馬鹿野郎! なんでここにネタバレした! 言え! なんでだ!
※蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFTに関するネタバレが書かれていますそれを承知の上でスクロールしてください!
同じ概要を僕に書けと!? 島を守るために犠牲を……!
『蒼穹のファフナー Dead Aggressor』の前日譚である『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』。
本作では竜宮島の囮(通称Lボート)を用意し、フェストゥムを竜宮島から引き離す「L計画」の概要が描かれている。
L計画はいわゆる陽動作戦であり、フェストゥムが囮の島を襲撃した際はファフナーティターン・モデルでこれを迎え撃つ。
その一方で、フェストゥムの読心能力に対抗する為に作戦の全容は参加メンバーに明かされておらず、定期的に補給が解放され、最終日には脱出ボートを開放する事で極力人員の命を守るための配慮がされており、計画は犠牲者0を目指すはずであった……。
だが、現実では下記のデメリットにより実際の生存率は0に等しかった。
- 試作型であるティターン・モデルの搭乗には15分の制限時間があり、これ以上乗ってしまうとパイロットの同化現象が進んでしまう。パイロットに掛かる負荷は通常のファフナーより重く、乗れば乗るほど制限時間関係なしで同化現象が起こってしまう。しかもパイロット交代の隙を突かれてパイロットやスタッフが『いなくなる』リスクもあった。
- 加えて囮の島であるLボートは実質的な閉鎖空間であり、竜宮島への連絡はおろか作戦最終日以外の帰還が許されなかったりと外部からの補助は受けられない。
- 参加メンバーは作戦内容を知らされていない上に、外部からの補給が全くない。メンバーの誰かが欠けても補充はされない。
- Lボートの設備は不完全で、パイロットの戦闘経験が全くないなど戦力に不安を抱えている。
という風にどこからどう見ても絶望的な状況である。
そして周りの人々がフェストゥムの攻撃や同化現象の末期症状(結晶化して砕け散る)でいなくなり、それでも希望を持ち続けようとLボートの乗員たちが始めた寄せ書きの上に、ある日こんな落書きが書かれた。
い み ど
な ん う
く な せ
な
る
将陵僚はその落書きを書いた村上剛に怒りを露わにし「馬鹿野郎! なんであんなこと書いた! 言え! なんでだ!!」と突っかかった。
その後L計画がどうなったかは本編を見て確かめてほしい。
ただ一つだけ言えるのは、彼らの戦い、彼らの想いは決して無駄などではなかったという事である。
そこから転じて、近年のアニメやゲーム、あるいは現実において
「その後の展開で、どうにも、誰も、救われそうに無い流れが見えてきた」時、
この言葉を書き込むのが定番になりつつある。
なお、『ファフナー』本編でも、初期案では主人公である真壁一騎は第一次蒼穹作戦から帰還した直後に結晶化して「いなくなる」予定だったという…。
スパロボでは、あくまで生き残る気だった……だから承認したのだ!!
『蒼穹のファフナー』本編が初参戦した『スーパーロボット大戦K』において、最終決戦後に生き残った一騎たちファフナーパイロット勢が、同化現象の進行によって近いうちに全員死亡してしまう事が仄めかされた原作レイプ極まりないエンドが描かれるという衝撃的な事件が発生。
しかも同時参戦作品である『神魂合体ゴーダンナー!!』の難病である「ラビッドシンドローム」がフェストゥムから提供されたデータを応用することで治療法があっさり確立したにもかかわらず、それから1年が経ったエンディングでも同化現象は治療できないという意味不明な展開であった(しかも、ゴーダンナー側の科学者は「暇でしょうがなくてさ」などと語って一人でバカンスを満喫しているという有様である)。
多くのファフナーファンが抑えきれない怒りと共にこの言葉を思い出し、そしてシナリオライターに「馬鹿野郎! なんであんなシナリオ書いた! 言え! なんでだ!!」と、各々差はあるが激しい怒りをぶつけた。
とはいえ、Kの制作当時はUXにおけるEXODUS同様、劇場版アニメであるHEAVEN AND EARTHは未発表であり、続編への考慮が不可能なファフナーシナリオに、ある程度絶望的な終末を想像しても仕方ない点があったことは記しておく。……そんな言い訳では済まないほど、違和感が酷く許されないシナリオ展開およびエンディングではあったが。
ちなみにこれはノーマルエンドであり、数々のフラグを立てて翔子、道生、衛らを生存させれば(もっとも、生存理由が『ガン×ソード』の(ネタ)チートキャラ・カイジに全員助けられるというものだが、『ガン×ソード』はファフナーの舞台とは異なる「もう一つの地球」でストーリーが展開されており、何故カイジがファフナーのいる地球に現れるか全くの説明がないなど極めて適当なものである)同化現象の進行で一騎たちは危険な状況だが、まだ希望は残されているという感じのエンドに変更される。
ただしフラグを立てても、最終話で消滅する総士だけはどうやっても救うことは出来ず、しかも死亡原因がよりにもよってあのミストさんを救うために力を使い果たし同化現象が進行して消滅するというものだったため、プレイヤーは唖然としたのであった。さらにその直後に他のキャラは宴会を開き裸踊りまでするという常識を疑いたくなる展開までも…。
私は、彼ら全員の生存を信じている!!
Kから約四年後に発売されたスーパーロボット大戦UXにもファフナーは劇場版を伴って参戦した。初の声付き参戦である。もう一度繰り返す。初の声付き参戦である。
こちらでは、原作準拠の暗いイベントは起きる(というか、Kの反省なのか原作イベントが大胆なアレンジを施しながらも非常に多くシナリオに絡んでくる)ものの、Kの様な悲惨な展開にはならず、むしろ後述するような事態になっている。
またこちらでも翔子、道生、衛、そして劇場版唯一の死亡キャラ?である操を生存させる事も可能(但し劇場版への流れのため、甲洋の同化は避けられないが)。
適当極まりない理由とシチュエーションで生還したKとは異なり、各々がストーリーを大きく盛り上げてくれる。特にプレイヤーの想像を絶する翔子の生還劇と、翔子生存時のカノンとの交流は多くのファンを感動へと誘った。
さらにはストーリーの随所で、「みんないなくなればいいのに」を筆頭に鬱展開が確定しているシリーズ最新作『蒼穹のファフナーEXODUS』(当時はまだ未放送)への布石ほぼ全てを平然と破壊し、続編フラグを粉々に叩き割ってしまった。
具体的には、
・フェストゥムが最終的に『命の意味』『自分たちが何であるか』『何故自分たちが最終的に宇宙全てを同化して無に還そうとしていたのか』を理解した為、人類はフェストゥムとの対話による和解を達成した。
・原作におけるキーパーソンの一つである敵対組織の人類軍が、終盤で完全な人類の敵サイドに回ってしまい、地球連邦からも討伐対象として認定され、最終的にヘスター・ギャロップら上層部含めて全滅した。
・たとえ人類軍の残党や人類に憎しみを抱いたフェストゥムが地球に残っていたとしても、何かしようものなら地球連邦政府直属のエージェントになった正義の味方と本当の暴力と地獄がまず間違いなく黙っていない。
・上記の出来事により、EXODUSの黒幕の一人であるアトランティスコア=ベイグラントが人類軍壊滅後、プロメテウスの岩戸から救出されている可能性すらある。
・蒼穹作戦において北極海ミールから同化現象の治療に関する膨大な量のデータが贈られてきた際、ティエリアが即座に解析をヴェーダの方でサポートする様に取り計らったため、原作とは比較にならないスピードで同化現象の治療をする事ができた。
・上記の同化現象の治療速度爆ageに加え、一騎の同化現象の進行具合と症状が原作と比べて遥かに緩やかかつ穏やかであった為、一騎の寿命問題もおそらく存在しない。
・マークニヒトは操が生還すると入手できるが、その場合でもEDで失われる。
Kとは雲泥の差だが、蒼穹に憧れた男の台詞をお借りして、あえて言わせてもらおう。なんでこんなエンディングにした! Yeah!!
おかげで、スパロボユーザーやファフナーファンからは「どうせみんないなくならない」とか「どうせみんないきのこる」とか「どうせえぐぞだすははじまらない」という風に、この言葉もネタにされている。
ちなみに戦線を一時離脱した将陵僚と声が同じ人の復帰イベントの舞台も竜宮島であり、皆城乙姫の導きによって意識を取り戻すというクロスオーバーが展開された。
RIGHT OF LEFTファンへの一種のサービスだろうか?
ただし、完全無欠のハッピーエンドかと言われると実はそうでもなく、甲洋はエンディングで一騎達をユガの狭間から竜宮島で還すために自らはユガの狭間に残る事を選んでしまう…(操が仲間になっている場合は操も一緒にユガの狭間に残る)
「そして、覚えていてくれ。 俺たちが、ここにいたことを」
過酷な状況にあっても、生きようとする者の意志。僕に背負えるのか?
一つずつ……ピクシブの関連タグは、増えて行った……
蒼穹のファフナー 絶望 棺桶 みんなのトラウマ 本当は怖い艦これ
「楽しい宴会でしたね…」 竜宮島鎮守府 そして誰もいなくなった
↑馬鹿野郎! なんでこんなにタグ増やした! 言え! なんでだ!!
やめてぇ!! もう……(ネタ台詞扱いは)やめてよ……!
なお、ご覧の通りネット上では「どうせみんな~」の部分が独り歩きしているようで、上述されたネタのように「~」の部分を改変したものや、「『どうして』あんなこと書いた!」「なんで『そ』んなこと『を』書いた!!」「~を書いた! 『なんでだ! 言え!』」などの表記揺れが多く目立ち、時には『なんでだ! Yeah!!』のような非難を装った歓喜表現の改変まである。この記事でも長いこと、大事な原作の台詞が「『どうして』『こ』んなこと『を』書いた! 言え!『』」という誤記のままだった辺り……。
この辺の誤解は、甲洋の同化症状とファフナー喪失を淡々と語る総士に真矢がぶつけた「どうしてそんなことを言うの!?」というセリフや、伝言ゲームのように意味や使われ方が変わっていたネットスラング達と似たような経緯であるため、仕方ないことである。
誰もが、怖さと怒りと悲しみで、いっぱいだった……
最後に
以上が、「どうせみんないなくなる」というピクシブ百科の記事だ。
ここまで読んでくれた方、この台詞を知らずに乱用している方、ファフナーを知っている・知らない方、他にもたくさんの人がいるだろう。
皆の言わんとしていることは第三者にも十二分に伝わっており、状況次第でこそあども変化するため、色々な想いもあるかもしれない。
単なる表記揺れにしろ他作品で使うにしろ、これがファフナーネタであることを踏まえた上で、空気を相互に読んで使用、もしくは使用しないことを祈っている。