概要
マークニヒト(Mk.Nicht)とは、人類軍のファフナー「ザルヴァートル・モデル」の一機で、マークザインの同型機。設計者はミツヒロ・バートランド。
味方を生かすことを目的に製造されたマークザインとは対照的に、「一体でも多くの敵を倒す」というミツヒロの思想を前提として設計されている。
設計データにはマークザインのものも利用されており、より多く戦うために装甲はマークザインよりも堅牢。使用されているコアはマークフィアーのものである。
Nichtとはドイツ語で「否定」を意味し(英語のNotに相当)、「どこにもいない」ことを示している。
1期「Dead Aggressor」
カラーリングは黒色。フェストゥムとの最終決戦「ヘヴンズドア作戦」に備えて開発された。ところが起動テスト中、潜伏していた人型フェストゥム・イドゥンにパイロットの狩谷由紀恵を同化され、敵が欲するほどの力を生み出した事実に狂喜するミツヒロを手にかける形で機体を強奪される。その後竜宮島に襲来し、日野道生を戦死させ、皆城総士を拉致するなど多大な損害をもたらした。
最終決戦においても人類軍を強襲、竜宮島メンバーを追い詰めるが反撃され、窮地に陥る。戦いを終えて帰還しようとしていたマークザインごと真壁一騎と総士を同化・消滅させるも、春日井甲洋の手助けで無の領域から戻った一騎により、ザインに同化・封印された。
劇場版「HEAVEN AND EARTH」
マークザインに封印されていたが、人型フェストゥム・来主操と同じボレアリオスミールに所属するフェストゥムらによって解き放たれ、更に禍々しい竜のような外観へと変化した。カラーリングは紫。
この時点でイドゥンの意思などがあるかは不明。人類との敵対を選んだミールの支配下にある操を乗せて竜宮島を強襲、ファフナー部隊を壊滅させ、対峙する一騎に再び無の祝福をもたらした。
最終的には復活した総士に駆られてザインを人類軍の核攻撃から庇い、共に竜宮島側に渡った。
2期「EXODUS」
宿敵から一転、マークザインと2つで1つの「存在と無の力」として事実上のもう一体の主人公機を務める。
竜宮島の機体として登録されたものの、ザイン以上に危険な機体故に総士以外に動かせる者がおらず、「石棺」に隔離・封印されている。
戦闘中の総士にクロッシングの要請を行うなど意思のようなものがあると思われる。
総士は心臓にあたるコア摘出後の本機の破壊を望んでいるが、彼の手で解体を試みても機体そのものが無に還ることを拒み、その行動も「否定」してしまうためそれすらままならない。この頃から総士に『虚無の申し子』という二つ名めいた呼び方をされることがある。
6話で総士が搭乗し、7話で機体に詰まった怨念と戦いながら封印を破り、起動した。
9話にてザインと共に遂に本格的な戦闘に加入、人と戦うことに特化していく圧倒的な数のフェストゥムに追い詰められていった人類軍および竜宮島派遣部隊を救援、戦況を一気に覆す活躍をする。
「憎しみと虚無の塊。ニヒトと同じだな」と評したディアブロ型フェストゥムを引き千切ったように、総士にとって憎悪の対象であったが、竜宮島のコア・皆城織姫は総士に「マークニヒトはあなただけの器」と告げ、更に彼とニヒトが生まれ変わると予言した。総士はコアの言葉を受け入れ、激戦の末ニヒトと共に命の源である無へと還る。そして主を失ったニヒトは世界樹アショーカの結晶に半ば取り込まれ、姿形はそのままに転生した総士の母体となり、彼が総士の遺した音声記録を再生する時を待っている。
「THE BEYOND」
第3話から登場。「死んだ機体」として海神島のアショーカの根元に安置されていたが、ルヴィ・カーマの導きで総士が搭乗したことで再生・復活する。
目覚めて早々に海神島を破壊しようとしたが、搭乗する総士が未熟すぎることもあって機体は島のファフナー部隊、フェストゥムの力はアショーカに抑えられてしまった。
その後、総士が御門零央の下で鍛錬を積んだことで一応の形で制御出来るようになる。
第9話で総士が「皆城総士」という存在を先代ではなく自身のものとすると共に、零央と美三香を救うために二人を機体ごと同化、再構築されたザルヴァートル・モデルでは不可能と思われた再ザルヴァートル化を成し遂げた(同化した2人は後に救出されている。)
全身の緑の結晶体が大型化したほか、両前腕・両肩・両大腿部にはオレンジ色の巨大結晶体が付加されたのが特徴。さらに同化ケーブルマウントユニットとしての最低限のパーツしかなかった両翼上部には、オレンジと緑の結晶体による悪魔の翼を模した形状のパーツが追加され、より大型かつ有機的な外観へと変貌した。
機体性能も向上しており、巨大ワームスフィアを圧縮して威力を飛躍的に高める新技に加え、ワームによるテレポートやルガーランスの複数引き寄せ、ツクヨミから継承した防壁といったSDPを事もなげに連発することが可能となっている。
また総士の成長と美羽を生贄にしようとする竜宮島への怒りもあってか、歴戦の勇士である一騎が乗るマークアレスに一騎打ちで勝利するに至る。
そうしてかつて憎しみと虚無の申し子と呼ばれたニヒトは、子供すら未来の為に犠牲にすることを「肯定」するほどに諦めや死が蔓延した竜宮島のあり方を「否定」し、新たな未来を切り開く希望の機体へと生まれ変わった。
スーパーロボット大戦
『K』および『UX』に登場。UXでは条件を満たすと終盤に操と共に加入する。
彼が加入したマップ以降フェストゥムがいないため同化のスキルが死にスキルになりMAP兵器がないため少し物足りない。
しかしバリアを無視する武器が多く操自身の能力が高水準を占めている上、復帰後のパーツボーナスが優秀であるためかなりの戦力になるだろう。
武装
ザルヴァートル・モデルの固定兵装である両翼のユニットに搭載された光学兵器。大型フェストゥムを一撃で撃破するほどの威力を持つ。
劇場版では使われていないが、ROBOT魂で販売された劇場版仕様でもちゃんと搭載しているのが分かる。こちらは『EXODUS』でようやく使用された。
- アンカーユニット(同化ケーブル)
ザルヴァートル・モデルの固定兵装である両翼のアンカーユニット。大型のユニットで攻撃と拘束の両方が出来る。
劇場版では同化ケーブルに変化しており、名前の通り突き刺した相手を同化したり、同化出来なくても実体化を妨害する因子を流し込んだりして敵の行動を妨げることが可能。
なお、劇場版以降は元々6基だったアンカーが8基に増えている。
こちらも『EXODUS』でようやく使用された。
- ルガーランス
この機体が装備していた物ではなく、大体自身の身体に刺さっていた物を同化・強化している。
一期ではカノン・メンフィスのベイバロン・モデルによって突き立てられた物を同化し、投槍の要領で使う「ワーム・ジャベリン」とでも言うべき存在になっている。
劇場版ではこれまたカノンのマークドライツェンが突き立て、へし折れた刀身を同化・復元している。これでラーニングしたのか、『EXODUS』の第四次蒼穹作戦でもどこからともなく造り出して使用した。
単純に戦闘スタイルの違いからか、『THE BEYOND』まではザインの様な同化結晶を生やしたことが無く、威力もそれなりと言ったレベルに収まっている。劇中では掌から生やして生成している。
再ザルヴァートル化してからはスサノオの影響かルガーランス二刀流を披露。
- ワームスフィア
イドゥンの同化によって後発的に得た武装(能力)。
フェストゥムの物と同じく触れた物質を消滅させるがマークニヒトの場合は通常のフェストゥム以上に広範囲かつ複数の標的に拡散させることができる。
『EXODUS』においてはディアブロ型を同化することでワームリングをラーニング、更にホーミング機能の追加、展開のハイスピード化という強化を施し、第4次蒼穹作戦時には機体全長を遥かに超える極大なワームリングを展開して極大サイズのリヴァイアサン型の牙を切り落とした。
アザゼル型ロードランナーに対しても極大なワームスフィアを形成している。平たく言えば元気玉(通称:虚無玉 公式WEBラジオでは総士の中の人からも元気玉扱いされている)。
一度はロードランナーの炎に押されかけたが総士の「虚無の申し子がこの程度か!?」という煽り半分の挑発に奮起したのか炎さえも取り込み、更に強化して投げつけた。
アザゼルF型種クロウラーとの戦闘後は、凍結同化もラーニングしている。
また、自身をワームスフィアで覆うことでバリアーのように使用することや空間転移も出来る。
『THE BEYOND』では自身の周囲に小型ワームスフィアを複数出現させて飛ばしてきたり砲撃などを披露した。
- 同化能力
イドゥンの同化によって後発的に得た能力。変異前のマークザインにも似た能力は有ったので、同化されたことで更に強化された可能性がある。
マークザインと同じく武装強化に使われることが多く、ルガーランス以外にも戦艦、設置されたガトリング砲も同化して強力なビームを放っている。前者に至っては水中でも威力が減衰しない。
あまりにも同化能力が高すぎるためか、アザゼル型以外のフェストゥムは接近したり、四肢の動作の延長線上に存在するだけで消滅してしまう。
- ワームスパーク
『EXODUS』で使用。
紫電と形容できるビームらしきものをバラ撒き広範囲のフェストゥムを殲滅したMAP兵器。
最終決戦では紫電で拳を赤熱化し、アザゼルD型種ベイグラントにトドメを刺した。
立体物
ROBOT魂でプレミアムバンダイ限定の魂ウェブにおいて受注専用で販売。劇場版仕様で発売された。
可動は良好で指も個別に動くが同化ケーブルが外れやすいのが難点。
プレミアムバンダイ限定で一度も再販されておらず、流通量が少ない為、Amazonなどでは元の値段の倍以上の3万円前後のプレミア価格となっており、現在の入手は困難。
また、GOOD SMILE COMPANYより、プラスチックモデル「ファフナー・マークニヒト」が2022年8月26日より「THE BEYOND」名義で発売。初版のマークザインに比べて組みやすさやパーツの分割による見栄えが向上した他、オレンジやグリーンの部分には一部キャンディ塗装・メタリック塗装が施されるなど、未塗装・未加工でも非常に完成度の高いキットとして仕上がっている。
また付属品としてルガーランス、同化ケーブル用のワイヤー、五指がフル可動する交換用手首、更にEXODUS9話などで印象的なワームリングなど、豪華な内容となっている。
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蒼穹のファフナー 虚無の申し子 ザルヴァートル・モデル ファフナー 人類軍 フェストゥム
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ネオ・グランゾン…スーパーロボット大戦シリーズの同業者。ラスボスから反則級の主人公機に転身。