概要
CV:諸星すみれ
2147年4月1日生まれのO型。生まれる前年にフェストゥムの襲撃が原因で、父の日野道生と祖父母を相次いで失う。現在は残った母の日野弓子と2人暮らしをしている。
祖父は2人ともファフナー・ザルヴァートル・モデルの開発者だが、母方の祖父が造ったマークニヒトによって彼と父の命が奪われている。
竜宮島では初めてとなる自然受胎かつフェストゥム因子を宿した両親から生まれた子供。成長が早いだけでなく、フェストゥムやミールのようにわずかながら読心能力を持ち、しかも彼らと「おはなし」ができる類稀な存在。生まれながらに島のミールとクロッシングしており、フェストゥムへの恐怖心を持たない。しかし、それ故に幼い頃から平穏な生活を続けられず、劇場版で描いた絵もフェストゥム由来のもので、娘の幸せを祈る弓子の顔を曇らせている。
人類最高のエスペラントと呼ばれる程の特殊且つ重大な能力故にアルヴィスでも特別視され、ミール関係では彼女の意志を尊重する意向が取られている。また、『EXODUS』の時系列では自分の能力に幼いなりの責任を感じ、それ故に泣き出すことが多く、また平和な島にいた関係で人間やフェストゥムを問わず、憎しみや怒りなどの悪意には免疫がない。
祖母の遠見千鶴を劇場版では「ママのおかあさん」、2期では「千鶴ママ」と呼んでいる。美羽としては、自分には2人のママがいるという認識らしい。叔母にあたる遠見真矢を始め彼女と歳の近い人達のことは『お兄ちゃん』、『お姉ちゃん』と呼んでいる。
HEAVEN AND EARTH
1歳4ヶ月だが、作中では2歳となっている。フェストゥムの来主操の来訪を「おおきなおふねがくる」と予言した。その後、強制的に戦わされているフェストゥムの群れを撤退させた上に、島を襲った空母ボレアリオスのミールと対話し、島の危機を救う。直後に人類軍の核攻撃が迫り、恐慌状態になったミールに同化されかけるが、操たちによって守られる。
EXODUS
作中では4歳、素直で無邪気なままだが、読心能力を利用して母親に叱られるのを避けるしたたかさを身につけている。
歳の近い友達がいないせいで空想の友達と話していると弓子に心配されていたが、実際はエスペラントと呼ばれる同じ能力者の少女エメリー・アーモンドと交信していた。出会ってすぐに打ち解け、インドのシュリーナガルへと導かれて地球に迫るミール・アルタイルとの接触に成功する。ところが美羽がまだ小さいために対話には至らず、自分がもっと大きければという美羽の思いを汲んだシュリーナガルミール・世界樹アショーカの力で、10代のエメリーとあまり変わらない背丈にまで成長した。心は4歳のままでありながら、ドラマCD『THE FOLLOWER』では強大な敵と戦おうとする気丈さを発揮し、「狼のおじさん」から「怖いもの知らずのおちびさん」と呼ばれている。
アルタイルの到来に備えるべくシュリーナガルの2万人以上の難民を連れて旅立ち、世界最高のエスペラントとして100人のエスペラントと共に敵意のないフェストゥムとの対話を担うが、旅が進むにつれフェストゥムばかりでなく人の憎悪にも当てられ、母とエメリーの存在に支えられていた。道中、姿を隠していた以前とは別個体の操と「(世界中の)誰も悲しくて痛くなくなったら美羽を食べて(=同化して)いいよ」という契約を自身の一存で交わし、彼のミールの助力を得て島に帰還する。
移送先の海神島にアショーカを根付かせていた時、エメリーに彼女がミールの加護によって生き長らえていたと知らされ、更に母親もシュリーナガルでフェストゥムの犠牲になっていたことを思い出す。アショーカへ還る2人に別れを告げられ、母の結婚指輪とエメリーの亡き弟の靴、還った命から生まれたアショーカのコアだけが遺された中で、涙を流しながらも赤ん坊のコアの誕生を祝福した。
別れを嘆く間もなく、竜宮島のコア・皆城織姫とアルタイルの交信の仲立ちをし、世界の当面の危機を回避することに成功している。
THE BEYOND
真矢とカノンに続く事実上のヒロインポジションに収まると共に、この時点では人類最年少のファフナーパイロットとなる。
6歳になる2153年、父方の祖父が造ったマークザインに搭乗し、対話の力でフェストゥムを退ける。しかし、自分たちを裏切ったエスペラントの少年マリス・エクセルシアが連れ出した子供たちと同乗しているロケットを撃てず、彼の計画を阻止できなかった。
3年後の9歳、マリスに誘拐された4つ下の皆城総士と再会し、彼に真実を伝えようとする。
5年前の過酷な旅と母の死を経て実年齢が9歳という幼さながら大人びた面を持つが、一人称が「私」と「美羽」の二つを使うなど、歳相応さもまだ持ち合わせる。また、皆城乙姫と立上芹のように海神島のコアのルヴィ・カーマともコアと島の住民以上の信頼関係がある。一方、シュリーナガルからの旅での多くの人々、弓子とエメリーが犠牲になったのが美羽自身のトラウマになり、「弓子とエメリーのように自分を犠牲にする」という考えが根付いており、一騎達も美羽でなければアルタイルの問題を解決できないためにそれを尊重するしかなかった。
マリスとは敵対しながらも互いに気にかけており、偽の竜宮島で暮らしていたマリスが美羽が偽の島に来るのを望む他、マリスの裏切りを出されて顔を伏せている。
当初は自分の命を竜宮島に眠るアルタイルに捧げて、世界を祝福する気でいたが、総士と関わる中で考え方に変化が生じ、総士自身も美羽の選択をあくまで最後の手段とする形でアルタイルの元へ同行、総士を通じたアルタイルとの対話で「世界の為に自分を犠牲にする」道ではなく「世界の為にアルタイルを人間とフェストゥム双方に分け与える」道を選ぶ。その結果マレスペロの計画は失敗。そんな彼をも美羽は祝福しようと手を差し伸べるが拒絶され自爆される。肉体を失った彼は赤い月におぞましい表情を投影しなおも人類に憎しみを向けるが、美羽はその様をすごく悲しんでる、と形容する。その後はフェストゥムたちの協力を経て、再び子供の姿に戻ったマレスペロに寄り添い、彼が守りたかった者たちの最期の想いを伝えることで憎しみから解放、新たに生まれ変わることを祝福する。犠牲を受け入れることなく人類とフェストゥムをともに祝福することで、長きに渡る戦いに終止符を打った。