染色体とは
染色体は、真核生物の細胞核の遺伝情報を記録し伝達する役割を担う物質(染色質、クロマチン)が細胞分裂期に棒状の構造体として発現したもののこと。DNAがヒストンというタンパク質に巻きついた構造をとる。
塩基性の色素でよく染色されることからこの名になった。原核生物は染色体を形成せず、環状のDNAが同様の役割を担う。
真核生物のDNAは数本〜数百本(生物種によって異なる)あり、ヒストンとともに細胞核におさめられているが、細胞分裂が始まるとこれが1本ずつバラバラになって染色体を形成し、対になる染色体のコピーと対になる(染色分体)。細胞分裂が進むと染色体は引き離されて娘細胞に1本ずつ入る。次の細胞分裂までの間に染色体の複製が行われる。
人間の場合1番〜22番までの染色体が1対(22×2)になった常染色体44本と、男性はXY、女性はXXの2本の性染色体、計46本の染色体を持つ。多くの生物の染色体はヒトと同じく2セット(2倍体)だが、3倍体、4倍体、6倍体のゲノムを持つ生き物もあり、コムギなどの栽培植物でその例が多い。