概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する集団・UNDER(アンダー)のメンバーで、否定者(ひていしゃ:世界の理を否定する業の器になった者)の男性。
UNDER(アンダー)の男性メンバー・リップから強引な勧誘を受け、不本意ながら入団してしまった。
プロフィール
📅出典:2023年8月~9月 アンデラ記念月間【否定者たちの誕生日発表】&アイコン配布 - 公式Ⅹ(前代・Twitter)
容姿
不良然とした風貌の青年。
UNDER(アンダー)に入団後、後述の否定能力にあった難点(ルール)を克服するため、額に第三の目を移植。逆さに被った帽子(キャップ)の留め具で空いた穴から、第三の目が確認できる。
人物
元々はブラジルのギャングに所属して、自身の否定能力を利用した悪事を働いていた。
組織(ユニオン)の課題から得た報酬で位置を特定されていたが、一足先にUNDER(アンダー)の男性メンバー・リップに拘束され、否応なくUNDER(アンダー)に加入。
ショーンの不全な経歴もあってか横暴な面が目立つ。自分を強引に勧誘したリップの命令は不聴(きかず)、傲慢な言動がみられる(まあ、自身の腹に平然と異物を入れてくるような相手で、勝手に協力を要求してきた経緯を顧みれば当然な態度ではある)。
ナイフを獲物としており、後述の否定能力と併用して殺人を厭わない残虐性もある。
またショーンは、UNDER(アンダー)の女性メンバーに在る否定能力「恋を知らないか、揺るがない愛を持っている相手は対象外で魅了する業」の対象者で、上記の人物像と照らし合わせれば、いわゆる「下心」があり不純な若者と思われる。
能力
自己対象 強制発動型
両瞼を閉じることで自身及び自身が所有していると認識している物を視認不可の状態にすることが出来る。
要は透明人間になれる能力。自身及び身に着けている衣服を不可視にして、窃盗などの悪事に利用していた。だが能力発動条件「目を瞑る」があるため、自身の視界も不可視になってしまう難点があった。
UNDER(アンダー)入団後に額へ移植した第三の目のおかげで、視界の難点を不問にできた。
初登場は、透明の不可視状態で椅子に拘束され容姿性別が不明だったショーン・ダッツ。その後、消息不明を経てUNDER(アンダー)に入団した事と同時に風貌が判明した経緯を辿る。
そして間もなく胴体を真っ二つにされ、物語から退場するというあんまりな幕引きとなった。同雑誌系列のSF作品に登場した曲者感の強いあの人や、某鬼退治に登場し細々と切り刻まれた先輩みたいに、数ページだけ登場して不可視(フェードアウト)の扱いを受けてしまったショーン…。
因みに、このあっけなさとは裏腹に、ある人物にとって物語へ必要不可欠な重要事項(ターニングポイント)だった真実が明らかになるのは、また別のお話。
アニメでは少しだけ出番が追加されており、上記の「ある人物」の知っている未来に登場し、UMAオータムとアンディ・風子コンビの交戦中、風子がアンディから離れたタイミングで風子の首をナイフで斬り裂くという本来の暗殺プラン遂行シーンが追加されていた。
更にショーンの話は別展開をみせ、愛読者(アンデラファン)によって命日となった「(2020年)12月5日」へ因み、彼の好物「果物全般」を織り込んだファンアートの創作などがされている。
参考リンク
関連項目
Invisible・・・英語で「不可視」の意味。
単行本16巻以降の内容に関するネタバレにつき、閲覧注意!
ループ後
101周目のループでも登場。そしてこれがロクな出番のなかったショーンの本格的な出番となる。
前ループよりいくらか若く(風子と同年代程度か)目つきが擦れていない、(第三の目を移植していないため)前髪に特徴的なフサフサがあるといった違いがある。
前ループでは既にギャングに染まりきった挙げ句、能力を悪用して強盗殺人まで働く程に堕落していた彼だが今回の登場当初はまだ「悪い誘いに乗ってチンピラになってしまった若者」であり、既に能力こそ悪用していたもののボスの財布を盗む程度の小悪党だった。
リメンバーの回収および、それが眠っている戦地に関わっていた否定者たちを仲間にするための下準備として組織に捕獲される。
と言っても戦力として期待していたわけではなく、このまま放置すると(読者も風子もご存知の通り)「ろくな死に方をしない」ための「保護」であった。
その捕まえ方も「不可視の能力はサーモグラフィーで誤魔化せない」という弱点を付き、ジーナの不変で逃げ道を塞ぎ、待ち構えていたボイドの不可避で固め、反撃に出た所を風子直々に取り押さえるという力押し。
捕獲後は協力を拒みつつも自分の力が必要とされていると思い込み、そもそも風子が(無理に)協力させるつもりはないと知ると手のひらを返して半ば強引に戦地に付いていった。
しかしチンピラ程度でしかなかったショーンは弾丸と爆風が飛び交う戦場にすっかり萎縮して縮こまり震えるばかり、挙げ句に耐えきれなくなって降伏しようとしてしまう始末だった。おまけにその態度でクリードに「不適正(ミスキャスト)」として怒りを買ってしまう羽目になる。
すっかり足を引っ張るだけの脇役として自分を卑下するショーンだが、そんな彼に風子が「ショーンさんは脇役なんかじゃない」「自分の役割を全力でこなす」「だから視返そうよ」「ショーンさんは不可視! 不適正じゃないって!」と勇気づけられた事で自分が視ないフリしていた「憧れ」を思い出し能力の拡張に成功。風子がクリードを突破する助けとなることに成功する。
以降は一度捨てたエンブレムも帽子につけ正式に仲間と胸を晴れるようになった。
自分の居場所を与えてくれた風子の事は「兄弟(ブラザー)」と呼び深く信頼している。
また仲間たちも同様で、後に(不正ではあるが)共に宇宙へ向かうために協力したジーナもこう呼び彼女が作った不変のパイプを体を張って観測しに向かった(宇宙では塵や雨で不変で作ったものをジーナが視認できないため)。
仲間になって以降の彼はギャングや強盗という悪に堕ちきる前に救われた事で、「お調子者でおバカだが憎めない、優しい若者」として前ループの彼からは信じられないくらい善性を取り戻している。実際に筋斗雲には否定者戦争編の時点で「雲に下半身が埋まる」レベルでギリギリ善人認定されていた。
その優しさは宇宙ステーションでフィルを見つけた時、不用意ながら真っ先に「良かったなぁ」と駆け寄るほど。
また過去の事もあってか何かと主役に準じる役に立ちたがっているフシがあり、フィルを助けるべく宇宙行きが決まった後も意気込んでいたものの選抜メンバーに不採用となった所をジーナに唆されてロケットへの密航を成功させている(当然二人揃ってニコと風子にめちゃくちゃ怒られた)。
ユニオン内では歳の近いジーナやチカラと仲が良く、行動を共にする事が多い。またフィルとは映画という共通の趣味がある(しかもフィルはショーンの父を好きな俳優だと言ってくれた)ため弟のように可愛がっている。
モテたい願望がありユニオン職員(歳上)との合コンセッティングや連絡先を所望したり、女の子の部屋に興奮したり、潜入任務中に任務そっちのけでワンチャン狙いの告白をしたりと軟派な言動が目立つ一方、クリスマス描き下ろし漫画以降はジーナと少しいい雰囲気になっている。
能力
項目参照。
幼少期の記憶が薄れる前に風子達と出会えた事で前ループ以上の強化を果たしており、「必要なものだけを不可視に出来る」という解釈から「仲間」を「必要なもの」と見なした事で「触れた仲間を不可視に出来る」という拡張に成功。
さらに宇宙行きの際にジーナの指導で「自分のデータ(体重など)を認識できなくさせる」という解釈の拡張も果たしている。
過去
脇役ばかり演じる役者の父をもつ。そんな父に対して強く反発しており、主役への強い憧れと死んだ父を見返すくらいの役者になるという野望を抱いていた。
しかしある映画の主役を決めるオーディション中に不可視の否定者となり、瞬きをすると透明になる体になってしまったショーンは役者の道を諦めることになる。
幼少期からの夢を理不尽に断たれたショーンは自暴自棄となり、さらに不可視の能力に目をつけたギャングに拾われ、ついには否定能力を犯罪に悪用するようになっていった。
しかし風子に助けられてからはそんな父への憧れもまた残っていた事を思い出し、「血は争えない」と一時でも脇役として仲間を助ける事を選べるようになった。
余談
そんな彼の活躍が本格的に始まったのは人気投票の締め切り以降。このため人気投票でも不可視になってしまったとネタにされることに……。
原作者からも「彼は『不可視』ではなく『不憫』の否定者だったのかもね」などと言われていた。
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