概要
『スター☆トゥインクルプリキュア』の最終回のBパートでは、本作を締めくくるエピローグとしてみんなが大人になった未来の姿が描かれている。
ひかる達は離れ離れになりながらも、それぞれのイマジネーションを胸に自身の目標へ向かって成長していた…。
この時に描かれた「大人のひかる達」が、どれくらいの未来での姿なのかは作中では明言されていないが、後述の「スター☆トゥインクルプリキュア感謝祭」の公式ツィッターやコンプリートブックによると15年後とのことである。
放映年月にそのまま当てはめるならば、2035年時点の姿が描かれたことになる。
15年前の約束を果たすために宇宙飛行士となった。(→星奈宇宙飛行士)
そしてひかるが日本初となる有人宇宙ロケットに乗って宇宙空間へたどり着いた場面で、フワがワープゲートを開くときの掛け声が宇宙空間に響いた。
その直後、ロケットは突然現れた”何か”に遭遇する。その正体は視聴者にはあえて描かれなかったが、”何か”を目にしたひかるは、一筋の涙とともに「キラやば…」と小さく呟いたところで物語は幕を閉じたのである。
星々を回る惑星サマーンの調査員として活躍。ユニとの交流は現在でも続いており、レインボーを訪れた時に会話をしている。髪は伸びたのか、15年前のひかると同じツインテールになっており、帽子を被っている。
自身のロケットも共に歳月を重ねたからか綻んでいるが、深い愛着を抱いており現在でも使い続けている。
そんなララの元に、プルンスが大慌てで「フワに何かが起こった」ことを通信で連絡する。その内容は作中では描かれなかったが、ひかるが見た”何か”と結びつければ自ずとわかることであろう。
外国通訳者として活躍。
ひかるのロケットの打ち上げの時は、その一部始終を同時通訳者として見守っており、ブースに家族が差しいれに来ていた。
ちなみに新しい家族が二人増えていた(小学生くらいの女の子と赤ん坊)。これが15年の間に弟妹が増えたということなのか、実はえれなは子持ちだということなのかは、視聴者の解釈次第である。
作中では大人になったえれながひかる、まどかと直接に顔をあわせる場面が描かれなかったが(メッセージアプリで会話をしているシーンはある)、これはえれながプリキュアの戦いを終え、留学して以降の3人の関係性を表した意図的な演出とのことである。
即ちこれは疎遠になったという意味ではなく、えれなは仲間たちとなかなか会えなくなっているという環境の変化を、小さいお友達にも伝わるようにそのまま映像で表現している訳である。
「宇宙開発特別捜査局 有人開発ロケットプロジェクト プロジェクトリーダー」として活躍。かつての父と同じ組織に入った経緯についての詳しい描写はないが、少なくともプロジェクトの内容は、宇宙に行こうとするひかるを後押しするものであることは明らかである。ひかるに対して「やっと……ひかるの夢がかなうのですね。宇宙にまた行くという夢が」と感慨深く話していることからも、ひかるを一番近くて長年サポートしてきたのだと推測できる。
故郷である惑星レインボーの開拓を続けている。アイワーンが設計・開発してくれた装置により開拓が進んでいて、現在でも彼女との交流が続いている。
無事レインボー星人たちと和解を果たし、惑星レインボーの開拓にその技術力を注いでいる模様。
髪型はベリーショートになり、身長も190cmほどにまで伸びた。
心身ともに一番成長したのは彼女であろうか。
- ノットレイダーのメンバーたち
宇宙星空連合と和解を果たし、連合から無人の星を譲り受け、そこを自分たちの新天地として開拓していった様子が描かれている。わずかな年月で自然と文明が調和する美しい星にテラフォーミングさせたことに連合代表のトッパーも感嘆していた。
備考
「大人になったひかるが見た夢」についての解釈
最終回のアバンおよびAパートは、ひかる達がまだ大人になっていない時期の場面を描いており、そこではフワが再びユニコーン形態に変化したことで、二度と会えないはずのララが地球に再びやってこれたという奇跡が描かれた。
しかも、フワを復活させる代償にプリキュアの力が永遠に失われたはずなのに、ユニコーン形態に進化したフワによってあっさりと再譲渡され、ひかる達はプリキュアとして再び活躍することができた。
さらには次番組『ヒーリングっど♥プリキュア』の主人公である花寺のどか/キュアグレースがゲストで登場して共闘するという、プリキュア最終回恒例のバトンタッチイベントも行われた。
一方で、その場面は中途半端なところで突然に場面転換し、いきなり時間が飛んで大人になったひかるがベッドから目を覚ましたところでそのまま、Aパートも終了。
その後のBパートでは、宇宙飛行士になった大人ひかるがロケットで飛び立つ日に、まどかに「久しぶりにみんなの夢を見た」と語るシーンが挿入される。
以上の流れから、Aパートは「大人になったひかるが見た夢の出来事」とする解釈が視聴者の中では優勢である。
ただそうなると、キュアグレースやラテとの出会いも夢だったということになる。そもそも、キュアグレースの変身には絶対必要なラビリンが登場しなかった点など、このAパートには『ヒープリ』TVシリーズの基本設定と矛盾している描写がいくつかあるので、そういう意味では夢オチとした方がややこしくはないとは思われる。
一方で、Aパートの出来事が事実であった可能性が否定されているわけでもないことも留意すべきである。夢の出来事だったとしても、現実にあった記憶を反芻している可能性もあるからだ(まどかの最終的な進路についてはこのAパートで"留学をするのをやめた"との台詞がある為)。
また、夢から目覚めた大人のひかるの部屋を描写するシーンでは、ラテのぬいぐるみが飾られていた。これの解釈次第では、Aパートの出来事を完全な夢オチとは言い切れない要素にもなっている。
尤も、Bパートでは大人になったララが「地球は遠すぎて行くことができない」と語っているシーンがあるため、仮にAパートの出来事が現実にあったこととしても、その後に結局はフワのワープ能力は使えなくなり、ひかるとララは離れ離れになったということに変わりはないともいえる。
明確な公式回答と捉えるかは人によるが、『アニメージュ』2020年3月号での宮元宏彰シリーズディレクターへのインタビューでは「第48話を最後に、ひかる達はプリキュアに変身できないことになっています。だから第49話(最終回)のAパートは、大人になったひかる達が見た夢です」と語っている。そして、プリキュアの力を失っても「憧れの私」というイマジネーションを見出してそれを目指して大人になった姿がBパートだとしている。
またこちらも傍証と言えるかは微妙なところであるが、『スタプリ』最終回の後に公開された『映画プリキュアミラクルリープ_みんなとの不思議な1日』では、ひかるとのどかの二人は同作品が初対面として扱われている。
近年の事例では、前作TVシリーズ最終回で次作のプリキュアと知り合ったという展開が、そのまま2ヶ月後の春のプリキュア共演映画に反映されて「すでに面識あり」というパターンが多かったため、同作ではそのパターンを崩した格好ともいえる。そのため、最終回以前に『ミラクルリープ』での一件でのどかに会ったから彼女が夢に出てきたという可能性も考えられる。
感謝祭においては
放送終了から間もない2020年2月に、東京と大阪で開催されたシリーズ初のファン感謝イベント『スター☆トゥインクルプリキュア感謝祭』。同イベントでは大人向けのプレミアム公演の中で、出演声優による朗読劇が行われた。
設定としては最終回後、即ち2035年に再会したプリキュア5人が女子会を行うというものなのだが、この内容が思い切り羽目を外しており、シリーズ構成の村山功の脚本段階からメタ要素を始め普段のプリキュアでは考えられない内容となっただけでなく、声優陣もアドリブをこれでもかと盛り込んできている。
オフィシャルコンプリートブックにおいては一応、あくまで「Ifとしての扱い」とされているが、この内容があまりにも暴走しているため大きいお友達には大受けとなり、ここでの設定を元にした大人スタプリの二次創作イラスト・同人誌も描かれている。
同イベントのうち、東京最終公演は映像ソフト化もなされているため、2023年現在も視聴可能となっている。
- 5人揃って心斎橋(大阪公演)or中野(東京公演)の居酒屋にやってきた5人。早速ひかるは梅サワー、ララはカルーアミルク、えれなはテキーラ3ショット、ユニはひれ酒(東京最終公演ではまどかからのキラーパスでウォッカに)、まどかは生ビールを頼むともにテキパキとたこわさやホッケなど肴も注文。仕事柄こういう飲み会には慣れているようで。しかも激務のため飲まないとやってられないようになってしまった。
- 乾杯後まどかは父からお見合いの話を持ち込まれるが、15年ぶりに「私は自分で自分の未来を決めます!」と言い放って断った。一方えれなはこの15年間で奔放になったからか一般論と言いつつも恋愛経験を積み重ねることを薦める。
- 他の男性客から見つめられ、声をかけられるひかる、実はファンだと言われるのでアイドルみたいなサインを書くなどファンサービス。そんなひかるに対しまどかが本性というか絡み酒モードに突入(小松未可子の迫真の演技もあり)。後方支援部隊の激務でイラだったのに加え、ひかるが提出した報告書の内容が中学生の夏休みの絵日記レベルなのにキレる。そしてひかるは酔いも相まって健さんみたいな顔と声になってしまう。
- えれなはえれなで泣き上戸。昨今ではAIの普及が著しくなり通訳という仕事もピンチで嘆きまくる。ユニは久しぶりにマオとしてアイドル復帰をもくろむもアイワーンから「流石に無理だっつーの、マオなんか忘れ去られてるっつーの」とダメ出しを受けたことを愚痴る(回によってはえれなによるプルンスや本人以外の面々によるララの声まねも飛びだす)。
- 店を出てへべれけ状態の5人。ついには変身の歌をアカペラで合唱。「いい思い出だったのにルン……」と嘆くずっとツッコミ役だったララにも遂に限界が来てとうとうリバース。それを見てひかるは出会ったときのことを思い出すのだった。
- この合唱の場面で、舞台スクリーン上では大人になった5人の姿が描かれており、ここでひかると再び人間の姿になったユニの私服が初めて登場。よって二次創作ではこの私服を元にしたイラストも多く見受けられる。
以降のシリーズでは
『Go!プリンセスプリキュア』の最終回エピローグでの展開(大人はるはる)を皮切りに、2010年代後半のプリキュアシリーズでは各TVシリーズの最終回において、「大人になったプリキュア達の姿が描かれる」という要素が恒例となっており、本作における最終回の展開もまたその流れを汲んだものと言える。
とはいえ、こうした「大人になったプリキュア達の姿が描かれる」展開は、本作を最後に一応の区切りが付けられる格好となっており、2020年代以降のシリーズ作品において前述した要素が最終回に盛り込まれたケースは、今のところまだ確認されていない(2023年現在)。
そのため、2020年代以降毎年恒例となった感謝祭の朗読劇も最終回からそれほど時間が経っていない時期(すなわち基本的にプリキュア達が未成年)の出来事が中心であり、本作ほど(ネタ的な意味で)ぶっとんだ内容にはなっていない。
関連タグ
大人はるはる 大人まほプリ 大人プリアラ 大人はぐプリ:いずれも、前年までのシリーズ作品でのエピローグを扱った作品に対するタグ