概要
国籍や人種を問わず救護活動や医療支援、広報等を行う国際団体『赤十字社』の内、日本に設置された赤十字社。主な活動は災害時の救護、海外での救護、赤十字病院の運営、血液事業、看護師等の育成など。
赤十字病院は第3次医療機関に指定されており、現在病院92箇所(うち分院1箇所、産院1箇所、)、診療所5箇所(うち健康管理センター2箇所)が山形県、奈良県、宮崎県を除く各県に設置されている。
看護師等の育成に関しては、国内14か所に専門学校を設置、更に1946年に設立した専門学校が前身の『学校法人日本赤十字学園』(1966年改称)を設立、大学及び短期大学(『日本赤十字看護大学』『日本赤十字北海道看護大学』『日本赤十字広島看護大学』『日本赤十字九州国際看護大学』『日本赤十字豊田看護大学』『日本赤十字秋田看護大学』『日本赤十字秋田短期大学』)を設立し運営している。
血液事業では2020年現在日本で唯一、献血の受け付けや献血にて採血した血を原料とする血液製剤の製造、医療機関への供給を行っている。
歴史
旧田野口藩主の伯爵大給恒(おぎゅう ゆずる)や元老院議官で後に伯爵となった佐野常民(さの つねたみ)、同じく後に子爵となる桜井忠興(さくらい ただおき)らが1877年に熊本洋学校(くまもとようがっこう、明治4年設立、明治9年閉鎖)に設立した博愛社(はくあいしゃ)が前身。
博愛社は国際赤十字の精神を発現する団体として創設され、赤十字として認知されるよう活動していたが設立時はなかなか理解されなかった。
1886年(明治19年)ジュネーヴ条約に調印した日本政府の方針により、翌1887年(明治20年)に日本赤十字社と改称し、特別社員および名誉社員制度を新設。
戦後は陸軍省や海軍省を引き継いだ厚生労働省の影響下にある。1952年(昭和27年)日本赤十字社法が制定されたことによって認可法人として設立された。