概要
正式名称は「人類軍・新国連本部直轄・独立ファフナー大隊・アルゴス小隊」。
正規軍とは全く独立した指揮系統の下で動く独立ファフナー大隊の中でも、更に独自の行動が認められた高い権限を有しており、大隊の戦力を自分たちの任務のために動かすことも可能。
「交戦規定アルファ」が発令された場合、フェストゥムに同化された人間や機体、あるいはその可能性が高いものを排除することを専門としており、フェストゥムの傀儡となったそれらが味方の脅威となることを未然に防ぐ為だけに存在する。
その為、ファフナーを運用しながらもフェストゥムとの直接戦闘は本分としておらず、味方にさえ「同胞殺しの汚れ役」などと恐れられたりもしているが、フェストゥムに同化された味方は基本的に助からない為、 二次被害を防ぐという意味では必要な存在ではある。
一応フェストゥムと全く戦わないというわけではなく、フェストゥムに乗っ取られて味方を襲う兵器は普通に優先攻撃対象であり、任務遂行の障害となるフェストゥムを排除することもある他、強敵相手の場合には特記戦力として動かされることもある。
しかし、たとえ発足当初は高い理念と覚悟をもっていた部隊だったとしても、まだ人間としての自我を失っていない者達を、 無抵抗だろうが一方的に処刑し続けるという狂気的な任務を課され続け、その上に新国連での派閥間での権力抗争が絶えない環境にも置かれて、真っ当な部隊として存続出来る筈も無かった。
本編の時点での部隊の実態は、新国連の首魁であるヘスター・ギャロップが「交戦規定アルファ」を利用して自身の邪魔になる存在を合法的に排除・抹殺する為の実行部隊であり、あるいはその権限を以て抵抗勢力に対して牽制する示威の象徴となっている。それ故に、実情を知る一部の味方からも「新国連の犬」と揶揄されて、忌み嫌われている。
実際に、他部隊が死と隣り合わせで、いつフェストゥムに襲われてもおかしくない状況で過ごしている事が多い中で、この部隊は基本的には後方でのうのうと過ごしているばかりか、勤務中に飲酒をしたり、制服を着崩したり等、風紀はかなり乱れている。
一応は、彼らなりの義務感や使命感の元で任務を遂行もしている一方で、極めて利己的な行動、言動も多数見受けられ、いかに「交戦規定アルファ」そのものが形骸化しているかという事も窺える。
主要隊員
ダスティン・モーガン
CV:中村悠一
ハワイで指揮していた部下を同化された味方に奪われて以来、交戦規定アルファを必要悪と信じ、狂的なまでの義務感をもって任務に当たっている...と言えばまだ聞こえはいいが、下記のビリーの件など本当にそれだけに従事できている人物とはとても言い難い。
フェストゥムを攻撃した自分達を援軍と信じて手を振っていた堂馬広登を射殺し、彼の機体を回収する(この際に広登の機体を撃ってから交戦規定アルファを発令しており、彼の機体を攻撃したのは完全に機体を奪う為だけである)。
その後は、紆余曲折あって遠見真矢と後方勤務に回した筈だった弟のビリー・モーガンを基地に連行し、ビリーは敵部隊に送り込んだ工作員だったという言い分を立てて処分を免れさせる(当然ながら交戦規定アルファの本来の役割から考えればアウトであり、公私混同も甚だしい行為である)。
脱出した真矢と交戦し、勝利を確信した笑みを浮かべたのも束の間、レージングカッターで自分の機体の腕を切断して拘束を振りほどいた真矢に、最後はコックピットにマインブレードを突き立てられて爆死する。
真矢は相手が仲間の仇だと知る由もなく、ビリーも後に射殺された為、彼の行い、ひいては彼の存在は誰の心にも残らないまま終わる事になった。
キース・ウォーター
CV:宇乃音亜季
乗機はドミニオンズ・モデル「ガブリエル」。
ハワイ戦前はジョークで味方を和ませるような豪快な女性だったが、核からも生き残るアザゼル型の姿に勝てないと絶望し、「ずるい奴が生き残る」と笑う「心が壊れた」女へと変貌した。
真矢に対しての「いつ金色に光るんだい?」「よくも仲間を、人殺し野郎!」という罵声から、今の彼女にとっての人類の定義が窺える。
仲間達を殺した真矢に対して殺意を向けるも届かず、最後は哄笑を上げながら自ら起動したフェンリルに飲み込まれた。
ハインツ・ビットナー
CV:泉大智
メカニック出身。乗機はトローンズ・モデル「サンダルフォン」。
生存率の上がる部隊に入れるなら味方殺しも厭わない男。
ファフナーの捕獲時には「これで伝説の機体がバラせるぜ!」なんて事を言うようなこれまたアレな人で、ぶっちゃけ言動はヒャッハー系のチンピラそのもの。アルゴス小隊の中でも一番純粋に人間としてダメな奴である。また、「ノートゥング・モデル」の発音が独特なのも特徴。
ウォルター・バーゲストのフェンリルでの自爆に最期まで足掻いたが、そのまま潜水母艦3隻と共にフェンリルに巻き込まれて戦死した。
チェスター・ゲイン
CV:栗原吾郎
ハワイで壊滅したゴールド隊の唯一の生き残り。乗機はパワーズ・モデル「エイワース」。
同化された仲間を始末する事への狂的なまでの義務感から任務をこなしており、ある意味では軍人としてはアルゴス小隊の中では一番真っ当な人物。
近寄らないよう警告してきた真矢に「小娘が、やってみろ!」と挑発しながら攻撃した直後に、デュランダルであっさりと瞬殺されて戦死した。