概要
誤報とは、誤った報道のこと。ニュースを伝えるマスメディア(報道機関)にとっては不祥事となる。
通常、何らかのミスか、あるいは取材先の虚言・記憶違いなどにより発生する。たまに記者などがスクープを捏造する行為や、政府やスポンサーなどの意向により印象操作などが行われる場合があるといわれるものの、「背後に何らかの意志が働いている」と憶測を巡らすことは陰謀論に片足を突っ込むことになるため、注意が必要。
例
- 単純なミス、誤植や誤変換等
- 記者等が誤解、あるいは故意に誤った原稿を作成しチェックをすり抜けて記事となる
- 海外発のニュースを誤訳
- 特ダネ狙いで裏づけを十分行わずに記事を掲載するが、リーク元の捏造だった
- 信頼性の低いソース、たとえば怪文書やネット上の情報等を用い報道するが、それが不正確あるいは虚偽だと判明
- ある証言を真実として報道したが、後にその証言が虚偽と判明
- いくつかの状況が予測される場合、予定原稿を作成する場合があるが、異なる結果の原稿を誤って発信してしまった
報道機関に落ち度がないケース
企業や政府などが発信したプレスリリースや記者会見などの公式発表、あるいは警察が発出した報道メモの内容が誤っており、これを報道した記事が結果として誤報となる場合がある。公的機関や大企業などの公式発表、あるいは警察の報道発表は、無名の一個人や非公式のリーク情報とは異なり十分な信頼が求められるため、これが誤っていた場合は主に発信元の責任が問われ、一般に報道機関に落ち度があるとはみなされない。
とはいえ、冤罪による報道被害は、根本的には警察の責任であることが多いが、報道機関も加担者として批判を浴びることがある。また、記者会見会場での報道機関の指摘により、会見に臨んだ責任者が事実を隠蔽・誤解していたことが判明することがある。報道は、当事者の公式発表だからといって事実を無批判に垂れ流していればよいというものではなく、相応のチェック力が期待されるのである。