概要
AVF(Advanced Variable Fighter/次世代全領域可変戦闘機)開発計画「スーパーノヴァ」によって開発されたYF-19の制式採用仕様。ペットネームはYF-19の愛称であった「エクスカリバー」を引き継いでいる。
競合機であったYF-21と比較して最新技術を積極的に採用せず、信頼性と安定性に重きを置いていた事が評価されていたが、初期の機体は非常に扱い辛く、主に特務作戦部隊やエースパイロット向けに配備された。
その後前進翼を小型化するなど、安定性を向上させる改良が成されたが、それでも高すぎる性能から任務中に事故を起こす事も多く、また運用コストの高さやシャロン・アップル事件後に開発が再開されたゴーストの配備が進んだ事もあって大量生産は行われず、主力の座は早々にVF-17の再設計機であるVF-171に譲る事になった。
しかし、高い機動性は一定の需要があり、S.M.S.等の民間軍事プロバイダに於いて運用されている。
バリエーション
VF-19A
YF-19の基本性能をほぼそのままに受け継いで生産された初期量産型。
高すぎる機動力に由来する操作性の悪さからパイロットを選ぶ「じゃじゃ馬」であり、搭乗は一部エースパイロットのみに限られた。
VF-Xに登場したヴァルハラIII所属機はOPデモムービーでの発艦時のみVF-1のスーパーパックに似たブースターを背負っている。
VF-X2に登場したレイヴンズの機体はファイターモードでピンポイントバリアの展開が可能となっているが、公式設定にはない。
VF-19C
A型から性能と引き換えに操作性を向上させた改良型。
ピーキーな性能こそ抑えられたものの、腕に覚えの在るパイロットからは不評を買った。
VF-19F
VF-19の本格量産モデル。通称ブレイザーバルキリー。
カナードの撤廃・主翼の形状変更など、宇宙戦を意識した改良が施されている。
主にマクロス7船団のエメラルドフォースで運用された。
VF-19S
F型をベースとした指揮官機。頭部が機銃を増設した物に換装されている。
F型と同じくエメラルドフォースに配備され、隊長機として運用された。
VF-19改
「FIRE BOMBER」のボーカリスト熱気バサラ専用の改造機。通称ファイヤーバルキリー。
詳細はVF-19改を参照。
VF-19P
VF-19の固定武装強化型。
詳細はVF-19Pを参照。
VF-19EF
VF-19のモンキーモデル(輸出仕様)。ペットネームは「カリバーン」。
VF-171が主力機として採用されて以降、VF-19などの高性能機の輸出には制限が加えられており、これに対してマクロスフロンティア船団のフロンティア新星とLAIが共同開発という建前で開発。2058年時点で156機が製造され、多数がS.M.Sに配備されている。
当初のデータではいくつかの機構にリミッターが加えられているが、機体はカナードおよびVFCが装備できるように設計されており、センサー系やAIはフロンティア船団による独自開発である。
また、S.M.S.ではVF-25にも使用されるEX-ギアシステムを試験的に採用した機体も運用された。
VF-19 ACTIVE
VF-19EFをベースに、YF-19の競合機であったYF-21にも用いられたOTM自由変形素材を採用した主翼を装備した実験機。
BDIシステムやインプラントを用いずに雑な操縦系統をコントロールする技術は未だ発展途上であり、乗りこなすにはハイエンドAIの支援とEXギアによる直感的なインターフェース、そして熟練パイロットの操縦技術が必要不可欠であり、実戦に投入される局面は少なく、2058年のバンキッシュレースに投入された。
VF-19EF/A イサム・スペシャル
(画像上側の機体)
YF-24の開発と同時期に、「VF-19の延命・改良の為の試作機」という名目で開発された試作機。VF-25のスーパーパック、VF-19のファストパック双方をベースとした「アドバンスドパック」を装備する。
新統合軍を離れS.M.Sに入隊したイサム・ダイソンがVF-19Aを希望したものの輸出制限で受け入れられず、ならばパーツだけでもと要求したが却下されたため代替案としてVF-19EFをベースにS.M.S技術部とヤン・ノイマン研究室によって改良された機体。
上述の名目で開発されたものの十分な予算が下りなかったため、イサムの私財も投入されている。
予備機を含めた2機が生産され、イサムは同機のテストを委託されているという体裁で乗機としている。
イサムがかつて搭乗していたYF-19の形状やカラーリングを再現するのみならず、ピーキーな操縦特性そのまま再現してあり、搭載AIも彼がかつて搭乗していたYF-19の2号機の物を移植している。