概要
着物の彩色技術である友禅の1つ。
500年以上前(少なくとも江戸時代より前)元々加賀染という染色技術があった加賀国に友禅のノウハウが渡り、組み合わさった事で産まれたとされる。
加賀五彩と言われる「臙脂、黄土、古代紫、草緑、藍」の色をメインに写実的な絵を書き込む手描き友禅として有名。
本来とは逆方向にぼかしていく独特な「ぼかし」技術と、わざと花や葉の絵を欠けさせ、その周辺に黒点を置いてリアリティを出す「虫食い葉(わくらば)」や、あらかじめ下絵の輪郭に沿って防染の糊を付ける事で色のはみだしを防ぐ「糸目糊」等の技術でも知られる。
かつては製造工程で余分な染料や糊を洗い流すために川に布を流す「浅野川での友禅流し」が景観としても有名であったが今はこの工程は人口の川で行うようになっており、現在は特別な出来事が無い限り天然の川での友禅流しは行っていない。
手描き友禅という職人の熟年の技術が全ての伝統工芸な上、一つの友禅を完成させるまでに手書きでは12工程も必要になる上それら全ての工程に職人の技術と環境要因が合わさるのでとんでもなく手間がかかるため、言うまでもなく超高級品。
自分で着れるものを買おうものなら一番安くて3万円強。マジなものを買おうものなら70万で安いレベルである。
加賀友禅会館で体験して小物を作るに関しては4000円ほどあればできるので旅行の思い出作りに自分の加賀友禅を持つのも良いだろう。
…とまぁ、作家の中には人間国宝がいるような、そんな格式の高さを窺わせる加賀友禅であるがオタクコンテンツに対するフットワークの軽さでもそれなりに有名であり、加賀ロリという石川県の伝統工芸をミックスしたプロモーション企画の1つとして加賀友禅とロリータファッションが合わさっている。
また、2020年には艦船擬人化STG「アズールレーン」に登場する人気キャラクターに「加賀がいる」というだけで(一応擬人化元である空母加賀の由来は加賀国ではあるが…)加賀友禅とコラボし、本作の加賀(と英国戦艦のフッド)をコンセプトにした加賀友禅をオーダーメイドしている。
こちらは2021年4月~2022年4月まで加賀友禅会館でコラボイベントを行い、実際に作成した加賀友禅が展示された。