CV:木村良平
概要
HEAVEN AND EARTH
竜宮島に漂着した艦の中に眠っていた少年。
生まれたばかりの子どものように無邪気で純粋。一人称は「俺」。
外見年齢は10代の男性を模しているが、正体は染色体を持たないスフィンクス型のフェストゥムでありながら、空を綺麗だと感じ、その思いを分かってくれた総士の存在を守り続けた特異な個体。
総士との繋がりが深い真壁一騎に興味を示し、前日譚では一騎の夢(精神世界)に干渉して名乗るその名前は、BDのブックレット初期プロットにおいて、「フェストゥムにとっての、“来たるべき“救世主”であり、崇高な価値観(操)をもたらしてくれる存在”の名」である自分を皆城総士の知識を用いて翻訳したものと明記されている。
総士の影響は大きく、「操のデザインは一騎と総士の中間」とのことで、「総士が嫌いなモノが嫌いで、彼の好きなモノは大好き」だという。
人類軍に与えられた「痛み」を無くすため、所属する空母ボレアリオスに根付いたミールの使者として竜宮島のコアを同化(≒操のミールへの無条件降伏)し、共闘を交渉。
それを受け入れるはずもない竜宮島と一騎は幾度も対話しあうが、両者譲らずに対立。
ミールに従わざるを得ない操は一騎に対し竜宮島に勝ち目はないと必死に降伏するよう求めるが、一騎は命令されたのではなく自らの意思で空を綺麗だと思い総士を守り続けてきた操こそボレアリオスミールに戦いをやめさせるよう促す。しかし交渉決裂を悟ったミールは操を無理やりマークザインに封じられていたマークニヒトに搭乗させ、竜宮島の面々との交戦を開始する。
己のミールに抗えぬフェストゥムとしての自身と、同じ感情を分かり合える者として戦いたくないという気持ちの板挟みに苦悩する操に対し、一度はニヒトに取り込まれたもののザインと共に復活した一騎は「お前の神様(ミール)に逆らえ」と説得する。それでもなおすでに竜宮島の人々を傷つけてしまったと自分の可能性を否定する操に対し、一騎は自分も総士を傷つけたこと、それでも総士が自分を信じてくれたことを伝えた。そして一騎もまた操を信じることを示し諭すように自らの肉体を犠牲にして操をミールの支配から解放する。
一騎を消させたくない操はついに「俺はもう戦いたくない」とミールに訴え、美羽の協力もあって戦争を終わらせることができた。しかしその直後、皮肉にも同族であるはずの竜宮島ごとフェストゥムの群れを消そうとする人類軍の核を前に、ボレアリオスミールは再び傷つくことを恐れ咄嗟に美羽を同化しようとする。それに対して操は美羽を消さないよう自身のミールに呼びかけると共に総士の肉体から離脱し、スフィンクス型の姿で竜宮島(と対話の希望である日野美羽)とボレアリオスを身を挺して庇い消滅してしまう。しかし最後の意志で一騎に自分が心を奪われた美しい青空を見せ、さらに己のミールを共に生まれ変わるよう導く。同時に総士の肉体を取り戻させ、ほぼ見えなくなっていた一騎の目を治して無に帰っていった。
帰還した総士は操の意識の消滅を感じ取り自分の存在を守り続けてくれた彼に感謝の想いを表す。そして操が一騎の目を治したその理由と願いを彼に伝えた。それは「自分が新しく生まれる場所に、いつか一騎が来るかもしれない。その時に一騎が空を見られないのは悲しい」というものであった。
『スーパーロボット大戦UX』では条件を満たすと生存し、終盤にマークニヒトと共に加入する。
EXODUS
誕生して3年。人とフェストゥム両方に狙われるエメリー・アーモンドと美羽に呼ばれ続けていたが、まだ目覚めてはいない。
21話ラストで次々と同化現象に襲われた一騎達の前にフローターに擬装していた空母ボレアリオスミールのコアとして生まれたままの姿で現れた。
分類はスフィンクス型であり、見た目は来主操と全く同じで、かつての彼と似た振る舞いをするものの、別個体である。
竜宮島内において深呼吸をした際、大気に変容した島のミールと交信しているのか、その場所の記憶を感じ取っている描写がある。
人懐っこいが、武闘派思考なコアの傾向か影響か、戦いとなればフェストゥム・人類問わず容赦なく排除し、救援の代償として美羽の同化を求める。
また、ボレアリオスミールを“島の脅威”と捉えて立ち向かった春日井甲洋のことは若干よく思っていない節があり、犬に警戒心を抱く総士にも影響されたのか読心が出来ないショコラを怖がり、見た目なら年下である皆城織姫に泣きついたり、人類への理解を深めるべく人として振舞うことを好む(服を欲しがる、読心ではなく言葉を使いたがるなど)。
海神島上陸作戦では、コアであるにもかかわらず自らマークドライツェンに搭乗して参戦。
「未来を見る」前任者とは異なり、時間の流れを0.00000001秒単位で知覚できる「今をたくさん見る」SDPを発現した。
第4次蒼穹作戦では総士や甲洋と協力してアザゼル型クロウラーを撃破、竜宮島のミールや甲洋と共に一騎を助け、転生した総士を発見した。
THE BEYOND
平時は羽佐間家で過ごしながら海神島に再現された『楽園』の手伝いをしている。
劇中ではボレアリオスのコアとしての寿命が近づいていることをミールによるビジョンで知覚する。その際お母さんと呼び慕い身を寄せていた容子に対し、「子供(翔子とカノン)を失うことに慣れているあなたを選んで良かった。」と言い、自分を彼女らの遺影と共に飾って欲しいと伝える。その言葉自体は感謝の想いとただ自分の存在を覚えていて欲しいという意図を伝えたいがためのものであったが、彼女には子供を失うことの悲しみを踏み躙られたように取られたのか、激昂された上に所詮フェストゥムだ、最後まで戦っていなくなりなさい、と激しい言葉をぶつけられてしまう。それに困惑すると同時に本心では操にいなくなって欲しくないという容子の想いを感じ取った操は、寿命を延ばすために美羽に同化を依頼する。
美羽はその訴えを片腕だけなら、と受け入れるが、周囲の人々の気持ちを無視するかのような彼女の言動に総士が激怒し、彼らを惑わせたことを悟った操も自分の要望を取り下げる。その後自分の存在が消えてしまうことの恐怖と容子を遺してしまうことの悲しみに一人涙するが、そんな彼に一騎と甲洋は寄り添いその最後の瞬間まで共にいることを誓った。また容子も真矢の擁護のおかげで操の言葉の真意を理解することができ、戦闘から帰ってきた彼を抱きしめ無事に2人は元の関係に戻ることができた。
第六次蒼穹作戦では緒戦においてボレアリオスごとミールを粉砕され激しく動揺する。容子を守るべくマークレゾンが島に向かうのを阻止する為にSDPを使用しながら突撃するも歯が立たず、同化されかけたクロノスと共にフェンリルで自爆、そのコアは海中に没してしまう。しかし美羽に守られつつ浮上してきた竜宮島に受け止められたことで難を逃れた。
決戦後はそのコアを竜宮島に根付かせることで容子に見守られながら再誕の日を待つのだった(竜宮島の新たなコアの配慮で『喰い合う』問題は解消済み)。