせてマオに変身し、即興のライブを行う。地球では誰も知らない宇宙アイドルとはいえ、その歌声は通行人たちの気を引き付け、「さすが宇宙アイドル」と感心しつつ、その間にえれなが群れを商店街の外まで誘導する事で、まずは最悪の事態だけは回避に成功。
- しかし本物のフワは見つからない。さっさと探しに行きそうになるユニを引き止め、「待って!どうして一人で行こうとするの?」と問うが、ユニは「これはわたしの責任、わたしのせいで起きたことだから誰にも迷惑はかけたくない」と答える。それは責任感であると同時に、「『仲間ではない他人』には迷惑をかけたくない」という心の距離の表れでもあった。そんな彼女にえれなは「責任だとか迷惑だとか、そんな事思ってない。みんなフワが心配で探してるんだよ。フワだけじゃない、あなたの事も。今までは一人で何でも解決してきたかもしれないけど、一人で抱え込まないで。みんなで分け合うっていいもんだよ」と語りかける。
- その時、カッパードのUFOがフワの群れに遭遇。ユニはその中から本物のフワを見つけ出すが、カッパードに気付かれ、フワを捕えられてしまう。ひかる達が駆け付け、一同はプリキュアに変身する。
- 自分の迂闊な行動のせいでフワが捕まったと自責の念に駆られるコスモは一人で突っ走り、カッパードの攻撃で吹っ飛ばされるが、プルンスをクッション代わりに広げた4人がキャッチして助けた。「どうして…」と尋ねるコスモに、ソレイユは「言ったでしょ、責任分け合うって。フワを取り戻して!」とおとめ座のペンを託す。奮い立ったコスモはソレイユの脚に乗り、ソレイユが彼女を蹴り上げる協力技「コスモシュート」でカッパードに攻撃してフワを奪回。レインボースプラッシュでカッパードを退けた。
- コピーフワが全部片付き、一件落着。「一つ借りができちゃったわね。じゃ…」と言って立ち去ろうとするユニの手を取って引き止め、えれなは「なら、これからその借りを返してくれる?ウェルカムパーティーで!」と笑顔を見せる。と言っても、御馳走はコピーフワによって全部食べられており、残ったのはドーナツたった1個。しかしえれなは「うち兄弟多いから。貸してごらん」とドーナツを器用に7等分した。「じゃあ、まずはこれで乾杯。ウェルカム、ユニ!」とのえれなの音頭で、一同はドーナツをくっつけあって乾杯代わりにする。理解できない不思議な感情を抱きながら、ユニもその輪に加わった。
■第24話
- ロケットで宇宙に出て持参したかき氷機でかき氷を作ろうとするひかる。そこからのかき氷の話題に乗る形で毎日弟妹にかき氷を作ってあげていると語るえれな。ただしっかり者のえれならしく食べるためには「夏休みの宿題その日の分を終わらせてから」と条件を付けていて、興味を持ちつつも終わりまで宿題を持ち越してしまうひかるはがっくり。
- アイスノー星に到着し、ユキオとイルマのやりとりの中でニンジンの鼻を折ったのを見て思わず吹き出すひかる、「笑っちゃ失礼」だとたしなめる。が、イルマは笑顔を見せず。ユキオ曰く「イルマの笑顔は最高」というのに「どんな笑顔なの?」と興味を示すが、「見たことがない」と言われずっこけ。
- 「娯楽がない」とユキオは言うが、ひかるの発案で雪と氷ならではの楽しみ方を実践。えれなはまどかとともにスノーボードを楽しむ。
■第25話
- みんなで観星町の夏祭りへ。その浴衣姿を見つけた観星中の生徒が「キャーッ!天宮えれな先輩よ!」「やっぱり浴衣姿も似合ってる!」と歓声を上げて、まどか共々芸能人ばりに取り囲まれる。
- 一発で射的の景品を全部倒してしまったまどかに続き、輪投げにチャレンジ。こちらも景品を根こそぎ手に入れ、黄色い歓声を浴びつつ「弟や妹達へのお土産、こんなにゲットしちゃった」と笑顔を見せる『観星中の太陽』であった。
■第26話
- 惑星サマーンに向かう道中でパジャマパーティー開催。ひかるが持ってきたアブラハム監督作の『ジャマシックパーク』を鑑賞するが、これがかなりのB級作品。しかし喜ぶひかるとまどか、チープさに呆れるララを余所に、えれなだけは顔が真っ青で、宇宙モンスターを見て大きな悲鳴を上げる。この手の怖い映画は苦手なのだった。その後もロケットの警報音や、ドーナツがなくなったと騒ぐプルンスの声に反応して逐一悲鳴を上げ、クッションに顔を埋めっぱなしになりながらも、結局逃げ出さずに最後まで付き合った。
- みんなの家族の話になり、えれなは1週間も家を空ける事が心苦しかった事を吐露する。父も母もスケジュールを調整して、弟妹の世話も心配するなと喜んで送り出してくれたのだが、出発した今もえれなは気が引けているという。本人は意識していなくても、愛する家族の存在が、逆にえれなの自由の足枷になっている事を匂わせる一幕だった。
■第28話
- ようやくプルルン星の中心に到着。魚のような住人が溢れる街の風景を見て、「おいしそう…」とよだれが口に浮かぶユニに「食べちゃだめだよ」と優しく注意。
- ヤンヤンが言っていた、どんな宇宙船も直せる職人・フレアの家を訪れ(この際、カニ星人達を見てまたも「ニャン!おいしそう」と目を輝かせるユニに、「だからダメだよ」と二度目の待ったをかけていた)、修理をお願いしたところ、職人気質のフレアは「直したければハートを見せてみろ」と言ってきた。
- フレアに指名され、えれなとまどかは足踏み式のふいごで炉に風を送る担当に。えれなが「イカ!」、まどかが「タコ!」と合いの手を入れながら懸命に風を送り続けるが、巨大なふいごを踏み続ける重労働にへばってしまい、えれなは「もう限界かも…」と座り込んでしまう。
- 立腹したフレアは「情けないのう、お前らのハートはそんなもんか!」と叱り飛ばすが、折しもスコールが降り出したため作業は中断。雨の中、立ち上がる気力もなくまどかと共に座り込んだままのえれなは、気遣うひかる達に「ごめんね…」と力なく謝るだけだった。
- 火の星・プラズマ星から、「水の星を見てみたい」という好奇心だけで、家族の反対も押し切ってプルルン星へ来訪し、それ以来住み続けているというフレアの身の上話を聞く。「あの時あきらめとったら、ハートの炎が消えて、一生くすぶっとったじゃろうな」という彼の言葉は、意気消沈していたえれなとまどかの心に響くものがあった。
- 「いつも元気なえれなが『もう限界』なんて言うの初めて聞きました」とまどかに言われ、「まどかの方こそこんな弱音吐くなんて」と答えると、お互いに自分は強くない、相手の方がすごいという妙な謙遜合戦になりかけるが、どちらからともなく笑いあった。「自分の事って自分じゃよくわからないんだね。あたし達、自分で自分を決めつけてたのかも」と言うえれなにまどかも同意し、2人の消えかかった心の炎は再び甦っていた。
- そこにカッパードが登場。水の星とあっていつも以上に好調で、テンションも高く暴れるカッパードはフレアを狙おうとするが、ソレイユとセレーネは「親方の熱い炎は私達が守る!」と立ちはだかる。威力の増したカッパードストライクを必死で食い止める2人を、「あきらめるんだな、これがお前達の限界なのだよ!」とカッパードは嘲笑するが、「あきらめない!限界は越えるためにあるんだ!」「熱いハートがある限り、わたくし達に限界などありません!」と叫び、おとめ座ソレイユシュートといて座セレーネアローの合体攻撃でカッパードを退けた。
- スコールも去り、えれなとまどかは改めてもう一度やらせてほしいとフレアに願い出る。「イカ!」「タコ!」「イカ!」「タコ!」の掛け声も今度は途切れず、燃え上がった炎で無事ロケットの修理は完了したのだった。
■第30話
- 惑星サマーンにて、無実の罪で指名手配されたララ。逃げ続けると立場が悪くなることはわかっているが、無実を証明するには自分がプリキュアであることを示さなくてはならず、そうすると地球人の仲間達の素性もバレて迷惑をかけてしまう・・・ 戻ってくるようにとの家族の呼びかけに対し迷うララだが、えれなは必死で憔悴した表情のロロを指して「いくつになっても妹のことは心配なんだよ。たとえ双子でもね」とお姉ちゃんの実感を述べてララを諭し、自分たちのことはいいから家族のもとに戻るように促した。
■第31話
- 地球へ帰還。プリキュア達の素性が星空連合に割れたことで、トッパーからプリキュアの連合参加を打診されるが、「店の手伝いあるし、弟達の面倒見ないといけなくて」とあっさりと断る。
■第32話
- ユニコーン形態に進化したフワを狙ってガルオウガが襲来してくる。フワを守ろうとしながら戦うから隙ができるとしてプリキュアを追い詰めていくガルオウガに、「違うよ! 守るものが多ければ… 大きければ… それだけ!強い力になるんだ!」と反論しながらジャンプハイキックをかますが、あっさりとガルオウガに片腕で止められ脚を掴まれ、「知った風な口を!」との叫びとともにジャイアントスイングで投げられてしまう。
- だが、「お前らがフワを守ると言う気持ちは、結局は無力な愛玩動物を上から目線で愛でてる娯楽のようなもの」とガルオウガに貶された際は怒りで立ち上がり、「出会ったのがぬいぐるみだったと思ったら、プリンセスの希望だっただけ」と反論しながら、再びハイキックをお見舞い。
- 仲間達みんなで必死にいくつもの小さいダメージを積み重ねたことでガルオウガをパワーアップさせていた腕輪の効力がきれ、トゥインクルスタイルへの覚醒も伴い、ガルオウガを撤退させることに繋げた。
■第33話
- ひかる曰く、えれなとまどかは中学三年生の二学期になってからは進路のことで色々忙しくなると言うことだが、それ以前にえれなは家族の手伝いに忙殺されている様子。トゥインクルイマジネーションを探しに行こうとねだるフワに対し「今日はママが仕事で忙しいから帰って色々やらないと」とお断りして笑顔でチャオ。だがフワは拗ねてしまって1人で行動してしまい、そこから騒動が巻き起こる。
■第34話
- アブラハム監督から連絡があり、サボローという星空連合の視察員が地球を訪れるので、案内してやってほしいと言う。精一杯おもてなししようと皆が張り切る中、母親が通訳をやっているえれなは特に意気込んでいた。
- ところがやってきたサボローは言葉を発さない植物型宇宙人で、スターカラーペンダントの通訳機能も役に立たない。身振り手振りで何かを伝えようとする彼の意思を汲もうと一同が苦心していると、えれなは「水が欲しいのではないか」と推測。正にその通りで、えれなはサボローと順調にコミュニケーションを取り始めた。
- 森や街中を案内し、サボローも喜んでいる様子。花が好きらしい彼のために、えれなは自宅の「SONRISA」に連れて行き、店先の花を一輪プレゼントしようとするが、なぜかサボローは急に不機嫌になって、そのまま宇宙船に戻って閉じこもってしまった。植物型の宇宙人である彼にとっては、咲いている花を切り取ったモノを愛玩するという行為はショックだったのだ。(立場を逆転してみると、子犬や子猫が可愛いからといってその首を刎ねてインテリアにしているようなものだろう)
- えれなにはもちろん悪意はなかったが、言葉が通じない以上はその誤解を解くこともできない。せっかく芽生えかけた友情が、カルチャーギャップによって潰えそうになるという思わぬ事態に、えれなは落ち込む。
- その夜えれなは、母のかえでに「わかり合うって難しい」と悩みを打ち明ける。かえでは「いくら外国語が話せてもわかり合えないこともある。笑顔も大事だけど、もっと大事なのは理解しようとすること」と教えた。
- そんな中、本物の視察員サボローは視察をサボってバカンス中であり、あのサボローはたまたま地球に立ち寄っただけの出自不明の異星人だということが判明。拍子抜けする一同だったが、えれなにとっては彼が視察員だろうとなかろうと関係ない。このままでは、サボローは誤解を残したまま地球を去ってしまう。その前に何としてもサボローに謝りたいと、えれな達はサボローの元へと急いだ。
- 一方、サボローの方も悩んでいた。あちこちの星に行ってそこの住民と友達になろうとしても、怯えて隠れられたり、追い回されたり、話が通じなかったり…。そしてこの地球という星でもダメだったかとため息をつく彼の前にテンジョウが現れ、サボローは巨大ノットレイにされてしまう。そこへえれな達が駆け付け、プリキュアに変身して戦闘開始する。
- 「あなたと戦いたくない」とソレイユは説得を試みるが、テンジョウは「違う星の者同士、わかり合えるわけがない」と嘲る。しかしソレイユは懸命に叫んだ。「確かに言葉は届かないかもしれない…わかり合えない相手もいるかもしれない…けど!わからないからって何もしないなんてそんなの…あたしは嫌だ!」
- そのソレイユを守ろうとする4人を蹴散らし、サボローノットレイはとどめとばかりに足でソレイユを踏みつぶそうとした。だが「サボロー、あたしは…あなたと友達になりたいんだ!」と叫んだソレイユが繰り出したのはパンチでもキックでもなく、手でハートの形を作る「好き」のポーズだった。先刻、サボローと花を眺めていた時に交わした、心が通じ合ったサイン。それを見たサボローノットレイの動きが止まる。ソレイユ達はすかさずスタートゥインクルイマジネーションを繰り出し、サボローを救い出した。
- えれなは改めてサボローに、地球では大切な人に心を込めて花を贈るのだと説明する。決して悪気があった訳ではなく、ただ笑顔になってほしかっただけだったと涙を浮かべて謝るえれなの真心はサボローに通じた。トゲだらけだった彼の全身には一斉に花が咲き、その中の一輪をサボローはえれなに贈る。新たな星へ新たな友達を探すために飛び立つサボローの宇宙船を、笑顔で見送るえれなだった。
■第35話
- ひかるの生徒会選挙の話だが、ララとは違ってえれながひかる陣営に立って応援することはなく、傍観者の立場だった。もっとも「観星中の太陽」がひかるを応援してしまうと影響が大きいだろうから、そのあたりは自分の立ち位置をちゃんとわきまえているのだろう。
■第36話
- 宇宙マフィアドン・オクトーからレインボー星の宝を取り返すためにユニはブルーキャットとして再び活動。他の仲間達も心配になってついていくことに。オクトーがアジトの宇宙船で開催したマフィアのボスを集めたパーティーに潜入するため、自分たちもマフィアの一味に変装。ところがどう言うわけかフワをボス役としてしまったために明らかに威厳が… えれなは「なんでフワがドン?」と疑問を呈すが誰もそれに答えられず、どうやらなんとなくのノリでそうなったようだ。
- 侵攻してきたテンジョウとの戦闘では、仲間を庇うためにダメージを受けてしまったキュアコスモに対し、テンジョウがそれをあざ笑う。 「(コスモは)プリキュアたちと一緒にいたことで弱くなった」との言葉に仲間達はこぞって反論。ソレイユは「コスモはね、誰よりも他人を思いやる心を持っている!」と叫びながら攻撃するが、最後にボソッと「素直じゃないけどね」とつけ加えた。それはコスモの耳にも聞こえていたようで「はあ?」とちょっと不本意気味な表情。そのあたりが素直じゃないところなのだろう。
■第37話
- 商店街のハロウィン仮装コンテストで家族で参加。花屋らしく花弁を模した被り物に、茎を模した緑タイツの姿。体の線が見えやすい服だったおかげで『スタプリ』のキャラクターデザインコンセプトがわかりやすいシーンとなっていた。
- 本作は日常服およびプリキュアコスチュームに関して「衣装はシンプルにして、パーツを見せる」がコンセプトにあり、いろんな飾りを体の各所につけやすくなるように、体型の凸凹を極力なくしている。つまりプリキュア変身者全員が薄くて真っ平らなのである。
- 猫の仮装をしたまどかとユニとの合流後は、えれなはタイツを脱いだかと思うとその下に隠してあった猫の仮装に早着替えして3人でスリーキャッツを名乗る。
■第39話
- 「学校対抗英語スピーチコンテスト」の観星中代表にえれなが選ばれた。そんな中、ジョー・テングという特別講師がやって来る。流暢な英語を操る彼女の「国なんてちっぽけな世界に縛られず、宇宙に目を向けなさい」との言葉に目を輝かせるえれな。実はテンジョウがへんしんじゅで変身した姿であり、変身前のプリキュアに接近してフワを奪うのが目的だった。
- そうとも知らず、えれなはテンジョウに「スピーチコンテストで何を発表すべきか迷っている」と悩みを打ち明けた。好都合とほくそ笑むテンジョウは隙を狙ってフワを手に入れようとするも、なかなかうまくいかない。そして大勢の生徒に取り囲まれるえりなの屈託のない笑顔を見る内に、その心の中には憎悪が湧き起こっていた。「気に入らないわね、あの笑顔…」
- 放課後、えれなは「笑顔でいればどんな人ともつながる事ができる」というテーマで書いたスピーチの原稿をテンジョウに見せた。しかしテンジョウは冷笑し、「あなたは何もわかっていないお子ちゃま。周りの人が嫌いになったり、笑顔が信じられなくなった事はないの?」と問い掛ける。
- それを聞いたえれなの脳裏に、小学校の頃の苦い思い出がよみがえった。ハーフのため肌の色が違う事をからかわれ、「何で自分だけが他のみんなと違うんだろう」と悩んでいた時期があったのだ。「それこそが真実。その時の辛い気持ちを書いて怒りや悲しみを曝け出せば、人の心を打つスピーチができる」と焚き付け、内心では「その憎たらしい笑顔を消し去ってあげる」と嘲りながら巧みに誘導しようとするテンジョウの言葉を、えれなはうつむきながら聞いていた。
- コンテスト当日、いよいよえれなのスピーチが始まった。「Smile connects people with each other」というタイトルは先日言っていた通り。「わたしは日本に生まれ、皆さんと同じ日本人として育ちましたが、どうして自分はみんなと一緒ではないのかと悩み、笑顔を失って心に壁を作った時期がありました」という内容をスピーチするえれなの顔は曇ってゆき、テンジョウは「その調子であなたの心の歪みを曝け出しなさい」と思い通りの運びに勝利を確信するが…
- そこでえれなは一転して笑顔になり、「そんな時、家族を見て気付きました。こんなに楽しくユニークな家族はどこにもいません。世界に1つだけのわたしの宝物です!そして人と違うのは自分だけじゃないとわかってからは、誰とでも笑顔で接する事ができるようになり、笑顔の輪が広がっていったのです。これからもたくさんの人と出会い、交流を深めていきたいです」と見事にスピーチを締めくくる。
- 会場が万雷の拍手で包まれる中、怒りの表情でテンジョウが壇上に上がってきた。「あなたって子はほんとに何もわかっていないんだから!笑顔が人と人をつなげるなんてまやかしよ、笑顔なんか何の価値もない!」と罵声を浴びせて去って行くテンジョウの脳裏に浮かんだのは、上流階級の人々が下層の者を嘲笑う故郷の光景。テンジョウにとって笑顔とは不愉快なものでしかなく、えれなのスピーチは理解し難いものだった。
- 追いかけてきたえれなの前でへんしんじゅの効果が切れ、テンジョウは正体を現した。えれな達はプリキュアに変身して巨大ノットレイにされた校長と戦闘開始。その最中、「笑顔なんかで人と人はつながれない、お前の笑顔になんか何の価値もないのよ!」と罵るテンジョウに対しソレイユは「あたし、あなたには感謝してる!だってあのスピーチができたのはあなたのアドバイスのおかげだから!」と意外な事を口にする。
- 本音は別で下心はあったにせよ、テンジョウの言葉によってえれなは自分の過去を見つめ直し、笑顔の大切さを再認識できたのだ。「笑顔に価値はあるよ!笑顔には人と人をつなげるすごい力があるんだ!」と叫び、ソレイユ達は勝利するが、テンジョウはその訴えに耳を傾ける事なく逃げ去っていった。
- コンテストはえれなの優勝に終わり、報告会でえれなは「指導してくださったジョー・テング先生にも心から感謝します」と述べる。その『ジョー・テング先生』は突然姿を消してしまったという扱いになってしまったが、えれなが彼女に感謝すると言ったのは嘘偽りない本音。いつかテンジョウとも笑顔でわかり合える日が来ると信じるのだった。
■第40話
- 放課後、皆より一足先にロケットに行き、プルンスと共にお掃除。そこに冬貴がやって来る。近隣住民から寄せられた写真によって、彼はララに疑惑の目を向けていた。アブラハム監督の証言とユニの機転によってその場は切り抜けたものの、冬貴が聞き込み調査を開始した事でララは窮地に立たされる。
- 翌日の夕方、エプロン姿で家の手伝いをしていたところ、フワに召喚されてユニと一緒に観星中にワープ。そこではカッパードのUFO3機によって取り囲まれる2年3組の面々と、スターカラーペンダントを取り出して、彼らの目の前で変身しようとしているひかる・ララ・まどかの姿が。「この状況は…?」とまどかに視線をやると、彼女は無言でうなずいた。そのアイコンタクトで、たとえプリキュアである事が知られようと、今は戦わなくてはならぬ時だとえれなは悟る。
- 仲間を信じるえれなに迷いはなく「なるほど…やるしかないって訳ね!」と即断。ユニも同意して、5人はプリキュアに変身して戦い、カッパードを退けた。そして戦いが終わった後、クラスメイト達と笑顔で和解するララの姿を、まどかやユニと共にバルコニーから微笑んで眺めていた。
■第41話
- 英語の時間、先生に指名され「That's one small for man,one giant leap for mankaind」とスラスラ音読。続けて当てられたまどかは英文を正確に訳したが、その背中は何か悩み事を抱えているように見えた。
- みんなでスタードーナツを食べている時、「前に言ったよね、困った時はあたし達を頼ってって。まどか、何かあったの?」と尋ねてみると、まどかは「どうしてわたくしが『月』と呼ばれているのか知っていますか?」と切り出した。最初はえれなが、その明るい笑顔がまるで太陽のようという事で『観星中の太陽』と呼ばれるようになり、えれなと双璧を成す人気者のまどかの方は、神秘的でみんなを優しく見守るイメージだから、その対照である『観星中の月』と呼ばれるようになったのだという。
- 自分達の呼び名の由来を知り、「へぇ~、それで月なんだ」と相槌を打つも、それもまどかの悩みにつながっていた。月が太陽の光を受けないと輝けないのと同様に、自分も自力では輝けない。父の言う通りにしてきただけで、自分で進む道を見出せないのだと。そんなまどかに対し、えれなは答えた。「そうかな?眩しいけどね、まどかの笑顔。こんなに笑顔が素敵な子なんだって。プリキュアになる前はよく知らなかったから」
- えれなからすれば、責任感に満ち、生徒会を引っ張っていくまどかの笑顔は十分に魅力的で輝いて見えていた。まどかは「その笑顔はみんなのおかげです。えれなが見ているのはみんなと一緒にいる時の笑顔ですから」と自信なさげだったが、「なるほどね、あたしが見ている笑顔か。じゃあさ、生徒会長のまどか、まどかのパパやママの前でのまどか、ひかるやあたし達といる時のまどか、どの自分が一番の笑顔になれるかで進む道を決めればいいんじゃないかな」とえれなは答える。まどかにとってその一言は、暗闇の中に射した一条の光明のようであった。
- と、そこまで言うと「…なんて偉そうな事言ったけど、あたしも進路決めてないんだけどね、あははっ」とえれなは照れ笑い。御心配なく、来週はあなたの進路回です。
- その直後、フワを奪いに来たガルオウガとの戦闘に突入。自分を捨ててダークネストから力を授かったガルオウガに対し、自分で自分の未来を選ぶ覚悟を決めたセレーネは、トゥインクルイマジネーションに覚醒して彼を撃破する。迷いを吹っ切り晴れ晴れとした表情のセレーネを見つめ、ソレイユは「セレーネ…輝いてるって」と嬉しそうに呟いていた。
■第42話
- まどかが、留学の件は一旦保留し、自分の気持ちと向き合って考え直してみる事にしたという。えれなはそんなまどかをうらやましく思いつつ、「いい笑顔してるね、今のまどか」と語り掛けると、まどかは「だとしたら、えれながわたくしの背中を押してくれたおかげです」と答える。しかし当のえれな自身の進路となると、弟妹の世話もあるし、地元の高校に進んで、そのまま店の手伝いをするかもと漠然と考える程度だった。「自分の進む道をちゃんと決めているんですね」とまどかに褒められても、自分の将来の夢や進みたい道を見つけていない事に気付いたえれなは、曖昧な笑顔で取り繕う事しかできなかった。
- 母のかえでが久々に仕事が早く終わり、夕飯を作ってくれるとなって弟妹達は大喜び。その通訳の仕事の多忙さも、言葉の通じない人々を結びつけて笑顔にする手助けになっていると、えれなは母の仕事に改めて尊敬と憧れを抱く。急な仕事が入ってかえでは出かけてしまったが、駄々をこねる事もなく、父のカルロスと共に笑顔の弟妹達に、わたしはこれで十分幸せなのだと自分に言い聞かせるえれなだったが…。
- 翌日の三者面談で、担任の先生からは地元高校以外でも十分狙えると太鼓判を押されるも、いざ将来の夢について聞かれると口ごもってしまう。そんな娘にかえでは「何か迷ってるんじゃないの?」と問い掛ける。ひかるとララに一緒にドーナツを食べようと誘われても、家事があるので断ろうとするえれなを押し留め、かえでは「せっかくだからいってらっしゃい。今日は早く帰れるから家の事は大丈夫。あなたはあなたの好きなようにすればいいのよ」と諭した。その言葉はえれなの心に大きな波紋を投げかけた。「あたしの好きなように…」
- ロケットでドーナツを食べての帰り道、まどかが「えれな、何かあったんですか?今日、三者面談でしたし、ひょっとして進路の事ですか?」と尋ねてきた。心配をかけたくなくて「別に何も…」と言葉を濁しても、「この前えれなはわたくしに、笑顔が輝いていると言ってくれました。あの言葉にわたくしは救われたんです。困った時は頼ってと言ってくれましたよね?今度はわたくしの番です」とまどかは訴える。
- 家の事や店の手伝い、プリキュアも全部大好きで、正直何をしたいのかがわからないという自分の心境をまどかに打ち明ける。「一見何でも卒なくできるようで、何か引っかかると前に進めなくなる。わたくし達はその点が似ていて本当は不器用なのかもしれません」と答えるまどか。将来の夢に関しては、プリキュアとしていろいろな星で多くの人々と出会った経験を無駄にしたくないという漠然とした思いはあるものの、それを具体的にどういう形にすればいいのかと悩むえれなに対しては、「自分の経験を無駄にしたくないという事は、えれながもっともっと新しい経験を求めているんじゃないでしょうか」と言い、「わたくしは見たいです、えれなが選んだ道で輝いている笑顔を」と励ます。優しく真摯な言葉に、えれなは力づけられる。
- 一方、かえではテンジョウに捕まって巨大ノットレイにされてしまう。えれなは「どうしてママが!?」と困惑するが、その耳にかえでの声が聞こえてきた。「えれな…毎日わたしや家族のために笑顔で頑張って…でも、あの笑顔はえれなの本当の笑顔じゃない。心からの笑顔を見せてくれない…」思いもよらぬ言葉にえれなは愕然となる。「そんな…あたしはいつだってみんなの笑顔のために、あたしも笑顔で…!」
- しかしテンジョウに「だからお前のその笑顔笑顔ってところが母親を苦しめていたんじゃないの?歪みがなければ膨らます事もできない。これが本心って事よ」と追い打ちをかけられ、えれなはショックで打ちひしがれる。ひかる達が駆け付け、みんなが変身しようとする中、茫然自失のえれなはただ立ち尽くすのみ。再度促されて、ようやく変身し戦闘突入する。
- だが母親相手に戦うのもままならず防戦一方のソレイユを「剥がれたねえ、仮面が。笑顔なんて所詮うわべだけの仮面なのさ。言っただろう、笑顔なんかで人と人がつながるなんてあり得ないって。そんなくだらないものを守るって?それこそお笑い草よ。笑顔の意味なんてわかってないくせに!」と散々に罵倒するテンジョウ。巨大ノットレイの攻撃で吹き飛ばされたソレイユはダウンしてしまう。
- しかしソレイユをかばったセレーネは「そんな事ありません!辛い時、苦しい時にこそ、笑顔になる事で癒され、救われる!前を見る事もできる!ソレイユがそれを教えてくれたんです!」と言い放つ。テンジョウは「それがうわべだって言ってんのよ!現にお前の笑顔は母親を苦しめてたんじゃないの?」と嘲笑するも、セレーネは「ソレイユ、わたくし達は信じています。あなたが守ろうとしてきたものを」と檄を送る。勇気づけられたソレイユは立ち上がり、「あたしは…笑顔を守る…みんなの笑顔を守るんだ!だから…だから負けない!負けるわけにはいかないんだ!」と叫んで、てんびん座ソレイユシュートで反撃。見事勝利を収め、母を救い出した。
- 意識を取り戻し、夕暮れの中家路を急ぐかえでの姿を見送るえれな。ひかるは心配そうに声をかけるが、えれなは「大丈夫だよ、チャオ!」とだけ返事をして、自分も帰っていった。しかしその足取りは重く、家に着いた時にはすっかり夜になっていた。「ママ、お腹減ったよ」「ダメダメ、えれなが帰ってきてから食べましょう」「お姉ちゃんまだかな」といつも通りの家族の賑やかな声が聞こえてくる。きっと母は巨大ノットレイにされた事も、その時自分が口にした言葉も覚えていないだろう。しかしあれが本音だとしたら、テンジョウが言う通り、自分の笑顔は逆に母を苦しめていたのだろうか。自分の本当の笑顔とは…。様々な思いがよぎるが、えれなは考えるのをそこでやめた。頬を叩いたえれなはまるで仮面を被ったかのように一瞬でいつもの笑顔となり、いつも通りの元気な声で「ただいま!」と家の玄関をくぐるのであった…
■第43話
- トッパー代表から連絡が入った。ノットレイダー出現時のワープホールの特徴的な磁場を分析すれば、ノットレイダー本拠地の場所が特定できるかもしれないというのだ。一同が色めき立つ中、えれなだけが上の空。先日の一件での母の言葉をまだ引きずっていたのだった。
- その分析をしてくれるというグーテン星を訪れると、住人は皆テンジョウのように肌が赤く鼻が高い者ばかり。それもそのはずでユニ曰く、テンジョウはこの星出身だという。仲間とはぐれてしまったえれなは街中を一人さまようが、行き交う人々の笑顔は高慢さを帯びていて、あまり居心地の良いものではなかった。笑顔……母・かえでの声がまた脳裏に響いてくる。「えれな…毎日わたしや家族のために笑顔で頑張って…でも、あの笑顔はえれなの本当の笑顔じゃない。心からの笑顔を見せてくれない…」
- 苦悩に沈むえれなの頭上から声がした。「得意の笑顔はどうしたの?」テンジョウがここまで追いかけてきたのだ。「あなたの好きな笑顔が溢れているでしょう?ここは笑顔の仮面をかぶって、腹の底では人を見下している連中ばかり」確かにここまでに出会ったグーテン星人達は、自慢ばかりして露骨に他者を見下すような人ばかりだった。えれなは反論ができない。
- 「笑顔は仮面。笑顔の裏にこそ真実がある。わたしの言った事がわかって?」すっかり動揺してしまったえれなは臨戦態勢も取れず、テンジョウに言われ放題のまま立ち尽くす。テンジョウは隙だらけのえれなに攻撃を加えようとするが、危ういところでユニが助けに入った。他のみんなも駆けつけ、気を取り直したえれなは変身して戦闘突入。
- 初の肉弾戦を披露するテンジョウの動きは素早く、団扇で起こす突風攻撃に手こずるプリキュア達。しかしスターのシールドに拳を弾き返され、倒れ込んだテンジョウの顔から仮面が外れて転がった。仮面の下の素顔は、プリキュア達から見れば何の変哲もない顔だったが、「もうやめよう」と説得するソレイユの言葉に耳も貸さず、テンジョウは自分の過去を語り始める。
- 彼女は生まれつき鼻が短く、鼻が高い事を良しとするグーテン星人の基準からすると劣った存在だった。周囲の大人は「鼻の長さなど関係ない」と優しく接してくれたが、テンジョウはやがてその笑顔がうわべだけで、内心では自分を見下している事に気づいてしまう。やがて彼女は自分を差別した故郷と、その差別の象徴とも言える笑顔を憎悪するようになったのだった。「誰にも知られたくなかった、わたしが捨てた過去…でもあなた達は知ってしまった。消えてもらうわ、わたしの過去と一緒にね!」そう言うとテンジョウは己の歪んだイマジネーションを膨らませ、自ら巨大ノットレイと化してしまった。
- 「消えろ…消えろ…全部、全部消えなさい!」憎しみに任せ、大暴れするテンジョウノットレイ。吐き出した拘束ボールにスター、ミルキー、コスモが捕えられ、ひるんだソレイユの耳にテンジョウの声が聞こえてきた。「みんな嘘…全部嘘…笑顔なんて仮面なのよ!」その叫びにまたもかえでの「あの笑顔はえれなの本当の笑顔じゃない…」という嘆きが重なり、動きが止まったソレイユはテンジョウノットレイの強烈な蹴りを食らって吹っ飛ばされる。そしてセレーネまでもが拘束ボールの餌食となってしまった。
- もうどうしてよいかわからず、セレーネに這い寄りながら「セレーネ…あたし…あたし、どうすれば…」とソレイユは弱音を吐く。だがセレーネはそんなソレイユの手に、かろうじて動かせる自分の手をそっと重ね、「えれな、大丈夫…自分を信じて…」と優しく微笑みかけた。その顔を見てソレイユは思い出した。幼かった頃の自分に対して、心からの笑顔を見せてくれた父と母、とうまの事を…。今にも泣きそうだったソレイユの瞳に光が蘇り、彼女は近づいてくるテンジョウノットレイの前にすっくと立った。
- 「テンジョウ、あなたの言う通りかもしれない。あたしも作ったんだ、笑顔を…。ノットレイになったママが言ったように、あたし、自分が本当の笑顔になっているかどうかなんて、考えた事もなかった。人の笑顔の事ばかり考えてて…。本心を仮面で隠すって言ってたけど、でも聞けたよ!あなたの本心!」テンジョウノットレイは逆上し、ソレイユを鷲掴みにして握り潰そうとするが、ソレイユはなおも訴える。
- 「あたしわかるよ、あなたの気持ち。だって…あたしもそうだったから!あたしもみんなと違うって、みんなあたしの事本当はどう思っているのかってずっと気にしてた。でもそれを救ってくれたのが家族の笑顔。本物の笑顔だった。だから救われたんだ。笑顔にはすごい力があるんだ!あたしは人の笑顔のために自分を犠牲にしてるんじゃない!あなたのおかげで気づけた。思ったの、あたし…あなたを笑顔にしたい!」説得を続けるソレイユの全身は、まばゆい輝きを放ち続けた。
- 今までかけられた事もない、その温かい言葉に激しく動揺しつつも「なぜ…なんでそんな事を言うのよ!」と、テンジョウノットレイは地面にソレイユを叩き付けようとする。だがソレイユはダメージを受ける事もなく、凛として立っていた。「だって、笑顔を見るのがうれしいの、大好きなの!みんなの笑顔が…あたしの笑顔になるの!だから…だから…あたしはみんなを笑顔にしたいんだー!」
- ソレイユの放つ輝きは、正に太陽のごとく頂点に達した。彼女にもトゥインクルイマジネーションが目覚めたのだ。その光によってみんなの拘束も解け、テンジョウノットレイは倒されて元のテンジョウの姿に戻った。ソレイユはそんな彼女にそっと手を差し伸べるが、テンジョウは「わたしを笑顔にできて…?」とだけ言い残して姿を消す。戦闘にこそ勝利してグーテン星を救ったものの、今回もテンジョウを笑顔にする事は叶わず、ソレイユにとっては苦い勝利だった。
- 家に帰り、母の料理を手伝うえれな。だがかえでがふと後ろを振り返ると、えれなは大粒の涙をこぼしていた。「ママ…相手に自分の気持ちを伝えるのって、笑顔にするのって難しいね。でもあたしはみんなの笑顔が見たい…一緒に笑い合いたいんだ…」今回テンジョウの辛い過去を知ってしまっただけに、なおさら彼女を笑顔にしたかったのにできなかった。えれなにはそれが何より悲しかった。
- そんな娘にかえでは答える。「えれな、人を笑顔にできるってすごい。でも…人のために泣けるのはもっとすごい。それって相手の事を本気で考えてるって事だから。泣きたい時は泣いてもいい、わたしはそう思う。きっといつか一緒に笑顔になれる日が来るよ」言いながら優しく抱き締める母の胸で、えれなは声を張り上げて泣きじゃくった。いつだって無理に笑顔でいる必要はない。辛い時、悲しい時は、心のままに泣いていいのだ。
- ひとしきり泣いた後、えれなの中に一つの答えが生まれていた。「あたしね、人と人がわかり合えるような手助けをしたいの。小っちゃい頃から憧れてたんだ、ママに。ママみたいな、人と人を笑顔で結びつける通訳ってステキだなぁって!」遂に進むべき道を見出した娘の姿を、カルロスとかえでは喜ぶ。さらに、今まで家事の手伝いをしようともしなかったとうまが料理の手伝いをすると言い出し、まだ幼いれいな・たくと・いくと・あんなもお手伝いをすると言う。いつまでも甘えてばかりではなく、少しでも姉の負担を軽くしようという彼らなりの気遣いだった。助け合う子供達を見て、「大きくなったね」と目を細める父と母。愛する家族に囲まれるえれなの顔には、久々に心からの笑顔が戻っていた。
■第44話
- 不慮の事故でプレンぜントを配れなくなったサンター星人の代理として、臨時サンタクロースとして子供たちにプレゼントを配ることになったプリキュアたち。最初にやってきたのは天野家で、「明日の朝の弟たちの笑顔がすっごく楽しみ!」と満面の笑顔。ここ数話での懊悩は吹っ切れた様子を見せた。
- 来年もまたサンタやるルンと無邪気に語るララに、えれなは「来年か…」と小声で呟く。それをまどかに聞かれてどうかしましたかと問われたたため、えれなは観念したように皆に語る。「あたしさ…決めたんだ。ママみたいな、みんなを笑顔にする通訳になるって。だから私、留学して、もっと勉強しようと思う」「みんなには心配かけたけど、もう迷いはないんだ。今はすごく楽しみ!」
- みんなは祝福してくれたが、留学してしまうとなかなか会えなくなるという寂しさは隠しきれない。フワが「自分のワープならいつでも会えるから心配しないでいい」と言ってくれたことでみんな安堵したが、果てさて……?
- ソリで夜空を飛行中にダークネストが直接攻め込んできた(実際はダミーだったが)ときは、ソレイユは率先して攻撃に出るが、実力差ゆえに跳ね飛ばされ、バランスを崩して落下。本作のプリキュアは飛行能力がないので重力圏における空中戦は不利にしかならないことを端的に示した。
- なお、プルンスが超がんばって空気を吸い込んで気球のように巨大化してソレイユを受け止めたおかげで、一命はとりとめている。
■第46話
- 最終作戦としてスターパレスに総攻撃をかけてきたノットレイダー。プリキュア達はパレスを守るために戦うが、ノットレイダーの構成員達がはダークネストによって歪んだイマジネーションが暴走させられており、バーサーク状態になっていた。せっかく分かり合えると思っていたテンジョウも牙を剥いて襲いかかり、ソレイユは苦悩しつつも応戦する。
■第47話
- 前話の終盤、蛇遣い座のプリンセスとしての真の正体を現したダークネストが部下達を見捨てて使い捨てようとしたため、ノットレイダーの構成員の多くが離反し蛇遣い座を討つために星空連合と共闘することに。
- ノットレイ達を暴走から解放して救ってくれたことに対し、テンジョウから素直な礼を言われるえれな。その時のテンジョウには本人も気づいていないだろう自然な笑顔が浮かんでいた。テンジョウにとっては「コマちゃん」と蔑む部下達の幸せが守られることが何よりも大切なことだったのである。
- その言葉に「そんな、礼なんていいよ」と言いつつ微笑むえれな。作中で初めて、彼女が意識せずに笑顔を見せれた瞬間であった。
■第48話
- 虚無の世界を舞台に蛇遣い座との最終決戦。ラスボス戦だけあってトゥインクルスタイルでの肉弾戦が解禁。ソレイユは超高速でのドックファイトで応戦する。
- プリンセス達の借り物であるトゥインクルイマジネーションでは我には勝てぬと嘲る蛇遣い座。しかし、そんな蛇遣い座に反論した。「でも今は、あたし達のイマジネーションなんだ!」
■第49話(最終話)
- 最終決戦からしばらく後の日常を描いたシーンで、「パパの母国」へ留学することが決まり、秋の入学に向けて渡航準備をしていることが明らかになる。(言うまでもないかもしれないが、海外の多くの国では新学期は9月スタートである)
- 15年後を描いたBパートでは、プロの通訳者としてニュースの同時通訳などをこなして頑張っている様子が描かれた(→大人スタプリ)。ひかるが宇宙飛行士として乗り込むロケットが飛び立つ様子も、えれなの通訳で中継されていた。
- ちなみに15年後のパートでは、えれなのみプリキュア仲間との会話シーンがない。もちろんララやユニとは会話する手段がないのだが、同じ地球組のひかるやまどかとも会話がなく、まどかとLINEのようなアプリでやりとりしているだけである。この点については、2020年5月に発売されたオフィシャルコンプリートブックにおいて、シリーズ構成の村山氏より、15年後の地球組3人の関係性について下記のコメントがあった。
- えれなは48話のあとで留学をして海外に行くので、ひかるとまどかが日本にのこる
- まどかとひかるがふたりで会話をしていて、えれながひとりでいるのは、えれなが留学中の3人の距離感をイメージ、15年の間の距離感を表現
- ひかるとまどかはふたりで宇宙の話をいろいろとしていたんだろうなぁとか想像力がふくらむように描いてる
映画
- ひかるたちと星空観賞をしていると突如宇宙にワープ。そこでミラクルライト見習い職人のピトンや先輩プリキュアのHUGっと!プリキュア&キラキラ☆プリキュアアラモードメンバーと出会う。
- ひかるたちと分断されてからはまどかとともに灼熱の惑星でプリアラメンバーの琴爪ゆかり&剣城あきらやハグプリメンバーの愛崎えみる&ルールー・アムールと行動を共にすることに。予告映像ではまどかとともにルールーに抱き着いていたが…。
- 本作では冒頭で沖縄は修学旅行へ行くためユーマとは沖縄で出会う。その後、交流を深める。中盤では、ダイブと対峙し、苦戦するもミラクルライトの光によっててんびん座ペンに力が宿り、てんびん座ドレスへパワーアップ。やぎ座ドレスのセレーネと共闘し、強化されたてんびん座ソレイユ・シュートで、ダイブとジャイロの動きを止める。
- 終盤では、暴走したユーマの元へスターとミルキーを向かわせるため残っていた力でさそり座ドレスへ変身。大勢の宇宙ハンターを倒し、道を作る。その後はセレーネ、コスモと共にユーマのところへ向かいダンスと歌でユーマに気持ちを伝える。