概要
CV:梶裕貴
2132年4月20日生まれのB型。西尾里奈の双子の弟で、14歳の中学2年生。
幼い頃に両親がファフナー・エーギル・モデル「ゼロファフナー」の起動実験で消滅し、失声症を患っている。そのため1期でも里奈の傍らに描かれてはいるものの、台詞が一切無かった。
HEAVEN AND EARTH
16歳。ファフナー・ノートゥング・モデル「マークツェン」のパイロットとなる。初めての搭乗で声を取り戻し、恋心を抱く先輩の遠見真矢と言葉を交わす。しかし、後に変性意識の影響もあって「次はもっとたくさん(敵が)来るといいですね」とはしゃぎ、彼女の怒りを買ってしまう。
亡き両親に今なお心惹かれていたために、弟まで失うことに怯える里奈の反感を招いていたが、自身がフェストゥムに同化されかけた際に両親がもういないと悟り、里奈と和解。共に因縁の機体であるゼロファフナーに乗り込んだ。
EXODUS
19歳。真矢と恋敵の真壁一騎が働く喫茶「楽園」でアルバイトを始め、竜宮島回覧板(現在は削除)によると今では暉目当ての客も多い。しかし、そもそも真矢の気持ちを知らない一騎からは軽くあしらわれ、肝心の真矢は任務で店を空けがちであった。
竜宮島の外への関心と真矢を守りたいという思いから、里奈と祖母の西尾行美を残してインド行の派遣部隊に参加するが、外の世界で彼を待っていたのはあまりに過酷な現状だった。「来るべきじゃなかった。島以外で死にたくない」「島を守るべきだろ。島が同じ目に遭ってたら」と精神的に疲弊していき、戦いの最中に身を挺して庇った民間人も守れず、無力さに打ちのめされていく。そんな暉を励まし続けてくれたのが親友の堂馬広登だったが、戦闘中に突如心の接続(クロッシング)が切れた彼を、人類軍アルゴス小隊に連れ去られるという悲劇にも見舞われる。
広登の分まで旅の記録を続けながらもますます心が擦り減っていく中で、人類軍のウォルター・バーゲストから、自分は3年前島に核攻撃を仕掛けた爆撃機の乗組員だと告げられる。その時は銃口を向けたが、彼を憎みきれず、かといって許すこともできない暉が時間を経て出した結論は、島にウォルターを招くことであった。しかし、そのウォルターも島との合流直前に、暉を守って自爆を遂げてしまう。
同化現象の末期症状寸前の体で帰還した後、第三アルヴィス・海神島(アトランティス)への上陸作戦のために里奈と共に再びゼロファフナーに搭乗する。里奈と同じ増幅のSDP(超物理現象)を発現出来ることが判明。
アショーカミールを侵食しようとするアザゼル型ベイグラントの結晶の柱を止めるために、ゼロファフナーで取り付いたことから同化現象が激しく進行。
意識を失った里奈を接続から強制解除したために一人で同化の負担を引き受け、竜宮島ではない場所を守り抜いた。
気が付くと、暉は旅で難民たちが乗っていたバスの中にいた。そこにはウォルターやお守りをくれた女の子、そして広登の姿があった。
「本当は分かってた…お前はもう、いないって…っ。でも…そんなの、耐えられなくて…」
命を使い果たした者だけが乗れるバスの中で、ようやく広登の死を受け入れて嗚咽する暉に、広登は「よく頑張ったな」と声をかけた。
広登「なあ、今ならそのお守りに、何て書く?」
「……」
安らかな表情で眠りについた暉の体は結晶化して砕け散り、眠る里奈へと降り注いだ。
彼女一人を乗せたゼロファフナーが、蒼穹を見上げ支える巨人のような仁王立ちで聳えていた……。
形見として残された暉の乗機であるマークツェンは『BEYOND』にてエインヘリアル・モデル、マークツェン改《アキレス》へと改修され、グリムリーパーを奪われた一騎の乗機として、そして――新たなザルヴァートル・モデルを誕生させる器に使われることになる。