- 北欧神話の邪神・ロキの創った「レーヴァテインLævateinn」
- ライトノベル『フルメタル・パニック!』の主人公機「ARX-8 レーバテイン Laevatein」
- フランドール・スカーレットのスペルカード・禁忌「レーヴァテイン」の表記ぶれ
1がルーツであるが、本項では2について解説する。
概要
「ARX-8 レーバテイン、AIはアル。メカで天才だ。ベヘモスでもぶんなぐってみせらあ。でも、ミサイルだけは勘弁な!」
形式番号はARX-8。全高8.7m、重量10.3t。AIの名前はアーバレスト同様「アル」。
ARX-7アーバレストの後継機で、アーバレストの中枢ユニットを元にAI・アルの指示で設計・建造されたアームスレイブ。アーバレスト同様、フルメタル・パニック!の主人公である相良宗介が搭乗する。
M9やアーバレストと同様の第三世代ASであり、人間に限りなく近い体型でありながら非常に高い運動性を有する。アル独自の判断で動かす事の出来る補助腕が存在するのも他のASには見られない特徴。また、試作パーツの組み込み等で出力がASとは思えないほど大幅に向上しており、劇中では軽い跳躍だけで航空機事故にも相当する30G近くの負荷を叩き出し、パイロットを失神させかける、足払いだけで敵ASを1回転半させて転倒させる、ラムダ・ドライバ搭載機を素手で破壊する、総重量1000トン超の超大型ASであるベヘモスに潰されかけても逆に押し返して転倒させるなど、パイロットへの負荷も含めて「ナンセンス」なレベルに到達している。
これは強力なラムダ・ドライバを使用するためにとられた措置であり、本機の攻撃力を圧倒的なものとする大きな理由であるが、その代償として本機には様々な欠点が存在する。
- 最大稼働時間がM9の150時間に対して本機はその5分の1の30時間と、他のASに比べて致命的なまでに短い。
- 内部機構に余裕がなく、ミスリルのASには標準装備されているECSやECCSを搭載していない。
- フレアやジャミングなども搭載する余裕がなく、M6 ブッシュネルに毛が生えた程度の貧弱な電子兵装。
- D系列の試作機の片方のパーツを流用しているが、M9のパーツはレーバテインの高出力・高機動が想定されてないため受け止めきれず疲労が激しい。
- そこに加えて補給が満足にできない困窮した状況のため替えのパーツがない。
などである。
アルいわく、「ミサイル攻撃には大変脆弱です」とのこと。当然ながらステルス性は皆無であり、対ステルス機能も無いに等しい。
また、オプション装備として緊急展開ブースター XL-3を装備することで単体飛行が可能となるが、XL-3自体がロクなテストも行えない状態で急遽野戦換装されたインスタントな試作装備であるため、飛び方も『飛行』というよりは『投射』に近く、迂闊に急旋回などの行動を取れば機体ごとバラバラになってもおかしくない。
武装は相良軍曹の戦闘スタイルに合わせ、ワイヤーガン、頭部機関砲、単分子カッター、散弾砲と前身機であるARX-7に似たレイアウトとなっている。
加えて最大の目玉として、165mm多目的破砕・榴弾砲(デモリッション・ガン)を装備し、長距離砲撃用の砲身を追加したガン・ハウザーモードでは最大射程は約30kmにも及び、AS単体としては異常なまでの超長射程・高火力を備える。
ただし、デモリッション・ガンはその反動の大きさからラムダ・ドライバ無しでは扱えず、上述通り電子戦装備は貧弱で、整備性も整備兵が匙を投げかねないまでに劣悪。下手をすればASとしては欠陥機になりかねないほどの欠点を抱えている。
ただ、ラムダ・ドライバ搭載機であること自体がその欠点すら覆せる最大のアドバンテージであるし、稼働時間やECCSについては遼機との連携である程度カバーが可能である。
また、後に両肩部分に自機も含めて全てのラムダ・ドライバを無力化する、言うなれば「ラムダ・ドライバ・キャンセラー」とも言える特殊装備『妖精の羽』が追加されたため、「対ラムダ・ドライバ搭載機用の鬼札」と見ることもできる。
アーバレスト同様白を基調としたカラーリングだが、サブカラーは青から燃えるような赤へ変更され、全体的にマッシブになったフォルムとあわせ、より力強い印象を与えるものとなった。
1をさす場合「レーヴァテイン」等の表記が一般的であるが、2においてはARXシリーズの前身機体であるARX-6 ハルバード、ARX-7 アーバレストとの関連性が窺えるよう「レーバテイン」という表記が用いられている。
外部出演等
アニメ版「TSR」が「終わるデイ・バイ・デイ」で終わっているために登場せず、(超合金での立体フィギュアは作られているが)ゲームにも登場せず長らく動く姿を見ることは出来なかった。
だが、第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇に原作小説版の参戦と共にPVに戦闘シーンが収録されているため、ようやく動くレーバテインを見ることが出来るようになった。
第3次Z天獄篇におけるレーバテインの戦闘能力は非常に高い。
ECSがオミットされている代わりに、2種類のラムダ・ドライバを所有。敵同様にダメージを軽減するバリアと気力の上昇で発動する能力アップ系である。
武装は射撃系が揃っており、中距離用の散弾砲ボクサーや長距離射撃用のデモリッション・ガンと、広く対応できる。特にデモリッション・ガンは着弾型のMAP兵器も持つので、着弾後の範囲は狭いが密集した複数の敵に大して攻撃できる。
その後「緊急展開ブースター」を装備。移動タイプに「空」が付加されるが、武装は左右のガトリングガンや空対空ミサイルなどのブースターに装備されたものであり、本体の武器がかなり限定されてしまう。ボスクラスとの敵との戦闘時や弾切れになったら分離して戦おう。
本体の両肩に装備された「妖精の羽」はステージイベントで使用されるのみで、武器として使用することはできない。
ちなみに初登場の機体アニメーションが割と多い第3次Z天獄篇において、動きがぎこちなく少ない(しかも、なまじ敵ASが動くだけに悪目立ちする)という事態に。このせいでファンからは登場は喜ばれたもののプレイヤーからは散々な評価をされてしまった。
この反省点を生かし、続いて登場したスーパーロボット大戦Vでは動きの間を詰めて割と動くようにされた。緊急展開ブースター装備時もスピード感を優先したアニメーションになっている。
そして
スパロボの客演が動くレーバテインとしては先となったが、2018年4月……遂に『フルメタル・パニック! Invisible Victory』において登場。OP映像と最終話となる第12話のみだが、その勇姿がついに映像化されることになった。
立体化
アニメ及び外部出演以前から人気は高かったのか、まずコトブキヤから2012年8月にノンスケールモデルが発売された。
次も同じくコトブキヤで1/60スケールで2014年3月に発売。その後、アニメ出演後の2018年6月に1/60スケールがリパッケージされた。
2018年10月には天下のバンダイが1/60スケールのHGで、しかも海老川兼武氏によるオリジナル武装スモークディスチャージャーと原作者賀東招二御大による武装や機体の解説付きで発売された。
完成品では2008年5月に海洋堂リボルテックシリーズからリリース。2011年8月には「XL-3緊急展開ブースター」や銃器等を追加した最終決戦仕様も発売された。
2011年4月にバンダイのロボット魂からリリース。
メタルビルドは全部で3種類発表されており、2014年7月に1番最初のレーバテインが発売。
2018年6月に発売された『レーバテイン Ver.IV』はアニメ4期を記念して、後発のアーバレストの可動などを盛り込みバージョンアップしたバージョン。
2023年5月にはアーバレストを彷彿させるカラーの『レーバテイン アーバレストリファレンス』が予約開始された(2023年9月発送予定)。なお、このカラーはバンダイの立体化バリエーションなどの限定仕様ではなく、色案の一つとしてアーバレストカラーのレーバテインが実際に存在していた。それから紆余曲折を経て、赤のレーバテインが誕生したのである。
余談
設計者は誰?
1つ前のナンバーであるARX-7アーバレストは千鳥かなめやテッサと同じウィスパードのバニ・モラウタという人物が設計した。このことから(通し番号的にも)レーバテインも彼が設計したものだと言われている。
だが彼は物語開始時点で既に故人。生前にあった技術では本機のフレームはおろか武装すら作れない(デモリッションガンに至っては計画すら無い)。
しかし、レーバテインはデモリッションガンの運用が前提で作られている。バニ・モラウタと同等かそれ以上の設計者が携わっていることになる。では誰が設計したのか?
聞いて驚けそれはアルである(と推測される)。
本人(?)曰く、
「よく皆さんから『本当にお前が設計したのか?』と聞かれます。マオ少尉からは『ありえねー!』と言われたし、テスタロッサ大佐からは『正直にね?怒らないからね?』と言われました。(中略)でもサガラ軍曹はため息混じりに『ああ……確かにお前らしいかもしれんな。電子戦軽視でパワー重視なところとか…』と言っていただきました。すばらしい。あれでこそ私の相棒です。(以下省略)」
とのこと。(出典引用:HG 1/60 レーバテイン Ver.Ⅳ組み立て設計図より)