概要
日本航空傘下のコミューター航空会社である。
旧東亜国内航空(TDA、後の日本エアシステム)と鹿児島県・奄美群島の自治体の出資により、1983年に設立された。2004年にJASがJALに経営統合され消滅したことに伴い、JALグループ入り。2020年からは運送の共同引受により全便が「日本航空(JL)」便名で運航されている。
11機のプロペラ機(ATRシリーズ)を保有し、鹿児島空港を拠点に西日本各地の地方空港を結ぶコミューター路線を運航している。
保有機材
2024年7月時点で11機を運用中。
全機が欧州(フランス・イタリア)製のATRシリーズであり、48席仕様の「ATR 42」を9機、70席仕様の「ATR 72」を2機運用している。コミューター機であるため普通席のみであり、クラスJのような上級クラスはない。
2017年から導入が進められており、比較的新しい機材が揃っているといえる。
機体記号はJA01JCからJA11JCまで割り振られており、このうち6号機(JA06JC)と8号機(JA08JC)がATR 72型、残りは42型である。
特別塗装機もいくつか存在する。1号機(JA01JC)と2号機(JA02JC)には「ハイビスカス」塗装があしらわれているほか、但馬空港の利用振興のために兵庫県が保有する5号機(JA05JC)※2には但馬ゆかりの「コウノトリ」が描かれている。
※2 1994年に高速交通の空白域を埋めるために但馬空港が開港したのだが、この際に旅客便の誘致が難航し、最終的に兵庫県が資金を出してサーブ340B型機を購入したことで、JACの就航が叶ったという経緯があった。2018年に経年化のためにATR機への更新をした際にも兵庫県が機材を購入したため、5号機の所有者は「但馬空港ターミナル」であり、JAC(JAL)はそこからリースする形で運航を行っている。
就航路線
国内線のみ運航。
2024年7月現在。全路線を掲載。△印は季節便。
全国7府県に路線網を持つ。
鹿児島県
- 鹿児島空港(最大拠点)
- 屋久島、種子島、喜界、奄美大島、徳之島、沖永良部、与論、松山、福岡
- 奄美空港
- 鹿児島、喜界、徳之島、与論※1
- 種子島空港
- 鹿児島
- 屋久島空港
- 鹿児島、大阪/伊丹、福岡
- 喜界空港
- 鹿児島、奄美大島
- 徳之島空港
- 鹿児島、奄美大島、沖永良部
- 沖永良部空港
- 鹿児島、徳之島、沖縄/那覇
- 与論空港
- 鹿児島、沖縄/那覇※1
大阪府
- 大阪国際空港
- 但馬、屋久島
兵庫県
- コウノトリ但馬空港
- 大阪/伊丹
島根県
愛媛県
- 松山空港
- 鹿児島
福岡県
- 福岡空港
- 鹿児島、屋久島、出雲
沖縄県
- 那覇空港
- 奄美大島※1、沖永良部
※1 奄美→与論→那覇→奄美のルートで運航している。
日系キャリア最後のYS-11
2006年に全機が引退したものの、日本の航空会社では最後まで国産機YS-11を運行したことでも知られている。