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グレンデル

ぐれんでる

叙事詩「ベオウルフ」に登場する魔人。水魔の一種で、原罪者たるカインの末裔。 水底の魔女の息子であり、醜悪な容姿と残忍かつ狡猾な性格をしている。 自身の棲み家の上にヘオロット宮が建てられ、その騒々しさが我慢ならずにヘオロット宮を襲撃する。 しかしそこにいたベオウルフに腕をもがれて、水底に逃げ帰り、最期は母親ともども首を刎ねられて斃された。
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グレンデルとは、叙事詩ベオウルフ』に登場する魔人である。

 名前は、「挽き潰すもの」を表す古英語Grinderと、「水や湖の底」を指すGrundから。

概説

水底を棲み家とする、オーガー系の巨人〈Thyrs〉。
作中で、「Niceras」(「水魔」)、「Gaest」(亡者)「Nihtmœre」(夢魔)、「Feond on hell」(「地獄の悪鬼」) 「Deofol」(悪魔)、などと表現される。

水底の魔女の息子であり、彼女は彼よりも強い力を持っている。
その容姿は長髪で、爪は鋭く、「15人の兵士を一晩に食べ、15人の兵士の死体を軽々と運ぶ」程度の能力を持ち、目は暗闇で怪しく光ると、大変醜く、また性格残忍狡猾である。
荒野沼地のある場所を徘徊し、目についた人間を殺して回っていた。龍(Dracan)の皮で出来た籠手(Glof)のみを身に着ける。

また旧約聖書カイン末裔で、Ylfe(エルフ系)やOrcneas(海の魔物)、Eoten(人喰い)が属する一類、という説も存在する。
巨体怪力の持ち主だが、音もなく俊敏に忍び寄り、暗闇の中に溶け込む厄介な技能を得ている。

『ベオウルフ』叙事詩の前半を彩る敵役であり、ベオウルフと熾烈な戦いを演じることになる。

グレンデル退治

グレンデルの憤怒

デネ(デンマーク)の王・フロースガールは、ヘオロット(牡鹿)宮という城を建て、その建設祝いに連日宴を催していた。
その近くに棲み家を構えていたグレンデルは、夜毎の喧騒に怒りを覚え、宴が終わって静まったヘオロット宮を襲撃し、家臣たちを虐殺する。
この話を聞きつけたのが、イェターランド(スウェーデン南部)にいた勇士ベオウルフであり、従者を随えてフロースガールのもとを訪れ、ヘオロット宮の警備に当たることを進み出た。

ベオウルフとの死闘

その晩、グレンデルが襲撃を掛けてくるが、不覚にもベオウルフは不意を突かれて武器を持ち合わせておらず、グレンデル(彼の肉体は呪法で刃物による攻撃を受け付けない)と素手での組み合いで戦わざるを得なくなる。しかしベオウルフは天性の肉体と鍛錬により得た剛力を以てグレンデルを組み臥せ、挙句その腕を引きちぎってみせた。
堪らずグレンデルは逃げ出し、棲み家である沼地へと逃げ遂せた。

その最期

グレンデルはこのことを母である魔女に伝えると、魔女は息子を痛めつけられたことに激怒する。
グレンデルの退治を祝し、ヘオロット宮では宴が再開される。しかしその隙をついて魔女がヘオロット宮に侵入、ベオウルフは発見できず、その代わりにフロースガール王の顧問であるアシュヘレを攫って逃走する。
アシュヘレを攫われたフロースガール王は、ベオウルフと家臣を引き連れグレンデル母子の棲む沼地へと向かい、二人の討伐に踏み切る。
沼地に着くとベオウルフは魔女によって水底に引きずり込まれ、彼女の棲む館に誘いこまれる。
名剣フルンティングを振るって応戦するも魔女には効かず、館を逃げ回る中で拾ったさらに強い魔剣「ヨトゥン(北欧神話に登場する霧の巨人)の剣」を得て再戦。魔女は魔剣で首を刎ねられ、グレンデルもフルンティングでとどめを刺された。

創作への影響

後世の創作においても、モンスターの名前としてよく使用される。
伝承では決して弱くはないのだが、相手が悪かったせいか、若干かませ犬的な扱いが多い。
ゲームなどで登場する「オーク」という語は、この詩でのグレンデルの表現「オークニーズ」から。なお山本史郎訳『ホビットゆきてかえりし物語』1997年発行版(原書房)では、オーク(第七章の最後に一回だけ出て来る)に「食人鬼」の漢字がふられていた(2012年版では「悪鬼」)

関連タグ

叙事詩 ベオウルフ
魔人 怪物 モンスター

ドラゴン型。「たべる」と「うまい」



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