概要
アニメ・ゲーム・吹き替えなど大筋のシナリオが存在する作品・番組において、演者である声優陣が担当するキャラクターそっちのけで強烈なアドリブを展開させる状況、もしくは作品そのものがそう呼ばれる。
インターネットの影響で声優自身のプライベートの露出が増えた昨今では、声優が中心に出演するテレビ・ラジオ番組などにおいて演者の暴走が激し過ぎて番組が進行できなくなるほどの状況を指すことも。
※ ただし、シナリオ上におけるキャラクターの暴走やそれに合わせた演者の狂演、シナリオの本筋から脱線しない程度の小規模なアドリブはこれに含まれることは殆ど無い。
ビーストウォーズ
おそらく1番有名な作品が『ビーストウォーズ』シリーズだろう。一部では大抵これを指し、後に同じ音響監督の岩浪美和氏が担当する『アニメイテッド』や『プライム』、『サイバーバース』でも同様のノリが採用されるようになった程。
物語が進むにつれアドリブはエスカレートしていき、『リターンズ』の頃には台本なんてほぼないに等しい声優無法地帯の元祖と呼んで差し支えない存在と化す。
その威力は神谷浩史曰く「誰もゲストに行きたがらない」と言わしめ、小野坂昌也からも(周りが濃すぎて)「何もボケられずに帰って行った」と称され、数々の声優無法地帯、特にビーストウォーズ以降のトランスフォーマーで「昔蜘蛛はヒロインだった~」などとリスペクトされる。
そして2016年、リミックスで「こんばんわ、豊臣秀吉です」とボケたキャラの中の人が豊臣配下の武将として大河ドラマに出演、モノマネを拒否ったカニの中の人が放送から18年後別アニメでダメ出しされるなどと、放送終了後もなお伝説を作り続けている。
しかしながら、岩浪監督や彼が関与した作品に参加していた声優陣にとって「声優無法地帯」と持てはやされるこの状況は本意ではないらしく、加藤賢崇氏が映画『トランスフォーマー ビースト覚醒』公開前に投稿したツイートによれば、「無法地帯って誰かが言いだした言葉で、おれはあんま好きじゃない。法は、あるんだよ!」(原文ママ)と池袋のイベントの楽屋で岩波監督が吐露していた事を明かしている。
余談になるが、『キューティクル探偵因幡』というアニメもある。内容は毛好きの狼男(注・探偵)がヤギ(注・マフィア)と羊の皮を被った狼男がリーダーの狼集団(注・テロリスト)相手に爆走するギャグ漫画で、原作者は好きなアニメに『ビーストウォーズ』を挙げており、動物三昧である事と、真正面から斜め上まで全力で突っ走るシンプルかつハイテンションなボケとツッコミが入り乱れる2013年度声優無法地帯作品の一つとして知られている。あろうことか当アニメにはビーストウォーズのコンボイ・メガトロン・ジャガーの担当声優が参加している。
後に『ビースト覚醒』の公開が決まった際、かつての『ビーストウォーズ』世代が真っ先に思ったのが、
「大丈夫か、おい」
である。(アメリカ映画の吹き替えを、そのまま岩浪美和テイストでやるのか?できるのか?むしろやれ、という疑問や希望から来る各種コメント)
…とか言ってたらとうとうやりやがった。
ビースト覚醒
公開まであと2週間に迫ったタイミングでまさかの復活。音響監督となった岩浪美和の号令に馳せ参じ、メガトロン・ラットル・ワスピーター、そして本作でも続投(?)のチーターがやりたい放題しまくった。
まあ予告編なんだけどね。
また、パラマウントジャパンの公式Tiktokに至ってはいい意味でさらにはっちゃけており、主役の吹替を担当したセクシーなアイドルや、戦闘時に口が悪くなるけど普段は非常に真面目な司令官まで参加させる暴挙に出ている。→参照
関連タグ
カルデア・ラジオ局:概要における後者の定義の最たる例。詳細はリンク先参照。
ぐらぶるTVちゃんねるっ!:こちらも後者の事例(片足を突っ込んでいる)。イベントでは色々とフリーダムなこともあるのだが……
ウルトラマン 第8話「怪獣無法地帯」:タイトル名の由来はここからであろう。