概要
熱処理をしていないビールのこと。
現在の日本で製造されているビールは瓶も缶もほとんどが生ビールである。
ビールは製造課程で酵母による発酵を活用するが、熟成が終わってもこれが残ったままだと更に発酵が続いてしまい、味が変化してしまう。
これを防ぐために、50~60度ほどで加熱することで酵母の働きを止めてしまうのが以前は主流であった。しかし、この手法では加熱の過程でビールの風味も変化してしまい、「生」の味わいが失われるという欠点があった。
しかし1960年代ごろから濾過技術の向上により、加熱せずにフィルター等で酵母を取り除いたビールが現れ、主流になっていく。
これが現在の「生ビール」である。
当初は「酵母が残っていないのに生ビールを名乗っていいのか」と業界内で議論が巻き起こったが、最終的に「生ビール」か否かは加熱処理の有無で決まるという審判が下り、各社は濾過式の非加熱処理の「生ビール」を主力商品とするようになっていった。
ちなみに、「熱処理も濾過もしていない」、つまり酵母がそのまま残ったビールも存在する。
これも当然生ビールである。
前述した通りこれでは発酵が進んでしまうため、濾過済みのものより賞味期限が著しく短い。