概要
CV:井上喜久子
シェリル・ノームのマネージャーであり、シェリルが苦手とする唯一の人物。173㎝の長身を持つ美人。
物腰柔らかで穏やかな眼鏡の似合う女性だが、怒ると怖いらしい。
フロンティアに来てからはブレラ・スターンを暗躍させたりレオン・三島とつるむなど不穏な動きを見せている。
全身インプラント(サイボーグ)化されており、驚異的な身体能力を持っているほか、情報処理能力にも優れている。
TV版
その正体はマクロス・ギャラクシー船団のスパイであり、自身の研究理論の正しさを証明するためにギャラクシー船団の意識集合体とつるんで銀河を支配しようと目論んでいる。階級は大佐。
かつては、第117大規模調査船団の科学者であり、マオ・ノームやランシェ・メイとともにバジュラとV型感染症の研究をしていた。
そして、バジュラがフォールド波を広範囲に発信して意思を共有する生物である事を知った後、グレイスは「インプラント技術とバジュラを利用すれば全銀河の生物の意思を一つにまとめる事ができる」と確信し、ランシェやマオにそのことを伝えるも反対されてしまい、後でバジュラによって調査船団も壊滅してしまう。二人は亡くなり、グレイスも肉体が丸焦げになった。しかしその後、ギャラクシー船団でインプラント化して生かされた。「マオの孫がスラムにいる」と聞いたグレイスは興味を持ち、幼いシェリルと出会う。そこで瞬時にグレイス達は「プロジェクト・フェアリー」を組み上げた。
10年後、シェリルとともにフロンティア船団に潜入する。しばらくして、ランカ・リーが歌うことでバジュラの制御ができる事を知ったグレイスはシェリルを捨ててランカのマネージャーになり、彼女をさらって歌を利用し、バジュラクイーンを支配した。
しかし、フロンティア船団の抵抗にあい、ランカの説得でバジュラが人類という存在を理解したことで計画は失敗におわり、ブレラ・スターンにも裏切られてしまった。
最期は早乙女アルトのVF-25に狙撃されるが、その際はまるでこうなる事を望んでいたかのような微笑みを浮かべていた…。
後のドラマCD「ギャラクシー・メモリー」にて、シェリルに対しての愛情は偽りがなかった(ギャラクシーを離れる前に「判断を誤りたくない」とその感情の消去を申込、この際に幹部のひとりから「私たちは君の決断を尊敬する」と言われた)ことが明かされており、単なる悪人とは言い切れない複雑な印象を残すキャラとなっている。
劇場版
「グレイス・ゴドゥヌワ」という本名を隠して潜入していた(TV版では「グレイス・オコナー」が本名)。
TV版と異なり、シェリルへの愛情はそのまま残している様子で、感染症に苦しむ彼女へ声帯切除を打診するも歌を捨てないと訴える彼女へ、ランカの臓器を全移植する事を提案。ギャラクシー船団幹部へ案を持ちかける等、インプラントの支配下にあってもシェリルを救おうとしている。
ギャラクシー船団と協力してフロンティア船団を乗っ取ろうとするが三島にばれてしまい、身柄を拘束される。
その後、損傷を受けてインプラントの支配から解放され、脱走してシェリルのステージを用意した後、彼女の歌を見届けて倒れる。死亡は明示されていない。
TV版とは違いバジュラとは直接関係がなく、本質的には善人。
漫画版『キス・イン・ザ・ギャラクシー』
インプラント化前の姿が描かれており、よほど作者が気に入っていたのか、もはや名前と外見が同じだけで別のキャラになっている。
本作ではそもそもバジュラを操ろうなどと考えておらず、調査船団壊滅は自分の体質を知らずに「アイモ」を歌ってしまった幼い日のランカの声を、仲間の断末魔と間違えて駆けつけてきたバジュラによるものという最悪の事実が明かされている。
同僚の青年ジャックと結婚式を挙げる予定だったが上記の惨禍に巻き込まれて重傷を負い、研究所のスポンサーであったギャラクシー元老院議員のスルトに救助され、駒とすべく全身インプラントを施された。
そのため、バジュラに対する復讐心こそあれど、それ以外の野心は一切有していない。
本作ではスルトの走狗にされていたブレラとは何の関係もなく(一応同じ元老院の駒ではあるが)、元老院の名を受けたブレラによりレーザー狙撃を受けて生死の境をさまよっていたシェリルに、無断で自身の体細胞を投与。
実はギャラクシーが用済みとなったシェリルを消すよう通達したため、その事を聞いたショックで一時的に脳改造が解け、シェリルを見殺しにすることに葛藤を抱く。最後は上記の背信を受けて元老院から処刑されるが、投与した体細胞(ナノマシン)内に残っていた最後の残留思念がシェリルにガリア4消滅の真相とシェリルに対する確かな愛を届け、消滅した。
本作ではいわばTV版のグレイスの役割をスルトが担っているため、劇場版の良心的な部分を濃縮したような、完全な善人・偽悪者といっても過言ではない扱いになっている。
エピローグとなる『エターナルエメラルド』では、ブレラとランカを救うべく自らバジュラクイーンのコアに飛び込んだシェリルとアルトが見た幻影として、ノーム一族やスルトと共にマクロスシリーズの始まりの言葉を語りかけた。
余談
声優が井上喜久子さんだからか、ファンの間での通称は「17歳」。
当初は悪役と聞いておらず、何話目かで「グレイス、相当な悪役になります」と告げられて驚いたが、「穏やかなお姉さん」や「お母さん」役が多かったので極端な二面性のあるキャラクターに挑戦できるのは嬉しかったとこのと。「私が演じた仲でも最強のドS」。ドラマCDや劇場版のシェリルとの母娘のような関係も気に入っているらしく、「グレイスなりの母性にたどりついたんだな」と、アルト役の中村悠一さんに「最終的に良かったですね、グレイス」と言ってもらえて嬉しかったと語っている。
ちなみにTV版では、声優達から総攻撃を受ける中村さんを擁護していたとのこと。理由はグレイスとしてはシェリル命、作品ファンとしてはランカも魅力的で選べないから。
シェリル役の遠藤綾さんは「ダイアモンドクレバス」はグレイスを思い出す曲だから、劇場版の後編でグレイスのあの場面で使われて一層ツラくて監督に理由を聞いたら「印象に残るシーンにしたかったから」と言われたらしい。「キス・イン・ザ・ギャラクシー」でも、グレイスに捧げた曲だと思うと語っており、アルトに捧げた曲だと思ってた井上さんは読んでハッとして感動しちゃったとのこと。
2010年の「マクロスエース」投票はTOP10圏外だったが2013年の「好きなマクロスヒロイン総選挙」では8位を獲得した。
関連タグ
マクロスF シェリル・ノーム ブレラ・スターン レオン・三島
風見みずほ(おねがい☆ティーチャー):同じくCV.井上で眼鏡巨乳で相方がCV.保志総一朗な、宇宙から来たスパイの人。ただしこちらは別に地球を征服しようとは考えていない小市民である。
フミタン・アドモス(機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ):カップやきそば現象。こちらもまた色々とややこしいキャラの一人。