概要
2114年に突如宇宙から飛来し、人類を脅かし始めた知的生命体。名前はラテン語で「祝祭」。身体の大半がシリコン≒土であることから、「シリコン型生命体」とも称される。
黄金色に輝く神秘的な姿を初めて見た者が「綺麗」と言うのが劇場版『HEAVEN AND EARTH(以下HAE)』までのお約束。
『EXO』では人類に対して憎悪する個体が醜く禍々しいためかこのセリフが出てこない。
個体にもよるが体形状をある程度変化させることができ、結晶核(コアまたはペルソナとも)を破壊しない限り倒せず、読心能力や高次元の防壁でレーダーを含むあらゆる攻撃を無効化する。
人類がかつて外宇宙に飛ばしたメッセージ「あなたはそこにいますか?」を受信して理解した冒頭の「あなたはそこにいますか」(=事実上の抹殺宣言)と、フェストゥム以外の存在に問いかけ、「そこにいる」存在を無に帰すために同化し、「そこにいない」存在は「あるはずのないものがある」と見做して攻撃を行う。
これは彼らの価値基準などと照らし合わせて人類風に言うと、肯定を返した場合「それなら貴方達も私達と同じ存在にしてあげます、より素晴らしい存在になれますよ!」、否定した場合「えっ、非存在の存在…?えっ、怖…除霊しなきゃ…」という対応である。
どちらにしても人間は死ぬため、要するに「今から殺すけどいいよね?回答は"はい"か"YES"で頼むわ」の意味である。(ちなみに一期の時のカノンのように、「前はいたが、今はもういない」と答えた場合は「否定」となる)
肯定でも否定でも「応じると攻撃される」ので戦闘になった際の正しい対応は「肯定も否定もせずにさっさと倒す」である。
広登「見りゃ分かるだろ!!」
なお「自らの問いに対して応じた者」を優先して攻撃する習性があるので、EXODUSではその習性を利用して、真矢が敢えて「いるよ、ここに」と答えることで、自分に攻撃を向けさせ、まさに同化されかけていた溝口を救援する、という描写がある。
前日談『RIGHT OF LEFT(以下ROL)』以前は海水に触れると異常結晶化で自壊していたが、「新陳代謝」の概念を手にいれて克服。水中活動専門の種が生まれてはいるが、それでも同化能力が半減する海を主要に活動することは滅多にない(TVシリーズ二期『EXODUS(以下EXO)』でも一部例外を除き変わらない)。
フェストゥムを呼び寄せてしまう電波やレーダーなどの広域通信を使えず、人類が有視界戦闘用に建造することになったファフナーを、人語を解するフェストゥムは「器」と呼ぶ。
世界から姿を隠した竜宮島が発見されたのも、子供たちが直したラジオが遠因(※1期1話は意図的に引き起こしたもの)であり、テクノロジーが現代より大幅に進歩している『蒼穹のファフナー』世界において、通信関連だけは20世紀後半レベルで停滞しているようだ。
フェストゥムの目的
ミョルニアによると、個体という概念を持たず、ミール(後述)からの情報と意思を共有する全体で一つのフェストゥムの目的は「宇宙を無に帰すことで、より高い次元へ移行させる」こと。
2133年に自らの意思で同化を望んだ最初の人類と出会うことで人間を理解していく。
2146年には固有の意思を持つマスター型も現れるが、狩谷由紀恵から「憎しみ」を、皆城総士から「痛み」を学び、第一次蒼穹作戦で死の間際に北極海ミールが個体の概念を与えた結果、フェストゥム内にも派閥が発生。
「派閥」と「個」が発生したことで仇敵の竜宮島と手を組んで(同意を得たうえでの同化という方法だが)双方の主戦派を殲滅しようとしたボレアリオスの群れや、人類と共存に近い状態に至った群れの一つはさながら珪素で出来たどうぶつの森とでもいうべき領域を形成。
ただ、その後も敵の殲滅を目指した新国連上層部の作戦によって強烈な憎悪に染まったことでフェストゥム内部でも敵対や騙し合いが起き、群れに属さない個体や戦いを望まない個体を強引に支配し、瀕死に陥ったアザゼル型を奇襲してトドメを刺す、優先して殺害するための同化や、上記の「もっと良い生命体になりたいかー!?」という問いかけであった「あなたはそこにいますか?」を「小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」の意味で「ア・ナ・タ・ハ・ソ・コ・ニ・イ・マ・ス・カ・ァ?」とネチネチ言った上で民間人を文字通り叩き潰して嘲笑うなど、人間の暗黒面に同化されたと言っても過言ではない姿に変わり果てた。
いずれにしても、フェストゥム本来の目的から外れつつあるのが『EXO』時点での彼らの姿と言える。
同化
フェストゥムの「祝福」。
シリーズ、及び各話によっても若干異なるが、基本的には緑色の結晶が発生し、「いなくなる」場合はその結晶が全身を包み込んで砕け散る。
強力な個体(いずれもアザゼル型が行っている)になると通信機器経由でも可能になるようである。
同化し続けるうちに、「飽和」して崩壊する個体もいるが、対象とひとつになることでその能力や情報を獲得できる。
微妙な扱いを受けた外部作品では「プールいっぱいの水に一滴のジュースを垂らすようなもの」。
ジュース(=同化された人間)は限りなく拡散し、砕け散るが、脳の中枢神経などを同化された「半同化」になると、人の姿を保ちながらも脳死に近い状態に陥る。
また、特殊な条件が重なると同化以前の自我を残したり、逆にフェストゥムを祝福(曰く「共鳴」)し、ミールやフェストゥムに大きな影響と変化を与える。
『EXO』時点では、人類に敵対する群れが殺戮の手段として使用している傍ら、友好的な派閥が意思疎通のために用いる場合は人類に痛がる描写はなく、彼らを取り込むこともない。
しかしながらこれらは例外中の例外であり、やはり普通は同化=人としての死である。
ワームスフィア現象
「フェストゥムが黒く光ると、何も無い空間に突如黒い球体が発生、内部の物質を消滅させる」ほか、倒された際にも爆風代わりに発生する。巻き込まれた**主人公機は第2話にして原型を留めないまでに大破した。
任意の空間を内部ごとゼロ次元へ向かって捩じり切る回避困難な一撃必殺の攻撃手段であり、フェストゥムの進化によって砲撃、光線状、雑巾絞り、円盤状など派生形が増える。
ファフナーの装甲のワーム耐性が上昇した『EXO』では高密度に圧縮して楔状にしたワームウェッジが主力。装甲を貫通して内部で直接起爆することで有効打を与えるほか、球体をファフナーなどで防ぎきっても庇われた人間が同化現象で消滅するシーンがある。
因子
フェストゥムが持つ因子。
日本で発生したミールの遺伝子汚染に対抗するべく竜宮島では人工子宮を用いて子供たちに先天的に移植した。
因子を移植した人間同士の子供にフェストゥムの言語と感情を理解する特異能力者が誕生するほか、何らかの要因で同様の能力を得るケースがある。
この研究は国際犯罪に該当する遺伝子操作であり、人類軍では全く進んでいなかったが、フェストゥムとの遺伝子レベルの融合は研究対象として新国連も半ば黙認せざるを得ず、島を飛び出した真壁一騎から採取した細胞サンプルを元に、コア搭載型ファフナーへの搭乗のためにファフナーへの搭乗を可能とするMAKABE因子を開発する。
ただ、どの場合もファフナーに搭乗時には体内の因子と機体のコアが共鳴して増殖、最終的には同化現象で死に至る危険性を孕む。
種類
スフィンクス型
「あなたはそこにいますか?」(CV:ゆかな)という問いかけに肯定すれば同化、否定すれば攻撃という反応を示す。問いかける者という意味でスフィンクス型(小説版では質問者型)と名づけられたが、別にこのタイプだけが問いかけてくるわけではない。
A~Eの種が確認されており、後の方になるほど砲撃特化の影響で大型で前のめりになってくる。
- スフィンクスA型種
劇中でも最も多く遭遇するタイプのフェストゥム。来主操もこの種である。ちなみに1期の最序盤ではこれを1体倒すのに2話(1話の後半~2話の前半)かかっていたり、襲撃の度に竜宮島や人類軍に甚大な被害をもたらしていたが、シリーズが進む(=研究が進み、対抗手段が強化されていく)につれ、大量に出てきては瞬殺される単なる雑魚敵と化した。
- スフィンクスB型種
『EXO』で登場した。他のスフィンクス型と比べると全体的に筋肉質で完全な人型をしている。人類を学んだ結果による物なのか頭部などは非常に禍々しい(目一つ口一つの顔が二つ並んでいる)。ワームウェッジを連射したり、プレアデス型(親)の光学迷彩、コアを持たずに本体と同等の戦闘力を持つ分身を生み出す等の多彩な能力を持つ。
ウォーカーによる三回目の侵攻時にはファフナーの能力を反映した特化型(公式の呼称はシールド、キャノン、ソード、フィスト)が投入され、相性によるものとは言えファフナーを圧倒するほどの戦闘力を見せている。
- スフィンクスC型種
A型種の進化型。巡航形態に変化することもでき、主に宇宙空間での活動が報告されている。
- スフィンクスD型種
スフィンクス型の中では最も長距離攻撃を得意とする種。
ワームスフィアやワームショットによる直線的攻撃を基本戦法とするが、近距離攻撃に弱い。
- スフィンクスE型種
『HAE』に登場。C型種とよく似たフェストゥムであり、背中に無軌道爆弾のようなものを搭載している。
アルヘノテルス型
体からグレンデル型という小型フェストゥムを生産し、仮に自身が撃破されてもコアが無事ならグレンデル型と再同化を行うことで自己再生を行い再起動する。
『EXO』19話ではウォーカーの群れに属する24体が陣形を組む事で同化能力・個体防壁を強化している。この戦法は第四次蒼穹作戦でも使われたが、マークザインによってあっさり攻略された。
グレンデル型
アルヘノテルス型が生産する小型フェストゥムで手の化け物みたいな形状をしている。
その気になれば人間が扱う小火器でも撃退可能である。
『EXO』では体長数ミリの個体が竜宮島のシールドを覆い尽くすほど大量に生み出され、親玉のアルヘノテルス型が全滅すると共に消滅した。
- グレンデルH型種
『TBE』登場の新種。人型でバイクの様な物に乗っており、対人戦に特化した個体。
ブレードによる格闘攻撃とワームショットによる攻撃を行う。人型とバイク部分は分離が可能。
元々は『EXO』で登場予定だったが未登場で終わり『TBE』で再度採用された。
コアギュラ型
接触による高速同化をメインとする特殊なフェストゥム。攻撃意識を持たないため、フェストゥムを探知するソロモンでも判別が難しい難敵。
同化能力が桁外れに高く、耐性がなければほんの数秒で完全に同化されてしまうが、攻撃行動自体は一切してこない。
砂と同化して人型の土人形を作り上げることもある。
- コア型
コアギュラ型から分化した存在で、フェストゥム・人類の融合独立個体。
数が極めて少なく、作中でコア型と明言されたのは竜宮島ミールのコア・皆城乙姫のみ。
ただしその成り立ち上、皆城織姫も、コア型と思われる。
なお『EXO』に登場する来主操は、ボレアリオスミールのコアだがフェストゥムと「人類の」融合独立個体ではなく、あくまで「人と同じ振る舞いを選択したフェストゥム」で、公式サイトでも「スフィンクス型フェストゥム」と記載されており、ミールのコアがコア型フェストゥムとは限らない模様。
プレアデス型(親)
魚の様な体に手と羽を付けた姿のフェストゥム。フェストゥムとしては珍しく顔がある。
頭部(目)から強力なプラズマを発射する能力があるほか、目視さえ不可能な完全なステルス能力、後述するプレアデス型(子)を生産し自爆特効させるといった厄介な攻撃をする。竜宮島で交戦したファフナーをことごとく退けコアに迫ったが、新生マークザイン(リミッター搭載前)の初陣の獲物となった。
ゲーム版ではアヌビス型と命名された。
- プレアデス型(子)
プレアデス型が生産する自律飛翔型追跡爆弾。取り付いたあと少し間をおいて自爆する。
大量に集まって自爆した際は、竜宮島の山部分の装甲を吹き飛ばすほどの破壊力を発揮した。
なお、倒しても親となるプレアデス型が健在ならいくらでも再生産される。
ゲーム版ではアルキオネ型と命名された。
フェストゥムマークニヒト
ゲーム版でのみ登場した金色のマークニヒト。
ホーミングレーザー、広域ワームスフィア、アームブレード、ワームショットといった多彩な攻撃を得意とし、さらに被弾することでフラグメント型を分離する。
ちなみに設定上では、これとは別に『HAE』以降の時間軸でマークニヒトの形状を模したフェストゥムが出現しているらしい。
- フラグメント型
フェストゥムマークニヒトの欠片。
特性はアルキオネ型と全く同じだが形状が若干異なる。
マスター型
人の姿を取れるフェストゥムの中でも、かなりの意思決定権を与えられた高等フェストゥムで個体数が非常に少ない。(確認されているのはミョルニアとイドゥンの二人のみ)
人としての姿かたちは同化した人物そのもので元となった人物の記憶も持っているらしく、人間社会に溶け込むことも可能だが、ミョルニアは同化した相手ではないと自称していた。
スレイブ型
同化能力を持たず、他のフェストゥムに捕食される存在。
自らの意思で同化能力を捨てたフェストゥムもこのスレイブ型に分類される。
劇中では春日井甲洋が該当しているが、『HAE』では自ら同化現象と見られる能力をマークニヒトに対し行使している。
その後『EXO』で完全に人としての存在とフェストゥムとしての存在を保った上で復活しているため、タイプが変化している可能性がある。
スカラベ型
周囲にあるものを同化して、ひたすらに巨大化し、やがて根(通称:パスタ)を張る植物タイプのフェストゥム。『HAE』で来主操のミールが根城にしていた空母に、飽和した状態のこの種が張り付いている。
- スカラベR型種
スカラベ型の完熟形態。一期の時点では(人類軍が把握している限り)3体のみの希少なフェストゥムだが、『EXO』では個体数も増加し、ウォーカーの群れだけで7体も存在している。
相手の射撃エネルギーを捻転エネルギーに変換して撃ち返し、武器や腕を捻じり上げて破壊する「ワームカッター」を放つことができる。
この捻じり上げは、システム上は破壊されていないと扱われるためにペインブロックシステムが発動しない。
後にボレアリオスミールに属していたスフィンクスA型種もこの攻撃を体得した。
- スカラベJ型種
『HAE』で登場した「島殺し」。R型とは異なり動きも非常に素早く、先端が尖った体による突撃や触手による刺突も非常に強力。根を張る以外にも枯葉剤に似た毒を散布して島そのものを攻撃した。
竜宮島を襲来したこの個体の緑色をした非常に強力なワームスフィアは、普通なら耐えられるノートゥング・モデルの装甲を跡形もなく消し、たった2体でマークノイン、マークツェン、マークドライツェンを戦闘不能に追い込む。
『EXO』でもシュリーナガルエリアにアザゼルB型種の派閥構成員として攻め入っていたが、マークニヒトの同化ケーブルで逆に利用されてしまう。(通称:皆城パスタ)
リヴァイアサン型
巨大な魚状のフェストゥム。
直接飲み込んで同化するほか、『HAE』では放電、『EXO』では高出力のワームショットを吐き出す能力も得た。第18話には触手で捕食した立上芹から逆に美味しくいただかれた要塞艦アルヴィスに比肩する体長60キロの個体が登場している。
第四次蒼穹作戦で登場する特大の個体は、マークニヒトの特大ワームリングと凍結同化付き特大虚無玉で撃破された。
ウーシア型
『ROL』で登場した大型フェストゥム。この時代ではフェストゥムは海中に入れないこともあってか種類も少なく、質問も大体はこのタイプが行っていたのでスフィンクス型と認識されていた。
このタイプの情報を元に海中に適応したフェストゥム(この時はスフィンクスA型種)が現れるが、『EXO』でも水に入れないのかは不明(海中に没した鏑木彗を追撃しなかった所を見ると恐らく入れない)。
フェストゥム内では指揮官機に当たる存在で、シーモータル型を生み出す能力を持つ。
シーモータル型
航空機を模倣した小型フェストゥム。グレンデル型と同じ数で勝負するタイプ。
ただしサイズはグレンデル型より大きい。
- シーモータルA型種
『RoL』に登場したタイプ。触手を刺すことで相手を同化する。
- シーモータルB型種
『EXO』で登場した航空機に手足が生えた形状のフェストゥム。同化の他、ワームウェッジを弾丸の様に放つ。
通常は小型だが、アビエイター群に属する個体はノートゥング・モデル並みの大型で、非常に高い同化能力と前面のみだがファフナーの火器を無効化できるほど強固なシールドを形成できる。
エウロス型
『HAE』で登場した、人の武器などを理解して攻撃手段を組んでいる高位の戦闘フェストゥム。身体の一部を武器に変化させることが出来る。
代わりに人類側の戦術も通じるようになっている。赤い身体が特徴的(ミョルニアから人類の武器を理解しているため)。
更に敵意のない個体まで支配下に置き、自分たちの戦力に組み込める。
『EXO』ではアザゼルE型種の群れに属しており、今度は人間との戦い方も学習したことでアルゴス小隊をも圧倒し、アザゼル型とも戦えるほどに強くなった。
デルフィネ型
『EXO』で登場した蛇もしくはミミズのような姿のフェストゥム。
地中を潜航し、飲み込むか鋭い尾で突き刺した相手を同化する。
ディアブロ型
『EXO』で登場したエウロス型と同じ人型フェストゥム。右腕は巨大な槍に変化している。
「奴だ!悪魔が現れた!」
「ディアブロ型だ!みんな、殺される!」
- ディアブロA型種
ワームスフィアを円盤状にして投擲する能力も持ち単体でも非常に強力だが、コクピットを同化したファフナーを操る事で同士討ちをさせたり、手足を狙わずにコクピットを優先して攻撃してくるなど、その戦法は非常に狡猾。
またコクピットを串刺しにして並べるなど残虐性も極めて高く、人類軍に『悪魔』と恐れられており、この型を倒したことは英雄二人が起こした奇跡の1つに数えられた。
フェストゥムに近い存在となっている総士にもパイロットを殺して機体を奪う姿から『憎しみと虚無の塊(=マークニヒト)』のような存在と判断され、アザゼル型と対話を試みた操にさえ嫌悪感を示された。
このタイプの同化も極めて厄介であり、竜宮島でコアギュラ型相手に行った同化された部分を切り離す手段が全く意味をなさず、切り離しても同化されてその機体は攻撃してくる。一度攻撃をされたらもはや脱出もパイロットの救出も不可能で、指揮官機からの遠隔操作でフェンリルを起動させて自爆させる以外に対抗手段が存在しない。
第1話のハワイ戦では単独で人類軍のファフナー部隊の殆どを屠り、第9話のシュリーナガルへの侵攻でも数匹確認されている。
ちなみにファフナーと同化した際に生まれたタイプらしく、操るファフナーが完全に同化された時はこのタイプに変化する。
- ディアブロJ型種
「識別コードが生きている!セーフティが効いて撃てない!」
「セーフティ解除確認!同士討ちに気をつけろ!」
同化された人間(主にファフナーパイロット)を元に生み出される小型フェストゥム。このタイプが成長すると上記のA型になる。
弾丸の雨あられを余裕で回避する機動性と、エインヘリアル・モデルをも乗っ取る小型のコアギュラ型とも呼べる高い同化能力を持ち、引き剥がそうとしてもダメージを受けた部分が即座に回復するので、人間の力では実質的に助ける手段は無い(精々介錯が限度)。
更に厄介なことに、IFFの概念を理解しているので取り憑かれた機体は友軍機のまま攻撃してくる。しかも、指揮官機も同化された場合は司令室からの遠隔操作でフェンリルによる自爆も出来ず、攻撃されている側が同化されていると分かってもセーフティロックがかかって攻撃できないため、交戦規定アルファを発令した上で機体認証をデリートしなければ発砲などの一切の対処が不可能。
ただし、同化現象でJ型だけをピンポイントで消滅させてしまえば話は別であり、劇中でマークザインがそれを実行し、後にSDPにて同化による回復能力を得たマークアハトが同様の事を行っている(マークドライのコクピットに取りついたJ型を排除している。またツクヨミにも実行しようとしたが、先に自身が乗っ取られ失敗)。
アケロス型
『EXO』で登場し、BD-BOX付属のブックレットで初めて名前が明かされたフェストゥム。
魚に甲殻類の腕を生やしたような姿をしており、水中で目標に突進する。
アザゼル型
『EXO』で登場した巨大なフェストゥム。詳細は該当記事を参照。
- アザゼルA型種 ウォーカー
- アザゼルB型種 ロードランナー
- アザゼルC型種 アビエイター
- アザゼルD型種 ベイグラント
- アザゼルE型種 フローター
- アザゼルF型種 クロウラー
グレゴリ型
「みんないなくなればいいのに」(CV:石川静)
人の姿を取ったフェストゥムの一種。だが、目玉が異様にでかいため初見でなくてもビビる。
その反応を見て楽しむような悪ガキのような雰囲気だが、その代わり積極的に人を襲うようなことはしない。
作中の登場人物曰く、フェストゥムに同化された人間の意思が断片的に残ってしまったフェストゥムらしい。
シュリーナガルミールに寄生していた個体がミールを移す一行の旅に随伴している……と見られていたが、『EXO』1クール目のラストで上記の台詞を吐き捨て、不穏な空気を残すことになった。
正体は新国連に滅ぼされた第三アルヴィスのコアだった少年。
ダーウィン基地の「プロメテウスの岩戸」に、ベイグラントのコアとなった本体(こちらは常人の目をしている)が囚われている。島民を殲滅した新国連に利用され続け、自らの分身であるパペットの人格を繰り返し消去させられてきたが、犠牲を糧に「ゴルディアス結晶」を育み、パペットの一人ジョナサン・ミツヒロ・バートランドを「憎しみの器」として目覚めさせ、自身も覚醒。マークレゾンを奪うと、新国連から離反した人類軍司令官を懐柔し、彼の艦隊を敵にぶつけている間にアルタイル(後述)との接触を図る。
第四次蒼穹作戦では竜宮島ミールから真壁一騎を奪おうとするも、島のミールとその協力者である操に妨げられ失敗。しかも、アルタイルに自らの憎しみを同化させようとしていたが、なんとアルタイルにそっぽを向かれ同化を拒否されるという屈辱を味わった。
今度は竜宮島のコアを同化しようとした矢先に、マークニヒトの手でベイグラントの結晶核を砕かれて消滅。しかし、ゴルディアス結晶は宇宙に残り、死を願うジョナサンの前に再び姿を現した。
『THE BEYOND(以下TBE)』のクレジット表記は新国連時代の「プロメテウス」だが、作中で更に絶望を意味するマレスぺロという名前が増えた。また、第三アルヴィス時代の名前も判明した。
ギガンテス型
『TBE』で登場した大型フェストゥム。
ウミガメに似た姿をしており、口部からの火炎放射や胴体や尻尾先端からビームを放つなど広域殲滅能力に長けており、ヘカトン・ウォールと呼ばれるタイラント(核)をも防ぐフィールドを展開する。
マイスター型
『TBE』で登場した新種のフェストゥム。
パペットから進化した種であり、外見は人間そのもの。ソルダートと呼ばれる兵士を生み出すことができる。
- ソルダート
マイスター型が人間を同化して生み出す兵士。素体となる人間の胸(心臓?)から同化結晶を生やし、珪素製のスーツとフルフェイスマスクでコーティングすることで生まれ、ベノンの歩兵もしくはファフナーのパイロットとして運用される。このスーツはレガートとマリスもファフナー搭乗時に着用している。
ミール
フェストゥムの中枢と言うべき結晶体。詳細はリンク先で。
スーパーロボット大戦では
スーパーロボット大戦Kで初登場。
登場した全てのフェストゥムに命中・回避率が向上する「読心」が備わっているが、効果はほとんどないと言えるレベルで、パイロットとユニットの性能も低いのでそれほど脅威ではない。
気力が90以下になると即撃墜扱いになる「同化」に関してもイドゥンのみ。更に共通ルートでは一切出現せず、ファフナーの参加する分岐シナリオでしか出現しない事も弱いという印象を受ける一端になっている。
しかし、UXでは「読心」が超強化され、「同化」も全てのユニットに備わっている。
遠距離からの攻撃が非常に当たりにくいうえ、命中率も高く普通のスパロボであれば簡単に無双することが出来る参戦作品機体達を苦しめる(良い方に考えるならフェストゥムのおかげでゲームバランスが取れているとも言える)。特にプロローグで登場するフェストゥムは、このスキルが最高レベルであり、ファフナーなしでは戦うのが難しいと言うのを身をもって教えてくれる。
読心能力で特にスーパーロボット系統のユニットになると避けることができず攻撃を外しやすいため同化されやすい。
しかも攻撃の中に気力減少のステート攻撃が混ざっているため当たってしまうと、反撃用の武装で迎え撃とうとしても気力が足りず反撃不能になってしまうので回避優先で行動するのが無難。
また、「人間」の考えを読むという性質上、見た目は完全にガンダムであるが、三璃紗(ミリシャ)の人間とされる三国伝勢にも適用される点は注意。
逆に命令を出すのは人間(ジョーイ)だが、人間ではない別の意思を有する存在であるヒーローマンには読心が通じず、また同化もされない。
ELSの同化を無効化できるデモンベインと対になっているのだろうか。
フェストゥム殺すマンことマークザインなら同化でHPやENを回復しつつ、殲滅させることが可能。
また、同作ではクロスオーバーとしてSEED系モビルスーツに「対フェストゥムを想定して開発された」と言う設定が追加されている。
あくまで設定の話でゲーム上のパラメータでは別に何も変わっていない…はずだったのだが、SEED系MSが「バリアを持たず特殊装甲を持つユニット」であることとフェストゥムの主な武装が「バリア貫通持ちの非ビーム兵器」である事が絶妙な噛み合いを見せた。
防御をバリアに頼るユニットはそれが通じないのであっさり攻撃を当てられ同化の餌食になるが、PS装甲はバリアではないのでフェストゥムの攻撃をきちんと防いでくれる。そしてダメージを0まで抑えてしまうと攻撃を食らっても同化が起きないので、読心そのものを防ぐファフナーほどではないが、対フェストゥムで有利に立ち回る事が出来る。
最初から意図されたものではないにもかかわらず、ゲームバランス上の仕様でストーリーの設定に説得力が生まれている稀有な例と言える。
UXのストーリーでは、「本質的に地球人類と敵対することが目的ではないが、コミュニケーション方法の差異によるすれ違いから戦争状態に陥る、群体で思考を共有する社会性の地球外生命体」という点で共通するマクロスFのバジュラ、ガンダム00のELSと共演している。
そしてストーリー全体を通して「対話による相互理解」をテーマにしており、多数のすれ違いを生みつつも努力を重ねて人類はこれらの地球外生命体勢力と和解を果たして行く。
そして終盤、最後に残るバジュラを強制的に従えて操る黒幕との決戦時、アルティメットクロス(プレイヤー部隊)の旗艦であるプトレマイオス2改・エルシャンク・マクロス・クォーターを直接狙う致命的な一撃が放たれた時、駆け付けたELS・フェストゥム、そして黒幕の支配を振り切ったバジュラの3者連合軍がプレイヤー旗艦を取り囲んで庇う様は、何もかもが異なる生命体同士での相互理解が相成った瞬間として、スパロボ史上でも屈指の熱い名シーンとして名高い。
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関連タグ
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