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はじめに編集

この度の地震に際し、不幸にして亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。


本記事を編集、閲覧される方へ

現時点では不明点も多いため、正確な情報が明らかになり次第、適宜加筆してください

また、追加する情報は正確である確証がとれた上で、情報の出典を明記してください。


羽咋市などの口能登地域は被害が少なく、若干の被害が発生した七尾市など中能登地域もある程度復旧復興が進んでいる一方で、特に被害が甚大な輪島市珠洲市能登町といった奥能登地域については、未だに瓦礫の撤去が進んでおらず、交通網の寸断が続いており、土砂災害の危険性が高いことから、不要不急の来訪はご遠慮ください。


概要編集

発生日2024年1月1日
発生時刻16時10分
震央(震源地)石川県能登地方(北緯37度29.7分・東経137度16.2分)
震源域佐渡付近(能登半島の北東側の海域)~能登半島沖(能登半島の南西側の海域)までのおよそ150kmの範囲
震源の深さ16km
地震の規模Mj7.6・Mw7.5
最大震度震度7(計測震度6.6・6.5)
長周期地震動階級4(高層階では、立つことが困難で、はわないと動けないほどの猛烈な揺れ)
津波
  • 最大値は0.8m(震源付近では4m以上の津波の痕跡があったことが明らかになっている)※
  • 遡上高は5.8m(局地的に6mを超えている場所がある)
  • 韓国などの海外にも津波が到達
地震の種類地殻内地震(逆断層型)
震源断層
  • F43断層・F42断層(国土交通省による名称)
  • 猿山沖セグメント・珠洲沖セグメント(地震調査委員会による名称)

※気象庁の観測値の最大の高さを当初は「1.2m以上」としていたが、これは発生日の16時21分の観測以降、計測不能な状態が続いていた原因が津波ではない可能性(最も有力視されているのは地震による地盤の隆起によるもの)があったため、取り消されたことで、0.8mの津波が最大となった。但し、震源域近辺では現地調査によって痕跡から4m超の津波が到達していたことが明らかになっており、「0.8m」という数値は、あくまでも震源域からある程度離れたところにある検潮所(石川県の金沢・山形県の酒田)で観測された値に過ぎない。そのため、実際に発生していた最大の津波の高さは0.8mではないということに注意

(出典:防災科学技術研究所 強震記録NHK 【各地の津波観測】石川 輪島1m20cm以上 富山 山形 80cm能登半島地震 津波で最大5.1m浸水 輪島や珠洲で4m超 超近距離津波の実態把握へ京大が現地調査気象庁 「令和6年能登半島地震」における気象庁機動調査班(JMA-MOT)による津波に関する現地調査の結果についてNHK 新潟 上越 関川河口付近の津波 局地的に遡上高6m余に達したか日本の地震の余波、韓国墨湖に67センチの津波…「24時間続く恐れも」


2024年(令和6年)1月1日16時10分に、日本石川県能登半島を襲った巨大地震。震央は石川県珠洲市であり、規模(マグニチュード)はM7.6。

本震では石川県志賀町と輪島市(当初は震度6強としていた)で、震度7を観測したほか、長崎県、沖縄県を除く45都道府県にかけて震度6強~1を観測している。また、この地震で最大で長周期地震動階級4を観測し、広範囲で階級1以上を観測している。

能登半島沿岸部には一時大津波警報東北地方太平洋沖地震以来13年ぶりに発令されたが、20時30分に津波警報に切り替えられ、翌日2日の午前10時には津波警報がすべて解除された。

また、加速度(人間や建物に瞬間的な揺れの強さを示すもの)も2828ガルを観測し、東北地方太平洋沖地震に匹敵するほどであった。因みに国内観測史上最大の最大加速度は2008年の岩手・宮城内陸地震で、その数値は4022ガルと今回の地震よりも大きく上回る数値である。


日本海側では過去に日本海中部地震(M7.7)や北海道南西沖地震(M7.8)などの大地震が発生しているが、今回の地震もそれらの地震に匹敵するほどの規模である。

1月1日以降の地震活動は、北東~南西に延びる150km程度の範囲で起きているとされ、現在も地震活動は活発な状態が続いている。

また、日本海側で起きる巨大地震は、M7クラス後半でも、大津波を引き起こすことで知られている。


今回の地震は、「数千年に1回の頻度で起きる大地震」であったこともあり、石川県の能登半島では、地震によって4mという非常に大きな隆起が起き、石川県を中心とした北陸地方で甚大な被害を出した(出典:NHK 「数千年に1回の現象」防潮堤や海沿い岩礁約4m隆起 石川 輪島産経新聞 能登半島地震 数千年間隔で発生の大地震かより)。

但し、「数千年に1回の頻度で起きる大地震」とは、あくまでもある特定の領域のみを評価したものであることに過ぎない。実際に、日本には見つかっている活断層だけでも、約2000本も存在しており、さらに見つかっていない未知の活断層も含めたらそれ以上存在している。つまり、活断層帯を一切特定せずに、日本全体での地震リスクをそのまま評価した場合、活断層帯における被害地震(死者50人以上)は過去約200年の統計データだけでも、平均発生間隔は10年に1回の頻度で起きている計算になっている。また、4mの隆起量は能登半島の中では過去数千年間で最大であったものの、場所を限定せずに日本全体で考慮した場合、地盤の隆起も過去100年単位で見ても、複数回起きている。そのため、決して「日本全体で評価した場合の数千年に1回の頻度で起きる大地震」という意味ではない。


詳細は気象庁が開設した『令和6年能登半島地震に関するポータルサイト』や、地震調査研究推進本部の『令和6年能登半島地震の評価(令和6年1月2日公表)』を参照。


地震を報じるNHKニュース


地震発生の瞬間を捉えた映像

※怖い映像等が苦手な方は閲覧をお控えください。


気象庁の会見



震度編集

震度7

震度6強

震度6弱

震度5強

震度5弱


前震編集

発生日2024年1月1日
発生時刻16時6分
震央(震源地)石川県能登地方(北緯37度30.6分・東経137度14.7分)
震源の深さ12km
地震の規模M5.5
最大震度5強
長周期地震動階級1(高層階では、室内にいた殆どの人が揺れを感じ、中には驚く人もいるほどのやや大きい揺れ)
地震の種類内陸地殻内地震

(出典: 気象庁ホームページ「震度データベース(2024年1月1日16時6分の地震)」気象庁ホームページ「長周期地震動の観測結果(2024年1月1日16時6分の地震)」より)


M5クラスの中規模地震が発生し、そのおよそ4分後に本震につながった。

以下の項目の2020年から続いている群発地震活動については、「前震」というより、「前駆的地震活動」という方が正確なので、この項目には記述していない。


前駆地震編集

2020年以降の群発地震編集

今回の能登の地震については、短期的に見れば突然発生したものではあるものの、中・長期的に見れば突然発生したものではなく、2020年12月頃から続いていた一連の群発地震の中で発生した大地震である。


石川県の能登半島の珠洲市周辺の領域では、2020年12月頃から長期間にわたる群発地震活動と、水平方向に1cmを超える移動・上下方向に4cm程度の隆起を伴う地殻変動も観測され、度々大きな揺れを観測する地震が発生していた。実際に2020年以降に発生した震度5弱以上の地震は、


地震発生年地震発生日時震央(震源地)地震の規模(M)最大震度長周期地震動階級
2021年9月16日18時42分石川県能登地方M5.15弱1
2022年6月19日15時8分石川県能登地方M5.46弱1
6月20日10時31分石川県能登地方M5.05強観測なし
2023年5月5日14時42分能登半島沖M6.56強3
5月5日21時58分能登半島沖M5.95強2

(出典:気象庁ホームページ「震度データベース」気象庁ホームページ「長周期地震動階級1以上を観測した地震」より)


となっている。(※2022年6月および2023年5月の地震についての詳細は後述する)

石川県能登地方・能登半島沖に限定し、過去20年間で震度1以上を観測した地震発生回数をカウントしても、

地震発生年地震発生回数
2003年0回
2004年1回
2005年4回
2006年6回
2007年467回※
2008年32回※
2009年6回
2010年4回
2011年4回
2012年7回
2013年4回
2014年5回
2015年1回
2016年4回
2017年4回
2018年3回
2019年9回
2020年13回
2021年72回
2022年188回
2023年232回

(出典:気象庁ホームページ「震度データベース」より)

※地震発生回数が多いのは、「平成19年能登半島地震(M6.9)」の影響である。


明らかに平常時とは異なる地震活動は2020年頃から始まり、2021年頃から1年間あたりの回数は50回を超え、2022年以降は100回を超えていた。能登半島周辺の領域では、2007年の大地震による余震等を除き、1年間あたりの有感地震発生回数が100回どころか、10回を超えることすら珍しいため、数年間も10回をゆうに超える状態が継続していたことは、明らかに異常と判断できる状態であったことが分かる。

また、群発地震活動が本格的に開始する前の2020年3月には、M5.5の地震が発生していた。この地震では、輪島市で最大震度5強を観測している。


このような異常な状態が継続し、実際に現実となったのが、2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」である。ある意味、2020年頃から続いていた能登の地震活動は、この地震による「前駆的地震活動」であったと捉えることもできる。


22年に6弱 23年に6強 24年に7…編集

2020年12月から活発化した群発地震活動のうち、2024年1月よりも前に起きた地震の中で規模・被害が比較的大きかったのは、2022年6月と2023年5月に起きた地震である。これらの震源地はいずれも能登半島先端の珠洲市付近で、2024年1月の巨大地震とほぼ同じ場所で起きた。いずれも広義の前震といえる。


2022年6月の地震編集

発生日2022年6月19日
発生時刻15時8分
震央(震源地)石川県能登地方(北緯37度30.9分・東経137度16.5分)
震源の深さ13km
地震の規模M5.4
最大震度6弱
長周期地震動階級1
地震の種類内陸地殻内地震(逆断層型)

2022年6月19日15時8分頃、M5.4の地震が起きた。震源に最も近い珠洲市で最大震度6弱の烈震となり、同市では神社鳥居灯籠が倒壊するなどの軽微な被害があった。翌6月20日にはM5.0の余震があり、珠洲市では最大震度5強の揺れとなった。


2023年5月の奥能登地震編集

発生日2023年5月5日
発生時刻14時42分
震央(震源地)能登半島沖(北緯37度32.3分・東経137度18.2分)
震源の深さ12km
地震の規模M6.5
最大震度6強
長周期地震動階級3
地震の種類内陸地殻内地震(逆断層型)

2023年5月5日14時42分頃、M6.5の大地震が起きた。震源に最も近い珠洲市で最大震度6強の激震となり、同市では1人が死亡(60代の男性がはしごから転落し死亡)したほか、多数の家屋が全半壊したり、土砂が崩落したりと大きな被害が発生した。本震から7時間後の21時58分にM5.9の最大余震があり、再び珠洲市で最大震度5強を観測した。

気象庁はこの地震を命名しなかったが、石川県は被害が集中した地域や地震の規模などを鑑みて、本地震を「令和5年奥能登地震」と命名した。奥能登とは、最大の被害を受けた珠洲市をはじめとする能登半島の北部のことである。


地震活動の原因編集

流体が地震を引き起こしている説(有力視されている説)

能登半島における群発地震や大地震の発生原因で有力視されているのは、何らかの流体が群発地震を引き起こしているという説である。

具体的には、日本列島の東に太平洋プレートが位置しているが、沈み込んできたそのプレートに含まれる水分が何らかの理由で放出され上昇し、それが石川県能登半島の領域の地下の断層帯内を拡散したことで、断層を滑りやすくしている。その影響を受けて、断層の深部ではゆっくりと断層が動く現象「スロースリップ」が誘発され、群発地震を引き起こしていたと考えられている。

なお、群発地震活動の後半は、震源が徐々に北側(能登半島の北の海域)に移動していく現象も見られていた。


また、能登半島沖の北側には「珠洲沖セグメント」「輪島沖セグメント」「猿山沖セグメント」「門前沖セグメント」などの大規模な活断層の存在が確認されている。


2020年以降のこれらの現象を受けて、既に歪が蓄積されていた大規模な活断層帯や、活断層帯に応力を増加させるとともに、周辺で大地震を誘発させる可能性が指摘されていた。


北陸放送の『“能登群発地震”の原因は「東京ドーム23杯分の水」 去年5月の地震後に研究者が指摘していた「一番怖いシナリオ」海陸シームレス地質情報集,能登半島北部,数値地質図 S-1京都大学 流体とスロースリップに駆動された能登半島群発地震―ソフトバンク独自基準点データを用いた地殻変動解析結果―京都大学 流体とスロースリップに駆動された能登半島群発地震―ソフトバンク独自基準点データを用いた地殻変動解析結果―のpdf資料を参考。


南海トラフとの関連はあるのか編集

南海トラフのプレートの沈み込みに伴う圧縮力による影響

今回の地震と南海トラフ巨大地震は、同じ逆断層型でも地震の発生メカニズムが異なり、距離が離れていることから、直接的な関連性はないとされている。


しかし南海トラフでは、平均100~150年に1回の間隔でM8クラス以上の巨大地震を起こしている領域であるが、その地震が発生する前後(発生する数十年前~発生後10年程度)は、西南日本の活断層帯では、静穏期と比較すると、発生頻度が増加することで知られている。

その理由としては、南海トラフの海溝型地震の発生が切迫するにつれて、陸側のプレート(ユーラシアプレート)は、プレートの固着域の影響を受けて応力がかかり、歪が蓄積されていく状態になっていく。それを部分的に解消しようとして、西南日本では活断層帯で地震が発生しやすい状態になっていると考えられている。

そのため、今回の地震は「西南日本活動期の中で発生した大地震の一つ」とも指摘されている。


産経新聞-能登半島地震 「一連の活動の中で連鎖的に発生」 地震考古学者の寒川旭氏能登地方および京都府南部の地震活動を受けて-南海トラフ地震と西南日本活動期の関係を参考。


なお、大地震によって歪が解消されたからと言って、暫くの間は大地震が当面の間は発生しないとは言えない。なぜなら、断層は常に応力に支配され、力のかかり方は変化しており、地震は単純な現象として発生するものではないからだ(地震は応力場以外にも、地下の水やガスなども地震の原因に複雑に絡んでいるのだが、これらも原因になっていることは専門的なことになるので、一般的に知られてはいない)。さらに、今回の地震の根本的な原因は、地下に存在している流体である。そのため、大地震が発生しても、地震発生の根本的な原因がなくなったわけではない以上、再び大地震が発生する可能性があるということだ。

また、大きく滑った領域は、震源域150kmの範囲内でも大部分が南西側、つまり陸側(能登半島の地域)であり、北東側の領域に位置する海側は、そこまでずれ動いていなかったことが判明している(東京大学地震研究所-令和6年能登半島地震の津波波源モデルより)。つまり、これは特に北東側で大地震の発生の切迫を示唆するものであり、M7クラスの大地震が発生すれば、3m程度の津波が押し寄せると予想されているため、今後も注意が必要と言える。また、能登半島沖の南西側領域に関しても、2007年の大地震の震源域も含めて大地震が発生する可能性が指摘されている。


気象庁による名称編集

気象庁が命名した「令和6年能登半島地震」という名称は、2024年1月に起きた震度7の巨大地震を指す名称であると同時に、この地域で2020年12月から慢性的・断続的に続いている一連の地震活動(2023年5月の奥能登地震を含む)を指すものでもある。


前兆現象編集

能登半島地震では、幾つかの前兆現象と疑われる報告がある。


前駆的地震活動・前震編集

能登半島では2020年末あたりから非常に活発な地震活動と地殻変動が観測されていたことは、既に前述した通りである。

さらに、本震発生当日の2時間ほど前には、16時6分の地震が発生するまでの間に、以下のような急激な微小地震の活発化も観測されていた(気象庁の「2024年01月01日の震源リスト」を参考)。


  • 14時17分 石川県能登地方 M1.6
  • 14時46分 能登半島沖 M1.9
  • 14時50分 能登半島沖 M1.1
  • 15時08分 能登半島沖 M1.7
  • 15時11分 石川県能登地方 M0.7
  • 15時12分 能登半島沖 M1.6
  • 15時23分 能登半島沖 M0.7
  • 15時32分 能登半島沖 M1.1
  • 15時35分 石川県能登地方 M0.6
  • 15時57分 能登半島沖 M1.1

地震空白域の存在編集

能登半島やその周辺の周辺の領域では、2007年にM6.9の大地震・2020年から発生している群発地震活動が発生しているのだが、その間だけ地震活動が殆どない「地震空白域」のような地域が存在していた。(能登半島地震 群発領域の拡大謎多く 小原一成/東京大地震研究所教授【提言・減災】より)


電離圏の異常編集

本震発生前の13時30分ごろから能登半島沖上空の電離層に線形のスロープが見られるなどの異常が確認されており、さらに14時30分ごろからは能登半島沖上空の電離層に歪曲した層が二重に連なって出現するなどの異常が見つかった。これは、2011年の東北地方太平洋沖地震や群発地震活動の中で発生した2023年5月のM6.5の地震発生前にもあったと指摘されている。

なお当日に太陽フレアも発生しており、その影響も受けるので、簡単には地震との関連性は判断できないのだが、太陽フレアによる電離圏の異常とは明確に異なる現象であったことから、前兆であった可能性が指摘されている。

(このデータは、電離圏の異常についての京都大学の報告によるもの)


津波編集

能登半島地震では津波も発生し、最大4m超の津波の痕跡が見つかり、遡上高は5mを超えた。

大地震発生から約2分後の16時12分頃に日本海側を中心に「津波警報・津波注意報」を発表したが、その約10分後に「大津波警報・津波警報・津波注意報」に切り替わった。


震源域付近での津波が到達した時間は最短のところでわずか1分程度の場所もあった。これは、震源断層となった場所が陸に非常に近いところで発生し、それが海域にも及んでいたためだ。

なお、この地震では単純な地震現象だけでは説明のつかない津波も発生した。それが富山県を襲った津波で、地震発生からわずか3分後に富山検潮所で観測されていたことが分かっている。震源域からある程度離れた富山県の検潮所で5分も経たないうちに津波が到達するのは、震源断層となったF43・F42の海底活断層を考慮しても説明することはできない。

そこで出てくるキーワードが「海底地滑りによる津波」である。

富山県の海底には海底谷と呼ばれる地形が存在し、2024年と2010年に調査された富山湾の海底地形を比較したところ、富山市沖約4kmの海底谷の斜面が、長さ約500m・幅約80mにわたって崩れ、最大 40m程度深くなっていることが確認され、海上保安庁による調査でも、富山湾の海底の広範囲で斜面崩壊の痕跡が確認されたことから、富山県の海底谷で起きた海底地滑りが津波発生と関係した可能性が指摘されている。なお、気象庁が出す津波警報の仕組みは、基本的に地震を元に計算しているため、海底地滑り等の津波に関しては考慮されていない(地滑り等に関する津波は予測が難しいため)。

そのため、「津波=地震」という考えは危険を伴う場合もあるので、津波警報が発表された場合は、気象庁が出す津波到達予想時刻を鵜呑みにせず、一刻も早く高台に避難することが重要と言える。因みにこのよう地震現象だけが津波発生の原因とは限らない津波、或いは地震現象が直接的な原因ではない津波は、東北地方太平洋沖地震2022年のフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山の大規模噴火・2023年10月の鳥島近海で発生した海底火山の噴火に伴う津波等が挙がる。


16時12分頃の気象庁のXML電文令和6年能登半島地震の評価(令和6年2月9日公表)珠洲市沿岸 津波は地震から1分以内に到達か 専門家分析-NHK富山湾の海底で斜面崩壊の痕跡を確認(第2報)を参考。


余震編集

M7.6ということで断層の面積が大きかったため、本震の震源域および余震域は、新潟県の佐渡島付近から能登半島西部までの広範囲にわたり、余震活動は非常に活発であった。震度5弱以上を観測した余震は以下の通りである。

  • 1月1日16時12分 能登半島沖 M5.7 (震度6弱)
  • 1月1日16時18分 石川県能登地方 M6.1 (震度5強)
  • 1月1日16時56分 石川県能登地方 M5.8 (震度5強)
  • 1月1日17時22分 石川県能登地方 M4.9 (震度5弱)
  • 1月1日18時3分 能登半島沖 M5.5 (震度5弱)
  • 1月1日18時8分 能登半島沖 M5.8 (震度5強)
  • 1月1日18時39分 能登半島沖 M4.8 (震度5弱)
  • 1月1日20時35分 石川県能登地方 M4.5 (震度5弱)
  • 1月2日10時17分 石川県能登地方 M5.6 (震度5弱)
  • 1月2日17時13分 能登半島沖 M4.6 (震度5強)
  • 1月3日2時21分 石川県能登地方 M4.9 (震度5強)
  • 1月3日10時54分 石川県能登地方 M5.6 (震度5強)
  • 1月6日5時26分 石川県能登地方 M5.4 (震度5強)
  • 1月6日23時20分 能登半島沖 M4.3 (震度6弱) → 詳細は後述
  • 1月9日17時59分 佐渡付近 M6.1 (震度5弱)
  • 1月16日18時42分 石川県能登地方 M4.8 (震度5弱)
  • 6月3日6時31分 石川県能登地方 M6.0 (震度5強)

誤報編集

気象庁は1日23時5分、同日23時3分にも能登地方で震度7を観測したという震度速報を発表した。しかし、実際には震度7を観測したという根拠となる観測データが入電していなかったことから、これは誤りであったとして取り消された。


誤報の原因は、同日16時過ぎに発生したM7.6の地震の情報が地震システム内のメモリに残っており、それが誤って再発表されたというものであった。詳細は調査中であるが、システムの不具合(バグ)によるものであったと推定されている。


この誤報は、佐渡付近で1日23時3分にM4.4・最大震度2(当時は震度3と報道されたが後に修正済み)の余震が発生した直後に流れたものである。


1月6日深夜に起きた奇妙な余震編集

発生日2024年1月6日
発生時刻23時20分
震央(震源地)能登半島沖(北緯37度10.3分・東経136度38.7分)
震源の深さ5km
地震の規模M4.3
最大震度6弱

本震から5日後の1月6日23時20分に能登半島沖で発生した余震は「非常に奇妙な地震」であった。

マグニチュードはわずか4.3という小地震であったにもかかわらず、最大震度は6弱(計測震度は5.6)という激しい揺れとなった(発生直後の速報では最大震度は3とされていたが16分後に6弱へと大幅に更新された)。また、最大加速度は1492ガルであり、阪神淡路大震災を惹起した兵庫県南部地震の891ガルを遥かに上回った。


ところが、震度6弱を観測した志賀町香能以外の観測点では軒並み震度3以下の弱震であったのである。

別の言い方すれば稀に見るピンポイントの地震であり、強震域は震源に近い(志賀町の)局所的な範囲のみで極めて狭かった。


このため地震の翌日に気象庁の職員が現地の震度計とその周辺の地盤に異常が無いかを確認したが、驚くことに異常はゼロで、地震計は至って正常に作動していたことがわかった。気象庁は、震度に大きな差が生じた原因について引き続き調査するとしている。


一方、震度6弱を観測した震度計に近い志賀町役場の職員は「体感での震度は2〜3程度で、全く大きな揺れではなかった。」と証言しており、目立った被害も皆無であった。


この原因について気象庁は、揺れの継続時間が極めて短かったことを可能性として挙げており、データ上は震度6弱を観測していたとしても、大きな揺れはほんの一瞬でしかなかったと考えられるとしている。そのうえで、志賀町のたった1箇所だけ震度が突出して大きかった原因については、震源から観測点までの距離が非常に小さかったことなどを挙げている。


震度6弱だった志賀町香能は、5日前の本震で震度7の激震を観測した地点でもある。ネット上では、

  • 「M4.3で6弱はデカすぎる」
  • 「絶対に何かの間違いでしょう」
  • 「震度7のせいで志賀町香能の地震計がおかしくなった(逝った)のではないか」
  • 「誰かが地震計を動かしたのか」
  • 「実際はどんなに大きく見積もっても震度4くらいだろう」
  • 「2回目の震度7という誤報もあったしこれも同様に誤報だろう」

などというコメントが出たが、気象庁からしてみれば「震度計は正常に作動しておりデータにも異常は見られなかった」「データ上は6弱を観測しているとしか言いようがない」などとしかコメントできない事案であり、ピンポイントで強震になったはっきりとした原因はいまだに不明である。


ちなみに、過去に日本周辺で発生した地震の中で、M5.0未満で最大震度が6以上であったのはこの地震が唯一であり、震度5強以上を記録した全ての地震の中でもマグニチュードが最小であった。


この地震のようにマグニチュードの割に震度が大きい地震としては、ほかに2011年3月12日に長野県北部で起きたM3.7・震度5弱の地震(長野県北部地震の余震)、2016年4月29日に大分県中部で起きたM4.5・震度5強の地震(熊本地震の誘発地震)などをあげることができる。

前者は、史上最も小さいマグニチュードで震度5以上を記録した地震でもあり、後者は、5強を記録した全地震の中で最もマグニチュードが小さかった。


NHKでは、地震自体の規模が小さすぎて緊急地震速報が発表されなかったことから、番組の途中でいきなり緊急放送の全中チャイム(震度6弱以上で鳴る)を伴う地震のニュースに切り替わった。このようなことは、緊急地震速報が運用開始される前の2007年以前の大地震ではよくあったことだが、逆にそれ以降はほとんど見られなくなっており、その意味でも希少な地震となった。



地殻変動編集

この地震では、輪島市西部で地面が(一瞬にして)最大4mも隆起するという、大規模な地殻変動が観測された。

この地殻変動の規模は、関東大震災を惹起した関東地震の2m(房総半島)の倍に達するほどのものであり、過去6000年間で最大級であったことから専門家ですら驚きの声をあげた。

特に、地盤の隆起が最大だった地点に近い輪島市門前町の鹿磯漁港では、転覆した漁船が隆起でむき出しとなった海底に乗り上げるなどの異様な光景が見られた。



しかしその一方で、この地殻変動のおかげで津波による被害がそこまで甚大にはならなかったという指摘もある。逆断層型の地震であったため、この隆起が(天然の)津波の防波堤となり、能登半島の北側では津波による被害が多少なりとも抑制されたのではないかと考えられている。



被害編集

本地震では、揺れそのものによる建物被害はもちろん、津波火災土砂災害液状化など、地震災害によって起こりうるほぼ全ての事象が特定の地域で同時多発的に起きたのが特徴である。


最も震度が大きかった能登半島付近、特に奥能登エリアの輪島市珠洲市で被害が多かった。

元々交通の便が良いとは言えない環境で古い住宅が多かったため、既存不適格の建物が多かったとみられ人家が珠洲市で1000棟ほど倒壊、港も破損したため自衛隊の艦船も接岸に困難が生じている。また、道路が土砂崩れによって寸断され、救助ができていない地域や家屋がある。

津波も東日本大震災よりは規模が狭かったとはいえ沿岸地域で家屋損壊などの被害をもたらし、死者も出た。

1月18日午後2時時点石川県内の8市町の50190軒で断水が続いている。およそ1万8000戸が断水している七尾市では、県が運営する水道の再開には2か月余りかかる見通しだとしている。

珠洲市や輪島市などでは、被害状況の確認が続けられ、復旧のめどは立っていない。

石川県内だけでも1月18日午後2時時点で232人が犠牲となった。

1月18日午後2時時時点で21名の方が安否不明となっている。また、安否不明者リストはこちら。被害状況安否不明者リスト

厳冬期の北陸という厳しい環境もあり災害関連死も出始めている。


新潟県から福井県の広い範囲にかけて液状化現象が発生している。

また能登半島の港湾付近が施設の破損だけでなく海底の隆起などにより使用不能となり、船が接岸できず支援に大きな支障をきたした。

奥能都の一部地域では道路が完全に寸断され、自衛隊が徒歩で文字通り道なき道を徒歩で支援物資を背負って運ぶことを余儀なくされた所もある。


また事実上の二次被害として、1月2日に被災地支援のため羽田空港から飛び立とうとしていた海上保安庁DHC-8が滑走路上でJALA350と激突し、双方が大破炎上羽田空港地上衝突事故)。JAL側の乗員乗客は火が回る前に全員脱出して無事だったものの、海保側の人員は6人中5人が殉職し、脱出した1人も重傷という事故が発生している。

地震が航空事故誘発するというのは極めて稀なことである。


被害の概要編集

  • 死者 341人(うち関連死112人)
  • 行方不明者 3人
  • 負傷者 1,334人
  • 全壊 6,273棟
  • 半壊 20,892棟

(2024年8月21日現在・総務省消防庁)


被害のほとんどが石川県(特に能登半島北部の奥能登地方)に集中しており、輪島市珠洲市の2市だけで260人以上(輪島市で142人・珠洲市で122人)が死亡、全犠牲者のおよそ8割を占めた。犠牲者の多くは家屋の倒壊などによる圧死である。また、石川県以外では、地理的に近接する新潟県富山県などで複数の重傷者や全壊家屋が出た。


日本において犠牲者が100人ないし200人を超えた震災は、2016年の熊本地震以来8年ぶりとなった。

しかし熊本地震は直接死が50人で災害関連死を含めて200人超なので、本地震は直接死だけで熊本地震の4倍となり、これ(直接死だけで100人超)は2011年の東日本大震災以来13年ぶりの事例となった。


震度7志賀町(死者7人)よりも、輪島市や震度6強の珠洲市の方が被害が圧倒的に大きかった。これは、そもそも珠洲市や輪島市の方が志賀町より人口が多いこともあるが(町と市の違い)、それ以上に、

  • 珠洲市が震源地のほぼ真上に位置していたこと。
  • 珠洲市と輪島市には築年数の長い(古い)建物が多かったこと。
  • 珠洲市では22年に6弱、23年に6強と、大きな地震が相次いで発生していたために建物が弱っていたこと。
  • 地震動の周期が1秒以上と木造家屋が被災しやすい「キラーパルス」であったこと。
  • 志賀町の地盤が輪島市や珠洲市よりも固(硬)かったこと。

などが原因として挙げられる。


同じ志賀町でも、町内で地域によって被害状況にバラツキがあり、震度7という激震にもかかわらず建物がほとんど倒壊しなかったことから「奇跡の町」と呼ばれた地区もあったくらいである。



元日に発生したという衝撃編集

言うまでもないが、年が明けたばかりの元日(1月1日)にこれほどの巨大災害が発生するというのは、少なくとも近年の日本では前例のないことであり(大晦日に発生した巨大地震としては1703年の元禄地震という例がある)、その意味では空前の大災害であった。


能登半島はただでさえ過疎高齢化(過疎化少子高齢化)が進んでいるが、元日のこの日ばかりは多数の帰省者が集まったことで通常よりも人口が増加していたため、人的被害が拡大した。帰省先で被災した人も非常に多く、犠牲者の中にも数多の帰省者がいた。


政府は冬期に国内で大地震が発生することの想定を行ってはきたが、それでも、帰省者が生まれ故郷に集まり、行政機関も手薄な元日という特異日に発災することの想定まではできておらず、これも被害が拡大した原因のひとつである。まさに国にとっても想定外の大災害といえよう。


被災者にしてみれば「なんで新年早々…」「元日に地震は卑怯だ」「正月の団欒を奪われた」などという気持ちだが、暦というのは人間が勝手に決めたものであって、46億年も生きている地球にしてみればそんな考え方はないのでやむを得ない。


もしも地震が起きるのがあと17〜18時間ほど早く、大晦日の深夜に発生していたら、紅白歌合戦(などの年末年始の特別番組)や年越しの瞬間どころではなくなり、年越しの時間も(除夜の鐘の中継などではなく)ずっと地震・津波関連のニュースが放送されるという、前例のない展開になっていたであろう。


災害は時と場所を選んではくれないので、常日頃から備えを進めることが大切である。


建物被害編集

輪島市河井町では、漆芸の株式会社五島屋の本社ビル(7階建て)が激震で根元からポキンと折れて横倒しになり、メディアでも本地震による建物被害の象徴的ともいえる光景として頻繁に取り上げられた。倒壊したビルは、隣にあった3階建て木造店舗兼住宅を押し潰し、2人が死亡した。巻き込まれたのは「わじまんま」という居酒屋であり、店主の妻と娘が(下敷きとなって)犠牲になった。余震が続発したことから、緊迫した救助活動は困難をきわめ、その様子は連日報道された。


このビルが倒壊した原因については、軟弱地盤に立地していたことや、揺れそのものが非常に激しかったこと、宮城県沖地震を契機に建築基準法が改正される前の1973年に建てられたものであり、しかもその3年後に増築されていたことなどが背景として挙げられたが、直接的な原因としては、激震で片側の杭が抜けたことで反対側に大きな負荷が生じたことから転倒に至ったものと考えられている。



火災編集

輪島市中心部で発生した大規模火災により、輪島朝市通りの200棟(約48000m²)余りの建造物が全焼するという、壊滅的な被害が出た。

阪神淡路大震災のときの神戸市長田区のように、輪島朝市はあたり一面が火の海となって灰燼に帰してしまったのである。

地獄絵図と化した輪島の火災の様子は、前述の同市でのビル倒壊の光景とともに、本地震による甚大な被害を象徴する映像のひとつとして、メディアで何度も報道されている。



液状化編集

液状化現象による被害も深刻であった。

特徴は「街ごと液状化した」とも表現できること。


特に液状化被害が甚大だったのは石川県内灘町である。特に人的被害はなかったが、マンホールが飛び出たり、水が湧き出したり、住宅が傾いたり、道路が波打ったりするなどの光景が多数見られた。

同町は震源から離れており、町内の最大震度も5弱と特別大きかったわけではないが、液状化しやすい(ゆるい)砂地盤であったために被害が拡大した可能性が指摘されている。


また、同様に震源から離れた新潟市内(特に震度5強の西区)でも液状化の被害が少なからず報告されたほか、富山県魚津市では震度4であったにもかかわらず(内灘町ほど甚大ではないが)液状化があった。

液状化被害は必ずしも揺れの大きな地域に集中するというわけではないことを、この例は示していると言える。液状化の可能性は、その地域の地盤や揺れ方によっても大きく変わってくる。



文化面の被害編集

能登地域にあった文化施設も多数の被害を被った。

  • 前述した輪島市の火災により、永井豪記念館朝ドラまれ』関連の展示を行っていた輪島ドラマ記念館が焼失した。
  • 珠洲市にある同人誌印刷所「スズトウシャドウ印刷」も被害を受け、印刷機材の破損、故障を公表している(参照)。また、スタッフ数名も安否の確認が数日間取れず全員の無事は確認できたものの数人が自宅に住める状況ではなく、破損を免れた完成済みの同人誌も道路の通行止めにより会場への運搬が困難となった。印刷の予約をしていた案件に関しては、他の印刷所の協力により振替えが可能となった。
  • 七尾市和倉温泉の旅館が軒並み建物の大規模損壊で営業中止を余儀なくされ、同じく同市に有った「のとじま水族館」では設備に大きな損傷を受けたことにより、飼育されていた2匹のジンベエザメが死亡、県外避難したイルカも一頭が死亡。
  • 金沢城の石垣が一部損壊。

他県でも、富山市にあるライブハウス「ソウルパワー」が機材や内装の破損により当面の営業休止を余儀なくされた。参照


被災地の出身・在住の公人では、金沢市に帰郷していた俳優の鈴木伸之夏菜が被災するも無事で、仕事で赴いていた武井壮などのタレントも高台に避難していた。参照

新潟出身のヴィジュアル系ヴォーカリスト・ryoが被災するも無事(参照)、Versaillesを脱退・引退して帰郷していたばかりだったYUKIも被災し実家と祖母の仏壇が破損する被害にあったが避難して無事だった。(参照


鉄道の被害編集

  • JR西日本のと鉄道IRいしかわ鉄道あいの風とやま鉄道えちごトキめき鉄道JR東日本などの路線で甚大な被害が出た。
  • JR西日本七尾線では多数の箇所でバラストの流出や架線柱の傾斜、橋梁のずれなどが報告されている。
  • 七尾線七尾駅にて停車中だった521系100番台金サワU03編成が被災。さらに、停車していたホームの一部が車体にもたれかかる形で崩壊した。また、七尾駅構内には同じ521系100番台4編成全8両とのと鉄道のディーゼルカー1両が停車または留置中だった。
  • 七尾線七尾駅へ回送として走行中だった681系金サワW08編成が和倉温泉駅〜七尾駅間で被災。また、地震の影響でパンタグラフが破損した。長らく停車中だったが、1月27日にDE10機関車(1541号機)の救援で金沢まで回送された。2月に修理を受けて運用復帰したものの、3月までに廃車となる予定。
  • 七尾線特急能登かがり火8号として金沢方面へ走行中だった683系0番台W36編成は横山駅〜高松駅間にて被災。しかし、こちらの編成は被害が無かったため、2日早朝に金沢まで回送。翌3日には運用復帰している。
  • JR七尾線・のと鉄道線は1月12日現在でも懸命な復旧工事が続いており、高松駅〜羽咋駅は15日始発から地震の被害が大きかった敷波駅〜羽咋駅で徐行し、一部減便の上再開・羽咋駅〜七尾駅は22日始発から再開・和倉温泉駅〜能登中島駅間は2月15日から再開した。七尾駅〜和倉温泉駅間は引き続き運休。4月6日、約3か月ぶりに全線での運行を再開した。

七尾線1月5日からのダイヤはこちら→参照

  • 越後線の内野駅 - 新潟大学前駅間で道床の陥没が発生。復旧工事の結果、1月6日13:00より運転を再開した。
  • 北陸本線復旧後、最初の臨時特急電車として大阪発金沢行きの臨時特急サンダーバード95号・新大阪発金沢行きの臨時特急サンダーバード97号をそれぞれ12両で、芦原温泉発大阪行き臨時特急サンダーバード88号を9両編成で運転した。

二次災害編集

地震から8カ月後、被災地である奥能登地方は記録的な集中豪雨に見舞われた。いわゆる「能登半島豪雨」である。地震の影響で地盤が緩んでいた被災地では各地で土砂崩れが多発し、仮設住宅も床上浸水したりするなど、再び甚大な被害が発生して多くの死者や行方不明者を出した。


支援している企業・団体編集

飲食系編集


小売系編集


通信系編集


輸送系編集


芸能関係編集

  • :「被災された全ての皆様が1日も早く元の生活に戻られる事を心より祈念致します」と言う連名と共に特別映画の興業収入を全額寄付した。
  • SMILE-UP.:1月28日に東山紀之社長ら6人が珠洲市内の避難所でラーメンの炊き出しを実施。
  • 粗品霜降り明星):競馬で大勝した金を石川県に即募金した。
  • HIKAKIN/はじめしゃちょー/コムドット:配信で募金をして見せたり、スパチャを寄付する企画などを行う。
  • 浜崎あゆみ
  • YOSHIKI
  • 宮迫博之:宝くじで高額当選した金を寄付。また自身がオーナーとして携わっている牛宮城・オムサコライスの炊き出しを実施。
  • MISIA:被災地での炊き出しに複数回参加。
  • 舘ひろし石原軍団時代の炊き出し経験を活かし、マネージャーや関係者数人連れて被災地入りして炊き出しを行った。

スポーツ関係編集


アニメ・ゲーム関係編集


政府・行政の対応編集

岸田総理大臣は、特定災害対策本部から非常災害対策本部に格上げし、岸田総理本人が本部長を行うと、記者会見で発表した。

地震に関する非常災害対策本部の設置は平成28年熊本地震以来、8年ぶりとなる。

当年1月14日に岸田総理本人が現地に訪れた。


石川県の馳浩知事は発災当時東京に滞在していたが元閣僚というツテを生かして官邸内に事実上の臨時対策部署を作り、自衛隊のヘリコプターで石川県に戻った。


能登半島は大きめの余震が頻発したことや復旧作業に時間がかかることから、高齢者や未成年の二次避難という名の疎開が推進され、輪島市などの中学生のうち希望者を比較的被害が少ない加賀方面の研修施設やホテルなどで教員の引率のもとで当面集団生活を送らせることとなった。


宮内庁天皇皇后両陛下を始め皇族方が被災地及び被災者に配慮する形で一般参賀を中止し、その後被災者に配慮する形で被災地を訪問すると発表した。また秋篠宮皇嗣殿下が皇族代表として金沢市内の病院に訪問され、病院関係者と対話した。

その後両陛下は被災地に訪問し、皇嗣殿下も被災した農業関係者と対話した。


海外の対応編集

被害の大きい能登半島の道路状況の悪さから、外国の救援隊受け入れは固辞することになり米軍のみが作業面の支援に関わった。


台湾は市民からの募金を募り、韓国政府からも4億円以上の人道支援金が送られた。


また英国チャールズ3世国王陛下を始め世界各国の王室や政府も被災地にお見舞いの言葉を述べられた。


支援したい人へ編集

自治体や日本赤十字社の義援金・募金受付口座は以下を参照。災害に便乗した信頼がおけない団体の募金には用心すること。

  • 石川県開設の義援金受付口座:北國銀行(参照
  • 日本赤十字社石川県支部開設の募金専用口座:北國銀行(参照
  • 民間では1月2日よりYahoo!参照)やDMM.com参照。石川県が創業地であり、加賀市の倉庫や金沢市のグループ企業が被災した)が募金を受け付けている。

特に奥能登地域は道路が各所寸断され復旧に時間がかかるため、現地への災害ボランティアは社会福祉協議会及び各自治体からのアナウンスがあるまで慎むこと。


何もせず地元で経済を回す」のも支援です。

被災地の企業の製品が店頭にあれば購入するのもおすすめ。

必ず正規のルートで購入すること。転売ヤーから買ってはならない。


物資の支援も奥能登方面の道路事情が極めて悪いため、企業や公的機関に任せ個人では慎むこと。悲しいことに、支援物資として大量の古着や賞味期限切れの食品などを送りつける迷惑行為があることも判明している。(参照記事・FNNプライムオンライン(2024年1月10日)


親族や友人への支援も、道路状況が改善された地区宛にしておかないとただでさえ細った物流を詰まらせることになる。


ヤマザキパンフジパンコカコーラ吉野家などの大手食料品系企業が大規模支援に乗り出しており、これらの製品を購入することで支援しようという呼びかけも行われている。


また全国各地の有名な神社仏閣寺社仏閣は元より公共施設にも被災地の義援金や募金箱が設置されてるのでそちらに寄付するのが望ましい。神社やお寺なら被災地復興及び被災者救済祈願するのが望ましい。


その他注意編集

消費者庁は「公的機関が、各家庭に電話等で義援金を求めることは考えられません。当該公的機関に確認しましょう」「募っている団体等の活動状況や使途をよく確認し、納得した上で義援金を寄付しましょう」「口座に振り込む場合は、振込先の名義をよく確認しましょう」とアドバイスし、不審に思ったときや被害に遭ったときには、各地の消費生活センターなど(消費者ホットライン「188」番)に相談するよう勧めています。


石川県警は公式X(旧Twitter)で、「震災の影響により手薄となった家屋等を対象とした窃盗、住民の不安や善意につけ込む詐欺等の被害の発生が懸念されます」として、貴重品を身の回りで保管するようアドバイス。また「実際とは異なる偽の情報や支援金を求める不審投稿インターネット上で確認されています」として偽・誤情報に注意喚起し、また「被害状況などについての悪質な虚偽情報の流布はしないでください」と呼びかけています。また警視庁警察庁も同様、上記の事を注意を呼びかけています。


ヤフーは、Yahoo!基金やYahoo!ネット募金の名称ロゴを使って寄付金を募るフィッシングサイトが確認されているとして注意を呼びかけ。また日本赤十字社は、過去に国内災害義援金などを開設した際、偽メールで「なりすましサイト」に誘導する事例が確認されたとし、「日本赤十字社が義援金協力のお願いを直接的なメールで行うことはございません」と注意喚起しています。


5大民放の募金や本物の募金を名乗った、偽物にも(募金詐欺)注意が必要。これらを題材としたスパムメール/詐欺等にも注意、偽職員や偽自衛官の出没もある。


またリーゼント刑事こと秋山博康氏も自身の動画で被災者の中には秋山氏のDMに助けを求めるメッセージが送られたと述べられ、また被災地を狙った犯罪が起きるので注意するよう呼びかけ、その上で被災地及び被災者を狙った犯罪行為は断じて許さないと非難している。


影響・炎上事件編集

  • 上記の通り能登半島は交通網が寸断されているため自衛隊や行政、医療職など専門職以外の訪問を自重するよう再三呼びかけられていたが、炎上系配信者の幾人か(へずまりゅう煉獄コロアキなど)や、一部の政治家(れいわ新選組山本太郎や数人の日本共産党員)、TOBEの所属タレント数人、BE:FIRSTのリョウキなどの有名人がこの呼びかけを破った上で現地に赴いたため炎上することとなった。普通に食糧などの各種支援物資を持参(※後に他団体を通じて参加したと公表)して炊き出し(因みに某所のラーメン屋で期間限定で出品していたみそま)にも参加したへずまりゅうはまだしも、コロアキがTENGAを持参、TOBE一行が炊き出しメニューとして「餅と辛いカレー」を持ち込み、山本太郎が「別件で怪我していて力仕事ができない」という状態での訪問といった「災害ボランティアとして時期だけでなく本人が不適切な状態であったり発災直後の時期に持ち込むのに不適切な品」という点にも非難が殺到した。特にれいわ新選組は他の党員のSNSでの舌禍、TOBEは直前に滝沢社長犯罪歴のある配信者投げ銭をしていたスキャンダルも響き炎上に拍車がかかることとなった。
  • ボランティア受け入れ態勢が整った2月に入って、LUNASEAXJAPANのメンバーであるギタリストSUGIZOも被災地へ赴いてボランティア活動を行った。しかし、その際に被災して倒壊した建物の前で自撮りを撮影し、その画像をSNSに投稿したことで、「被災地で記念撮影した」と批判されて炎上している。
  • SNSでも町山智浩望月衣塑子等左派の著名人が「ヘリコプターで支援物資をばら撒けばいい」と言った、ヘリの特性やダウンウォッシュ二次災害の可能性や北陸の強風を無視した思いつきの発言を重ねて炎上する案件が続出。
  • この日は元日のため各テレビ局が正月特番を放送する予定だったが、地震の影響で各局が緊急報道態勢に移行した為に、殆どの特番が放送されない元日という異例の事態となった。また、津波警報発令のため避難を呼びかける放送では、正月という性質上、帰省中の人に対しての対応を呼びかけるという特別な対応が行われている。
    • ちなみにこの日真っ先に通常放送に復帰したのは、足並みを揃え緊急特番を放映したテレビ東京だった。ただし報道体制のハンデ(人員・予算の都合)に加え、中部地方には愛知県にしか系列局がないことにも留意する必要がある。とはいえ、この緊急編成には「重大危機」を改めて認識させる結果となった。
    • テレビ埼玉は「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」の放送を延期。
    • テレビ朝日の『格付けチェック』を始め、多くの正月特番が放送を延期する事態に。格付けチェックは毎年1日に放送されていたが、地震の影響で7日に再放送する事が決まった。
    • その直後の『相棒22』元日スペシャルは予定通り放送されたが、新たな震度7の地震速報により終盤残り数分で放送が打ち切られてしまった。事情が事情故に仕方ないと言う意見もあった一方で、「せめて放送が終わるまで待てなかったのか」、「こんなことになるのだったらやはり放送すべきではなかったのではないか」という不満の声が続出し、公式SNSにも多数の苦情が書き込まれて炎上する事態となった。現在はTVerTELASAで見逃し配信を行っているが、「地上波で見たい」と視聴者からの要望を受け3月27日に再放送もされた。
      • なお、23時03分頃の地震を、地震発生時の速報値では震度3で、その後に震度7と発表されたが、誤報であったとして取り消され、震度3へと元の震度に修正されている。つまり、気象庁が誤って発表した震度によって大事な場面で放送が打ち切られてしまうと言う、視聴者にとってはあんまりな事態となってしまった。
  • 葬送のフリーレン』の公式Xが地震当日17時に投稿した【日めくりヒンメル】の1日分に書かれていた文章が「平和な時代の幕開けには丁度いいな。」であり、不謹慎だと炎上した結果、投稿が削除された。
  • ウマ娘』などいくつかのCMを自粛となり、ACジャパンのCMに差し替えられた。
  • デレステ』、『ミリシタ』、『シャニマス』、『シャニソン』は公式Xの更新を自粛。
  • ラブライブ!蓮ノ空』は加賀友禅会館とのコラボを延期。
  • 五等分の花嫁』はキャストコメント動画の更新を延期。
  • プロジェクトセカイは『コネクトライブ 2nd ANNIVERSARY SPECIAL STAGE』ダイジェスト動画の公開を延期。
  • 傷物語-こよみヴァンプ-』はYouTubeでのCM放送を延期。
  • ソフトバンクは2024年1月いっぱいで終了予定だった3Gケータイサービスを4月15日終了に延期することを発表した。
  • 第100回箱根駅伝、第102回全国高等学校サッカー選手権大会、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会は予定通り実施され、テレビ中継も行われた。
  • 各種SNSにて誤情報を拡散するアカウントが続出。特にX(旧Twitter)に至ってはアフィリエイトでのインプレッション稼ぎ目的で拡散する者が多い(噂では反ワクチン等のCovidiot、陰謀論系のアカウントが大多数を占めているとされている)とされ、岸田首相も『許されない』と遺憾の意を表している。
    • ただ、救助を求める投稿に関しては人の生命が関わっている以上、情報の精査が簡単にはいかないため、松田悟志氏など一部の有名人が呼びかけてしまう事態に発展してしまった。
    • ラサール石井などの知名度が高い公人や左派のライターや編集者が「ホテル等の借り上げ避難所は有料」との思い込み(実際は無料)に基づいた非難ポストを行ったことに対しても、名指しこそ避けたものの岸田首相や馳知事から釘を刺す声明が出され石井も謝罪している。

X(旧Twitter)ハッシュタグ編集

#がんばろう北陸編集

#がんばろう日本編集

やらない善よりやる偽善

できることからやっていきましょう


参考資料・外部リンク編集

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