ビロウス(Vilous)とは、ミック小野による日本産のSF世界観シェアワールド。及びその原作となるウェブ漫画。日本語表記の場合「ビロウズ」と間違われることが多いがビロウスである。
異世界を舞台としたSFファンタジー。有名なサーガル族をはじめとした魅力的な獣人型宇宙人がメイン人種であることが特徴。勿論魅力はケモノ要素だけでなく生物学や心理学、人類学などの様々な知識に一部基づいた上で、独特のファンタジー世界に仕上げている密度の高い世界観も特徴。時折かなりのシュールさも含む。
2003年から開始し、現在に至るまで幾度となく細部の設定変更やアップデート等が施されているが、現在は2008年頃から開始されている「新設定」をメインに展開している。
海外を中心にファン界隈が存在し、日本産ではあるが海外発祥だと思われることも多い。特にサーガル族の人気と知名度は海外のケモノ界隈ではもはや独立したジャンルと化しているほど。その為ファンの内訳も多数がケモナーだが、細部まで練り込まれた独特の世界観からケモノ萌え方面以外からのファンも多い。
二次創作はどのような形のものでも全て許可されているため非常に自由なビロウス創作が数多く存在する。※ただし二次創作による設定はあくまでも各個人の二次創作における設定であり、正式な公式設定には含まれないものであることに注意。(優秀な内容は公式設定として正式に採用されることもある)
世界観の基本
最も人気のサーガル族の他、アグドナ族、ネウリア族という三種の獣人型人類「エルタス人」を主役に、タリクシアン生物という異型のクリーチャーや植物が多数犇めく過酷な環境の星「惑星タル」を舞台として物語は展開する。
エルタス生物は地球の生き物のように赤い血をしている、植物は緑色であるなど比較的地球の生物に近い存在だが、
タリクシアン生物は灰色の血をしている、植物は葉緑素が無く赤色や灰色をしていて多くが肉食植物のように動き回るなど完全に異質の存在。
基本的にエルタスVSタリクシアンの図でお互いに命を取り合ったり、または共存したりしながら文明と歴史を築いている。
獣人や人外がメインの世界観として知られていることが多いが、文化や文明なども非常に独特の設定がある。
- 同性愛が異質なものとして扱われることがほとんど無い(ネウリア族に至っては男性同性愛が完全な基本文化となっている)
- サーガル族は所謂浮気や不倫などをほとんど気にしない
- サーガル族とアグドナ族などの見た目が全く違い、お互いに子供を作れない種族同士でも「エルタス人はみんな同じ(この世界における)人間」という認識
などの、地球のものとは大きく離れた価値観が前提となっていることも魅力の一つ。
ただしエルタス人同士の恋愛や性的関係には基本的にどのようなものでも寛容だが、存在ごと対となる異生物であるタリクシアン系生物とのそういった行為や関係は流石に変態扱いになる。
種族や生物
主役級のエルタス人であるサーガル族の人気が特に高く有名で、主に海外を中心にファンによる二次創作作品や派生作品が多種多様に出回っているため、原作であるビロウスのことは知らずにサーガルの名前と姿だけを知っているケモナーは国内外問わず非常に多い。(これについてはサーガルの項でも詳しく記述)
サーガル族の他ではネウリア族やタリクシアンあたりの種族が比較的知名度が高いが、ビロウス世界にはこの他にも独創的な生物が多々存在する。
詳しくは以下のページを参考。
エルタス
物語において主役となる側の生物や種族の分類。比較的地球の生物を彷彿とさせる親しみやすい姿をしており、赤い血を持つことが特徴。
知的生命体であるエルタス人は、惑星タルにおいて「人間」という扱いであり、各種族が「人種」に該当する。姿はみな獣人そのものではあるが、自分自身やお互いを「人間」として認識している。
エルタス人以外にもエルタス生物に分類する植物や動物などはいるが、非常に数が少なく希少。
エルタスの植物や葉緑素を持つ、動物もそこまで異型過ぎる外見ではないなど、やはり地球の動植物と限りなく似た外見と生態をしている。
サーガル
もはやビロウスを代表する、ビロウスの顔とも言える存在。三大エルタス人の一つ。
サメのような頭部の他、様々な動物の特徴がある獣人種族。
レイン将軍はサーガル族の名を世界に響かせた最も有名なサーガル族キャラ。
アグドナ
人間とヤギなどの偶蹄類が合わさったような風貌をした、サテュロスに似た姿の獣人種族。三大エルタス人の一つ。
惑星タルにおいてはサーガル族と並ぶほどの人口を持つ。原作本編の主役はほぼこのアグドナとサーガルが主役といっても過言ではない。
最も(地球の)人間に近い性質をしており、手先が器用で職人気質。サーガル族とは種族全体で仲が良く、相互協力の深い関係がある。そして何より、ビロウス獣人の中で唯一、女性には人間のような乳房があることがウリ。
ネウリア
海外においてはサーガルに次いで二番目に有名。三大エルタス人の一つ。
羽毛恐竜のような姿の獣人種族で、姿や能力は男女で真逆の特徴になっている。
基本的に女性は強く、肉体労働や技術面に特化している。男性は美しく、娯楽や美術面に特化している。
タリクシアン
上記のエルタスとは完全に対になる動物や植物の分類。物語においては基本的に脅威や討伐対象となる側である。
大体がグロテスクで異質な不定形生物。いたるところで見られるピンクや紫をした異型の植物は大体このタリクシアン生物に分類される植物である。
タリクシアン植物には葉緑素が無いため地球の植物とは全く違なる異様な見た目をしているだけでなく、動物のように動き回る、一部は幻覚を見せるなど恐ろしい生態をしているものが多い。
エルタスの人々からは食べ物や衣服など生活資源の材料として狩られたり利用されるが、巨大で凶暴な種類はエルタス人を捕食するなどその生活を脅かすことも多々ある。
ほぼ全てのタリクシアンは「塩」が苦手であるため、エルタスの人々は対タリクシアン用に塩を防衛手段として使うことが多い。
猫のような姿をした種類の「タリクシアン・ストーカー」が最も有名だが、タリクシアンというとこれに限らず、惑星タルにいる奇妙な動植物は大体タリクシアンである。タリクシアン・ストーカーは半機械半生身のような姿をしていることで有名だが、ロボットやサイボーグではない。
バージョン
旧設定(Old Age)
全体的に中世ファンタジー寄りな世界観。
2003年~2008年頃あたりまで展開されていた。
今現在は全て完全に破棄されており原作となる小説も未完のままである。
旧設定ビロウス小説の中では、異世界・ビロウスに迷い込んだ人間の青年「カルカト・ルシャ」がレイン将軍に同行することになり、ルシャの視点で物語が展開する「赤の章」が特に有名。
新設定(New Age)
旧に比べてややSF的な雰囲気が強くなり、正しくSFファンタジーと言える。複数人の協力によって本格的にシェアワールドとして展開するようになった。2008年から旧設定の完全破棄と共に構想が始まり、旧のものとは大きく異なる舞台設定や種族のデザインが用意された。それまでに幾度となく準備稿や実験的な設定が発表されてはその多くが没案と化したり、または決定稿と化すなど大きな揺れを繰り返しつつ、2015年頃には大部分の設定がまとまった。
本編に関しては長らく公式ビジュアルやそれに基づく非常に繊密な設定群のみが存在する形であったが、2016年からウェブ漫画の形式で本格的に作品化された本編が開始された。
主にFAなどの海外サイトで英語版が連載中だが、日本語版はビロウス公式サイトとPixiv上のビロウス公式アカウントで読むことが出来る。
世界観や設定等については更に詳しくは公式wikiにて
二次創作や著作権等について
ビロウス公式の規定によると、グッズ製作などの一定の規模を超える商用利用以外の二次創作物は全て無許可で行うことができ、またビロウス公式イラストについても無料公開されているものに限って模写、トレース、転載、コラージュ作成、他サイトでの利用等を全て許可している。
詳細は以下のリンク先を参照。
関連イラスト
関連タグ
ケモノ 獣人 人外 Furry SFファンタジー SF ファンタジー スチームパンク シェアワールド フリーシェアワールド
サーガル(Sergal) アグドナ(Agudner) ネウリア(Nevrean) エルタス(Eltus) タリクシアン(Talyxian) レイン将軍