全13巻。愛蔵版は全8巻。
後に続編『聖戦記エルナサーガⅡ』も作られた。(全7巻)
あらすじ
かつて世界を滅亡の危機においやり、勇者によって北の魔境に葬られた魔獣フレースヴェルグ。
その亡骸からは全ての命を破壊する魔風が世界中に吹きすさんだので、勇者はノズル山の頂に聖剣を突きたてた。
すると聖剣によって魔風が東西に別れ、風下に守られた世界、ギムレーが出来た。
そこは魔法が当たり前のように存在し、子供から大人まで、誰もが身体に魔法を帯び、魔法を使える世界。
そんな世界で唯一、一切の魔法を帯びぬ少女エルナは、世界で唯一聖剣を引き抜いて世界を滅ぼす事ができる存在として、アーサトゥアルの宰相ヴァーリによって、戦争に利用されようとしていた。
それを知った敵国アンサズの第九王子シャールヴィは、エルナ暗殺の為、単身アーサトゥアルに赴くが…
概要
「魔法が現実に存在する世界」を丁寧に描ききったファンタジー漫画の傑作。
魔法がその世界の文化や風俗、思想、宗教、戦争、政治体系や国家の成り立ちから、オモチャや医学に至るまで深く影響しており、その作風はファンタジーというより、「魔法というシステムが実在する世界を描いたSF」と呼べるほど。
このように世界観が非常にしっかりとしており、登場人物らもその世界にしっかりと足を付けて行動しているので、非常に骨太で説得力のある物語となっている。
そのお陰か、往々にして読者には理解され辛い聖女キャラである主人公エルナも、決して理想を語るだけではない、行動や覚悟や人間らしさの伴った、確かな説得力を持つキャラとして描かれている。
また、非常に映画的で迫力ある画面構成も大きな魅力となっている。
巨大なモンスターが暴れまわってお城を破壊するさまなどは、映画「ロードオブザリング」を彷彿とさせる。(映画よりはこっちの方が先だが。)
絵としても非常に見応えのある作品となっている。
登場人物
- エルナ…主人公。一切の魔法を帯びぬが故、反魔法を帯びた聖剣を引き抜き、世界を滅ぼす事ができる唯一の存在。
- シャールヴィ…もう一人の主人公。アンサズ第九王子にして、「不死身のシャールヴィ」と呼ばれる猛将。剣も魔法もズバ抜けた強さを誇る。
- エイリーク…エルナの従兄弟にしてアーサトゥアルの王。王として民の為に生きようとするが、その心をヴァーリに利用される。
- ヴァーリ…アーサトゥアルの宰相。エイリークを影から操り、エルナを利用し、世界を滅ぼそうと企む。
- ラヴァルタ…グードランドのヴァルキリア。エルナを暗殺すべく付け狙う。
- アトリ…エルナの友人。城下町に住む子供。
- アースムンド…エルナの秘密を知る修道士。修道会を通じて戦争を終わらせようとするが…
- ラタトスク…下っ端盗賊。勘違いからエルナ達を助けるも、後にエルナに共感し、協力者となる。
- シグルーン…姉の仇としてエイリークを殺そうとする少女。
関連タグ
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