概要
VF-171ナイトメアプラスに替わる、第25次新マクロス級超長距離移民船団「マクロス・フロンティア」の新統合軍護衛艦隊の主力機として開発された可変戦闘機。
ペットネームの「メサイア」は、キリスト教やユダヤ教における「救世主」の事。
YF-24 エボリューションの設計データを基に、YF-25 プロフェシーを経て新星マクロス・フロンティア工廠と総合機械メーカーL.A.I社共同による設計修正を加えた上で製造された。
超次元生命体バジュラの存在と接触が予見され、それに対抗する為にVF-19やVF-22といったAVFを凌駕する機体を開発する必要性があった事から、開発された経緯を持つ。
性能評価は民間軍事プロバイダー「S.M.S」によって行われ、同社に20機以上(予備機を含めると約30機)が配備された。
最大の特徴として、コクピットには耐Gスーツと緊急脱出装置を兼ねるパワードスーツ「EX-ギアシステム」を標準装備する他、フォールド技術を用いた慣性制御システム「ISC(Inertia Store Converter/慣性蓄積コンバーター)」を搭載している事が挙げられる。
ISCは、コクピット周辺に生じた機動慣性を異次元空間に一時待機させ、少しずつ通常空間に還元することで瞬間的な慣性負荷からパイロットを保護する。しかしシステムの容量を超えた慣性を待機することができない(VF-25の場合は最大機動時で120秒間)。
従来の高水準機であるAVFの仕様要求であった単独での大気圏内外往還能力、ピンポイントバリア、フォールドブースター運用能力、第三世代アクティブステルスの全てを保持し、更に無人戦闘機「ゴースト」にも匹敵する機動力を発揮するが、ISCとEX-ギアはこれまでのAVFで問題視されて来た操縦負荷を大幅に軽減させる事に成功した。
しかし、ISCの製造にはバジュラの体内から抽出される特殊鉱石「フォールドクォーツ」を必要とするため、機体の製造コストを高騰化させる一因となった。
オプションパック
SPS-25S/MF25 スーパーパック
大気圏外活動用の高機動オプション。
大型化学ロケットブースターや増槽、マイクロミサイルランチャーなど基本的な構成は従来VFと共通しているが、本機では新たに各部の装甲を強化した簡易アーマード的な機能も追加されている。推進剤を一定量消費し、かつミサイルを全弾撃ち尽くした総重量の軽い状態なら、瞬間的に機体設計限界強度の倍となる30G近い加速度を得られる。
PSPゲームのマクロストライアングルフロンティアではファストパック(FAST PACK)扱いとなっている。
APS-25A/MF25 アーマードパック
火力、防御力の強化を目的とした重装オプション。火力の面では全身の増加装甲内外に、小口径ビーム機銃、近接攻撃用マイクロミサイル多連装ポッド、高初速ロケット弾連装ランチャー、速射ビーム旋回砲塔といった多彩な火器を装備する。重装甲&重装備故に操作性に非常に癖があり、熟練パイロットでないと運用ができない高価かつ扱いが難しい装備であったため、原則は隊長機のみが装備を許可される。
なお、性質上重力圏外限定ではあるがアーマードパックでありながらバルキリーの三段変形がパーツのパージ無しで可能である(これ以前のアーマードは装備するとバトロイド形態限定での運用しかできなかった)。
APS-25A/MF25 アーマードパック(最終決戦仕様)
TVシリーズの終盤でアルトが使用したモデル。
4発の反応弾の追加搭載とミシェルが愛用していたアンチマテリアルスナイパーライフルを追加装備した物で厳密にはアーマードパック+αといったところ。
PSPゲームでは通常のアーマードパックとこの最終決戦仕様アーマードは別物として扱われている。
AP-SF-01+ イージスパック改
早期警戒用レドーム、スタビライザーフィンで構成される、RVF型専用の電子戦装備。
ヒューズ社製追加装備パックをベースに、L.A.I社による対バジュラ用改修が施されている。ルカ・アンジェローニ機に装備されたユニットは管制誘導プログラムが改編されており、スーパーパック左主翼ブースター先端に設置されたフォールド通信誘導システム(イージスパックはスーパーパックを非装備時でもゴーストを管制する能力を持つ。)によって、最大6機(通常は3機)のQF-4000 ゴーストを同時管制誘導する事が可能。
トルネードパック
『劇場版』のみに登場する大気圏内外両用のスーパーパック。
従来のオプションよりも空力を重視した形状になっており、パージせずに大気圏内でのファイター形態での飛行が可能。(但し、大気圏内飛行時には翼下のマイクロミサイルポッドとエンジンポッドのカバーコーンを外す必要がある。)
機体背面には旋回式連装ビーム砲を装備、翼下に大型マイクロミサイルポッド、機体本来の翼を覆うように取り付けられた両翼外装ブロックにもマイクロミサイルポッド、左右翼端のエンジンポッド先端にマイクロミサイルポッドを各2基ずつ装着する。
コンセプトは「YF-29の機能をVF-25で再現するための追加パーツ」で、性能や仕様に差異こそあるが機能面ではYF-29の能力をほぼ完全に再現できている。アーマードパック以上に高価なオプション装備であり、アルト機とミシェル機が装備した。
PSPゲームのマクロストライアングルフロンティアではRVF-25以外のメサイアタイプならばどの機体にも装備できる。
バリエーション
VF-25A
VF-1Aの一般機に酷似したタイプ。S.M.Sではスカル小隊以外の隊員が搭乗する。
VF-25F
A型をベースに前衛向けの改良を施された機体。ギリアム機を引き継いだアルトが搭乗している。
VF-25S
指揮官用の機体。各種通信システム・兵装の性能が向上している。オズマ・リー少佐の搭乗機。
「マクロストライアングルフロンティア」では赤いカラーリングで頭部のデザインが若干異なるクラン専用の機体が登場している。
VF-25G
スナイパー用に改良された機体。メインカメラに超望遠機能が追加され、主兵装がSSL-9B ドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフルに変更されている。ミシェルの搭乗機だがTV版では亡き彼の後を継ぎクランも搭乗した。
RVF-25
AP-SF-01+ イージスパック改を標準装備した電子戦型。多数の高性能センサーを凝集した卵型の頭部が特徴。ルカの搭乗機。