「これが僕たちの旅の始まりだった。もしも僕たちが生き残れるなら、今日までの笑顔を忘れないでいよう」
「またいつかこの島が楽園に戻るその日まで」
CV:喜安浩平
プロフィール
身長 | 173cm(アニメ1期時点) |
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体重 | 61kg(同上) |
年齢 | 13(ROL)→14(1期)→16(HAE)→19歳(2期) |
誕生日 | 2131年12月27日 |
星座 | 山羊座 |
血液型 | A型 |
好きなもの | コーヒー(父親の影響)・チェス・クラシック音楽 |
搭乗機 | ジークフリード(全統括)・システム→ザルヴァートル・モデル「マークニヒト」 |
概要
真壁一騎の幼馴染で、左目には小学生の頃に一騎の付けた傷がある。
視力については、原作では特定の角度が見えない設定(失明したという記述もある)で、小説版では「光を失った左目」と記されている。
一人称は「僕」だが、1期では5回「俺」になる。
人工的な操作を受けて出生するのが常である竜宮島のデザイナーベビーの中でも、フェストゥムの因子を組み込まれた他の子供達とは異なり、瀬戸内ミールの因子そのものを遺伝子の段階から免疫系レベルで組み込まれた『特別製』であり、竜宮島を守ることが存在意義のすべてだと幼少の頃から教育されてきた。
また、そのミール因子の影響により他の人間よりフェストゥムを引き寄せる体質を持つ。この体質は後述の最初の戦闘に利用された。
天才症候群の発現により、複数の事象を並列的に処理出来る脳機能を持っている。
その名の通り、『皆の城(楽園=竜宮島)の守護者、戦士(ファフナー)を総べる存在』としてジークフリード・システムに搭乗し、その責任と苦痛に押し潰されそうになりながらも、島とパイロットのために耐え続ける。ファフナーパイロット達の指揮官を務め、戦闘中は「心の接続(クロッシング)」でパイロット全員と思考や感覚を共有し、平時にも彼らの味わった苦痛がフラッシュバックを起こす場合がある。
母・皆城鞘はアルベリヒド機関の研究員であり、ジークフリード・システムおよびフェストゥム探査システム「ソロモン」の開発者。受胎能力喪失を免れるも、因子の移植のため人工子宮で総士を授かる。その2年後、暴走した瀬戸内ミールに同化され消滅。
その際妹・皆城乙姫は鞘の胎内に宿っており、瀬戸内ミールと融合、以降竜宮島のコアとされ、眠りに就いている。
竜宮島の成立に深く関わる皆城家に生まれたため、父に「お前は竜宮島と島のコアを守るために生きている」という教えを受け、他の子供たちより先に幼い頃から島外の世界の実情を知っていた。
本心では島と同じように仲間たちのことも守りたがっているが、冷徹に振る舞わねばならない指揮官としての立場故に、一騎たちとの間に軋轢を生んでしまい、のちに一騎から不器用と評される。
小説版では常に取り巻きに囲まれているものの、クロッシングで一騎にその一端を明かすまで、深い諦念に似た思いを心の奥底に秘めていた。
瞑想訓練における心の海の風景は「海底から空まで貫く、出口のない大きなガラス張りの塔の中」。海の底にはいなくなった者たちの記憶を象徴するマリンスノーが降り、「自分が塔から出てしまえば、きっと塔は壊れて海に沈んでしまうだろう」と、ずっと1人でそこにいる。
上述の父親の教えの通り、幼少の頃から自分を殺して竜宮島を守るためだけに生きることを宿命付けられた結果、「自分の存在」という個の確立が困難になり、また『特別製』である(ミール因子が遺伝子の段階から免疫系レベルまで融合している)ことも相まって、幼い総士は個を持たないフェストゥムに近い存在になっていた。
そしてある日、親友の一騎に向けて「僕ははじめからどこにもいないんだ。だったら、お前とひとつになれる場所に帰りたい」という同化衝動を引き起こし、「ひとつになろう」と同化しかけた。
その際、彼の咄嗟の反撃で左目を傷つけられ、以後2人は疎遠になる。
総士は周囲に転んだ傷だと伝え一騎を庇ったが、一騎は総士に大怪我を負わせ、挙句置き去りにして逃げ帰ったことを負い目に思い、傷つけた理由を忘れて彼に憎まれていると苦悩し続けていた。
だが実際はこの経験を基に皆城総士としての自己を取り戻した彼にとって、この時の痛みと傷は自分を人に戻したまさしく一騎からの「祝福」であった。
そのため一騎に対しては深い感謝と共に、変わらず自分への罪の意識に縛られる彼の姿を「喜びつつ哀れむ」という気持ちも抱いている。
来歴
RIGHT OF LEFT
同世代の中でも最高レベルのパイロット素養を持ちながらも、左目の傷が原因でファフナー・マークアインの起動実験に失敗。
その後、天才症候群の適性を鑑み、公蔵の指示でジークフリード・システムへと搭乗、義姉・蔵前果林の操縦するファフナー・マークツヴァイへの指揮を行う。
この時点では、島の子供たちの中で総士と蔵前のみが島の実態やL計画について知らされていた。
1期
人類の存亡を賭けた決戦に向けて、パイロットを育てるべく島へフェストゥムをおびき寄せるという公蔵の苦渋の決断に従い、その体質を活かして外の世界を巡りフェストゥムを島に呼んだ。
帰還したその日に義姉と父を失いながらも、ジークフリード・システムに搭乗し、突如島の実態を知らされ、戦線に投入されることになった一騎たちを指揮する。
指揮官として合理的かつ非情な対応をするよう努める一方、羽佐間翔子の戦死や春日井甲洋の同化に際して、他のパイロット達を守るためとはいえ仲間を消耗品扱いすることに強い苦しみを感じていた。
クロッシングによる繋がりを過信し、一騎ならば言わずともきっと自分の苦しみを理解してくれると思い込んでいたが、対話が足りないままの2人の心が通じ合うことはなく、一騎は島を出奔してしまう。
総士は一騎に裏切られたように感じ、一層孤独感を強めることとなった。
しかし、目覚めた乙姫や遠見真矢の後押しもあって、その後マークザインと共に帰還した一騎は総士のこれまでの苦しみに理解を示し、総士も自身の実情を言葉で伝え始めた。
だが平穏は長くは続かず、総士はマスター型フェストゥム・イドゥンとマークニヒトによって、人類との決戦を控えた北極ミールのフェストゥムたちの頭脳となるべく、拉致されてしまう。
イドゥンから心身共に侵食され続けている状況にもかかわらず、フェストゥムにわざと消耗戦をさせることで「痛み」と「存在する苦しみ」を教え、助けに来た仲間たちと人類軍による北極ミール殲滅作戦の成功に大きく貢献した。
最終的に一騎とスレイブ型となった甲洋によって救出されるも、既に肉体の大半を同化されており、失明した一騎を島へ導くと、再会を誓い消滅。以後フェストゥムの側で時を待つこととなった。
HEAVEN AND EARTH
フェストゥムの来主操らの庇護の下、肉体を作り直していた。
マークザインの中にあるマークニヒトの封印を維持し続けるため、一騎に負担をかけながらも彼の無意識下で恒常的なクロッシングを行っていた。また操を竜宮島に送り届け、一騎と対話させることで、島の危機を回避することに成功している。
終盤、操の助けを借りて肉体を取り戻し、一瞬ではあるがニヒトに搭乗して一騎とザインを核の炎から守り、竜宮島に帰還して一騎との再会を果たす。
BEHIND THE LINE
帰還後、徹底的な検査を受けて『晴れて「人間」として認められた』と語っている。
ただ、長く眠っていた為か、バイオリズムの影響で突発的な眠気に襲われ、作中で度々一騎との会話中に船を漕いでいる様子が見られる。もっとも寝て起きればちゃんと眠気は覚めるので里奈の新同化現象とは違って、本当に単なる睡眠周期の問題のようである。いつまでもファフナーパイロットであり続けようとする真矢を本心を吐露しながら怒鳴りつけたり、EXODUSでも散見されることになるコミカルな言動や穏やかな笑顔も見せるなど、一期の頃に比べると感情を表に出すようになっている。
EXODUS
長髪が腰の辺りまで伸び、前髪は分け目が作られ、私服時のみ訳あって眼鏡を着用している。周囲の精神的成長がようやく追いつき、一期の頃に見られた「(全て自分一人で背負うという)悲壮なまでの覚悟と孤独感」は無くなっており、平常時では穏やかな表情が増え、コミカルな描写も散見されるようになった。
既に後々エレメントと定義される存在になっており、傷痕を残す左目の視力は完全に回復した。時折手や目が金色に輝くだけでなく、フェストゥムの象徴と言える同化能力を有するが、本人は「人間として生き、命を終える」と表明している。
普段はアルベリヒド機関所属の研究員としてフェストゥムの思考に関する研究を行う傍ら、因縁の機体であるマークニヒトの解体方法を探っていた。同化治療の研究のため、フェストゥムの手により再構成された自分の体を徹底解析したらしいが、あまりに特殊すぎて研究の役には立たなかった。
戦闘時はジークフリード・システムに搭乗し、ファフナーパイロットの指揮を担当していたが、姪である新たに目覚めたコア・皆城織姫の言葉に従い、マークニヒトに搭乗して旅立った。織姫により示された、「人間とフェストゥムの架け橋となる存在」としての運命を受け入れ、平和のために戦う覚悟を決める。
マークニヒト搭乗時の変性意識は「獰猛な支配欲」だが、それを理性で抑え込んでおり、圧倒的な戦闘力を誇る。本来パイロットにはファフナーとの一体化が求められるが、ニヒトをしばしば「虚無の申し子」と呼び、語りかけている。
共存派の新ミール・世界樹アショーカを護送する旅の途中で、総士は「あなたは永遠の存在であり、フェストゥムに痛みを与えるためにこの世に居続ける」というアショーカの託宣を知らされる。
その時はやんわりと拒絶したが、世界の悲惨さを体感した末に深刻な同化現象を発症し、辛くも島に戻った彼を待っていたのは、「別の島にミールが根付く時、あなたとマークニヒトが生まれ変わる」という織姫の予言であった。
帰還後のある存在との対話により、竜宮島の従来の理念と決別した上で第4次蒼穹作戦に臨む。
仲間たちとの最後の時間を死力を尽くして戦い、アショーカを狙うアザゼル型ベイグラントを撃破。海神島に根を下ろした世界樹を守り抜き、その下で長い間憎んでいたニヒトといなくなることへの恐怖を分かち合いながら、総士の肉体は砕け散った……。
「存在と無の地平線」にて、無に飲まれていた一騎と再会した総士は、既に生死の循環を越えた彼に「互いの祝福の彼方で会おう。何度でも」と告げる。そして総士と共に行こうとした一騎と、彼を引き止めた甲洋および2代目の操に見守られて、地平線を越えていった。
地平線から戻った3人は、アショーカの結晶に取り込まれたマークニヒトの卵形のコクピット(人体における子宮の位置)内で、新しいシナジェティック・スーツにくるまれた、傷ひとつない赤ん坊を見つける。後に彼は一騎に「総士」と呼ばれ、海神島から眺めた海の彼方に自らの故郷があると教えられることになる。
余談
- 昭和のド田舎を模した島で、黒のノースリーブにチョーカーという1期9話で見せた私服のインパクトから、視聴者より「ファッションリーダー」と呼ばれることが多々あり、公式にも把握されている。ちなみにデザインしたのは、平井久司氏ではなく助監督の山岡信一氏。2019年3月の公式イベントで、秘密が明かされ変貌した島の象徴として、打って変わった服装をオーダーされたと語られた。なおアニメ2期では比較的まともな私服になっている模様。
- 1期1話のフェストゥム襲来以降、皆城家の邸宅ではなくアルヴィス本部内の部屋に住んでいる。仲間たちとの写真を除けば最低限の家具しかない殺風景な部屋だが、すぐ近く(約11歩の距離)に自動販売機があり、本人は「極めて便利だ」と評している。
- 各話ラストに総士のモノローグが挿入されることが多く、ファンから「(謎)ポエム」と呼ばれることがある。ちなみに映画版における総士のモノローグは「スーパーロボット大戦UX」において、スタッフロール直前を締める重要な役割を負っている。EXODUSでは「君は知るだろう」というフレーズが象徴的な音声記録となっているが、内容が毎回不穏なため「デスポエム」と称される(第1話の「もうこの世にいないだろう」に始まり、「最初の犠牲者」だの「何もかも犠牲にする」だのと言葉を全く選んでいない為。そのあまりの直接的かつ不穏すぎる表現に一部視聴者から「もう少しオブラートに包め」等のツッコミが入ったくらいである。25話でニヒトにある存在への音声記録を残している描写から、EXODUSでのメッセージはこの時のものと思われる)。
- EXODUSで「珪素おじさん」という新たな愛称が生まれた。珪素生物であるフェストゥムと同様に金色に光る肉体になったことと、姪っ子ができて伯父になったことに由来している。
- 犬が苦手?
- 2016年のオトメディアによると、島内に隠れファンが多いがアプローチするにはハードルが高すぎると尻込みされている。バレンタインは彼女たちが牽制し合った結果、一騎にチョコケーキ(手作りではない)をサービスされるくらいで、いつもの日常を過ごすという。
- 一騎とのデュエットやトリオを含めてキャラソンを10曲持つが、一部については喜安氏曰く事故。
- 1期では遠見真矢に対して「気になる」という相関図と「恋心を抱いている」という公式サイトの説明があったが、ドラマCDでは本人から嫌われていると誤解されていた。しかしEXODUSでは「恋愛感情?」に変わっており、なおも思慕の念があるのかは不明。ただし、真矢に自分だと泣かれ、一騎だと礼が言われるのは不公平だと言っている。一騎の想いを尊重した結果、責められ泣かれる、寄り添っても泣かれる、何より一騎以外に彼のことを優先して心配したり、感情的になる人が島にいない等、彼自身が不器用なのもあるが不憫な目に遭っている。
- 概要からもわかるとおり、極めてシリアスな設定と高い能力の持ち主だが、上記のファッション、ポエマー要素、極めて不器用な人間性から、視聴者はもとより出演者たちからも、ネタキャラ的な扱いを受けている。イベントにおいて1期の頃の謎ポエムは録音中、共演者たちが笑いを必死にこらえていたほどであったと語られた。
関連イラスト
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蒼穹のファフナー Alvis マークニヒト 英雄二人 太陽と月
真壁一騎 皆城公蔵 皆城乙姫 遠見真矢 蔵前果林 来主操 皆城織姫 こそうし