概要
CV:中村悠一
17歳 男性 身長175㎝
漢字表記は「早乙女 有人」。
生まれは歌舞伎の名門・早乙女一家。
将来を期待されていた女形だったが、家庭環境に不満を持ち、幼少時からの「空を飛びたい」という夢を諦めきれず父親と大喧嘩し美星学園パイロットコースへ編入した。
頑固かつ負けず嫌いで向こう見ずな性格。
女性と見まがうほどの作中一の超絶美形(公式設定)で、その外見からミハエル・ブランや同学園の女生徒には「アルト姫」とも呼ばれる。
紙飛行機を折って飛ばす癖がある。超鈍感。
時折、歌舞伎の演目である「藤娘」にちなんだ決めポーズをとることがある。
初期設定はゲーマーで歌舞伎役者ではなく、容姿も幼い可愛い系の少年であった(ルカ・アンジェローニとキャラが被りそうではあるが)。
【TV版】
主人公なので出番には恵まれているが「存在感が薄い」といわれる。
実は完結前に劇場版制作が決まるという大人の事情のせいで、テレビアニメ版最終話のセリフが急遽超時空二股発言「お前たちが俺の翼だ」(監督と脚本家は恋愛的な意味じゃないと当初から二股を否定)に変更された。しかも事情を知らない視聴者からは(声優陣からも)中の人ともども非難を浴びるというなんとも可哀想な扱いの主人公(?)となってしまった。
(元々マクロスフロンティアはトライアングラーをはじめとする人間関係に重点を置いていたのだが。)
中村「このセリフ(お前たちが俺の翼だ)ほんと勘弁してほしいんです」
「僕としてはね! あの別にその恋愛って意味じゃなく、みんなでっていう意味なんですけど。やっぱもう、皆さん『超銀河ラブストーリー』って言葉に惑わされてるから。みんなあの言葉の、あのキャッチコピーのせいでですね、みんなが恋愛ベースでものを考えすぎてて恐ろしいことになった。アフレコ現場でもそうだったんですけどね」(25話オーディオコメンタリーより)
【小説版】
まだ歌舞伎に愛着があるらしく、歌舞伎の言い回しを用いたり、間違った見方を訂正することもある。典型的な日本男児として振る舞うが、それ故に融通が利かなかったりする。最終決戦時にはかつて捨てたと思っていた役者としての自分と向き合い、受け入れたことでさらなる成長を果たす。その際には、「俺の舞台」ということで化粧を施し、戦場のど真ん中で見得を切って「助六」の啖呵をきった。
【劇場版】
劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~公式ガイドブックの監督インタビューによれば、「ランカとアルトの精神年齢を1歳半から2歳くらいあげて。TV版の中盤から後半くらいのキャラクターの気持ちで物語が始まる」
「役になりきる内に、自分が分からなくなるのが怖くなった」と家庭環境で悩んでいるのは相変わらずで最初からランカと友人関係で彼女の思いにまったく気づいていない。シェリルとは(前編で匂わせてた通り)幼い頃に一度会っていた。アルトはクライマックス目前までまったく気づかなかったが。
今作はトライアングラーに自ら決着を付ける。
完結編のクライマックスでは歌姫二人の歌を運び空を舞台に早乙女アルトの真実の舞を披露。光の鎧をその身にまとい空を翔け、人類とバジュラの架け橋になった。
が、最後のシーンが極めて誤解を呼びやすい演出となっていたため劇場版公開直後は死亡したと思われ、今でもライトなファンの間では死亡したものと思い込まれているケースがある(よくよく見ればわかるがバジュラクイーンのフォールドの方が早い。アルトもバジュラクイーンと共に消えただけ)。
「キス・イン・ザ・ギャラクシー4巻」の巻末インタビューでも『サヨナラノツバサ』のエンディングについて言及している。以下抜粋。
河森「これはもう、エピローグのランカの言っている言葉と、エンディングで映っている絵をよーく見ていただくと、そこにヒントと回答があるようになってます。勢いで見ていると、意外とあのカットを通りすぎてしまうらしいですが。相当長く…数秒は置いといたんですけど(笑)。」
江端「見逃してる人、結構多いんですよね。」河森「そうそう意地悪いから、わざわざ小さい絵にしている(笑)。気づいた人と気づかない人で反応変わってもいいなと。」
容姿
淡い青い色の髪に赤い紐で縛ったポニーテールと茶色の瞳に美しい顔立ちが特徴の青年。
服装は美星学園の服やS.M.Sの制服等。紫のタンクトップをよく着ている。
搭載機
基本搭載機。カラーリングは白。ちなみにギリアムが乗ってたものはすぐオジャンになっている。
新統合軍に在籍時の機体。
劇場版の後半機体。
メディアミックス作品
Another Century's Episode:R
このゲームにおけるマクロスFのストーリーの再現度が高いために全体的に出番は多め。
特に同シリーズの主人公、かつ「BIRD HUMAN -鳥の人-」で代役スタントを演じていた工藤シンに「俺はこんなにひ弱じゃない」と言い放たれた他、ストーリー中でも所々よく絡んでいた。
また、学園+ロボットアニメの主人公で、似たような悪友や三角関係を持つ相良宗介に「お前は(無駄な動きが無くて)美しい」と言われてしまうことも。
スーパーロボット大戦シリーズ
スーパーロボット大戦L
初登場作品。プロローグ1話目から登場する破格の扱いで、正式参戦も早い。
他のスパロボに比べて古典芸能に造詣が深い面が強調されており、「花道の向こうに出でたる化け物め、落葉微塵とされぬうち、キリキリ消えてなくなれぇぇっ」と叫んだり、プロイストの歪んだナルチシズムを「一挙手一投足に醜さが現れている」と一蹴したりしている。
スーパーロボット大戦Zシリーズ
『第2次Z』から登場。『第3次Z』では劇場版設定になるが、Z世界においては硬いことは考えずTV版の続編が劇場版だと思えばよい。
中断メッセージでミカゲに言い寄られて激しくうろたえたり、グラハムにロマンをこってりと語られそうになったり。
「女神の来日」では、男であるにも拘らず露天風呂の場面で専用の顔グラフィックが用意されている。
ストーリー中でもS.M.Sの学生組と一緒に陣代高校に転入し、ボランティア部の部長になったりぽに男に襲われたりしている。また、ACEでも絡んだ宗介に「お前は男と女どっちだ?」と真顔で聞かれたりもした。
スーパーロボット大戦UX
劇場版設定。中盤でデュランダルに乗り換えが可能。
やはりグラハムと組ませると相性がいい。スタッフもわざとやってないか?
更に言えば、本作には鉄のラインバレルも登場しており、森次玲二とアルトを組ませることも可能だったりする。
スーパーロボット大戦BX
劇場版設定だが、すでに完結済み(シェリルとは恋仲)。こちらで『マクロス30』のキャラと出会うが、半年間タイムスリップしてきたため、『マクロス30』のメンバーとの面識は無い。
本作の自軍は比較的若年層(地球防衛組、悠宇、キオ他)が多いので、みんなの姉…もとい兄貴分的立ち位置。
魔法使いと黒猫のウィズ
マクロスコラボイベント【マクロス~星を繋ぐ精霊】にて、主人公の「黒猫の魔法使い」と一緒に出撃したり訓練したりして一緒にいることが多い。
イベント限定カードもアルト単独のものはもちろん、シェリルやランカとのツーショットに三人集合のモノや、ミシェルやブレラとのツーショットのカードもある。
そして何故か彼だけ各種ボイス収録が遅れた(開始から約二週間後の4月15日に実装)。
余談
TV版の三角関係の行方
劇場版は恋愛の決着がついたがTV版は未決着。最終話ランカの歌も恋も負けません発言、地上へ降下するアルトが差し出したのは片手、ラストカット(EX-ギアの翼の傾いてる方)などシェリル優位っぽい演出がされているが、明確な描写はない。そのためTV版アルトがどちらと結ばれるか不明。
対比構造?
TV版はランカが、劇場版はシェリルがフロンティアの敵となる。
- TV版
ランカがあい君、ブレラ・スターンと共にフロンティアを旅立つ。オズマ・リー、早乙女矢三郎に苦言を呈される。クラン・クランにS.M.Sに入った理由を尋ね、「あいつ(ランカ)を守るためにS.M.Sに入ることを選んだ」と振り返り、区切りをつけた。フロンティアで生きる人々の為に「あいつの歌が俺達を滅ぼそうとするなら、俺は、ランカを殺す」と決意。
- 劇場版
シェリルがギャラクシーのスパイ容疑でグレイス・オコナーと共に連行される。イヤリングを投げ捨てようとするが捨てられない。オズマに苦言を呈される。ランカ&S.M.Sメンバーとシェリル救出に向かい「言ったろ、お前はひとりぼっちじゃないって」と伝える。
最終決戦前にTV版はシェリル、劇場版はランカとアルトは会話を交わす。
- TV版
アルトがシェリルに会いに行き、「必ず帰ってくる」と告げる。
「恋人ごっこはここまでにしましょ」と言った彼女の肩を掴み「待てよシェリル、俺は」と話しかけるがキスで口を塞がれ(このとき彼女に両腕を回している)「言わないで。今言われたら、それがどんな言葉でもきっと私は、歌えなくなる」と拒否され、「ランカちゃんを助けなさい。それができたら続きを聞いてあげる。必ず帰ってくるのよ、いいわね。アルト」と言われる。
- 劇場版
ランカがアルトに会いに行き、「アルト君が、好きです!」と告白。
アルトは驚くが手を伸ばし「ランカ、俺は」と話しかけるが、「言わないで!今聞いちゃったら私、歌えなくなるかもしれないから」と拒否され、「シェリルさんやお兄ちゃんのためにも、必ずバジュラに歌を届けるから、っだからアルト君も必ず、必ず帰ってくるって約束して!」と懇願する彼女を片腕で抱き寄せる。
また物語序盤のヒロイン空中キャッチも、TV版(ランカ)は成功したが、劇場版(シェリル)の方は失敗と対比のようになっている。
視聴者からの評価
2019年にNHKで放送された「全マクロス大投票」のキャラクター総合ランキングで10位にランクイン。作品別においては、TV版17位、サヨナラノツバサ25位となっている。優柔不断、二股など非難されることが多々あるがなんだかんだ人気もあることが証明された。
関連イラスト
たまには男らしく
関連タグ
シェリル・ノーム ランカ・リー ミハエル・ブラン ルカ・アンジェローニ オズマ・リー
国立玉一郎(野球狂の詩)…名門・歌舞伎一門・国立家出身のプロ野球選手。女形の役者であり、「藤娘」を得意演目とするところが共通している。
江戸城本丸…厳密には準主人公。髪の色が同じで父親(また母親が大富豪の令嬢なので血筋も一応、由緒ある)の無茶苦茶な教育や家庭環境への不満、幼少期のコンプレックスを抱いているせいで性格は捻くれ気味だが、面倒見が良いなど出生と性格はアルトを彷彿させるところが多い。