「君さえいれば、武器などいらない」
概要
いかなる国家にも属さず、武力による紛争の調停を行う軍隊式の傭兵集団〈ミスリル〉のに所属する傭兵。
作戦部西太平洋戦隊〈トゥアハー・デ・ダナン〉陸戦ユニットSRT（特別対応班）所属。
階級は軍曹で、コールサインは"ウルズ7"。
また、身内からは「セガール」と呼ばれることもあるが、これはミスリル入隊時の書類に（偽名か誤読かは不明だが）書かれていた「ソウスキー・セガール」という名に由来する。
戦いしか知らない歪な人間であったが、日本の女子高生「千鳥かなめ」を護衛せよという任務を受け、転校生を装って彼女の高校に潜入していた時期もあり、日本での生活や、かなめとの交流を通して、少しずつ人間らしい感性を取り戻していくことになる。
人物
推定年齢18歳前後という若輩ながら、ゲリラや傭兵として世界各地の戦場を廻り、長い戦歴を持つ凄腕の戦士。専門分野は偵察作戦とサボタージュ（『さぼる』のではなく、原義である『潜入破壊工作』の意）、アーム・スレイブ（AS）の操縦で、特に10歳の頃から始めたASの操縦にかけては自ら「専門家（スペシャリスト）」を名乗り、それに違わぬ確かな実力を持つ。
あらゆる武器に精通しており、ナイフやカービン、アサルトライフルなどおおよその武器を使いこなせるが、それ故に信頼性のあるものを好み、劇中では信頼性は劣悪だが強大すぎる力を発揮する「ラムダ・ドライバ」を使いこなすことが出来ず、一時は機能を凍結してしまうこともあった。
また、サイドアームとしてグロック19を愛用しており、外伝作品ではかなりの確率でぶっ放している。
端整と言える容貌だがむっつり顔のへの字口で、感情が表に出にくく黙々と任務をこなすため、時折ロボットじみていると敬遠されていた。傭兵やゲリラとしての生活が長いため、平和な社会での常識に欠け、また日本での暮らしもなかったことから日本に関する知識もほとんどない。戦場の常識に則った行動をするので、よく「戦争ボケ男」などと言われている。銃やら爆弾やらを手放せずに、日常的に持ち歩いている（言うまでも無く法律違反）ので大抵の騒動は銃声と爆発音を伴う。また、千鳥に接近する人間に対しては相手が危害を加えようとしている前提で警戒するため、命のやり取りをするレベルで警告したり、先に関係者から身動きを取れなくして行動を制限させようとしたりなど（少なくとも日本では）明らかにやりすぎな過剰防衛をしがちで、そのたびに千鳥に怒られている。
任務で転入した陣代高校生徒会では、安全保障問題担当・生徒会長補佐官を務める。2年4組ではゴミ係。学内でも度々、銃火器を多用して問題となっていたが、本編終盤に近付くとその回数も大きく減り、校長らを感心させるまでに変貌していった。学業に対しては非常に真面目だが、長い海外生活の為日本史や古文が苦手。情趣に疎いので、詩歌の解釈には毎回悪戦苦闘している。恋愛事情に対しても先に諜報や暗殺基準で考えてしまうため、ろくな方向に向かわず、大抵相手をドン引きさせて終わっている。
ストイックで淡白なように見えるが、酔いが回った（※）際、日本の女子高生のミニスカについて「まるで裸みたいだ。最近はさすがに慣れたが」とこぼしている。かなめが誘拐された(と勘違いした)とき、下種な妄想をしてツッこまれたことも。また屈強かつ荒くれの多い（特に海外の）男社会において、自分が一部の同性の目を引く容姿であることは自覚している。
あとボン太くんをえらく気に入っている。
また、床屋が苦手で、その理由は「死角から他人に刃物を突きつけられているという状態がたまらなく耐え難い」という傭兵生活が長く続いたが故の一種のPTSD。そのため散髪に関しては長くなってきたらナイフでさんばらに切るという手段を取っていた。
なお、最初の設定では坊主頭だったそうだが、絵師の猛反対でいまのざんばら頭になったそうである。
生い立ちから生活、ものの考え方や行動原理、稼業までおよそ軍事、戦争に絡まないネタがないのではないかと思われる宗介だが、趣味はその中ではかなり平和的ともいえる「魚釣り」であり、戦闘任務も書類仕事も武器の整備の必要もないくらいの余暇には、彼の所属する戦隊の基地があるメリダ島の、宗介お気に入りの秘密の釣りスポットに、手製の釣り道具一式を持ち込んでひっそりと釣りを楽しんでいる。
長編3巻「揺れるイントゥ・ザ・ブルー」で、夏休みにかなめがデ・ダナンに招かれた際には、本当は空き時間に一緒に釣りを楽しみたかったとかなめに語っており、3巻の騒動終結後にはかなめの迎えの飛行機が到着するまでの1時間にも満たない間ではあるが、ようやく二人で当初のお楽しみ予定である釣りに興じることができた。
かなめが中学時代の先輩と親密そうなのを見て挙動不審になったり、媚びた水着姿よりもいつも通りの彼女を好ましく感じたりしながらも、自分の気持ちをはっきり理解していなかったが、長編6巻でようやく自覚すると共に告白を決意。しかし、以前の誰かさんと全く同じ理由でこの時は断念している。
※なお、育ちもあり幼少期からのイスラム教徒で、コーランを何も見ずに暗唱できる。ただし飲食などでは自ら戒律を破ったこともある（長編5巻「終わるデイ・バイ・デイ（下）」で、かなめの護衛任務を解かれた直後、戦地となった香港での作戦行動中に集中できず大きなミスをしてしまったことで、かなめ護衛任務解除、クルーゾーとの模擬戦での敗戦、ラムダ・ドライバに対するいら立ちなどのかねてからのストレスが爆発し自暴自棄になって自部隊から逃げ、客も店員も逃げたコンビニで拝借した酒を煽り、激しく嘔吐）。そもそも、基地のあるメリダ島でクルツとともに「宝探し」と称しジャングルを探索した際、大きな野生のイノシシと遭遇したときにも、射殺したイノシシをそこそこ手慣れた様子で血抜き・解体しその肉を保存食として加工したり、デイ・バイ・デイ事件後に東京での学生生活に戻ってからかなめやクラスメイト達と鍋パーティーをした際にも平気で鍋の具の豚肉を食べていたり（即座にクラスメイトにも「お前イスラム教徒だろ」とツッコまれていたが、意に介さず食べ続けた）と、そこまで厳格に戒律を守るほど信心深い訳ではない模様。
経歴
4～5歳ぐらいの頃、北極海で起きた飛行機墜落事故の唯一の生存者となり、おかあさんと呼んでいた女性と死別している。機内には2人を庇うように息絶えていた男性の遺体もあったが、彼との関係は不明。
名前は「さがらそうすけ」と書かれた服を着ていたためそう呼ばれているだけで、本名かは定かではなく、最終巻で本来の漢字表記らしき名前が判明した。生年月日や国籍は不明のまま。
この時救助に当たったある人物は、ねずみのようなぬいぐるみを「このこはぼくがまもるの」と抱きしめていた当時の宗介について、「（人間の善悪は育つ過程次第だとは思うが、それでも）限りなく善に近い存在として生まれてきたように見えた」と述懐している。
彼を保護した国で密かに暗殺者として仕込まれたが、8歳にも満たない頃任務に失敗。しかし、暗殺の標的だったアフガン・ゲリラの司令官からカシムという名を与えられて彼の部下に預けられ、慈悲の心を備えた戦士としての生き方を教えられる。人格者と名高いこの司令官が、幼い宗介を戦場そのものから遠ざけなかったのは、彼が既に戦いのない日常に適応できなくなっていたためではないかと作中で推測されている。
ガウルンはこの頃の宗介について、「自分の命にさえ無関心。人形のように無感動」で「息をするように人を殺し、生命を否定も肯定もしなかった」矛盾のない聖人と賛美している。
その後は紆余曲折を経てアンドレイ・カリーニンと共に傭兵として各地を渡り歩いていた。彼から忘れていた日本語などを教わり、「さがらそうすけ」の名に漢字を当てられる。そして本編の1年前、戦闘でカリーニンとはぐれていた時期にミスリルに入隊。その後は練兵所に入るが、その南米・ベリーズの訓練キャンプ所属中に起きた事件解決の際に見せた手腕により、ミスリル西太平洋艦隊特別対応班に選抜された。
そして入隊して約1年後の春、「日本に住む女子高生・千鳥かなめの護衛」という奇妙な任務を受けたことから物語は始まってゆく。
本編終了後（「Family」以降）
「やはり武器が必要だ。クローゼットにあるから取ってこい」
数々の困難を乗り越え、かなめと結ばれ、長女の夏美、長男の安斗の2児を授かる。家族を得たあとも民間軍事会社の教官やアグレッサー、軍事アドバイザー業などで収入を得ていた（なお、ミスリル時代のアマルガムとの闘争で積み重なった宗介の戦歴は裏社会でもひとかどの伝説となっており、その手の界隈では知る人ぞ知る「伝説の傭兵」と呼ばれている）が、ある時から「平和に暮らしていくためにはカタギの一般職業で生計を立てていくべき」と思い立ち、戦闘・軍事系以外のさまざまな職種（Family1巻ではファミレス、コンビニ店員など）に挑戦するが、前述のようにカタギの一般社会生活への適正が壊滅的に不足しているためその全て長く保たずすぐにクビになりその度に落ち込んでいる。家族からは「本業である戦闘系の仕事だってまともな職業だし良いのでは？」という意見も出ているが、かなめの稼ぎで生活維持には問題ない（幼少時から戦争・軍事漬けだった宗介の「一般人としての平和な生業や暮らしに憧れていた」願いを尊重してあげたい、というかなめの願いも含んでいる）ということもあって、宗介の好きにさせている。
なお、本編から10年以上経過して若干沈静化しているものの、ウィスパード（大本のソフィアは消滅したが、彼女からかなめの脳内にもたらされた数々のブラック・テクノロジーやそれに合わせ理数系方面で天才級に成長したかなめの頭脳）の知識を求めての拉致襲撃事件は依然起こっており、襲撃者の追跡を逃れて家族ぐるみで世界中で転居を繰り返している。ちなみに日本においては（『他国より戸籍管理制度が厳格なこと』と『「相良宗介」という人物の戸籍が偽造であると日本政府に既にバレている』という事もあり）自分やかなめの周囲は無論のこと、娘や息子の通う学校関連も含めて家族ぐるみで「相良」以外の苗字を偽名として名乗っている（なお、その偽名に使う苗字は「美樹原」「風間」「小野寺」など、陣代高校時代の学友たちの苗字から拝借しているもよう）。
戦闘技能については、アラフォーになって体力こそ若者時代よりは衰えたものの、その代わりに本編終了後も戦い続け積み上げた戦闘経験やメンタルの安定度は無印時代とは比較にならないほど洗練・円熟したものとなっており（ミスリル時代に比しても武器にこだわりを持たなくなり、どんなメーカーの銃器やカスタムであっても少し試せば難なく状況に対応して使いこなせるように。「弘法筆を選ばず」の境地と呼ぶべきか）、戦闘スタイルも若者時代の鋭角的な（無駄を最大限減らした挙動を先手必勝・最短距離・最速・最大パワー・最小手順でぶつけるという、悪く言えば「激しいが遊びがない（ガウルン級の熟練実力者には対応されてしまう）」）ものから、「腰を軽く落とし楽に構えた態勢で、仕掛けてくる敵の挙動を視野を広く構えて脱力しつつ待ち構え、それに即応して主導権を握る」という融通無碍でのびのびとしたものに変化を遂げた（宗介の薫陶を受けたある訓練兵からは「剣術の師範みたいですね」と言われ、日本の剣術の知識など皆無だった宗介自身もそれを聞いて、あとから自分の確立したこの「後出しの主導権掌握」スタイルが剣術の「後の先」の概念に似ていると知り、納得している）。
また、子供たちが生まれ育ち、子供たちも参戦（夏美は宗介と同じく直接の銃撃戦やAS操縦、安斗はドローンの遠隔操作や電子戦を担当）させて家族ぐるみで襲撃者とも戦うようになってからは銃や爆弾・兵器を持ち出して銃撃戦を挑んでくるような相手であっても殺害は一切しておらず（子供たちの教育・情緒形成を考慮して。無論子供たちにも殺害までは一切させてない。ただし状況的に無理がある場合は「二、三人くらいは殺さないと無理かもしれない。うーん、不殺記録終了か。まあ仕方ない。だいたい悪いのは敵だし…」と割と気軽に割り切ろうとするなど、そこまで思いつめてやっているわけではない模様）、体術やゴムスタン弾、電気スタン弾、粘着・硬化グレネード弾やトラップなどで無力化し、襲撃者の裏にいる首謀者も含めて作戦失敗後のブザマな姿を（ネットや噂、そして旧知の戦友が運営に関わる「ヤン＆ハンター社」の裏サイト「今月の負け犬情報」などを駆使して）晒させ、「傭兵や暗殺者・権力者としての評判を破滅的にがた落ちさせ、界隈でのおまんまの食い上げに追い込む」…などという形での撃退を続けている。
「さあ、（社会的に）殺すぞ」
搭乗機
主にAI“アル”を搭載した「ARX-7 アーバレスト」に搭乗。最初は心という不安定なものに左右されるこの機体を嫌っていたが、ある事件を機に自らの相棒として認めるようになっていった。
M9〈ガーンズバック〉
Rk-91/92〈サベージ〉
M6A2〈ブッシュネル〉/M6A3〈ダーク・ブッシュネル〉
ボン太くん（ある意味人間大ASなので）
このほかにもミストラル等、様々なASに乗っていたことを自己申告している。
クロスオーバー作品において
スーパーロボット大戦シリーズ
リアル系の主人公キャラとしての出番が多めで、やはり原作通りの戦争ボケで笑わせることも。ただし、同じ戦場で戦う仲間がクラスメイトに配置されたり、陣代高校と別作品の学校が非常に近い関係を持っていたりすることになるため、原作より宗介の行動に対する理解者やストッパーが増えるという恩恵を受けている（宗介の行動に同調するようなトラブルメーカーが増えてしまうこともあるが）。
火力アップやバリア効果のあるラムダドライバを持つアーバレスト及びレーバテインや、サイズが小さく攻撃を躱しやすい(カスタムボーナスとエースボーナスがあるシリーズでは全武装に気力低下も付加される)ボン太くんが専用機扱いのため主力にしやすい。……しかし、ボン太くんに乗り換えると合体攻撃が減り（クルーゾーとの合体攻撃が用意されているスパロボWではその限りではない）マオやクルツの総合火力が落ち、サブパイロットのアルの育成も出来ない。
他作品のキャラとは、声優ネタでドモン・カッシュやイザーク・ジュール、似たような三角関係と悪友を持つ早乙女アルト、境遇が似ているヒイロ・ユイや刹那・F・セイエイ、彼らのモデルとなったというキリコ・キュービィーと絡む事が多い。
なお、DDではクロッシング・パイロットのイベントでボルテスVに乗ることに。
ラムダ・ドライバ同様に叫ばないと武装認識をしないとの事なので、宗介ではまずやらない「武器名を叫ぶ」演技も関氏の熱演のお陰(初期台本では宗介は叫ばないだろうという前提だったが、ボルテスリアルタイム世代の関氏がノリノリで原典テイストのイントネーションに叫んだとのこと)でオリジナルのメインパイロットである剛健一との違和感はなかったりする(というか何気に特撮経験者が多めである)。
ファンタジア・リビルド
☆4ペネトレーターとして実装。
メインシナリオではWORLD03に登場する。二人登場する。
まずは「カシム」と名乗る方から。結論から言えばオリジナルの敵がガウルンの記憶から作ったコピーでありそのためガウルンが戦場であった時からそのまま成長したような容姿となっている、最後はテッサに見守られ何処か満足そうに消滅した。
本物の宗介は記憶喪失に陥っているが戦闘の勘と（ボン太くんスーツ）とかなめに対する思いは覚えており（目の前で人が殺されて心が折れかけた主人公に何故戦うのか問われた際は目の前で困ってる人を助けないと頭を叩かれる気がしたと答えてる）主人公達が接触する前にスレイヤーズの獣神官ゼロスと会っている、オリジナルの敵との交戦中にボン太くんの中に入ってたオリジナルのアイテムが暴走し何処かに転移してしまう、WORLD05で再登場
した際は鋼殻のレギオスの移動都市に拾われておりラグビー部のように兵を鍛えていた、そしてスレイヤーズのあるキャラを救う為にデート・ア・ライブの時崎狂三の手を借りループを繰り返していた主人公を助ける為に時崎狂三の手によって連れてこられる、
連れてこられた先でアーバレストと再開するも記憶を失う前と同じく欠陥品と搭乗を拒否するもここで別の移動都市にいた千鳥かなめを時崎狂三が連れてくる、そしていつものようにハリセンで頭を叩かれた瞬間宗介は記憶を取り戻す、そしてアーバレストに搭乗しアルと軽口を叩きつつ絶望を断つ為の力として主人公に手を貸す。そのまま最終決戦にも参加、モッフルと共闘したり貴重な戦力と言えるASを使って主人公と戦った
関連イラスト
関連タグ
千鳥かなめ アル クルツ・ウェーバー メリッサ・マオ アンドレイ・セルゲイヴィッチ・カリーニン テレサ・テスタロッサ ガウルン
グレン=レーダス：設定の一部が反映されたキャラクター。ファンタジア・リビルドにて共演。
