概要
中華人民共和国の山東省青島で作られるビールブランド、およびそのビールを製造する企業。中国国外で最もよく知られた中国のビールブランドである。
中国の民族資本のビール会社としてはトップメーカーではなく、北京の「燕京ビール」の方が大手である。燕京をはじめ中国のビールは総じて「味が薄い」し「炭酸が弱い」と言われるが、青島は中国ビールの中では比較的しっかりした味わいが特徴である。
歴史
青島市を含む山東一帯はかつてドイツの租借地であった。青島ビールもこの地でドイツ人が創業したのが最初である。第一次世界大戦で対独戦に勝利した日本によって接収され、サッポロビールやアサヒビール(当時は大日本麦酒という同一企業)のOEM生産も行われていた。
日中戦争の敗戦により青島ビールも中国当局に接収され国営企業となる。外貨獲得の手段でもあったため、文化大革命」の時期でも青島市当局は紅衛兵を騒がせなかった。よって青島市は平穏で、ビール工場は平常通り操業していた。
改革・開放期の1990年代後半、輸出したビールに異物(ビン洗浄時の刷毛の一部)が混入していたため調査したところ、日本・ドイツ製の博物館級の機械を直し直し使っていたという話があるが、後にアサヒビールと業務提携して日本流の品質管理を導入。 深圳の合弁会社でスーパードライを生産した。現在もアンハイザー・ブッシュとアサヒが出資している。
2012年にはサントリーとも中国における合弁会社設立で合意したが、景気悪化により3年で解消した(以後もライセンス供与を受けて「三得利(サントリー)」ブランドの生産は続いている)。