AA作品の一種で、2007年頃から2ちゃんねるのニュース速報(VIP)板などに立てられるようになったやる夫を主人公とするAA作品、及びその作品を載せているスレを指す。やる夫系板の作品はやる夫を使っていなくてもやる夫スレと称することがある。ただしAA長編やSS速報VIPなどやる夫系板以外のAA作品はやる夫スレと言わないので要注意。
pixivでは、主にやる夫スレに贈る支援イラストにつけられる。
歴史
2000年代後半~2010年代初期
ストーリーを展開するスレッドは「やる夫は○○をするようです」「やる夫で学ぶ○○」などというタイトルが定番だった。
やる夫がふとしたことをきっかけに何気なく興味を持ったり、女の子にモテる、ニート脱出などの目的で、何かに挑戦したり、学んだりする内容が一般的。
やる夫はニートや高校生・大学生・社会人、やらない夫はやる夫の友人という設定で始まり、無知で自分勝手なやる夫に振り回されながらも、やらない夫が世話役・解説役となり、やる夫にタイトルの目的を達成させるというのがお決まりの流れである。
話の都合上だいたいやる夫の成長速度はとても速く、モテることもある。
登場するガイド役やヒロイン、サブキャラクターは、実在の漫画・アニメのキャラクターをベースとすることが殆どである。
(AAの種類が豊富である事や、原作の人気が高いことなどから、涼宮ハルヒシリーズやらき☆すた、ローゼンメイデンなどの登場キャラクターのAAが頻繁に使われる事が多く、やる夫スレ界隈では御三家とも言われていた)。
殆どの作品でキャラクターが作品の垣根を越えてコラボレーションしているが、原作の本人という設定を使われることはあまりない。
やる夫スレではキャラクターを役者やスターシステムとして見ている面が非常に強く、原作の設定を生かすもオリジナルの設定をつけるも自由である。
また、AAというある意味で画風が統一されているので、絵柄が全く違うキャラを合わせても違和感があまりないのも強みの一つである。それに加えてAAの改変、合成で日常系のキャラに拳銃を持たせたり、メイド服を着たことがないキャラにメイド服を着せる、原作に無い表情をさせるといった芸当も可能である。
その他にも一般的なAA作品と同じように既存の版権作品を原作にした二次創作(AAキャラが版権作品の役を演じる)や歴史上の人物をやる夫に演じさせる歴史系、TRPGの流れを汲む読者参加型の安価スレ等、そのバリエーションは多岐にわたる。
2010年代中期以降
AA文化やVIPの衰退により、この手のネタはなろう系などに流れ、2000年代ネット民の同窓会的コンテンツとなっている。
初期に見られたような流れの作品は滅多になく、主人公がやる夫以外の2chキャラの作品やそもそも2chキャラが全く登場しない版権キャラのみの作品も多い。
また書き溜め作品だけでなく、板に実装されたダイス機能を使った作品(通称・あんこ作品)や読者参加型の作品(通称・安価作品)など作品の形態も多様化した。
備考
基本的には嘗てのweb創作と同じく個人趣味的創作のノリが強い為マニアックでぶっ飛んだテーマの作品も多く、また2ちゃんねるから派生した事情からグレー的な創作文化であり、スレッド一つ、板一つで独自の文化が芽生えている。
これらのAAを用いた作品は個人のブログにまとめられていることがある。
なお版権キャラの名前や外見を使ったり原作と異なるキャラ付けや設定をすることは二次創作の例にもれず「著作権の侵害」や「著作者人格権(同一性保持権)の侵害」などに該当するため、あくまで自己責任及び原作者に黙認されているということは覚えておく必要がある。
商業との関わり
2009年、2ちゃんねる運営から出版権を得たワニブックスより「やる夫 1お仕事・業界編」が出版された。
2019年、4つのAA作品をそれぞれの作者本人がライトノベルに書き直したものを出版、さらにそのコミカライズも同時進行するという「スレ発ラノベ4」企画が行われた。
主に登場するキャラクター
基本的に版権作品のキャラの割合が多く、版権キャラのみの作品も多々ある。
2chキャラ
その他多数
版権キャラ
その他多数
やる夫スレオリジナル
やる夫スレ発祥のオリジナルキャラクター。版権キャラをベースにした改変キャラも含む。
その他多数
外部リンク
関連タグ
やる夫スレ作者
やる夫スレ作品(五十音順)
刺身の上にタンポポのせる仕事の採用試験に受かったお!!!:最初のやる夫スレと言われている。2007年ごろに登場。(ちなみに、刺身の上のあれはタンポポではなく、食用菊、通称「ツマ菊」である。)
やる夫が小説家になるようです:学ぶ系やる夫スレの元祖とされる
やる夫がドラゴンクエスト3で遊び人になるようです:ドラクエ原作やる夫スレが増えたきっかけとされる
やる夫は徳川家康になるようです:歴史系やる夫スレの最高傑作とされる