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SCP_Foundation

えすしーぴーふぁうんでーしょん

日本語訳で「SCP財団」。異常存在を確保・収容・保護する架空の超政治的組織「財団」と、それを題材にした創作群。
目次 [非表示]

人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に逆戻りしてはならない。

 -"管理者"


概要編集

  1. 架空の団体「SCP財団」。世界の安全保障上脅威となる、特別収容プロトコルSpecial Containment Procedures)が必要な異常存在「SCPオブジェクト」の調査、回収、無力化を通じ、人類の独立を保つことを目的とする。確保収容保護(Secure,Contain,Protect)こそが財団の理念であり任務である。
  2. 上記の世界観を共有した、伝奇怪談都市伝説に類する一連の作品群。

2007年に英語圏の匿名掲示板「4chan」(超常現象板)で始まった「怖い画像に怖い設定を付与する」という遊びが発端。創作の連鎖からWikiサイト「SCP Foundation」が開設され、ここを本家として非英語圏でも翻訳や創作が拡大中。

世界で観測されるあらゆる不条理と対峙する「財団」と、人類に仇なす理不尽の塊のような異常存在とを巡る、戦慄の活動報告書の体裁をとった投稿作品がメインコンテンツ。作品の評価制度により、集団創作でありながら全体として一定のクオリティを保っているため、数千にも及ぶ報告書が醸し出す複雑かつ広大な世界観に魅了される人々が後を絶たない。その他にもフォーラムや登場人物を題材としたファンフィクションより構成されている。


創作行為が根幹にあるため、多くの作品でベースとなっている設定や、執筆に際しての詳細なガイドラインがまとめられており、作品についても他者の指摘や意見を取り入れ改良していくことが半ば前提となっている。異次元さえ題材にされるため、「財団の存在しない世界」までも受容されている懐の広いフィールド。そのぶん参加者には自制と粘り強さが求められる。

なお、元々が「怖い画像」を主軸に据えたホラーテイストの強い活動であるため、個人差はあれども精神衛生にとって好ましくない遭遇をしてしまう可能性があることは覚えておきたい。要するにグロ注意。恐怖の方向性も、あからさまな血腥さ、背筋の凍るような不安、不条理、無力感、生理的な嫌悪、精神を削る絶望など様々。

執筆者の感性・教養・想像力等々から練り上げられた珠玉の作品群の中には、クスッと笑える滑稽さ、特定のモチーフを題材にしたユニークな解釈、癒しの追求、圧倒的なスケール感、洒落っ気の利いたものや、繊細微妙で情緒的な作品も少なからず存在する。


日本では「非公式日本語訳Wiki」(以下、翻訳wiki)が本家版を翻訳している傍らで、日本語でのSCP創作の拠点として公式サイト「SCP財団日本支部」(以下、日本支部)が開設され、両者が併存する形で活動が続いていた。

そして2017年、翻訳wiki側は「『日本におけるSCP Foundationの知名度向上』という自分たちの目的は既に果たされた」として日本支部への翻訳機能の移管=日本支部への統合を提案、日本支部側はこれを受け入れることを決定した。同年7月1日をもって両サイトは正式に統合し、旧非公式wikiはサイトを閉鎖。本家からの翻訳記事は全面的に日本支部に移設され、これ以降新たな本家記事の翻訳・掲載は日本支部で行われることになった。


日本以外にも多くの支部が存在し、各言語への翻訳及び創作を行っている。また、支部の略称として以下のものが用いられている。


使用言語略称使用言語略称
ロシア語RU中国語CN
韓国語KOフランス語FR
ポーランド語PLスペイン語ES
タイ語TH日本語JP
ドイツ語DEイタリア語IT
ウクライナ語UAポルトガル語PT
チェコ語CS繁体中国語ZH-TR
ベトナム語VN

これらと表記を合わせるために、本家SCP wikiの略称として「SCP-EN」を用いることがある。


余談だが、日本支部や中国支部では「財団には地域ごとに支部が存在し、独立して施設の管理を行う」世界観を採用している。しかし韓国支部などでは本家と同じく「財団に支部は存在しない」世界観を採用している。

そのため、各支部の英訳を行うSCP-INTでは韓国支部ではなく韓国語wikiと表記され、略称も日本・中国支部は国名コード、韓国支部などは言語コードを採用している。


SCPwiki内にあるページ編集

  • SCP報告書

SCPとは特別収容プロトコルを意味し、それを遂行する為の情報が筆記されているのがSCP報告書である。報告書の中では全ての収容対象にSCP-XXXXと最大4桁の数字が割り振られており、切りのよいナンバーを冠するものについては公式でコンテストを開催して選出するなどしている。報告書の体裁はいわば執筆ルールであり、オブジェクトクラス(収容難度)の指定、特別収容プロトコル(収容手順)の記述、概況の説明(オブジェクトの発見と収容までの経緯)、補遺(収容に付随する出来事の記録等)などにより構成されている。

また、イレギュラーとしてJokeSCP報告書がある。これらは通常の英数字タイトルに加えて「-J」が振られている。ここにあるのはメタ的なネタなど通常の報告書には書けないようなものが多い。


  • 財団Tales

Taleとはシェアワールド『SCP Foundation』内での物語である。

内容は財団職員達の(比較的)平穏な日常や、任務の遂行記録まで様々である。中には財団の冷徹な一面を描いたものや、執筆者の正気を疑うほどぶっ飛んだ内容のTaleも存在する。報告書には詳述されていないSCPオブジェクトの起源を敢えてTaleで語ったり、後述する要注意団体の活動に触れたものもあり、SCPの世界に奥行きを与えている。

人事ファイルに登場する職員の名前や財団用語が頻出する為、初見にとってはハードルが些か高い。サイトメンバーの多くはTaleの存在があまり知られていないことを残念がっているので、チャレンジしてみると良い。財団世界についての理解度が進むごとに違った読み方が出来るかもしれない。


  • GoIフォーマット

GoIF(ジーオーアイエフ)とも呼称される。簡単に言えばGoI(要注意団体)によって作られた文書。内容としては、その要注意団体が見つけた異常存在についての情報をまとめる形式のものもあれば、カタログのような体裁のもの、さらにはWebニュース形式の記事などといった様々なタイプの記事が投稿されている。

SCP報告書と違って口語口調やだ・である調などを使っていたり、非常に主観的・非科学的な内容であったりするものも多く、各団体によってその性質・雰囲気は様々。元々は財団Talesの中に分類されていたものであり日本支部においてはここ数年でようやく記事が投稿されるようになった。

財団Tales以上にその存在が知られていないものの非常に面白い作品も多いので、要注意団体についての造形が深まってきたら見てみると良いだろう。


  • 人事ファイル(著者ページ)

サイトメンバーの作品をまとめたページ。作成には制限がある。人事ファイル内はSCP Foundationからある程度隔離されており、何を書いても自由なため、著者の性格が出る。

その名の通り、執筆者の「財団職員としてのアバター」が載っており、オブジェクトに負けず劣らず個性的な人物も多い。本部で有名なブライト博士コンドラキ博士を始めとしたクレイジーなキャラが揃うが、日本支部にも狐耳巫女唐揚げ、忍者…(書ききれるか!)など本部より個性的なキャラが溢れている。


  • フォーラム

サイトメンバーが使用する掲示版である。雑談から報告書の下書きの批評までなんでもござれ。


用語編集

異常な性質を持つ事物「オブジェクト」を確保・収容・保護し、人類の破滅を阻止することを至上命題に掲げ、世界規模で活動する超政治的組織。作品世界内での正式名は単に「財団(the Foundation)」であり、「SCP財団」は財団外からの(あるいは第四の壁のこちら側での)通称である。

世界各地に「サイト」「エリア」等と呼ばれるセキュリティ施設を有し、一般社会においては異変を察知するべく多くのエージェントが表向きの顔を装って活動している。異常存在への対処に必要ならば軍事力をも行使する精鋭集団「機動部隊(Mobile Task Force/MTF)」を投入するが、オブジェクトの挙動に対して後れを取ることも少なくない。異常存在に対抗するべく新技術や専用装置の研究開発も手掛けており、記憶処理等の技術も日常的に使用されている。


財団により異常性を認められ、特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)に基づいた収容の対象となっている「異常存在」。物品や人物、集団のみならず、特定の場所や施設、現象や概念までもが対象。稀に無害なものも存在するが、ほとんどは有害無益な代物ばかり。創作陣の熱意の産物であり、その数は数千にも上る。

アイテム番号と通称に加え、支部に投稿されたオブジェクトであれば末尾に識別用の略称が付されており、日本支部に投稿されたオブジェクトなら「SCP-XXX-JP」と表記される(例外として、中国・スペイン・ポーランド支部では「SCP-OO-XXX」のようにアイテム番号の前に付けられる)。

研究における優先順位を定めるため、全てのSCPオブジェクトにはオブジェクトクラスが割り当てられている。


SCPとしてナンバーが振られたものに割り当てられる、いわば収容難度の指標

基本的には「Safe」「Euclid」「Keter」の3種類だが、副次的なオブジェクトクラスが割り当てられたり、オブジェクトの挙動が殊更に特異であれば個別のオブジェクトクラスが付けられている場合もある。また、研究の進展、新たな性質の判明、無力化(異常性の喪失)などにより再分類されることもある。

収容難度を基準にしているため、「Safe」であっても使い方を誤れば世界を滅ぼし得るオブジェクトも存在するし、「Keter」だが単にあちこちワープし続けるので捕まえられないだけの危険性の低いオブジェクトも存在する。


「管理された水爆」

Safe:発射スイッチを押さず、発射台にすら置かれていない核兵器。どれほど危険でも、その危険性を発揮しない状態を管理・維持できる。

Euclid:何らかかの理由で発射台から動かせなくなった水爆。何かの拍子に発射スイッチが押されてしまう可能性、発射システム自体が誤作動を起こす可能性は完全に排除できないが、とにかくスイッチが押されないよう努め、機械を定期的にメンテナンスして誤作動を抑止することが、とりあえずは可能である。

Keter:発射台から動かせず、おまけに「全人類のうち100人が同時(誤差1秒以内)にくしゃみをしたら」発射ないし起爆されるような状態の水爆。事実上の制御不能で、いつ暴発してもおかしくないため、最大限の備えが求められる。


ただ壊れないだけのランプや、「俺はパセリ」と発声するだけの人参(や、それを食べたであろう「俺はパセリ」と呟くウサギ)など、一応は異常性と呼べる性質を持ってこそいるが、その規模があまりにしょっぱい、あるいはあまりにもくだらない、上述のオブジェクトクラスを割り振るまでもないと判断された「オブジェクト未満の異常物品」が分類され、ユニークなモノが多いので眺めているだけでも楽しい。

ただし、たまに新たな異常性が発見され、オブジェクトに格上げされる事もあり、どういうわけか大抵エグい。


  • ジョークオブジェクト

ナンバー表記「SCP-xxx-◯◯」の後に「-J」と付けられるオブジェクト。その名の通りジョークであるため、報告書における登場人物もオブジェクト自体の性質もボケ倒している事が多い。その性質上、通常のオブジェクトでは許されないような暴走が当然のように引き起こされ、ジョークなので(大抵は)許されている。

既存のオブジェクトのパロディや、素人でも理由が分かる“ちょっと不思議な事象”を発見して大真面目に異常存在として扱い、財団の誇る頭脳たちが勝手にパニックに陥ったりしている。

著名な例としては、「片方の目を開け、開けている目を入れ替えると物が動いて見える"両眼視差"」によって"寝ている時に開けている目を入れ替えると枕が動いているように見える"というだけの現象を異常性と断定、これを引き起こすオブジェクト(つまり枕)をこの世から消滅させる為に財団が奔走するというジョーク記事(SCP-042-J)などが知られる。

Secure,Contain,Pillows(確保、収容、枕)」


  • 財団職員

主に前述の「人事ファイル」から生まれたキャラクター群だが、一つの記事での実験記録やインタビュー記録にしか登場せず、名前の設定すらないモブ職員も存在している。

SCP創設当初(つまりサイトの設立黎明期から)主な管理人兼著者によって生み出されたキャラクターが特に有名。詳しくはSCP財団の項を参照。


財団の中でもオブジェクトへの直接的接触など危険な業務に従事する職員。各国からかき集めた死刑囚などが担当する。D-XXXといった番号で呼称され、報告書によっては博士や研究員、エージェントら以上に人物像が描かれる。人的資源として消耗されることから「使い捨て」「残機」などと呼ばれることもあり、「たのしいざいだん(LoLFoundation)」と総称される比較的ゆるい作品が流行っていた時期には何人ものDクラスが安易に終了されている。現在では記憶処理を施して複数の研究に使い回すなど、現実的に人材不足と戦っている様子も書かれる。

畑から生えてくるわけではないので無為に消費したり、虐待、虐殺等を行えば当然処罰され、場合によっては当該職員がDクラスに身を落とす事になる。また、(異常性が見つかるなど)場合によってはオブジェクトに指定される事も有る。


  • [削除済]や[編集済]、 █████など

世界内設定としての「検閲の痕跡」を示す符号。

メタ的には、報告書において特に必要のない情報(日付や場所、人物など)やエロ・グロ・ナンセンスなワード(Fワードなど)の代わりにこの表記法を用いることが推奨されている。敢えて記述を伏せることで演出面での効果を狙う使用法も多い。


異常存在の特性によって現実世界が改変される事象。財団世界における“現実”は「基底現実」「基底世界」等と呼ばれており(先行するSF作品に登場する「Base Reality」とその訳語に倣った呼称と思われる)、現実性は「hm(ヒューム)」という単位を付けられて数値化され、「カント計数機」によって計測可能なものとなっている。「一般人1人分に相当する現実強度=1hm」が基準となっており、現実改変を行使するオブジェクトや能力者のhm値が改変対象のそれに対して大きいほど、強力な改変や上書きが可能になる。

逆に低すぎると「うまく行かない現実」に押し負け、どんどん不幸になるが、この程度は誤差の範囲であり、度を越して現実値が下がりすぎると「存在しているという現実」すら保てず、耐え難い苦痛とともに「自分の存在が現実に攪拌し、生きながらに死ぬ」という末路を迎える。また、現実性の低い領域では一般人でも(それが意図したものであるかに関わらず)改変に類する行為が可能となってしまう。

現実改変者は自身にとっての現実(あるいは望ましい現実)を、改変の及ぶ範囲に押し拡げることが可能であり、その内容によっては新たなオブジェクトが生み出されたり、特別収容プロトコルが役に立たなくなったりする。財団にとってはもちろん収容対象だが、殺害という手段を用いる場合もある。現実改変にまつわるカノン(設定)には様々な解釈がある。

この恐るべき能力・事象に対抗するため、スクラントン現実錨をはじめとする「現実性を強力に固定する装置」を開発したのも財団職員である。「ヒューム値」についても参照されたい。

異常存在の描写において“便利”過ぎる設定のため、アンチテーゼじみた「SCP-4065」のような記事も投稿されている。


現実歪曲の抑制や現実改変への対抗のために財団が使用する、ヒューム値を一定の数値へ固定する機器。報告書では大抵「SRA」と呼称される。

記事によってはヒューム値を極端に低く設定した状態のSRAをオブジェクトに打ち込む事で対象を消滅させるという使い方もされるなど、何でもアリの便利マシンになりかねない装置でもある。


  • サイト(Site)/ エリア(Area)

サイトは比較的危険性の少ない(油断はできないことに変わりはない)異常存在を収容する施設のことで、超有名どころの「サイト-19」や、別次元出身「サイト-13」などがある。市街地付近にも存在し、SCPフロントにサイトが秘匿されていることも少なくない。

エリアは、備え付け核弾頭が必要な危険なオブジェクトの収容(クソトカゲ等の厄介なオブジェクト)に使われる施設。そのため市街地から遠く離れたところに建設されている。


  • SCPフロント

SCP財団の世界において、オブジェクトの存在は人類の存続と平穏のために秘匿されており、財団もまた表の世界にそのまま姿を表すことはない。その活動を擬装するために、様々な「表向きの」組織や企業を有している。

石鹸の製造会社から、ゲーテッドコミュニティの運営グループ、陰謀論や超常現象に反対する懐疑論者の団体など多種多様だが、いずれも企業名がSCPのバクロニム(頭字語・アクロニムの逆。要するにあいうえお作文)になっているのが特徴。

例:「特殊企業防衛 → Special Company Protect」のような形


オブジェクトに遭遇した一般人に対する隠蔽工作や、異常性に暴露した職員の回復手段などに用いられる処置。オブジェクトの性質が強力な場合には意味をなさない事も多い。

報告書の中では頻出する割に具体的な処置の描写は省略されるのが常だが、それを逆手に取って記憶処理を題材とした報告書も作られている。


オブジェクトがしばしば引き起こす、人が持つ常識への上書き。「ミーム(meme)」とは実際に使用される学術用語で、簡単に言えば法律、宗教、マナーや習俗といった、人から人へ伝播する文化や情報のこと。

例えば「イヤーッ!」と聞いて、多くの人は「悲鳴」を連想するだろうが、とあるミームに感染していると「ニンジャのシャウト」に聞こえるのである。これがミームによる認識の塗り変わりである。

つまりミーム汚染とは既存のミームが新しいミームに塗り替えられ、場合によってはそれが人や物を介して伝染する現象を指す。

ミーム汚染された人は新しいミームに従って(傍目には常識を逸脱して)行動するようになり、ミームの内容如何では収容対象となるか、他の収容を脅かしかねない重大な危険因子となり得る(バカバカしいほど危険性皆無のミームである場合もある)。

ミーム汚染を発生させるオブジェクトは人々の認識に作用するため、報告書も汚染を受けて様子がおかしくなっていたり、或いはミームの起動を避ける為にユニークなものになりがち。


  • 認識災害

いずれかの感覚を通じて、オブジェクトやその性質を知覚した時点で発生する危険な影響を指す。ミーム汚染が感染者を通じて伝播していくのに対し、認識災害は暴露した者に直ちに重篤な症状を発生させる、異常な現象に対して極度に無頓着にさせる、または特定の事物に強く執着させる、オブジェクトの性質を代行するかのように危険な行動をとらせるなど、直接的・間接的に害を及ぼすものが多い。中には実際に接触していなくとも「接触したと感じた」だけで異常性を引き起こすケースもある。


要注意団体編集

オブジェクトの存在を知るのは財団だけではない。財団のように収容・秘匿を目的とするグループだけでなく、様々な思想的背景や欲求からオブジェクトを生み出したり、入手し使用しようとする者たちが存在する。中には純粋に善意を動機としてそれを行う者もいるが、扱うものの性質上、その活動は大きな脅威を引き起こす。

多くは報告書の記述の中に登場し、執筆者に共有されることでその輪郭が鮮明になっていく。

主要なものとして以下のような団体が存在する。


複数のオカルト系組織による世界規模の連合体。財団同様、異常な性質を持つ事物から人類を守るために活動している。ただしその手法は「破壊」一辺倒に偏っており、異常な存在そのものを地上から根絶することが彼らの最終目標である。

異常存在と見れば闇雲に破壊を試みるが、失敗して事態をより悪化させる場合もある(SCP-1609など)。その一方で、あくまでも保護に拘る財団が手を焼いていた事案を「破壊」という形で見事に解決したこともある。

破壊・終了によって管理リソースを割かずに済んだ事例も確かに存在するものの、破壊した結果、友好的だったオブジェクトが敵気心剥き出しで危害を加えるようになったり、壊れて分割されたオブジェクトの全てが同じ性質を保持していたため余計な手間が増えたりと、面倒を起こす事も少なくない。

財団とは方針の違いから多くの場合対立し、オブジェクトを奪い合うなど衝突を繰り返しているが、「人類を守る」という究極的な目標では意見が一致するため、状況によっては手を組む場合もある。


  • 蛇の手(Serpent's Hand)

財団やGOCと異なり、オブジェクトの存在をある程度は社会に対して公にしようと主張する集団。理由も真っ当であり、一般社会に対して隠し続ける事が知識や科学を死に至らしめてしまう、財団の管理手法では増大し続けるオブジェクトにいずれは対応しきれなくなる事を丁寧に指摘しており、GOCの様な後先考えない破壊志向も戒めている。

古くから存在する共通の理念をもった集団で、明確な組織体系を持っていない。「放浪者の図書館」という全ての叡智を見ることができる異次元空間を本拠地にしているが、一度追放されてしまい1967年まで入ることができなかった模様。それに至った経緯と財団とGOCが犯している過ちに重なる部分があり、財団を壊滅させるよりも体質の改善を願っている方が大きい様に思える。

ちなみに財団は彼らとのパイプは一点を残して持っておらず、情報に関してはほぼ全てがGOC側の諜報員を経由したもの。そのGOCも現在では蛇の手との接点を持っておらず、「放浪者の図書館」につながる入り口も強力な守り手に阻まれて、発見しても入ることは絶対に不可能という状況に留まっている。


  • マナによる慈善財団(MCF:Manna Charitable Foundation)

超宗派的な人道支援機関。異常な性質を持つ事物を困った人々を救うために有効活用しようとしている。

慈善団体と聞くと詐欺を連想しがちだが、この団体に限って言えば悪意も下心も皆無であり、純粋な善意から人々を救おうとしているらしい。しかしオブジェクトの性質をきちんと確認しないまま利用しようとするため、予想外の副作用によって度々悲劇を引き起こしている。


  • 壊れた神の教会(The Church of Broken God)

機械崇拝と肉体への蔑視を最大の特徴とする、異常な技術を備えたカルト的宗教団体。メカニトとも呼ばれる。機械で構成された「神」を崇め、その神が「破壊され、機能を失って」おり、その修復と神性の回復こそが自らの使命であるという理念を持つ。

大きく三派に分かれており、ひたすら神の修復を目指す「壊れたる教会 / The Broken Church」、アナログ的な機械で自らの肉体を置き換えようとする「歯車仕掛正教 / Cogwork Orthodox Church」、デジタル的なネットワークによる精神のリンクを志向する「マクスウェリズム教会 / Church of Maxwellism」が存在する。

前述の理念に基づいて、財団の保有するオブジェクトのうち彼らが「神の一部」とみなすものを奪還しようとしており、財団とは基本的に敵対している。また、後述のサーキック・カルトとは神話レベルから続く不倶戴天の敵同士にあたる。


崇高なるカルキスト・イオン(Grand Karcist Ion)」なる創設者が唱えたサーキシズムという終末論的な教義を信奉するカルト的宗教集団。腫瘍や腐肉、伝染病を崇拝対象とし、様々な儀式的魔術を駆使する。上級幹部になると肉体の自由な操作が可能であり、驚異的な再生力を持つ肉塊の怪物に変身するなど異常な能力を行使できるようになる。

性格上プロト-サーキックネオ-サーキックに大別される。プロト-サーキックは閉鎖的なコミュニティを形成し、機械や科学技術を激しく嫌悪する。一方のネオ-サーキックは科学に抵抗が薄く、振る舞いはより開放的である。

世界征服、そして最終的には彼らの理想郷建設を目標としていると見られ、財団を含む他の大多数の団体が最も警戒している存在。特に前述の壊れた神の教会とは宿敵同士の関係にある。


  • ワンダーテインメント博士(Dr. Wondertainment)

異常な性質を持つ物品を作りだし、販売していると思しき謎の存在。個人名か団体名かは不明。「楽しんでね!」が決め台詞。

製作物は主に子供向けの玩具を中心としており、きちんと説明書に従って扱う限りはそれほど致命的な事態は発生しない場合が多い。ただし「遊び方」「楽しみ方」の基準が一般的なそれを逸脱しているらしく、洒落にならない事態を引き起こすこともしばしばである。

狂ってはいるものの概ね悪意は無いらしく、説明書で禁じていない操作で自らの意図しない事故が発生した場合には誠意を尽くし、リコールに応じたりもしている。財団に向けて、人的被害は出さないものの機密漏洩を発生させかねないゲームをお歳暮感覚で送りつけたこともある。


「博士」という偽物も湧いており、こちらの製品は説明書に従っても確実に死人や怪我人が出る上、酷い時には死ぬ事すらできない状態にさせられる事もあり、それらの危険については決してアナウンスしない。彼の作るオブジェクトは悪意に満ち満ちており、決め台詞も「楽しもうね!」とその悪意の塊で楽しむことを強要してくるモノになっている。


  • Are We Cool Yet?

異常な美術作品を様々な形で世に送り出す前衛的芸術家集団。19世紀フランスのとあるサロンに起源を持つ。作品をなるべく衆目を惹く場所に出したがる傾向が強く、しばしば見物人を危険に晒している。

"Are We Cool Yet?(俺たちはクールだったろ?)" というフレーズを何らかの形で現場に残すのが特徴。

幾つもの小グループの集合体であり、思想や方向性は十人十色・百家争鳴といった趣がある。


  • ゲーマーズ・アゲインスト・ウィード(Gamers Against Weed)

異常性を持った人々の緩いネットワーク。主にインターネットを通じて行動し、毒の利いたジョークや風刺ネタを含む作品を好んで発表する傾向がある。Are We Cool Yet? の分派だが、相互の関わりは薄い。


  • サメ殴りセンター(SPC:Shark Punching Center)

To Seek and Punch Cartilage (軟骨野郎を探し出し、殴る)

世界中の様々なサメ、時には異常性を持ったサメを見つけ出し、ありとあらゆる手段を用いて鍛え上げた拳で殴打することを目的とした組織。サメについては一応調査もするようだが、殴らなかった例はない。一つ以上の並行宇宙に存在する組織であり、そこで財団に相当する活動を行なっている様子。

元々は「SCP」を「SPC」と間違えるユーザーに対するジョークだったものだが、関連性のあるオブジェクトの報告書がいくつか作成されていることも考慮してか、2019年3月9日に正式な要注意団体になった。




自分もSCP財団に入りたい!と思ったそこの貴方へ編集

注意として、彼らはあくまで「そういう創作」であることをキチンと自覚して記事を作成している。

故に、長くページの作成に寄与しており、人事ファイル等で突飛なキャラ付けがされているユーザーでも記事作成の相談におけるディスカッションなどにおいて発言する際は「博士」や「エージェント」ではなくあくまで「創作者」として発言するし、そうであることを求められる。


なので、仮に人事ファイルが面白くてファンになったからと言って、その「人事ファイル内のキャラ」に話すような態度でディスカッションに参加するのは極めて無礼で空気の読めていない行いである。

例えば日本支部には喋る唐揚げや喋るカナヘビが職員として活動しているが、当然中の人は人間で、本当に唐揚げやカナヘビであるわけではないので、カナヘビ扱い、唐揚げ扱いで会話するなど言語道断である


もちろん自分が記事を作成する場合でもロールプレイして応答し、訂正を求められても続行しようものならどれだけ優れた記事でもDV(down vote、要は低評価)の嵐にあい、即刻削除、場合によっては追放されてしまうだろう。

なので、参加したいのであれば大前提としてSCPオブジェクトなどと言うものは存在しないし、それを管理する財団はおろかそれを狙う組織達など何処にもない。当然あなたもそこの職員などではないし他のみんなだってそうである。ということはキチンと肝に銘じたうえで参加しよう。


重ねて言うがSCP財団は秘密結社のデータベースなどではなくあくまでも怪異「創作」サイトである。創作者として節度を持って行動しよう。


二次創作者への注意編集

scp_foundation

SCP Foundationに関連した二次創作は、「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0」という規約の下にある。この規約を要約したライセンスガイド(日本語版)によると


>当サイトのコンテンツを二次利用する際は、
> 著作権者の表示
> 利用する記事の名前を表示
> (可能であれば)元記事へのリンク
> 作成したコンテンツのライセンスにクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0と同じものを採用する

以上が二次創作の条件である。このうち、著作権者に関しては


>この場合の著作権者とは、元記事を初めに執筆したユーザーのアカウント名を指します。

となっている。著作権者(執筆者)の情報は、英語版Wikiの記事やユーザーページで確認出来る。

なお、上記の条件を満たす限りは商用利用可であり、他のサイトの作品と混ぜる(クロスオーバーする)ことも可能とされている。

但し、SCP-173に関しては例外であり、営利目的の利用は一切認められないことに注意すべし。

これはSCP-173の元ネタ『無題2004』の作者である加藤泉氏に対し、財団から利用の許可を求めた際、非営利に限り利用を認めると条件を提示されたためである。

他にもSCP-111、SCP-1926にも同様の規定と制限があるので注意。

これに違反した場合は法的措置も検討していることから、SCP-173及びSCP-111、SCP-1926を創作に組み込む場合、金銭授受は一切行わないのが無難である。


補足編集

web小説サイトの中には「二次創作は(原則として)ホワイトリスト化されている許諾済タイトルのみ」(ノベルアップ+カクヨムなど)というサイトも存在し、こうしたサイトにSCPの二次創作を投稿すれば許諾外二次創作として通報されるのは明らかである。

(通報後に即削除となるかは内容によるが、一次創作しか投稿不能なアルファポリスのようなサイトにSCPの二次創作を投稿すれば、削除されるのは確実なので真似をしないように)


後述のマグネットが行ったコンテストのような例外ケースはあるが、投稿するのであれば二次創作の投稿が容易であるpixivなどが望ましいだろう。


pixiv百科事典に記事が存在するSCPの一覧編集

SCPオブジェクトの記事を参照。


※Pixiv百科事典に記事の存在するSCP-JPはSCP財団日本支部へ。



関連イラスト編集

scp-191SCP財団へようこそ!

SCPログ不思議な455

Doctors of SCPIceberg&Gears

アンジェラ博士SCPをざっくり紹介1


関連項目編集

伝奇 怪談 都市伝説 シェアワールド フリーシェアワールド 不条理 狂気

SCP SCP財団日本支部 SCPオブジェクト 深刻な収容違反

SCP財団

Scp-Foundation


マグネット:過去にSCPを題材とした二次創作コンテストが行われた。→当時のコンテストページ


関連作品編集


外部リンク編集


また、The SCP Foundation自体とは直接の関係はないものの、

アニヲタwiki(仮)において、有志がSCPの項目作成を行っている。

各SCPの報告書(記事)の内容のみでは「果たしてそれが具体的にどのような性質を持ち、何を引き起こす、一体どのようなオブジェクトなのか?」を読み取るのが困難な、難解なSCPに対する一つの解釈として、理解の助けにはなるだろう。




SCP 173


他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。 ― "管理者"

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