概要
カナダのデ・ハビランド・カナダ社が1979年に開発を開始し、1983年に初飛行した。それまでデ・ハビランド・カナダはこれまでにDHC-1からDHC-7まで練習機、輸送機、旅客機を製造していた。DHC-8はDHC-7の開発・製造で得られた改善点を基に再発された双発のターボプロップ機である。
発展型
DHC-8-100
標準型。標準座席数は39。
DHC-8-200
- 100のエンジンをより強力なタイプに換装したもの。標準座席数は39。
DHC-8-300
- 200の胴体を延長し、エンジンもさらに強力なものへと換装された。標準座席数は56。
Qシリーズへ
1992年、デ・ハビランド・カナダはボンバルディアに買収された。DHC-8シリーズはQシリーズへと名前を変え、様々な改良がなされ製造されている。「Q」はQuietを表す。ただ、DHC-8-Q100のように、「DHC-8」の表記も併せて用いられることが多い。
現在製造されているのはQ400のみ。また、ボンバルディアはビジネス機のみに集中することとなったため、製造も2代目デ・ハビランド・カナダに移っている。現在は新工場へ生産を移転する都合で生産を休止中。
Qシリーズの型
Q100
標準型。日本では琉球エアーコミューターが運航。天草エアラインは2016年で退役させた。
Q200
Q100のエンジンを換装したタイプ。日本ではオリエンタルエアブリッジが運航。
Q300
胴体を延長し、エンジンを換装したタイプ。日本では琉球エアーコミューターが運航。ANAウイングスでも2014年まで運行されていた。
Q400(メイン画像)
さらに胴体を延長し、エンジンも換装、さらにプロペラも6枚ブレードのタイプとなっている。巡航速度が700km/h弱とターボプロップ旅客機としては高速で、短距離路線ならジェット旅客機と大差ない飛行時間で運行できるのが強み。日本ではYS-11の後継機という位置づけで日本エアコミューターとANAウイングスが運航。
なお、2000年代後半に降着装置絡みのトラブルが多発した機種としても知られており、日本では高知空港で降着装置が故障し胴体着陸事故を起こしている。その後対策が講じられ、日本の航空会社では現在も運航が続けられているものの、スカンジナビア航空に至っては「使用を継続すると自社のブランドを傷つける可能性がある」として退役させてしまっている。
胴体に装備を追加できる余裕があるため、消火剤タンクを追加した消防飛行機に改造された機体もある。
Q400CC
CCとは、カーゴ・コンビという意味。Q400の座席数を50席に抑える一方、客室後方の貨物室を従来の2.5倍に拡大したタイプ。日本では琉球エアーコミューターがQ100、Q300の後継機として導入している。