DHC-8
でぃーえいちしーだっしゅえいと
カナダの政府系航空機メーカー、デ・ハビランド・カナダ社(注:初代法人)が1979年に開発を開始し、1983年に初飛行させたコミューター路線向けの双発ターボプロップ旅客機。
それまで初代デ・ハビランド・カナダはDHC-1からDHC-7までの各種プロペラ練習機、輸送機、旅客機を製造していた。本機はそのうち、DHC-7の開発・製造で得られた改善点を基に開発されている。
1992年、民営化され一旦はボーイング傘下となっていた初代デ・ハビランド・カナダはボンバルディアに買収された。
DHC-8シリーズはQシリーズへと名前を変え、様々な改良がなされ製造されている。「Q」はQuietを表す。ただ、DHC-8-Q100のように、「DHC-8」の表記も併せて用いられることが多い。日本の航空ファンからは「ボンQ」の愛称で親しまれている。
製造休止と再開への模索
現在製造されているのはQ400のみだが、以下に述べる通りの理由で製造休止中である。
2018年にボンバルディア・エアロスペースは旅客機市場から撤退してビジネス機のみに集中することとなったため、DHC-8の型式証明と製造権は、DHC-1~7までの権利を購入していたバイキング・エア(厳密にはその親会社ロングビュー・アビエイション・キャピタル)に売却。バイキング・エアはデ・ハビランド・カナダの商標権も合わせて購入しており、DHC-1~8の諸権利をすべて集約した子会社2代目デ・ハビランド・カナダが設立された。
2021年に従来のボンバルディアの工場での製造終了(リースのためバイキング・エアへの移管はできなかった)後は生産休止に入っている。2025年現在、2代目法人による新工場が立ち上がり始めているが、空中消火消防艇であるボンバルディアCL-415後継のDHC-515の製造のみを行っていて、DHC-8-Q400は生産再開準備中という状況である。したがって現状では受注活動が中心となっており、実際のデリバリーは2030年代に入ってからとなる見通し。これらの事情に寄って、2020年代はDHC-8の中古市場が旺盛となっている。
Q200
200に相当。日本ではオリエンタルエアブリッジが2024年まで運航。
Q400(メイン画像)
さらに胴体を延長し、エンジンも換装、さらにプロペラも6枚ブレードのタイプとなっている。巡航速度が700km/h弱とターボプロップ旅客機としては高速で、短距離路線ならジェット旅客機と大差ない飛行時間で運行できるのが強み。日本ではYS-11の後継機という位置づけで日本エアコミューターとANAウイングスが運航。前者では既に退役したが、後者は後継機にするはずだったSpaceJetが開発中止になった事を受け、メーカーから認定中古機を購入して当面は運用を継続する見込み。オリエンタルブリッジもANAウイングスとの共通事業機としてANAウイングスからリースして運用している。
なお、2000年代後半に降着装置絡みのトラブルが多発した機種としても知られており、日本では高知空港で降着装置が故障し胴体着陸事故を起こしている。その後対策が講じられ、日本の航空会社では現在も運航が続けられているものの、スカンジナビア航空に至っては「使用を継続すると自社のブランドを傷つける可能性がある」として退役させてしまっている。
胴体に装備を追加できる余裕があるため、消火剤タンクを追加した消防飛行機に改造された機体もある。
Q400CC
CCとは、カーゴ・コンビという意味。Q400の座席数を50席に抑える一方、客室後方の貨物室を従来の2.5倍に拡大したタイプ。日本では琉球エアーコミューターがQ100、Q300の後継機として導入している。



































