曖昧さ回避
- バンダイの登録商標「超合金」シリーズのこと。由来は「マジンガーZ」にでてくる架空の合金から。
- フィクションに登場する架空の合金。
- 高い耐熱性が求められる部位に用いられる「超耐熱合金」の略。
ピクシブ百科事典ではメイプル『超合金』なども引っ掛かるので、検索は「〇〇 超合金」のようなマイナス検索を推奨。
バンダイの登録商標
バンダイの子会社だった当時のポピー(後にバンダイ本社に合併)が発売した亜鉛合金とABS樹脂を用いた玩具の登録商標でブランド名。
亜鉛合金でできた部位は鋳物としては細かいデザインが多いため、加圧鋳造(ダイカスト、ダイキャスト)によって造形されている。プラスチック製の玩具に比べて重いため、重厚感のある玩具に仕上がるのが特徴。
同時期の他社の玩具でもダイカストを使用したものに「~合金」と銘打っていたりしたので、ロボットアニメの玩具全般を「超合金」扱いする人も見られるなど、なかば一般名詞化している。
1972年にポピーが『マジンガーZ』の亜鉛ダイカスト製の玩具を発売することとなり、マジンガーZの装甲材質である超合金Zから「超合金シリーズ」と名付けられた。
基本的にはアニメ作品のロボットが商品化される形で、当初は単体の玩具として発売されていたが、そうしたロボットものが変形・合体を売りにするようになったのを機に、さまざまなギミックを仕込んだ「DX超合金」を冠した主力商品が発売されることとなった。
DX超合金の第1号となるのは『勇者ライディーン』である。さらに『超電磁ロボコン・バトラーV』の複数のメカが合体してロボットになるギミックや、『大鉄人17』の変形ギミックが大ヒット。これを機にDX玩具は大型化・高額化が進み、主にスーパー戦隊シリーズの1号ロボをDX超合金として主力商品にするという流れが10数年ほど続くこととなった。
1991年のジェットイカロスを持って、ロボット系の超合金はいったん途絶えることとなる。
その間も合金モデルである『フルメタルファイターレッドバロン』が発売されているが、1996年のカブテリオス(ビーファイターカブト)、ゴッドライディーン(超者ライディーン)で久々に表記が復活。特に『星獣戦隊ギンガマン』ではギガバイタスを除く全てのロボがDX超合金で発売された。
近年では「超合金魂」などのブランドで高額商品として限定販売されることが多く、放送当時にDX玩具として発売された戦隊ロボが後にDX超合金になって発売された例も。しかも初音ミク、アイギス、ホイホイさん、レイキャシールなど他社製品の「後追い」的なメカ少女路線も展開している。
近年ではセイバーやギルガメッシュなど外見的には生身のキャラクターもラインアップされ、節操の無さに拍車がかかっている。
そして、極めつけとも言える太陽の塔も登場。可動しない建築物をただ超合金化したのではなく、ロボに変形までするという、別の意味でも公式が病気のギミックが組み込まれている。
そんな衝撃も冷めやらぬ中、さらにサンリオのハローキティとマイメロディまで超合金に。女児や可愛いもの好きな女性を中心に展開するイメージの強いキャラクターだっただけに、どうしてこうなったと驚く人も続出した。
2022年6月16日にはタカラトミーとのコラボという形で、ZOIDSのライガーゼロが超合金ブランドからリリースされる事になった。一方で、バンダイからはトミカブランドとのコラボが発表。その後、2024年5月10日にはタカラトミーの看板シリーズの一つシンカリオンも超合金魂ブランドでリリース予定であるとアナウンスされた。
一方で、「子供向けの超合金」はほぼ姿を消しており、現在の合金トイは広告戦略や価格帯的には大人向け商品と見られることが多い。戦隊ロボも非合金系のアイテムが多くを占めるようになったが、これは子供の嗜好が重さやリアルさからギミックへと移行していることに加えて、重く頑強な素材は足に落としたりすると危険…といった安全基準も要因と考えられる。
余談
- スーパー戦隊シリーズはアメリカでも『ショーグン・ウォリアーズ』というタイトルで商品展開しており、マーベルコミックスから漫画化もされている。漫画版の内容は惑星ロボダンガードA、勇者ライディーン、超電磁ロボコン・バトラーVが共演するというもの。『GODAIKIN』名義での製品もある。
- ロボコップ
- 装甲はチタン合金とされているが、面白さに振り切った珍予告で知られる木曜洋画劇場ではテレビCMで「超《合金》主義」のキャプション、新聞のテレビ欄では「空飛ぶ超合金デカ・いま、倒しにゆきます」などと書かれていた。
代表的な商品
関連タグ
ポピニカ ジャンボマシンダー S.I.C(スーパー・イマジネイティブ・チョウゴウキン)
架空の合金
各種のSFやロボットものの創作で、主に装甲材に使われる金属。
「他種の兵器を圧倒するほど強い巨大ロボット」のような存在を成立させるための設定的ガジェットとも言える。
大砲の砲弾を跳ね返してしまったり、安定した元素なのに核分裂して新たなエネルギー源になったり、全ての物質が耐えられないような高熱(大抵「数万℃以上」)でも無事だったりと列挙すれば限りがないほど多種にわたる夢の性能を実現してくれる凄い合金。
採掘や精錬や加工に関しては「新発見」など明確に描写されないものも多いが、その新発見を巡って争奪戦の的になるなど、作劇上で重要な位置を得ているものもある。
中でも前述のマジンガーZが採用した超合金Zはまさに代表ともいえる存在で、他にもゲッターロボのゲッター合金などが有名。
ガンダムの装甲材である「ルナ・チナニウム合金」も極めて高い装甲強度が描写されているなど、この種の設定と同様のものだが、用語や背景情報に一歩踏み込んだ設定を施している部分が多い同作では「月(ルナ)で採掘されたチタニウムを使った合金」という、ある程度のリアリティや情報量が持たされ、後続のガンダムシリーズでもEカーボン素材のように類似の設定手法が受け継がれていった。
発祥たるマジンガーでは、「人が乗る20メートル級巨大ロボットの材質とエネルギーは未知の物で有る方が読者を納得させやすい」と考案されたもので、それほど深い設定が有ったわけではないが、ゲッターロボでは「無理のある変形機構を納得させる為」に使われるなど、初期のロボット作品では重要な要素として扱われていた。
しかし、コン・バトラーVが実在する合金「サーメット」を装甲として使用するなど、設定に一手間加える趣向が好まれるようになっていったこと、セラミックや炭素繊維のような非金属を含む材料工学や装甲に関する軍事知識などが製作者と視聴者双方に浸透していったことで、「未知の、あるいは新型の素材やエネルギー源」という設定も複雑化していき、「凄い超合金がなんでも解決してくれる」というシンプルな表現はあまり採用されなくなっていった。
作品によっては、黎明期のスパーロボットを連想させる王道主義やノスタルジー、設定リアリティ重視に対する開き直り的なアンチテーゼのアピールとして、敢えて複雑な設定を排して単純な超合金を登場させるようなものも見られる。
ちなみに、大のマジンガーファンであることを公言し、この手の話が得意な偽学者柳田理科雄氏は、自身が原作を担当した空想科学大戦で「無敵の装甲を持つスーパーロボット」に相当する存在を科学的にどうにか整合性をつけて登場させるにあたって超合金についても考察している。
「STM鋼(スーパー・チタン・モリブデン鋼)」と称するこの超合金の設定では、材料工学の分野で知られる「物質には元素の結びつきの構造などから割り出される計算上の強度と実際の強度に大きな隔たりがある」ことに着目し、その原因である微細な亀裂を解消する方法こそが超合金精製の秘訣であるとした。
これによって理論上の強度をそのまま現実の強度として引き出せば、とりあえず「大砲の砲弾を跳ね返す」くらいのことは簡単に出来るようになるという設定。例に挙げた金属の理論上の強度は実際の強度の240倍になると算出しているが、肝心要の精製法については「悪役側に知られると大変なので秘密」というオチが付く。
超耐熱合金
ガスタービンエンジンのタービンブレードなど高い耐熱性の必要な部位に用いられる合金のことを指す。鉄基の合金やコバルト基の合金、ニッケル基の合金が代表的。また、耐熱性のほかに耐蝕性、耐酸化性、耐クリープ性が求められることもある。
ちなみに、超硬合金(超硬。主に切削工具、特に産業機械用工具に使われる)とは異なる。
- クリープ
- 材料に力がかかり続けると、時間の経過とともに変形した状態から元に戻らなくなる現象。金属の場合は一般に高温に晒される環境で現れる。