花とゆめに連載されていた由貴香織里によるイギリス・ロンドンを舞台にした漫画作品である。
1991年にシリーズ開始、2003年に完結した。ドラマCDも発売されている
ストーリーは随所に『マザーグース』や『不思議の国のアリス』、『聖書』がモチーフとして取り上げられている。
- 忘れられたジュリエット
- 少年の孵化する音
- カフカ -kafka-
- 赤い羊の刻印(全2巻)
- ゴッドチャイルド(全8巻)
の5部作からなる。
シリーズ初期は「毒の伯爵」の異名を持つ主人公カインが、毒が関係する殺人事件に関わるというミステリー展開な短編で構成されていた。また、主人公が去った後には死体がゴロゴロで、後味悪く不条理な終わり方をするものも多い。
「少年の孵化する音」までは短編集であり、単行本はオムニバス形式とも言える。
シリーズ中盤以降は少しずつシリーズを通した敵や目的が明らかになっていき、主人公カイン自身の問題が物語の中心になっていく。
ストーリー
19世紀後半、ヴィクトリア時代のイギリス・ロンドン。
古今東西の毒を集める趣味をもつ、若き伯爵カイン・C・ハーグリーヴズ。
呪われた出生を持つ彼は「死を呼ぶ貴公子」の字のごとく、華やかな社交界の裏に息づく人の闇を暴いていく。
その彼に幼い頃から付き従う若き執事リフ、ある事件をきっかけに家に引き取られた異母妹マリーウェザーと共に過ごす中、親に呪われて一人で生きていくはずだったカインは、リフやマリーなど大切な者を得て、自分の存在価値を実感していく。
物語が進むにつれて数々の犯罪の裏には死んだはずの父アレクシスが糸を引いていたことが分かり、やがてカインは父親が組織する秘密結社「DELILAH(デライラ)」と対決していく。
登場人物
※CVはドラマCDの声優。販売CDのキャスト/全サCDのキャストの順で記載。一人しか記載がないところは共通。
カイン・C・ハーグリーヴス CV:石川英郎 (幼少期:津村まこと)
主人公。黒髪で金色がかった緑色の瞳を持つ17歳の青年。実父の死により、12歳でハーグリーヴス家当主となり伯爵位を継承。趣味は毒薬収集。
リフェール・ラフィット CV:子安武人/杉田智和
カインに仕える執事、28歳。通称リフ。カインが絶対の信頼を置く唯一最大の理解者
カインの異母妹、10歳。下町で暮らしていたが、ある事件でカインと出会いハーグリーヴス家に引き取られる。
ジザベル・ディズレーリ CV:三木眞一郎
秘密結社「DELILAH(デライラ)」の一員。本職は外科医で26歳。カインの異母兄で、父が執着しているカインを憎悪し、カインの目を狙っている。
ジザベル直属の部下。見た目は少年だが、年齢は35歳。優れた運動能力を持つ。
カインの初恋の人シュゼットの細胞からから創られた屍人形。