概要
富士山麓から発見された「ジャパニウム」という物質から精錬される特殊合金。マジンガーZの主材量として使われている。
その防御力は並の機械獣の攻撃では傷ひとつ付かないほど頑丈であり、鋼鉄を瞬時に溶かすレーザーでもびくともしない。ドクターヘル一味が光子力研究所を襲い続けるのもジャパニウム確保が主な目的である。一度だけ盗み出すことに成功したが、奪取した量の少なさからすぐに使い果たしてしまっている。ちなみにボスは光子力研究所に顔パスで入れる事をいい事に、保管庫から超合金Zを盗んでボスボロットの強化パーツ(ボロットスクリューなど)を自作している(その手の装備はボロットを格納している廃工場の片隅に置いてる)。
ドクターヘルの刺客によって、光子力研究所はしょっちゅう警備員に殉職者続出の状況でセキュリティがなっていないレベルであり、もはやザル警備にも程があるのだが、ボスボロットが偶に活躍している事を考えると結果オーライ…なのか?
とはいえ完全無欠というわけでは無く、機械獣が強力になっていくと同時にマジンガーの対策が進んだのか意外と壊されるようになってきている。ジェットスクランダーも翼を早々に損傷し改修されるなど、作中でも次第に防御力のアドバンテージが薄れてきている様子が描かれていた。更には、続編であるグレートマジンガーの敵であるミケーネ帝国の戦闘獣の攻撃は簡単に超合金Zを破壊してしまう(真マジンガーZEROでは、戦闘獣は超合金Zの分子結合を弱める波動を攻撃時に放っているだけで、攻撃力自体は機械獣と大差ない設定)。
…というか、そもそもマジンガーZの作中で話が進んでいくうちに戦闘中に薄い箇所の破損は増えてきており、TV版では超合金Zから光子力エネルギーを生成する都合もあってか経年劣化も起こる(54話や小説版『INFINITY』で取り上げられている)金属だったりする。
とはいえ、特殊ペイントなどの改修で強度を増していったのか、腐食などへの耐性も高いらしい(実際に兜甲児はTV版最終回での戦闘獣の攻撃でZの装甲やジョイント部を腐食させられた際に今までどんな敵にぶつかっても、超合金Zが腐ることはなかったのに!?と狼狽している)。ただしルストハリケーンをZ自身(のロケットパンチ)に浴びてしまった時は超合金Zですら錆びているため、あくまで浸食性の物質に効果がある程度と言える。
本作及び玩具の「超合金」のヒットから「〇〇合金」はスーパーロボットの圧倒的な防御力を説明するための定番アイテムとなった。
あまりに有名なためロボットアニメにおける合金設定の元祖とされることもあるが、実際には鉄人28号の「特殊鉄鋼」(合金の一種)や、(スーパーロボットには分類されないものの)古くは鉄腕アトムに登場したゲジヒトの「特殊合金ゼロニウム」といった先例があるため、この手の設定としては初というわけではない。
スーパーロボット大戦でも強化パーツとしてお馴染みである。
チョバムアーマーやハイブリッドアーマーのような「HP/装甲を補強する」強化パーツの中でも特に高い補強数値を持つ。
一部作品では運動性低下のデメリットや、EN回復効果付与のメリットが追加効果として加わる事も。
超合金Z(ZERO版)
あらゆる設定が拡大解釈されている真マジンガーZEROでは当然のように強度が大幅に上がっている。具体的には完全初期段階でも「同じ超合金Zあるいはそのメッキによる攻撃」「ヒビが入ったところを狙われる」「前述の特殊な波動を挟んだ攻撃」以外では破損描写が皆無というえげつなさを見せる。
更に魔神化が進めば超合金ニューZと同じく変形・再生はお手の物となり(なお後に出てくるニューZとは全く違う原理が使われている模様)、完全な魔神化を果たすとその強度は超合金ニューZαに並ぶものと化す。そしてここが終点でもなく、因果律兵器を合わせることでそれより更に上の強度へと到達。こうして、単純なスペックでは歴代最強の超合金Zとなった。
だが、下記のようにZEROの認知できない攻撃があれば、その強度は途端に意味をなさなくなる(メタ的に言えば、正史での最強とされる超合金ニューZαを完全に超えるものが派生作品で出る事は避けられた事情もある)。
派生
超合金ニューZ
グレートマジンガーに採用された超合金Zの改良型で、後にマジンガーZにも搭載された。防御力は超合金Zの4倍以上(ただし、グレートマジンガーの放映中に具体的な強度差は明言されず、後続作のUFOロボグレンダイザー以降の時期に設定されたと思われる)であり、超合金Zより軽量化がされている。更に伸縮自在で一定の電流を流すことで大きさを自由に変えられるという特性を持っており、スクランブルダッシュやマジンガーブレードといった装備をコンパクトに収納するのに役立っている。だが伸縮する関係上その部分の強度はどうしても弱くなるため、グレートマジンガーもそのウイークポイントを突かれ破壊されることがしばしばあった。
真マジンガーZEROではこの設定を盾にやりたい放題やりまくっており、前述の戦闘獣の波動に分子レベルで組成を変化させて対応、手足のモーフィング変形から巨大化まで可能といったとんでもない描写がされている。
また、希少金属だった超合金Zから量産性改善の改良が施されている。これは光子力エネルギーを照射することで同程度の強度を持つ金属が生成されるようになったため(ジャパニウムに光子力エネルギーが含まれていることがヒントとなっている)で、本来の超合金Zとの複合(いわゆるサンドイッチ構造)によって生産性を高めている。そのこともあり、シリーズ中では最も使用例が多い。Zもグレート作中での復帰以降は全身を超合金ニューZに作り変えられている。グレンダイザーに登場する地球製スペイザーも全て超合金ニューZ製である。なお、東映アニメ版に連なる世界線では地球最強の金属の地位は保たれているが、地獄大元帥の対策済みの攻撃で腐食させられるなど、かつての超合金Z同様に防御力のアドバンテージが薄れてきた事が示されている。
超合金ニューZα
マジンカイザーの装甲に使われた超合金ニューZの発展型、もしくは変異型。実質的に後述の超合金GZ同様の変異素材と言えるが、劇中ではどのように素材を変質させたのかは明示されていない。(スーパーロボット大戦では、ゲッター線の作用による素材の進化で生み出された金属とされていた時期もある)
ジャパニウム系どころか、巨大ロボットに使用される金属素材としては文字通りの最強候補。マグマに落とされようが、マジンガーZとグレートマジンガーの武器を至近距離で喰らおうが、戦闘獣の攻撃だろうが、大気圏外から落下しようが、傷ひとつ付かないほどの絶大な防御力を誇る。カイザーがただのパンチで超合金Zをオシャカにできるのも、この防御力・耐久力による所が大きい。
半面、希少かつ、凄まじく加工しにくい素材であるため、大量生産に向かない欠点がある模様。現にこの素材が採用されている機体は数えるほどしか存在していない。
OVA版マジンカイザー基準の世界線では明確に破損する描写があり、この因果をマジンガーZEROでも拾われているのだが、実はオリジナル版基準ではまったく破損していない(描写が存在しない)ため、最強の超合金の地位は依然として揺らいでいない。カイザーのパワーなら、設定上はニューZや宇宙合金グレンも砕く事が可能である。
スーパーロボット大戦Fでカイザーが初登場した際は、マジンガーZにゲッター線を浴びせることによってニューZαに変異している。またグレートマジンカイザーもグレートから進化した際にニューZからニューZαへ変異しているように、メタ的に『最強の超合金』としての指標として機能していると言える。
合金Z
アフロダイAや、『真マジンガー』に登場したマジンガー軍団に使われている合金。それを再精錬されたものが超合金Zであり、合金Zは精錬の足りない金属ということになる(そもそも『超合金Z』と言うネーミング自体『合金Zを超えるもの』と言う意味)。一応、超合金Zを除けば当時全世界で一番強靭だったらしい。
『真マジンガーZERO』では(ミネルバ基準で)甲児がはじめて乗り込んだ世界線のZがこれでできているとされていた。
超合金Zメッキ
イチナナ式に使われている合金。合金Zに粒子化した超合金Zのメッキを塗布し、強度を引き上げた所謂廉価版。量産化に対してのコスト削減と言えるものだが、それでも強度は超合金Zと同等となっている。ただし総合的な耐久性は純然たる超合金Zに劣っており、機械獣の攻撃力が超合金ニューZに通用するレベルに強化されたせいなのか、作中では結構な数のイチナナ式が破壊されている。
その他
スーパー鋼鉄
機械獣など、ドクターヘルの兵器に用いられている金属で、発掘兵器から装甲を解析しそのデータを基に生成したものである。
通常の鋼鉄よりも軽く頑丈な金属であり、戦車砲程度ではびくともしない強度を持つ。ただし当然ながら、超合金Zよりも防御力は劣り、OVA版マジンカイザーで、カイザーのファイヤーブラスターの余波だけで機械獣が溶けてしまっている(超合金Z製のあしゅらマジンガーは無事だった)。
最近では、ボスボロットが機械獣の残骸からコレを再精錬して使っている公式設定が追加された。
超合金GZ
グレートマジンガーの続編として企画され没になった、「ゴッド・マジンガー」に登場予定だった超合金ニューZとは別系統の後継型(光子力を用いない強化なため)。上記のニューZα同様の変異素材であるが、こちらは経緯がはっきりしている。
光子力を超越する新エネルギー「反陽子エネルギー」(かのゴッドマーズと同様のものと思われる)を精錬中の超合金Zに一定時間照射することで材質そのものを変質させ、強固な物質として生まれ変わったニューZ以上の強度を有する新たな超合金。弓教授はマジンガーZを解体、この超合金GZ製の新たな外装と反陽子炉を搭載することで、新たなマジンガー「ゴッド・マジンガー」を作り出し、闇の帝王との最終決戦に備えんとした。
宇宙合金グレン
フリード星で開発されたグレンダイザーの装甲素材に使用されている。
超合金Z系列との性能差は不明瞭な所があるものの、敵対するベガ星連合軍の量産戦闘機であるミニフォーの攻撃が超合金Z製のTFOを破壊できたのに対し、グレンダイザーには傷ひとつ付かなかったため、強度的には高レベルである。ただしUFOロボグレンダイザー対グレートマジンガーで戦ったグレートマジンガーとは、互いに目立った損傷は無かった。
冒険王版ではニューZに圧力をかけて生成し直すと宇宙合金グレンと同程度の強度を持つ金属ができる、と解説していた。
マジンカイザーのカイザーナックルは宇宙合金グレンをも砕くといった設定を考えると、超合金ニューZとほぼ同程度の強度か、僅かに上くらいの差と思われる。グレンダイザー本編でも地球製スペイザーにニューZが使用されていることもそれを決定づける要因といえよう。むしろ東映版正史でないとはいえ、純地球製のニューZαが強すぎるとも言える。
また、光量子を装甲内に蓄積することも可能で、宇宙空間でチャージされる描写がなされている。その点でも超合金Zと似通っているといえるが、何度でもエネルギーを放出・吸収できる点が異なる。
上記の通りニューZαにこそ敵わないが、実は所謂ダイナミック系列の合金でも対マジンガーZEROにメタ特攻を張れる「可能性の光」を持つ素材のひとつ。故に因果を紡がれないよう、Zとグレンダイザーの対面は甲児とミネルバにより全力で回避された。
その甲斐あって、最終決戦では光のグレンダイザーがZEROに修復不可能の大ダメージを与えている。
ゲッター合金
ゲッターロボ系列のメカに採用されているゲッター線を照射して作られた合金。超合金Zと違って、特別頑丈といった設定は無い(劇中でも破損するケースが多い)が、真マジンガーZERO版のニューZの様に、凄まじい伸縮・変形性能が特徴。あまりに無茶苦茶な変形であるゲッターチェンジが可能なのは、この合金あっての恩恵である。
純粋な金属なはずだがゲッター線の影響が極まると、他のメカを取り込んだり、パイロットを吸収したり、進化したり、終いには虚無る。生命エネルギー体といえるゲッター線で変質した金属なため、そうなるのは予想できたと言えなくはないのだが。
世代区分をすると、初代に使われた『ゲッター合金』を第一世代とし、ゲッタードラゴンと真ゲッターロボなどの戦闘用ゲッターロボ(號を除く)に用いられ、強度向上が明確になっている第二世代型は『合成鋼G』という名がつけられている。従って、真ゲッターロボ以降に虚無るゲッターの装甲はよほどの事情がない限りは合成鋼Gを元とした金属ということになる。
マジンエンペラーGの装甲はこの系列の合金と超合金Z系列(おそらくニューZα)のハイブリッドという説がある。
宇宙合金グレン同様にマジンガーZEROの攻撃にはメタ特攻を張れる「可能性の光」合金の一つ。エンペラーGがZEROに数度対峙して尚瞬殺されない事への根拠としてよく提示される。
OVA『新ゲッターロボ』では平安時代にタイムスリップした新ゲッタートマホークから刀「雲斬丸」が作られた。
ゲキガニウム合金
『ゲキ・ガンガー3』に登場したゲキガンガー系機体に採用されている金属。上記のゲッター合金が元ネタであるが超合金Zも元ネタに含まれる。
パイロットの意思により変型できる金属と言う設定で、精神力(劇中では『熱血パワー』と呼ぶ)が強ければ強いほど性能が増すが、精神力が弱まると防御力が弱まる(劇中でもその影響で機体が破損するシーンがある)諸刃の剣である。搭乗人数が多いほど増強されるため3人乗りになった経緯がある。
ガンダリウム合金
ガンダム系の作品に度々登場する重要な設定…な筈だが、何故か専用記事が無い。詳しくはこちらを参照のこと。
余談
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、輪島市にあった永井豪記念館が火災に呑まれ、当初は内部に展示されていた原画類やフィギュア等も全焼したかそれに限りなく近い被害を受けたものと思われていた。
しかし、その後市の観光課の立ち入り調査の結果、建物は全焼したものの、原画等の展示物に関しては入念な耐火対策を行っていたことが幸いして、すべて焼失せずに現存していることが確認された。
展示物の詳しい被害の状態は現在確認中とのことであるが、ファンの間ではこの一報に驚きと喜びの声が同時に上がり、「もしかして耐火設備に超合金Zが使われていたんじゃないか?」と指摘する者まで現れた。
関連項目
ニホニウム…113番元素。一時「ジャポニウム」が正式名称の候補として挙がった際、「え、ジャパニウム?」「超合金Zが現実に?」などと話題になった。