曖昧さ回避
- 北欧神話の邪神・ロキの創った「レーヴァテイン Lvateinn」本項で解説。
- フルメタル・パニック!の主人公機「ARX-8 レーバテイン」の表記ゆれ
- フランドール・スカーレットのスペルカード→禁忌「レーヴァテイン」
- ファントムオブキルに登場するキャラクター→レーヴァテイン(ファントムオブキル)
- 魔法少女リリカルなのはに登場する人物・シグナムが持つデバイス「レヴァンティン」
- 聖戦記エルナサーガに登場する炎魔剣。自在に魔風を呼び込む事ができる。
- 神々の悪戯の登場キャラクター。→ロキ・レーヴァテイン
- ディバインゲートに登場する人物スルトが持つドライバ「レーヴァテイン」
- ファイアーエムブレムヒーローズの登場キャラクター。→レーヴァテイン(FE)
- その他、創作作品に登場する強い剣の名前。
もしかして:リリーゼと炎龍レーヴァテイン
概要
エッダ詩の一つ『フィヨルスヴィズの歌』に登場する神の使う武器、つまり神器である。
ロキがニヴルヘイムの門でルーンを唱えて作りあげたとされている。
その後レーギャルンの箱に入れられ、9つの鍵を掛けた上でスルトの妻シンモラに預けられた。
世界樹ユグドラシルの天辺に住む雄鶏ヴィゾフニルを討つのに必要と言われているが、それを得るにはヴィゾフニルの尾羽が必要という、ニワトリとタマゴ状態になっている。
名前を訳すと「傷つける魔の杖」、「害なす魔の杖」、「害をなす魔法の杖」といった意味となる。
ちなみにレヴァンティン、レーヴァンテインなどと日本語発音されることがあるが、これは誤表記だと思われる(単語の中ほどに本来は無い/ん/の音素が入っている)。
神話
ラグナロクの原因であるヨルムンガント、フェンリル(別称ヴァナルガンド)も訳せば「杖」の名を持ち、同じくロキが生み出したことで共通している。
また上記のようにスルトの夫妻が所有しているということから、特に日本においてはラグナロクにおいてスルトが用いていた炎の剣がレーヴァテインだという説がある。またこれに関連して、世界を焼き尽くすスルトの炎も、レーヴァテインから放たれるものだという考えも存在する。
しかし『フィヨルスヴィズの歌』の中では、レーヴァテインがスルトの炎と同じであるとは明言されておらず、また他の神話の中でも、スルトの炎をレーヴァテインと明確に呼んだことはない。
また、スウェーデンの作家ヴィクトル・リュードベルィは、著書『Undersökningar i germanisk mythologi(ゲルマン神話研究)』(1886年-1889年、2巻本)の中で、フレイが携えている勝利の剣がレーヴァテイン、ヘズがバルドルを殺したヤドリギ「ミステルテイン(ミストルティン)」がレーヴァテインではないかという説を主張している。
なぜこんなにも異説異論があるかというと、北欧神話内において「レーヴァテイン」という単語が登場するのはエッダ詩の一つ『フョルスヴィーズルの言葉』の第26スタンザで、その物語の主人公スヴィプダグルとムスペルヘイムの砦の前にいる巨人フョルスヴィーズルとの問答の中で言及されているのみなのである。
そして、肝心の「レーヴァテインがどのような武器なのか」についてだが、これもなんと神話中に記載がない。
名前の「杖」と訳される要素から、少なくとも長い棒状のものとは予想されるが、それ以上形状について匂わせる要素は伝わっていない。このため、矢や槍であるとする説もある。
つまり、レーヴァテインは炎の剣なのか勝利の剣なのか、現在伝わっている神話では全く以て正体不明なのである。
また、このレーヴァテインという名前が固有名詞ではなく、剣を詩的な婉曲表現で表したものにすぎないという説まである。名前すらも正しいか怪しいのである。
創作に関して
強力な武器または技として多数の作品でモチーフにされている。
また先述のように「レヴァンテイン」等の誤表記も、多くはゲームなどを発祥とする。
大抵は強力な魔剣とされることが多く、属性もスルトの炎に由来してか火(炎)であることが多い。
Pixivなどでは東方Projectのキャラクターフランドール・スカーレットのスペルカード(いわゆる必殺技)『禁忌「レーヴァテイン」』のイラストが多い。
最近ではファントムオブキルに登場するレーヴァテインも増えてきている。