日野洋治
ひのようじ
CV:小杉十郎太
かつては竜宮島で、息子の日野道生と妻の日野恵と共に暮らしていた人物。真壁一騎達からは「日野のおじさん」と慕われていた。
妻の恵は、『RIGHT OF LEFT』では、主任訓練官として僚達の訓練全般を統括していたが、無印第1話にて、蔵前果林と共に格納庫に向かう途中で、ワームスフィアーに飲み込まれて死亡している。
ちなみに夫の離島後も日野姓を名乗っていた事から離縁した訳ではないらしい。
島ではミツヒロ・バートランドと共に西尾行美の研究を引き継いでファフナー開発に着手していたが、ミツヒロの無茶な起動実験なども相まって、島ではこれ以上の研究が困難と判断し、本編開始の5年前に道生を連れて島を離れて、新国連の参謀本部に身を置いて人類軍でのファフナーの開発に着手している。
また、一騎の母親である真壁紅音とは旧友であり、その夫の真壁史彦や溝口恭介とも旧知の間柄である。島を飛び出し、捕虜になった一騎と再会した際には自分のあり方に悩む一騎に島の外での人類の選択肢を教えると共に「戦い以外の道を教えられるかもしれない」と告げて、自分の助手になるように勧めるなど旧友の息子の一騎には特別な思い入れもある。
島とは考え方が違って離島したものの、決してミツヒロのように島と対立した訳ではない。実際に史彦達より一回り年上だが、彼らからは「洋治」と名前で呼ばれて、特に作中の時点でも互いにわだかまりは無い様子だった。
元々、「戦う人々を1人でも多く生かす為に兵器を作る」という思想の持ち主だったが、紅音の思想にも大きな影響を受けて、北極ミールとの決戦の為のファフナーを開発しながらも、同時にフェストゥムとの共存の道も模索していた。
島から出たのもあくまでも共存への道の模索と、より多くの人々を生かす為であり、優れた科学者であると共に人格者でもある。
ミツヒロは「1体でも多く敵を倒す」という設計思想だったのに対して、洋治は「1人でも多くの兵士を生き延びさせる」という設計思想でファフナーを開発している。
「ザルヴァートル・モデル。私とミツヒロが作り上げた、真の救世主だよ。」
モルドヴァ基地で一騎が島を飛び出した際に、鹵獲されたマークエルフのコアを移植することで自身の設計思想を反映したマークザインの開発に成功する。
同時に、人間を理解するために紅音の姿で潜入していたマスター型フェストゥムのミョルニアを正体を知った上で、助手の真壁紅音として匿っていた。
しかし、もう1人のマスター型・イドゥンの手引きで、基地がフェストゥムの襲撃を受けて、洋治は新たな分岐の可能性を信じてミョルニアを通じて一騎にマークザインを託すことを決める。
同じく、偶然にも一騎を救うためにやってきた遠見真矢にマークザインのデータと、島から連れ出してしまった息子の道生への謝罪を託した上で逃がした。
「願わくば、お前達ともう少し会話をしていたかった。ミールの子らよ、お前達が情報という概念を理解したことは、私にとっても喜びだ。」
フェストゥムが情報という概念を理解したことで、共存への希望を見出した洋治は自らの最後の役目を果たす。
「だが、ここの情報は渡せん。」
情報という概念を理解したからこそ、研究室に残されたデータという情報を渡すまいとして洋治は息子に内心で謝罪をして自爆した。
「1体でも多く敵を倒すのではなく、1人でも多くの兵士を生き延びさせる。日野洋治の設計思想だ。」
彼の死後、ミョルニアが彼の設計思想や研究成果を同化現象の治療方法と共に竜宮島へ届け、それによって紅音が10年にわたりミールとの対話で得た、共存への情報を手に入れる術を見いだした史彦に、蒼穹作戦の実行を決意させる。
また、このデータによってファフナーにジークフリード・システムを直接搭載することも可能になった。(厳密に言えば2世代機のティターン・モデルにも搭載されていたがパイロットへの負担が異常に高かった)
以後の島のファフナーには彼の設計思想に基づいた改良が重ねられている。
そして、彼とミツヒロの死から7年後には二人にとっての孫がザルヴァートル・モデルのパイロットになる。
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