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カイン

かいん

カインとはヘブライ語で「鍛冶屋」・「鋳造者」を意味する言葉。主に人名に使われる。
目次 [非表示]

カインとは、

  1. Cain。欧米系の男性名。

人名の概要(Cain)編集

元は旧約聖書の登場人物。アダムイヴとの長男であり、弟にアベルセトがいる。世界で最初の殺人を行った人物である。

転じて、神話などを由来する名称のキャラクターとして数々の作品に採用されている。


を世話する生真面目な農夫であるが、アベルがよく自分の飼う山羊を逃がして麦畑を荒らしてしまうことをたびたび叱責していた。

ある時、が二人に捧げものをするよう命じ、兄は麦を、弟は肥えた子羊を供えた。だが主はカインの麦を無視し、アベルの子羊だけを選んでいった。それをカインは大いに悔しがり、それを見たアベルは「本当に主を慮ってお供えしたならこんなことはないはずだ」と厳しく窘めた。

だがこれが逆効果となってしまい、カインはアベルを草原に呼び出して殺害してしまう。


主がカインにアベルの行方を問いただすと、「自分は弟の世話係ではないので知りません」としらばくれるが、主はアベルの血が大地から叫びを上げているのを耳にし、彼の嘘を見抜き、エデンの東の「ノド」という地に追放することを決定する(なお、アダム・カイン・アベルから取った名前の親子・兄弟の確執を描いた1955年のハリウッド映画「エデンの東」のタイトルの由来がこれ)。

カインは「自分が報いを受けて誰かに殺されるのが恐ろしい」と懺悔すると、主は彼を殺した者に七倍の苦痛が降りかかるよう約束し、彼にその印を施したという。

ノドにたどり着いたカインは妻をめとり、そこでエノクという息子を授かった。


カインは弟アベルを妬み、殺してしまうことから、(広義では)兄弟間の嫉妬心を「カインコンプレックス」と呼び、この逸話が設定に反映されていると思われるキャラクターもいる。


カインがアベルを殺した動機については、思い人の女性が絡んでいたという説もある。カインは双子の妹であるルルワアワンとも)と結婚したかったが、アダムは神に捧げものが受け入れられた方がルルワと結婚すると決めたため、ルルワはアベルと結婚することになった。そのことに反発したカインはアベルを殺し、自分がルルワと結婚した。


カインとその末裔に付けられた「印」(多分「額へ+」の可能性がある)は『創世記』には具体的に書かれていないが、ラビの伝承では「角」或いは「ワウ」の字とされる。またキリスト教ではその印が「赤毛」とされ、『赤毛のアン』などで、それが言及されることがある(「彼らをイビると7倍返し」なんだけど)。


また、実は3人兄弟の1人だったという事を知らない人が「アブラハムの宗教では現在の全人類はカインの子孫」と誤解している場合が有るが、上記の通り末弟であるセトが居て、ノアが、そのセトの男系子孫なので「アブラハムの宗教では現在のほぼ全人類にカインの血が混っている可能性が高いが、古代中東において一般的だった『血族集団とは基本的に同じ男系先祖を持つ集団の事』『先祖とは基本的に男系の先祖の事』という考えからすると、全人類はセトの子孫というのが、より正確」となる。


カインの末裔編集

カインには魔性の者達の祖先であるという伝承がある。

カバラの文献『ゾーハル』の創世記の解説箇所では女悪魔ナアマ(創世記にカインの子孫でそういう名前のが出て来る)が「カインの起源の全ての悪魔の母(the procreatrix of all the demons of Cainite origin)」と記されている。


イギリス叙事詩ベオウルフ』によると、カインから巨人族やエルフ、邪悪な精霊たちが生じたのだといいい、本作に登場する怪物グレンデルもその一体とされる。


カインそのものが魔性の血を引くという位置づけもあり、アレクサンドリアのフィロン、ピルケイ・デ・ラビ・エリエゼル、またヨナタン・ベン・ウジエルに仮託されたタルグム(アラム語での聖書解釈)はカインの父はアダムではなく、蛇である堕天使サマエルがイブと交わって生まれたとする。


余談編集

当時アダムとイブの家族しか人類が居なかった世界において、ノドの地の住人たちはいったい何処から来たというのかは永遠の謎である。

これについては人民寺院ジム・ジョーンズも嘘っぱちだと糾弾している。

身も蓋もない事を言うと聖書を含めた昔話には矛盾が付き物なのである。


「カイン」の名前を持つキャラクター編集

別記事(個別タグ)あり編集


別記事(個別タグ)なし編集

関連タグ編集

人名 欧州人名の一覧

グレンデル:カインの末裔という説が存在する怪物。


その他の読みが「カイン」な者編集

他にありましたら追記願います。

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