「失礼ですよ? ノットレイダー1の超天才科学者、アイワーン様に対して」
CV:上田燿司
この記事は本編中盤までの多大なネタバレを含みます。未試聴の方は注意。 |
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概要
本作の敵組織・ノットレイダーのメンバーの一人。
燕尾服を着て右目にモノクルをかけた執事風の衣装を着た猫型の獣人で、組織の科学者であるアイワーンのサポートを担っている。
執事らしく、左手にティーセットのお盆を持っていることが多い。
丁寧かつ冷静な物腰の人物であり、何かにつけて暴走しがちなアイワーンをよくたしなめている。
第6話では開発したばかりのダークペンの性能実験に赴く際に自身満々の彼女に対して、「取り扱いに慎重になるように」と釘を刺したり、プリキュアたちから子ども扱いされて憤慨する彼女に変わってフォローするなどの場面があった。
ただし毒舌とまでは行かないものの、その口ぶりには多分に皮肉めいた響きが感じられる。
戦闘能力
あくまでアイワーンの執事なので戦闘には参加しない。
しかし第19話ではティーセットを離さずにプリキュアの攻撃を躱しながら紅茶を注ぐという器用な事をしていたり、実は結構な実力者なのではと思わせる描写が端々に見えていたが…?
過去
ノットレイダーの構成員に共通するのは「故郷を奪われ、居場所を失った者たち」であること。
なので、バケニャーンもノットレイダーの構成員にふさわしい悲劇的な過去を持っている。
それについては本編の第19話で明かされ、ノットレイダーのメンバーの中でも最初に過去が判明した人物となった。詳細は下記の「余談」の節に書かれているが、連動していくつかのネタバレも記載されているので閲覧には注意すること。
なお、ノットレイダーの幹部たちの中でなぜアイワーンにだけ執事がいるのかについては長らく謎だったが、第27話で「バケニャーンはアイワーンが連れてきた」ことが明かされており、さらに第38話では二人の出会いが語られた。
時期としては第一話が始まるよりも前のことで、すでにノットレイダーの科学者として活動していたアイワーンがダークペンの実証実験でとある惑星に滞在していた際に、「宇宙一の天才科学者がやってきた」という噂を聞きつけたバケニャーンが、高名な人物に仕えることで自分の名も上げたいと売り込みにやってきたのだという。
この時期のアイワーンはとある事情で大量の資金を手にしていたので、自分だけの世話役として金にあかせてバケニャーンを雇ったということらしい。
謎の行動
普段は口うるさいバケニャーンだが、アイワーンがノットリガーを召喚していざプリキュアと戦闘する状況にまで至った場合は、実戦には一切口を出さない。
それだけならアイワーンを信頼していると言えるのだが、戦いが始まったら戦闘に巻き込まれない安全地帯まで撤退したうえで、プリキュアたちの戦いをじっくり観察している様子がしばしば描かれている。アイワーンがピンチに陥っても助けようともしない。
そしてノットリガーが浄化されたらしれっと現れて、アイワーンと一緒に撤退する。
アイワーンはそんなバケニャーンの態度に多少のいらつきを感じており、第9話ではこっちが戦っている最中に何もしないのかと叱責したが、バケニャーンはスルーしていた。
もっとも、アイワーン自身はバケニャーンの普段の説教を鬱陶しがっているため、戦いの時に口を出さない状況をむしろ好んでもいる。なのでこの点についてこれ以上に深く突っ込みはしていない。
一部視聴者からはバケニャーンには独自の目的があって、ノットレイダーをいつか裏切るつもりなのではとも勘ぐられている。
しかし第11話でプリキュア達がアイワーンを戦闘不能まで追い詰めてダークペンを奪い返そうとした際は、プリキュア達の前に立ちふさがりそれを妨害し気絶したアイワーンを無事撤退させている。このことからプリキュア達の肩を持っているというわけでもないようだが…。
本編での動向
アイワーンの従者として行動(第6話~第18話)
第10話の出撃前に他の幹部3人は「あのお方」によってパワーアップしたが、バケニャーンだけが力を授けられていないので、そもそも戦闘要員としてカウントされていない可能性はある。
続く第11話では3人を合体させてノットリガーに変えようとするアイワーンに対し、「嫌です!私の力ではお二人(カッパードとテンジョウ)とバランスが取れませんので」と固辞する一幕もあった。ただし深読みすると、「バランスが取れない」と言ってはいるが「自分の力が下だから」とは言っていないわけである。とはいえ第19話で明かされた正体を踏まえると、身体能力自体は確かに高いものの、肝心の戦闘能力の方は決して高くはない模様。
第10話ではできあがったばかりのダークペンでクマリン星人のクムをノットリガーにしようとするアイワーンを、さりげなく邪魔して「ペンをお使いにならなくとも、お二方だけで十分かと」と押しとどめる場面があった。
実際カッパードとテンジョウはその後プリキュア達を追い詰めてプリンセススターカラーペンを奪い、プリキュア達はほうぼうの体で敗走を余儀なくされた。
なので、バケニャーンのこの台詞は特におかしくはないのだが、もしもここでさらにノットリガーも誕生していればプリキュア達は逃げることも叶わず完全敗北していた可能性が高く、見方によってはバケニャーンは「プリキュアの致命的敗戦」という最悪の事態を未然に阻止したとも解釈できる。
また、クムがノットリガーの素体にされるという犠牲を防ぐ意味合いもあったかもしれない。
第11話では、新たな力に覚醒するキュアスターの姿を驚きもせず見つめており、戦闘後には、敗れたアイワーン達とダークペンを守りながらも、「12星座のペンを手にすれば得られるのです、全てを凌駕する力が」と、おそらくアイワーンも知らないであろうペンの真の力の秘密をプリキュア達に明かしてから去って行った。
第12話では武装強化される3幹部に対し困惑した表情を見せ、アイワーンのノットリガーがプリキュア達に撃破されて撤退する際に、彼女の背後で謎の笑みを浮かべていた。
第15話ではアイワーンが登場してから撤退するまでの間、どういう訳か終始姿を見せず仕舞いであった。この話では「今日はバケニャーンがいないから好きに暴れられる」というアイワーンの台詞があり、偶然画面に映っていなかった訳ではない。
そして登場した怪盗ブルーキャットは、初対面のはずのアイワーンの名前はおろか、プリキュアの正体まで知っていた。ブルー「キャット」とは猫繋がりでもあるが、果たしてこれは偶然か……?
続く第16話でもアイワーンが出撃したが、この時は今まで通り付き人として彼女の近くにいた。そして前回彼女が1人で出撃した事に対し、「単独行動は控えて下さい。今回はキチンとお供いたしますので…」と釘を刺している。前回は何か事情があって付き添えなかったともとれる。
謎が静かに深まりつつある彼であったが……?
明かされるその正体(第19話)※ネタバレ注意
第19話において、彼の匂いがブルーキャット(正確には変化の際に使用するパフューム)のものと同じであることをフワに看破され、ついに正体を明かすことになる。
その正体は紛れもなくブルーキャットその人であり、ノットレイダーに「化けて」潜伏していたのだった。
なお、バケニャーンという人物も初めから存在しておらず、別にいた本物に成り代わっていたわけでは無いと本人の口から語られている。ただし、全く架空の存在というわけでもなく、モデルとなった人物は存在することが後に発覚するのだが。
こうして、バケニャーンは本作の敵組織最初の離脱者となった。
これまでの敵組織からの離脱理由としては、消滅・和解・プリキュア覚醒などがあったが、スパイ行為の発覚によるのは今回が初めてとなる。
なお、前から宇宙怪盗ブルーキャットとの関係が示唆されており、バケニャーンがブルーキャットと同時に現れたことがなく、ブルーキャットが関わった第15話の戦いではアイワーンが出撃しながらもいつもと違って同行しないこともあった。
更には、ブルーキャットはプリキュアたちやアイワーンの名前を初対面にもかかわらず知っていた。
また、両者は「猫」つながりでもあることから、何らかの関係があることを勘付いた視聴者は多かったことだろう。
とはいえ、バケニャーンは声は明らかに男性のものだったので、「密かに連絡を取り合う協力関係」などと考えていた人も少なくなかったはずである。特に、アイワーンとバケニャーンとの間には憎まれ口を叩き合いながらも信頼関係があると思っていた一部の視聴者層にとっては、この展開はきついものであったようだ(→バケニャーンショック)
余談
正体に関して
バケニャーンの正体であるブルーキャット(ユニ)は続く第20話でプリキュアに覚醒しキュアコスモとなることから、5人目の敵組織に所属した後に覚醒したプリキュアとなり、前作『HUGっと!プリキュア』のルールー・アムール(キュアアムール)に続けて初めての2作連続の光堕ちキュアの登場となる。
但し彼女の場合は故郷をアイワーンに滅ぼされたことからノットレイダーを明確に敵視しており、仮の姿で潜入したのもノットレイダーを出し抜きプリンセススターカラーペンを手に入れて故郷を元通りにする悲願を達成する為である点、バケニャーン形態でもプリキュアに明確な敵意を向け破壊活動を行ったことはなく助け舟を出したことすらある点が従来の光堕ちメンバーと異なる。おまけにノットレイダーにいた事で様々な情報を得ている為、この離脱はアイワーン個人の被害に留まらない組織全体にとって今後、かなりの損害になると思われる。
例外は、第19話終盤でプリキュアたちが持つスターカラーペン8本を奪い、フワもさらっていったことだが、これはノットレイダーのではなく自分の目的を達成するためにやったことなので、ノットレイダーとしての悪事にはカウントしようがない。
尚、ユニの故郷は民が石化して滅んだ惑星レインボーであり、アイワーンがその滅亡の張本人で原因がダークペンの暴発にあった点を総合すると、初出撃の際にペンの扱いに慎重になる様釘を刺したのは万が一ペンが再び暴発し、地球を含めて使用した星がレインボー星の二の舞になる事を未然に防ぐ意味があったのは想像に難くない。惑星クマリンでクムにダークペンを使わせなかったのも、ノットリガー化を防いてプリキュアの敗北を回避する以上にこうした理由の方が大きかった事だろう。
中の人
声を演じる上田燿司はプリキュアシリーズ初登場。
上田は「娘が4歳からダンスを続けていますがプリキュアのダンスを覚えて踊ったのがきっかけ。本作を見た視聴者の皆さんが何かを好きになったり大切なものを見つけるきっかけになるような素敵なものを届けられたらと願っています」とコメントしている。
第38話ではバケニャーンのモデルとなったハッケニャーン役で久々に出演した。
ちなみに上田は5年前にも仮面ライダー鎧武でデュデュオンシュ役、そして2年前にも宇宙戦隊キュウレンジャーにシャイドス役で出演していたが、今回でニチアサキッズタイムにおける全てのシリーズに出演したことになる。
関連イラスト
関連タグ
ユニ:正体
ハッケニャーン:モデルとなった人物
プリキュアシリーズでの類似キャラクター
セイレーン:猫モチーフの先輩悪役にして光堕ちキュア。
シャット:こちらも猫がモチーフの先輩敵幹部。