2022年7月28日付けでプライバシーポリシーを改定しました。

詳細

大谷翔平

おおたにしょうへい

大谷翔平とは、ロサンゼルス・エンジェルス所属の日本人メジャーリーガー。異次元且つ規格外すぎる才能とパフォーマンスの持ち主として世界的に知られている。
目次[非表示]

~迷わずに駆け抜けろ 伝説の幕が開ける~
~さあ 気持ち込めて 進め 狙い定め~
~跳べ! 大谷! 夢の向こう側へ~
    北海道日本ハムファイターズ時代の応援歌

プロフィール

名前大谷翔平
英字表記SHOUHEI OHTANI
読み方しょうへい おおたに
愛称オオタニサン、ショウ、ショウタイム
所属ロサンゼルス・エンゼルス(背番号17)
出身岩手県奥州市
最終学歴花巻東高等学校
生年月日1994年7月5日
家族構成父・徹、母・加代子、兄・龍太、姉・結香、末子・本人
身長・体重193cm、95kg(2023年時点)
投球・打撃右投左打(元々は右打だったが、小学生時代に父親の勧めで左打に矯正され、その気になればスウィッチヒッターも可能)
ポジション投手外野手指名打者
プレイスタイル二刀流
プロ入り2012年ドラフト1位
日ハムの契約金1億5000万円
同初年俸1500万円(2013年)
同最高年俸2億7000万円(2017年・推定)
メジャー入り2017年ポスティング行使
エンジェルスの契約金2億6000万円
同初年俸6000万円(2018年)
同最高年俸43億5000万円(2023年・推定)
世界一の野球選手、アメリカ野球殿堂入り


概要

ロサンゼルス・エンゼルス所属のプロ野球選手メジャーリーガー)。
かつてNPB時代には北海道日本ハムファイターズに所属しており、中田翔と並ぶファイターズの看板選手として活躍していた。

後述のように、今は世界中の野球ファンの間で知らぬ者はいないであろう超スーパースター選手である大谷選手であるが、その最たる理由は、投手だけでなく野手としても出場する「二刀流」というプロでは極めて珍しく、最も稀少なタイプのプレイイングで成功を収めたからである。

野手としては外野手(主に右翼手)かDH(指名打者)での出場が主だが、彼が先発で登板する試合に限り、投手とDHを兼任する。兼任するだけでも普通有り得ないのに自身の登板試合で自ら援護点を上げる(ジエンゴほどの化け物ぶり。
投手としては、日本人投手で数少ない100マイル(160㎞/h)ボーラーでありながら絶対に打てない魔球スプリットや異様に曲がるスライダーや高速シンカー(トゥーシーム)など、球質抜群なコントロールピッチャーとしての側面も持ち、奪三振率が平均して高い傾向にある。
NPB時代や、メジャー挑戦後間もなくは試合によっては制球難に苦しむケースも多く、そのまま調子を掴めずに打ち込まれる展開になってしまうことも多かったが、制球力は年を追うごとに向上していっており(特にトミー・ジョン出術を受けて以降)、今や投手としても文句なしの実力者として君臨している。

ただし、二刀流プレイヤーの悲しき宿命なのか、1部門のスペシャリストにはどうしてもなれず、主要タイトルに恵まれない傾向にある(もっとも、彼本人は既存タイトルや表彰のために野球をやっているわけではないと強弁している)。獲得したタイトルはNPB時代の2015年に獲得した最多勝・最優秀防御率・最高勝率がそれぞれ1度のみ。
また、身体への負担を最大限考慮するため、規定投球回・規定打席数を両方同時にクリアしたこともプロ入り後2022年の1回のみ(規定投球回のみはNPB時代の2014年と2015年、規定打席数のみは2021年にそれぞれ達成している)である。……投打同時にダブル規定到達ということ自体がそもそも現代MLB史上初という前代未聞の記録なのだが(後述)。

人物像

他選手と乖離しすぎるプロ意識

実力のみならず、野球に取り組む姿勢も至って謙虚かつ真面目であり、プロ意識も非常に高い努力家でもある。チームメイトからも、こうした彼の野球に対するストイックな姿勢や、野球のためにあらゆる努力をつぎ込むことを惜しまないその姿勢が度々証言されている。
プロOBの松井秀喜氏は「野球界の常識を初めて打ち破りましたね。なぜ、その(二刀流という)発想が全くなかったのか。彼のレベルでなくても、両方できた人は普通にいたと思います。巨人でも桑田さん斎藤さん堀内さん金田さんはバッティングもよかったですし。野球生誕150年の歴史の中で、(二刀流の)発想が全くなかったこと自体、プロ球界(MLBも含む)の怠慢なのかもしれませんね」と自虐的に供述すると同時に、大谷選手の直向きなプロ意識を手放しに絶賛している。
鉄仮面であまり笑わないことで有名な現メッツのバック・ショーウォルター監督も「二刀流をやるには規律や禁欲が余りにも多く必要とされる。彼ほどの才能と二刀流をやり遂げる精神力を持った選手は他にいない。大谷翔平選手をよく見ておきなさい。彼のような選手はもう二度と現れないぞ」と評し、メッツが彼を獲得したらどうしたいのかと聞かれると「もちろん二刀流さ、バカにするのかい?」と珍しく微笑みながら応えた。

後述のように、日本人メジャーリーガーの中ではトップクラスの年俸を稼いでおり、(個人タイトルにはあまり恵まれていないものの)MVPを筆頭とする多くの賞を受賞しているが、彼は上記のようにタイトルや表彰、年俸の増額といったことには大きな関心を全く示していない。むしろお金はメシを食っていけるだけの経済力のみで充分とまで言い切っている。
彼は「チームを勝利に導くこと、誰もやったことがない野球をやることをモティヴェイションにすること」に価値を見出しており、それ以上でもそれ以下でもない。
タイトルや表彰、年俸額等は彼にとってはチームが勝利を重ねる上で後から付いてくる、せいぜいおまけ・副賞のようなものに過ぎないのである。

野球選手にとって、確かにチームの勝利も大事ではあるが、それ以上に年俸やタイトルなどの個人記録獲得や更新に野心を燃やす者が圧倒的に多く(というのか、例えチーム自体が負け優勝を逃したとしても、自分が大活躍して結果を残し、タイトル獲得や個人記録と年俸が大幅に更新できることを腹の底でほくそ笑んでいる……というのがプロの偽りなき本性と実態なのである)、大谷選手のようにチームの勝利への執念と貪欲さ・未知なるモノへの挑戦のみで純粋にプレイしている選手というのは、野球も含めたプロスポーツの世界では大変な変わり種とも言える。
もっとも、年俸やタイトルなどの個人記録獲得や更新に血道を上げるプロでありきたりな選手だからこそ、消耗や故障のリスクが非常に高すぎ中途半端な結果しか残せず選手生命が短命に終わってしまう二刀流を忌避し、投手か野手のどちらか一本に絞る夢がない現実的な専業選手を躊躇なく選択したのに対して、大谷選手のようにチームの勝利を最優先し、誰もやったことがない野球に挑戦したい選手だからこそ、「投打攻守走」を遺憾なく発揮でき夢と将来性を感じさせる二刀流を積極的に選択したとも言える。
もしも大谷選手が他の選手同様、チームよりも大金や自分のことを最優先し現実路線を最重視するスタンスの持ち主であったのならば、日ハムにそもそも入団することもなく即高卒メジャー挑戦し、投手一本でメジャーでプレイし、ナリーグのチームなら登板する試合しかバッティングをやらせてもらえず、彼の今の活躍や二刀流及び二刀流に纏わる現象も絶対になかったと言っても過言ではないだろう。
プロとしてどちらが正しいのかはともかく、同じプロ野球選手でもプレイスタイルやプロとしての在り方や矜持が前者と後者では非常に乖離しすぎていることが一般人にも窺い知ることができるだろう。

個人記録よりもチームの勝利を最優先する孝行者

要するに極端な話、彼は自分が結果を全く残せなくても味方が活躍してチーム自体が勝って優勝できればそれでも良しとし、逆に自分がどれだけ大活躍して結果を残せてもチーム自体が負け優勝を逃すことを全く快く思わないという考えの持ち主なのである。

ムス谷さん


彼のそのような姿勢を恩師である栗山英樹氏やジョー・マッドン氏は「彼の二刀流は、タイトルや個人記録を更新するためでも自身の立身出世のための道具でもなく、チームの勝利を最優先し貢献してくれる最高であり最強なプレイスタイル」と評しており、チーム孝行な彼を最大級にリスペクトしている。

こうした勝ちにこだわる姿勢は普段の試合からでも目にすることができる。

大谷翔平選手!


幼少期から負けず嫌いの傾向が元々強かったこともあってなのか、現在でも勝負がかかった重要な局面では普段の温厚さから想像もできないような凄まじい闘志と気迫を見せる(得点圏にランナーを背負いながらも後続の打者を打ち取った際などには、上掲のイラストのようにガッツポーズを取りながら雄叫びを上げる様子がしばしば見られる)。さらに、送りバント盗塁等、状況によってはパワーヒッターとしての意地とプライドをかなぐり捨てたかのようなプレイすら躊躇なく実行に移すこともあり、勝利の為であれば手段を択ばない一面も持ち合わせている(もちろん、あくまでルールや常識的なプレイの範囲内で…ということも付け加えておく)。

フィールド内外での人間性

球場で落ちているゴミを拾ったり、ファールフライを打ってしまった際に、ダグアウトに大声で呼び掛けて注意を促すなど、周囲への気配りができる人物でもあり、こういった点でも選手やマスコミから好印象を抱かれている。

これらは高校時代から既に徹底されており、彼の人間形成を語る上で絶対に欠かせないマンダラーチャート(人生目標達成シート)が大いに関連している。
そのマンダラーチャートの項目で彼は運勢と人間性を最も大切にしており、その運勢と人間性を高めるために誰もが嫌がるゴミ拾いや野球用具の片付けや手入れなどを決してスタッフ裏方任せにせず率先して行っており、下手なジャッジをやらかす審判員達にも挨拶等のコミュニケイションを積極的に行っている。
「何故ゴミを拾うのか?」と聞かれると、「ゴミ拾いをするのは、他人が捨てた幸運を拾うことでもある」と彼本人が供述しており、これらの行動が彼自身は元よりジャパン全体の好印象にも繋がっていき、様々な情報番組でも特集として連日のように取り上げられている。

野球に限らずスター選手ともなると、婦女子問題(つい最近ならこの3件が最も有名、)・金銭問題・飲酒問題・運転違反事故などのスキャンダルがすっぱ抜かれることも珍しくないが、彼の場合はそんな話を全く聞かない。というより、彼の私生活自体がそもそも話題に全く上がらないといった方が正しいのか。
彼は、基本的に練習や試合がない時は睡眠を取って体力の回復に努めているのか(あるインタビューで、「趣味は睡眠」と冗談めかして述べたことがあるほど、彼は睡眠による体調管理を徹底している)、コンディションを整えるためにトレイニングをしているのかのどちらかであり、そんなスキャンダルに巻き込まれそうな場所に赴く機会が全くないのだと思われる。
というのか、「メシを食っていけるだけの経済力があれば充分」とまで言い切っている辺り、女の子漁り&遊び等の豪遊とは全く程遠い私生活をそもそも送っているであろうことは容易に想像できるだろう。
日ハム時代でも中田選手(現巨人)達先輩に飲みに誘われたが「メシのみなら行ってもいいですけど、(酒を)飲んでなにが楽しいんですか?それなら練習して野球が上手くなったほうがめちゃくちゃ格好いいじゃないですか!」と真顔でお断りをした。
さらにメジャーで超スーパースターとなった現在でも、彼は球場と居住マンションの行き来の往復のみを日常茶飯事的に繰り返しており、超スーパースターとなった彼のスキャンダル現場を抑えようとパパラッチ達が彼の日常生活をストーカーのように連日尾行し続けたこともあったが、スキャンダルのスの字も全く出ないほどの堅実な日常生活ぶりに、そのパパラッチ達が肩透かしをまんまと喰らってしまったのである。彼らは彼のスキャンダルネタをダシにして一獲千金を狙ったつもりだろうが、逆に彼の質実剛健ぶりを実証させるためのダシに皮肉にも使われる結果となってしまい、彼の神格化ぶりをさらに際立たせることに一役も二役も買うハメになってしまったのである。
もっと言うならば、彼は昭和時代によく謳われた(酒・禁止薬物を)飲む・(煙草・麻薬を)吸う・(博打・ギャンブル・覚醒剤を)打つ・(高級車両・高級ブランド品・婦女子を)買う」という夜の四冠王を絶対にやらないほどの稀代な野球聖人なのである(逆に同じ球聖であるルース氏は幼少期の荒れた私生活が災いしたのか、現役時代は【飲む・吸う・打つ・買う】や不倫スキャンダル・運転事故もド派手にやりまくっており、それらが起因となり53歳という若さで他界された)。
なお、大谷選手自身も結婚(…というより恋愛)について現時点では興味を全く持っていないと言われている(というより、野球こそ恋人と豪語するぐらいである)。

フィールド上での異次元且つ規格外すぎるパフォーマンスのみならず、上記の日常的なゴミ拾いや挨拶、スキャンダルとは全く無縁な私生活、下記の「今日一日だけは憧れるのをやめ、勝つことだけに集中しましょう」という名言やリーダーシップが起因となり、2024年から藤井聡太棋士と共に、小学校の道徳や五教科の教科書のモデルに正式に採用されることとなった国民栄誉賞を受賞された、または候補に挙がった王貞治氏、長嶋茂雄氏、衣笠祥雄氏、福本豊氏、イチロー氏、松井秀喜氏ですら教科書のモデルに採用されなかったことを鑑みると、これは途轍もない大抜擢とも言えるだろう)。

意外な一面

その一方で、恩師である栗山英樹氏によると、「結構あまのじゃくなところもある人物」らしく、「『やってくれ』と頼むとやってくれないので、向こうから『やります』と言い出すのを待つ時もあった」とのこと。

また、「彼とはいつも野球の話しかしない。むしろ野球以外の話をするところを見たことがない」とも述べており、良くも悪くも野球のことを第一に考え続けている(悪い言い方をすれば、野球の事しかほぼ眼中にない)人物であることが窺える。

上記の教科書のモデルに採用された大谷選手としては俄かに信じられないが、彼の日ハム時代の同僚だった上沢直之投手、有原航平投手、近藤健介選手、杉谷拳士氏達からは悪ガキ・クソガキと称されている。日ハムでの彼の先輩イジリエピソードは都市伝説として結構有名なお話しである。しかしながら大谷選手は彼らから嫌われているどころか、大変好かれ愛されている。

上記の43.5億円という大型年俸を既に獲得した大谷選手は普段から全くいっていいほど散財せず、金がドンドン貯まっていく一方というエピソードは結構有名なお話しであるが、自身の野球にとって必要性を感じれば金に糸目を付けぬ処もある。シーズンが終わりジャパンに帰国するとトレイニング場所の拠点を確保するために東京の高級億ションを一括で購入したり、2023年WBCの東京予選に出場するために片道4000万円もするプライベイトジェットを手配してジャパンに凱旋帰国したというエピソードもある。
つまり彼は、野球と関連し必要性を感じれば金に糸目を付けずに使う太っ腹な一面を覗かせる好青年であり、単なるケチ野郎というわけではないのである。

評価・人気

国内での知名度および人気ぶりは、彼個人でJリーグサッカージャパンジャニーズAKBグループといった国民的アイドルユニットすら遥かに上回っているという意見もあり、それを裏付けるように彼のCM数やその単価は下手な選手やタレント・芸能人よりも非常に多く高額である。そのCMにはジャパン国内は勿論、外国企業からのCMも数多く含まれている(ちなみにジャパンの有名なタレント・芸能人は国内企業のCMに数多く起用されることはあっても、外国企業のそれに起用されることはまず絶対にないが、大谷選手はそんな既存概念すらCM業界でまたしても覆した)。大金よりも夢のために野球をやっている彼の姿勢は、スキャンダルとは全く無縁な野球人生を送っており、さらに2017年オフのメジャー労使協定で締結された「奴隷契約(最低年俸6000万円)」でありながらもさまざまな結果を残しまくり、コストパフォーマンス最強な超優良物件と実証されたことでお金や高級品が彼のほうに後から幾らでも追いかけて、彼の人気と株が日増しに爆上がりすることあっても暴落すること全くないほどの摩訶不思議な好青年でもある。
今ではジャパンのみにとどまらず世界中の球界関係者からも、サッカーにおけるリオネル・メッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手のような存在と評され、「世界で影響力が最もある100人」にもMLBは元より世界中の数多いるプロ野球選手の中から唯一選出されたり、「世界アスリート人気ランキング」でも野球選手として唯一ベスト10入りを果たすほどの世界的なセレブリティとなっている(サッカーやバスケ選手がベスト10をほぼ独占しているプロスポーツ界において、世界的にマイナーである野球でベスト10入りするのは、前人未踏且つ前代未聞、まさに奇跡とも呼ぶべき大偉業でもある)。

観客だけでなく、メジャーリーガーたちの間でもファンが多い人気者で、敵チームの選手と大谷選手が試合前やプレイの合間に笑顔で話すようなやりとりも数多く散見される。ジャスティン・ヴァーランダー投手のように、ベテランの域に既に達している選手ですら大谷選手のファンであることを公言している者までいるくらいである(実弟であるベン・ヴァーランダー氏も兄貴を超える「大谷翔平大マニア」を公言している)。

ただし、アメリカの野球ファン界隈では確かに人気者だが、ではアメリカ中で大人気なのかというとそうとは言い切れない。というのも、アメリカギャラップ社が2017年4月に公開した世論調査によると、「18歳から34歳の世代での好きなスポーツ」という項目で、野球は僅か6%を数える程度であった。かつてはアメリカを代表するスポーツと言われた野球も、現在ではファン層は50代後半が既に主体となっており、立派な「年長者層の観るスポーツ」という立ち位置となっていた。
要するにアメリカにおけるプロ野球(MLB)はジャパンにおける大相撲のようなマイナー寄りの立ち位置のプロスポーツであり、そこで活躍している大谷選手は丁度ジャパンで言うと「大相撲で照ノ富士っていう外国出身の力士が活躍しているよね」というレベルの立ち位置なのかもしれない。

漫画超えの主人公?

今では多くのプロ野球OBたちやメジャー関係者たちから、『野球の神様』ことベーブ・ルース氏に事あるごとに準えられて「100年に1人の超逸材」とまで評され、宇宙人モンスターユニコーンなど人外扱いされることもしばしば。
最近では二刀流をあれだけ散々否定したプロOB達が手の平を返すように「異次元な選手になってしまった」「我々ではもはや推し量れないほどの大選手になってしまった」「我々がどうのこうの言える選手ではなくなってしまった」、とあるOBからは「彼を悪く言う人は全くといっていいほどいませんね。むしろ彼を悪く言う奴、そいつ自身が一番な悪者とリスペクトを通り越して挙ってドン引きしている。

また、投手としても打者としても超一流という万能ぶりから、「まるで野球マンガの主人公のようだ」とよく言われるが、彼は正真正銘実在する人物である。むしろそんな正真正銘実在する人物だからこそ、「彼と同じ時代に生きていることを神様に感謝しなければならない」「一生に一度生まれるのかどうかわからない選手をリアルタイムで拝める幸せを当たり前と思ったら天罰が下る」とかつての王氏・長嶋氏よりもリスペクトされているのが窺える。

むしろフィクションの登場人物であれば「このキャラクターがチートな理由は『あらゆる能力・技能が超一流』『目立った弱点が、ほぼ皆無』」という「強い理由があまりにシンプルなのでキャラを立たせたり話を転がすのが困難」「主人公だと逆に面白みが無いキャラクター」「敵役や『主人公が乗り越えるべき壁』にした方が活きるキャラクター」とも言える。

歴史通な人からは「記録が嘘扱いされそう」「100年後辺りで他の選手の成績が混ざった架空な人物扱いされそう」と架空な人物候補(?)にされることも。実際のところは、彼の活躍は映像媒体にしっかりと記録・保存されているので、余程なことがない限りそんなことにはまずならないだろうが、「野球の神様」と讃えられるあのベーブ・ルース氏がそんな感じの存在になっているので猶更…というのもあるのだろう。

くどいようだが、この男は実在する

ネット上では、大谷選手に加え、上記の藤井聡太棋士、大谷選手と同年代の元フィギュアスケート選手の羽生結弦氏、やはり大谷選手と同年代でプロボクサー井上尚弥選手が「漫画の主人公(ただし、編集長からボツやNGを確実に食らう設定)」「なろう系主人公」と度々評されることもある。

そんな経緯から大谷選手や二刀流を題材とする漫画を描きたくても、今現在でも編集長からボツやNGを確実に食らってしまう現状なので、野球漫画家として著名な満田拓也氏(『MAJOR』)、あだち充氏(『タッチ』『H2』等)、寺嶋裕二氏(『ダイヤのA』)達ですら二の足を踏んでおり、野球漫画界の巨匠・御大であり、実在するプロ野球選手をこれまで何人も(イチロー氏・松井氏・松坂大輔氏等々)描いてきた故水島新司氏(『ドカベン』『あぶさん』等)ですら彼の二刀流をついに描くこともなくこの世を去られたのである

プロ野球入団経緯

岩手県水沢(現:奥州)市出身。
父は社会人野球、母はバドミントン選手というアスリート一家の末っ子として生まれる。
現在トロント・ブルージェイズに所属する菊池雄星に憧れ、彼の出身校である花巻東高校へ進学。3年春の選抜で大阪桐蔭高校の藤浪晋太郎(現阪神)からホームランを打ったことがあり、3年夏の岩手県大会ではアマチュア野球史上初となる160㎞/hを記録し、国内だけでなくメジャーリーグからも注目を浴びる。しかし、同大会では決勝戦で惜しくも敗退し、夏の甲子園への出場は果たせず終いであった。

高校野球終了後、NPBを経由せず直接メジャーに挑戦する意思を明らかにしていたため、それを聞いた各球団はドラフト会議での1位指名を諦めていたが、日本ハムだけが彼をドラフトで指名することを表明し、彼を当日に1位で強行指名した。
彼は当初入団交渉に難色を示しており、やはり彼のプロ野球入りは実現しないと思われたが、NPBでの挑戦を望んだ父や、栗山英樹監督の粘り強い交渉に加えて、球団側が提示した「大谷翔平君 夢への道しるべ~ジャパンスポーツにおける若年期海外進出の考察~」と題された資料(後に球団が公開、現在は公開終了)と二刀流育成プロジェクト、前年までダルビッシュ有が付けていた背番号11、そして「誰も歩いたことがない道をキミには是非歩いてもらいたい!」という栗山監督の口説き文句に心を大きく動かされた形で、ファイターズ入団を決意した。



「(投手として)10勝以上(打者として)打率3割以上」という前人未到の記録を目標に掲げた。

日本ハムファイターズ ・ 投手 大谷翔平
日本ハムファイターズ ・ 打者 大谷翔平



プロ入り後の活躍

2013年

オープン戦(ヤクルト)で初登板した際、初投球のボールを相方捕手の鶴岡慎也が受けた後にファールグラウンドに転がしている様子が当時の映像から確認されるが、これはいずれ野球殿堂博物館の展示品としてそのボールが必要になることが当時より見込まれたため。大谷に対する当時からの期待の程が窺える。

開幕戦で、初スタメン・初ヒット・初打点・初決勝打・初ヒーローインタビューを達成。
7月10日楽天戦クリネックススタジアムで初本塁打(2ラン)

2014年

5月13日対西武戦にて、プロ入り最速の158km/hを記録したにとどまらず、プロ入り初完投・初完封もマーク。
6月4日の広島戦にて、ついに高校時代に記録した自己最速タイの160km/hをプロ入り後初めて記録した。
7月5日、20歳の記念日にプロ入り後初の1試合2本塁打を達成。
9月7日、遂に金字塔を打ち立てる。あのベーブ・ルースが96年前に打ち立てたシーズン2桁勝利&2桁本塁打を達成。1982年に韓国金城漢が記録して以来32年ぶりの達成と同時にNPB史上初の偉業であり、彼がアメリカでジャパニーズベーブ・ルースと呼ばれるきっかけとなった。

2015年

プロ3年目にして開幕投手に任命される。この影響もあり、チケットは即日完売となり入場者数4万人を超えた。
その後、脚の痙攣などで途中降板が多発するも、登板した試合は全て勝ちの権利を得て無傷の五連勝
結果的に最多勝利、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠を達成。一方で打者としては打率ほぼ2割、5本塁打と振るわなかった。

2016年

2016年、後年まで語り継がれるであろう、快刀乱麻の活躍を見せている。

まずは6月5日、セパ交流戦巨人戦において「5番ピッチャー」として出場。
4回裏、この日6番に立ったクルーズへ対する4球目でNPB史上最速となる163km/hをマーク
投げては10奪三振の完投、打っては1安打1打点とリアル二刀流の完成を期待させる内容となった。
続いて7月3日、対ソフトバンク戦にて、1番ピッチャーとして出場。
これだけでもド肝を抜くが、初回に先頭打者初球ホームランを放ち、8回まで投げて勝利投手となり、チームも対ホークス戦久しぶりの3連勝で10連勝。最終的には球団新記録となる15連勝を達成し、ソフトバンクを猛追する要因となった。

そしてこれで終わらないのが2016年の大谷翔平である
直前の試合でマメを潰し投手として登板は出来なかったものの、特例措置を受けて出場したオールスターでは打者として獅子奮迅の活躍を見せた。

まず第一戦では、去年トリプルスリーを達成した山田哲人柳田悠岐の両名を抑え、ホームランダービーを制覇
そして第二戦、逆転の口火となるソロアーチを披露したのをはじめ、4打席3安打1ホーマー2打点2得点と、この試合でパリーグの5得点のうち3得点に絡み、第2戦のMVPに選出された。
なお、ピッチャー登録の選手がオールスターでホームランを撃つのは江夏豊以来54年ぶりの事である。
8月26日の西武戦で代打で出場し、節目の20本塁打を達成。
9月13日、オリックス戦にて糸井嘉男への投球で自身が持つ最速記録を塗り替える164km/hをマークした
9月28日、優勝がかかった西武戦にて先発出場。15奪三振、被安打1の完封勝利を挙げ、チームのリーグ優勝達成に貢献した。大谷にとってはこれが初の優勝経験となる。
また、この試合で10勝目を挙げたことでNPBどころかMLBも含めたプロ野球史上初となる「10勝、100安打、20本塁打」を達成した。
そしてホークスを迎え撃つクライマックスシリーズではファイナルステージ初戦の先発投手を任されると共に全試合で打者としても出場。7回無失点の好投やタイムリーを打つなど大暴れした挙句、第五戦では指名打者として四打席立った後、最終回にDHを解除して救援登板し、最速記録を塗り替える165km/hを複数回記録したり、最速151km/hのフォークボールを投じるなどして三者凡退に打ち取り、ペナントレースに引き続き胴上げ投手となった。
10月25日、札幌ドームで行われたカープとの日本シリーズ第3戦で3番DHとして出場、日ハム2連敗中で負けると相手に王手がかかる大事なゲームで、黒田博樹から二塁打を2本放つと、延長10回裏では2アウト2塁の場面で大瀬良大地から1・2塁間を破るライト前への逆転サヨナラタイムリーを放つ大活躍で日ハムに流れを一気に引き寄せ、2連敗から4連勝へと導き、日ハムの10年ぶり3回目の日本一に大きく貢献した。
投げては113球、6イニング、奪三振11、与四死球4、失点3、自責点3、防御率4.50を残し、打っては16打数6安打で打率.375、打点1となり、日ハム・広島全選手を通じて2位の打率を残した(ちなみに1位は広島のエルドレッド)。

そして迎えた2016年のNPB表彰式でも史上初の快挙を果たす。
なんとパ・リーグベストナイン部門の投手部門と指名打者部門の同時受賞である(本来投手部門と野手部門の同時受賞は出来ないが、大谷の活躍を考慮して規則が変更された)。さらにはパ・リーグMVPまで受賞。2位のブランドン・レアードとは5倍弱の差を付けてのぶっちぎりであった。

2017年

足首の怪我の影響でこの年は不本意なシーズンを送ることになり、投手としての出場は自己ワーストとなる僅か5試合(3勝2敗)に留まった。
しかしながら、9月下旬にはメジャー挑戦の意思を固め、札幌ドーム最終戦となる10月4日のオリックス戦では、藤村富美男以来66年ぶり、パでは史上初となる「4番投手」で先発出場。投げてはオリックス打線を2安打に抑え、10個の三振を奪う好投で完封勝利。打っては1安打1得点で自身の勝利に花を添え、国内最終登板を有終の美で飾った。また、この起用を決断した栗山監督も多くのファンから称賛された。

11月には球団からも大谷がポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦することが正式に発表され、移籍先の球団はもとより、メジャーでも彼の二刀流が実現するのかどうかということについても注目が集まった。
12月、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムへのポスティング移籍が内定。
この時、エンゼルスから「SHO TIME」というキャッチコピーと共に大々的な宣伝を行い、以降彼の活躍を同球団がこの言葉で表現するようになった(が、そのキャッチコピーが元々大将に使われていた物であったことを知っているのは、ファイターズファンのみであった)。


メジャー移籍後の活躍

2018年

メジャーオープン戦
鳴り物入りでメジャー入りを果たした大谷だが、打者では日本で全くといっていいほど経験したことがない執拗な内角攻めに遭ったり、彼の手元で微妙に変化するトゥーシームに大苦戦して、32打数4安打で打率.125という散々な結果に終わってしまった。
また投手でも、傾斜がきつく硬いマウンドと滑りやすいメジャー公式球に大変苦しみ、ボールが思ったコースにコントロールができず四死球を連発するだけでなく、160キロ近い速球を投げても回転数(スピンレート)が少ないために、キレとノビが大してないキレイなストレートという棒玉をメジャーの強打者たちにコテンパンに痛打されるなど、4試合を投げ8回・1/3、19被安打、17失点、6四死球、奪三振19、防御率17.28と大乱調で、ここに来て課題が投打両方でてんこ盛りになっている。

いくらまだオープン戦とはいえ、結果をある程度残さなければ、マイナーからの有望選手の突き上げと彼自身のマイナー契約なだけに、マイナー降格も決してあり得ないわけではない。
実際、地元ファンやメディアからは大谷の予想外な不調に失望したり、獲得を疑問視する論調が相次ぎ、日本のファンからも今後の先行きを不安視する声が出始めた。

しかし……

メジャーデビュー
アメリカメディアの多くがマイナー降格を示唆する中で迎えた彼のメジャー初先発が4/1日(日本時間2日)のアウェイでのアスレティックス戦で、161キロのファストボールや急降下する高速スプリットなど、6回を投げきり球数92で被弾1を含む被安打3・奪三振6・四球1・失点3(自責3)・防御率4.50で、クオリティスタート(QS、6回以上を自責3以内)を見事に達成し、試合も4-7でエンジェルスの勝利に大きく貢献し、メジャー初登板初勝利を挙げた。投打二刀流でのデビュー登板初白星はあのベーブ・ルース以来約100年(99年)ぶりの歴史的快挙である。



彼のメジャー初白星から興奮冷めやらぬ4/3(日本時間4日)のホーム開幕戦でのインディアンズ戦で「8番DH」でスタメン出場し、第1打席にいきなり3ランホームランを叩き出し、チームメイトから祝福された。このとき実況が放った「ビッグフライ! オオタニサン!(Big Fly! Ohtani-san!)」はその後彼の代名詞となっていく。

その後3試合連続本塁打7回1アウトまで完全試合など恐るべき強さを見せつけ、MLBを騒然とさせた。ベーブ・ルースの再来」という声が早くもこの時から出ている。
だが6月以降肘を故障し、投手として出場ができなくなってしまう。オフにトミー・ジョン手術を受けることが決定し、向こう1年間打者に専念することになった。
それでも打者としてホームランを打ちまくり、松井秀喜氏以来のシーズン20本塁打越えを達成。
終わってみれば投手として4勝2敗、防御率3.31、打者として打率.285、22本塁打、61打点。
新人王日本人選手が選ばれるのはイチロー以来17年ぶり4度目の選出。

なお、オープン戦で思うように結果が出なかったために、シーズン開幕前にイチロー氏の元を訪れてバッティングの技術指導をしてもらったことを後に明かしている。

2019年

トミー・ジョン手術からようやく復帰した彼は投手を今シーズンだけ断念して、DHに専念する決意を固めた。

そんな中、6/13日(日本時間14日)、セントピーターズバーグのトロピカーナフィールドで行われたレイズ戦で、「3番・指名打者」として出場し、彼はメジャー日本人初のサイクルヒットを達成した。初回無死一、二塁の打席で先制8号3ランを放つと、三回は左中間二塁打。四回の36分の停電中断をへて試合が再開された後の五回の打席で右翼線三塁打。偉業まで残り単打とした七回の打席中前打を放ち、偉業を見事に達成した。
尚、日本人野手メジャーリーガーとしてすでにレジェンド扱いされているあのイチロー氏と松井秀喜氏ですら全く達成できなかったサイクルヒットを、メジャーでまだ2年目の彼が伝説を最初に創ってしまったのだから、その凄まじさを我々一般人でも窺い知ることができるであろう。

エンジェルス広報部によると、チームのサイクルヒットは13年5月21日のマリナーズ戦でマイク・トラウト選手が達成して以来、8回目7人目という。メジャーでも通算326回目で、同年にはパイレーツのポランコ選手が4月5日のツインズ戦で成し遂げている。

2020年

再び投手としてもプレイするようになるも、このシーズンはコロナ禍の影響で試合数が激減。加えて、大谷自身も怪我の影響で全く調子が出ず、投げては2試合で0勝1敗、防御率37.80、打っては66試合中44試合出場で打率.190、7本塁打、24打点と散々。
二刀流はおろか来季の成績如何では戦力外もありえる状況だった……

2021年

二刀流、覚醒
そして、ポストシーズンへの渇望

今シーズンお疲れ様でした


もし二刀流として活躍出来なかったら、どちらか一つに絞らざるを得ないという悲愴な覚悟でこのシーズンに挑んでいた。
そして怪我から復帰し捲土重来を誓った2021年、投打にわたり大車輪な活躍を見せた

例年なら二刀流の大きな負担で長期離脱を余儀なくされてしまうが、2021年シーズンはシーズンを通して投打にフル稼働し(投打併せて155試合、計158試合出場、欠場は僅か4試合のみ)、しかも投打同時出場を本シーズン20回も記録。それだけでも人間離れしているのに打ってはホームランを量産し、投げては多くの試合でQS、HQSを達成。さらに足も速く長打や盗塁もお手の物。投打ともハイレベルな成績を残し、「二刀流の宇宙人」として全米や野球不毛なヨーロッパ(ドイツ・フランス・イタリア・イングランド・スペイン・オランダなど)にもその名が幅広く知られるようになった。
本塁打はあの松井秀喜氏の日本人シーズン最多本塁打記録31本を前半戦のうちに上回るという驚異的なハイペースで、特に7月は「単打の数より長打の数が多い」「大谷にとって単打を打つことは本塁打を打つより困難」と言われるほど長打を量産し、投手でありながら本塁打王に躍り出た。最終的に本塁打王には2本届かなかったものの、日本人最高記録の46本塁打を達成した(ちなみに、この年の本塁打王は48本のブラディミール・ゲレーロJR選手とサルバドール・ペレス選手が獲得)。
本塁打のみならず足でも活躍し、シーズン8三塁打、26盗塁を記録。三塁打はリーグ1位タイで、投手として20盗塁以上は20世紀以降初。その足の速さは7月2日の試合で9回の裏、四球で出塁するとすぐさま二盗し、そこからウォルシュ選手のヒットで激走した大谷がサヨナラのホームインを決めたことで大いに話題となった。

投げては2桁勝利に僅かに届かなかったものの9勝2敗(エンジェルスの勝ち頭)、防御率は3.18を記録。立ち上がりに不安が残る試合が多かったものの2桁奪三振をコンスタントに記録し、シーズン100投球回100奪三振を達成した。中でも8月18日に登板した試合では自ら追加点となる本塁打を放ち、勝ち投手となった。

当然オールスターにも文句なしの初出場。そしてここでも彼は伝説を残す。
前夜祭のホームランダービーに日本人として初めて出場し、1回戦敗退ながらナショナルズのフアン・ソト選手相手に2度の延長戦を繰り広げ、会場を大いに沸かせると、翌日に何と投打同時出場、しかも「先発として登板し、降板後にはDHとして引き続き出場可能」という特例までつけられた。結果打者としては無安打に終わったが投手としては1回を3者凡退に抑え、オールスター特別ルールにより勝ち投手となった。
月間MVPも2度受賞し、これも日本人としては初となった。

だが、前半戦での無双ぶりに比べると後半戦では調子が今一つ出ておらず、前半戦では33本放っていた本塁打も13本に減少(これに関しては、上述のホームランダービーで彼本来のバッティングフォームを崩された影響もあるとされる)。さらにシーズン終盤に入ると、トラウト選手を筆頭とする他の主力打者が軒並み故障でチームを離脱したこともあって大谷選手に対するマークが一層厳しくなり、相手チームからの露骨な敬遠攻め(満塁ですら敬遠気味の四球を与えられるほど)に遭ったことで思うように活躍させてもらえなかった。
投手としては5勝をマークしたものの、103年ぶりの「2桁本塁打&2桁勝利」はお預けとなった。
強豪チームなら15勝以上しても不思議ではない投球内容ながら、なおエと称される通り彼がいいピッチングやバッティングをしても、後ろの投手【俗に言うナイトメア】が打ち込まれて彼の勝ち星が消され、エンジェルスが敗れるシーンも決して少なくなかった。
このため彼が試合後に球団への批判と共にポストシーズンへの渇望を口にし、球団やファンを震撼させる場面もあった。

それでも「投球回数130.1、奪三振156、安打138、得点103、打点100」の投打5部門でクウィンタプル100超えを達成(しかも、記念すべき100打点目をシーズン最終試合で46号ホームランで達成というまたもやとんでもないことをやらかした)。当然ながら史上初となる快挙である。
更に135年ぶり史上5人目となる150塁打150奪三振を達成。地味な扱いをされがちだが大記録である。

シーズン終了後、俗に“賞タイム”と呼ばれる12冠を受賞したことでも話題をさらった。
主なものだけでも以下がある。

  • ア・リーグMVP満票での受賞)
  • プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(両リーグ年間最優秀選手賞)
  • エンジェルスMVP
  • シルバースラッガー賞
  • コミッショナー・ヒストリック・アティーヴメント・アワード
  • エドガー・マルティネス賞

こうした目覚ましい功績を受けて、日本政府も22日に国民栄誉賞の授与を打診したが、イチロー氏同様彼もまた「貰うにはまだ早すぎる」という理由で受賞を辞退している。満票MVPを含むこれらの受賞も彼にとっては所詮通過点に過ぎないようで、新たなる夢と目標(ワールドチャンピオンと野球殿堂入り)を彼はすでに見据えている。

また、2021年のユーキャン新語・流⾏語⼤賞の年間大賞には、「リアル二刀流/ショウタイム」が選ばれた。

2022年

今シーズン、エンジェルスは序盤は絶好調で、一時はア・リーグ西地区1位をアストロズと争う程の健闘を見せたものの、5月以降に突然大失速、球団史上ワースト記録となる14連敗を喫し、大谷選手の二刀流の良き理解者でもあった、ジョー・マッドン監督が責任を取らされる形で解任に追い込まれた
対して、大谷選手は投打共に序盤はやや不調気味であったものの、皮肉なことにチームが不調に陥った5月ごろからギアが次第に上がりはじめ(チームの15連敗を阻止したのも他ならぬ大谷選手であった)、前半戦で本塁打19本、投手としても9勝5敗を挙げるなど奮闘した。

また、オールスターゲームにも2年連続で選ばれている(DH部門。アストロズのヨルダン・アルバレス選手との熾烈な得票争いを制しての選出となった)。今年は後半戦以降も見据えてなのか、打者に専念することになり、投手としての登板は見送られた。ホームランダービーへの出場もなかった。
なお、第1打席にドジャースのクレイトン・カーショー投手からオールスターゲーム初ヒットを放っている(ただし、直後に牽制球で刺されてアウトになった。オールスターでの牽制アウトは2008年以来の珍事だという)。

そして日本時間8月10日、遂に念願の10勝目をマーク。昨年度はあと一歩のところで惜しくも手が届かなったが、その雪辱を見事に果たすことになった。

これにより、ベーブ・ルース氏以来となる104年ぶりの「2桁勝利、2桁本塁打」が達成された。この試合では自ら25号ホームランを放ち、偉業に花を添えた。また、同時にこの試合で日米通算1000奪三振、イチロー氏を超える通算118本塁打もマークしている。 
そして同年の最終戦で現代MLB史上初となる規定投球回と規定打席数の両方をクリアするダブル規定を達成した。

打者としては本塁打数こそ34本、95打点に終わったものの、打率は.273と前年より上昇。投手としては15勝9敗、防御率2.33、奪三振219、奪三振率11.9を記録し、本塁打・打点・盗塁以外は前年を上回る成績を軒並みに収めた。

そしてシーズン終了後にエンジェルスは大谷選手との契約を1年延長。
年俸は推定43.5億と一気に跳ね上がった…だが、投打二刀流=選手二人分の活躍をしていると考えるとこれでも安すぎるのではという声すら上がっている(それでも日本人メジャーリーガー歴代最高額の契約ではあるが)

2023年

シーズン開幕前にWBCにて子供の頃に描いていた夢である「WBCジャパン代表」「WBCでMVP」を一気に達成してしまった大谷選手だったが、そのあと燃え尽きることなく、ワールドシリーズ制覇という夢のためにすぐエンジェルスへと戻っていった。

WBC後も調子は崩れる事なく、チームの大黒柱として投打ともに奮戦。

HR兜


コミュニケーション面でもヌートバー選手のペッパーミル・パフォーマンスに影響を受けたのか、チームでホームランを決めた選手に侍のをかぶせるパフォーマンスを提案し、受け入れられる。
今季からMLBは試合時間短縮の為に「ピッチクロック」という制度を導入しており、多くの選手がこのルールに困惑する中、大谷選手もピッチクロックの網にかかり、MLB初の投手・バッター両方でピッチクロックに捕まった選手となってしまった。むしろ他に誰がいるのか?

また、今シーズンからスライダーよりもさらに大きく変化するスイーパーという新球種を習得した。

このシーズンはカーブの強力さも話題に挙がっており、4月下旬時点ではシーズン平均落差64インチ(約162.6センチ)、最大落差は76インチ(約193センチ)の落差を誇る。カーブ自体は2022年シーズン辺りからちょくちょく投げていたが、このシーズンから決め球として通用するほどのキレとなった。

リアル二刀流でサイクルヒット未遂事件簿その1

4/27の本拠地のアスレティックス戦で「先発兼3番DH」のリアル二刀流として出場し、3回までは1人の走者も許さぬ完全試合ペースだったが、ピッチコムが不運にも故障してしまい、そこからリズムが狂って与四死球や暴投が絡んで2ランと3ラン本塁打を浴び5失点をいきなり喫してしまったが、5・6回は本来の投球を取り戻し無失点で切り抜けた。彼はこの5失点を故障したピッチコムのせいには一切せず、自分の不覚と冷静に反省していた。一方打つ方はシングル、二塁打、三塁打を放ち、本塁打をあと1本打てば2019年のレイズ戦以来の自身2度目(2019年シーズンはトミージョン手術の影響でDHのみの出場だった)、先発投手としてはメジャー史上初となるサイクルヒット達成となったが、スタンドインまであと1mちょっとの差のセンターへの大飛球となってしまい、サイクルヒットは未遂に終わってしまった。
…だが、野球ファンは突如な5失点とサイクル未遂にガッカリするどころか、むしろ彼の数少ない「人間アピール」として好意的に受け止めて概ね好評であり彼の人気と株は更に爆上がりだった。終わってみれば投手として、93球、6イニング、3被安打、2被本塁打、5失点、8奪三振、2四球、3死球、2暴投、4勝目をマーク。打者として、5打数3安打1打点の猛打賞をマークし、終盤にナイトメア達が失点し、あわや「なおエ」寸前な状態になるところだったが、8-7という「ルーズヴェルト・ゲームスコア」でエンジェルスがなんとか辛勝した。
冷静に考えてみれば、先発投手がサイクル安打目前の猛打賞をするという時点で既に何かがおかしいのだが、それを演じたのが他ならぬ大谷選手故に、最早誰も気に留める者はいない……。

リアル二刀流でサイクルヒット未遂事件簿その2

5/15の敵地ボルティモアのオリオールズ戦で「先発兼3番DH」のリアル二刀流として出場。初回の1打席目は四球。3回の2打席目は右前打。4回の3打席目は、1死1、2塁から右翼方向へあわや場外の特大3ラン。5回は右中間へ三塁打を放った。残すは「二塁打」となった7回の5打席目は二ゴロだった。9回は1人が出塁すれば大谷選手に打席が回る状況で、2死からトラウト選手が四球を選択。敵地スタジアムも異様な湧き上がりを見せる中、迎えた最終打席、最後は右手一本で左前に運んだ。この日4本目の安打を放ちながら、左前にボールが落ちた後、敵地はため息とブーイングに包まれ、またしてもサイクル未遂に終わってしまった。なお、先発投手で5度出塁は1964年以来59年ぶりの快記録。攻守交代でベンチに下がる大谷選手へ、三塁ベンチ側の観客がスタンディングオベイションで讃えていた。大谷選手は4勝目を挙げた4/27のアスレティックス戦でもサイクル安打へ本塁打を残すのみとしていたが、最終打席はフェンス手前の中飛。偉業まであと1mちょっとだったことが話題になっていた。投手としては、三者凡退の立ち上がりを見せた大谷選手だが、2回に2ランを献上。3回は先頭を四球で出すと、2死から2ランを再び浴びた。4回は三者凡退と立て直したが、5回はまたも2死からソロ。6回は三者凡退、7回は2死から四球で走者を出すも、無失点で切り抜けた。5失点は今季ワーストタイ。4試合連続被弾で、1試合3被弾は2021年8月敵地オリオールズ戦、2022年6月1日敵地ヤンキース戦以来となる自己ワーストだった。また、これで4戦連続3失点以上。防御率は今季初の3点台に突入し、3.23と悪化してしまった。結果は7回98球、4被安打5失点5奪三振2四球で今季5勝目を挙げ、5打数4安打3打点3得点1本塁打1四球と、投打両方で良くも悪くも大暴れし9-5でエンジェルスが勝利した。
 

侍ジャパンでの活躍

実は2017年第4回WBC侍ジャパンに選出され、活躍が期待されたが、足首の状態が思わしくなく出場を辞退した。しかし、この1か月前にダルビッシュ有と行ったトレーニングでキックボクシングをする動画が発見され、物議を醸した。


第5回WBCではかつての恩師であった栗山英樹監督からも召集を受け、メジャーリーガーの中でも早くから参加希望を表明。
大谷選手の正式な試合参加は本番開始直前の3月6日と大きく遅れることになったが、3月5日から試合前練習に参加する形で日本人ファンの前に姿を現す。

メジャーでさらに磨きをかけたバッティングは練習する姿ですらMLBのホームランダービーさながらのショウタイムとなり、他の侍ジャパン選手たちや対戦相手となっていたジャパンのプロ野球選手たちですら童心に帰ったような眼で観ていたほど(ただし、壮行試合の相手を務めたチームの監督の中にはそうした選手たちの様子に対して「遊びに来ている訳じゃない。(シーズン本戦ではないとはいえ)試合に勝とうという貪欲さが足りない」と苦言を呈する者もいた)。

大谷選手の打席ではかつて日本ハムファンが慣れ親しんだ大谷選手の応援歌が歌われた。
初陣となった阪神との試合では、セ・パ両リーグの本塁打王山川穂高選手、村上宗隆選手が成績不振だったのに対し「時差ぼけでコンディションに不安」と言いつつも2打席連続ホームラン(しかも1本目は『ルパン三世』の石川五ェ門及び『るろうに剣心』の緋村剣心のような左片膝着き右手一本スウィングという居合い斬り及び天翔龍閃ポーズ、2本目は詰まった上にバットが折れるというどちらもホームランにしては異常な状況だった)で大活躍。

燃えよ斬鉄剣
天翔龍閃
片手・膝つきでバックスクリーン
下強攻撃の当たり判定が広すぎるオオタニサン【落書き】


これにはベンチ内で試合を見守っていたチームメイトやコーチ陣も喜ぶのを通り越してドン引きしてしまったほどで、上記の山川選手も(彼とは対照的に本調子をなかなか出せないことへの自虐も込めてなのか)「競技が違う。あんなの見せられたら野球をマジで辞めたくなる」とボヤき、生で初めて拝んだ村上選手ですら「大谷さんのスウィングスピード、飛距離、弾道はボクとは全く別格すぎる。言葉が全く出て来ない」と舌を巻いた。
AMEBAで解説した西岡剛氏も「嘘やろ?」×3、「嘘やん」、「今のはないわ」、「今のはないやろ」×2、「膝ついてホンマに打ったやつやで」、「コレはマジでヤバいわ」と呆れ笑いを繰り返していた。

いざ本戦においてもその実力が衰えることはなく、ヌートバー選手、近藤健介選手、吉田正尚選手らと共に侍打線をけん引する大活躍を見せ、自身も1次ラウンド最終戦となるオーストラリア戦にてWBC第1号ホームランを打った
試合会場となる東京ドーム上段のスタンド、しかも彼自身の広告塔看板(セールスフォース社)を直撃する特大アーチをブチかまし、その規格外すぎるパワーを改めて見せつけることとなった。
野球ファンやアメリカメディアからは「野球漫画の主人公ですらできない芸当をあっさりとやりやがった野球界の主人公」と大絶賛され、オーストラリアのデーブ・ニルソン監督も「この試合最大な敗因は大谷選手のホームランだった」(実際、侍ジャパンの打者陣はこの大谷選手のホームランで一気に勢いづき、オーストラリア相手に6点差をつけて圧勝した)と脱帽する等、もはや笑うしかない圧巻すぎるパフォーマンスぶりだった。
一方、チェコ戦では先発投手のオンドジェイ・サトリア投手に星野伸之氏を連想させるピッチングで三振を取られ、サトリア投手を一躍有名にさせた。オーストラリア戦でもトッド・ヴァン・スティーンゼル投手に三振を取られている。

打撃もさることながら、投手としても第1試合のチャイナ戦と準々決勝のイタリア戦でリアル二刀流の先発登板。第1試合は4回を投げて無失点、準々決勝は終盤で疲労により2失点するもそれでも初回から全力投球を続けてチームを鼓舞する等活躍した。打撃ではイタリアの徹底されたシフト守備をかき乱す秘策としてなんとバントを敢行し、相手のミスを誘ってランナーの近藤を3塁まで進め、自身も出塁して大きくペースをつかんだ。

その後、当然と言わんばかりにプールBのMVPを獲得し、まさに「大谷翔平劇場」此処に極まれり状態だった

準決勝のメキシコ戦では最終回に4-5と敗退の危機に先頭打者としてトゥーベースヒットを放ち、ヘルメットを脱ぎ捨てて辿り着いた二塁ベース上で雄叫びを挙げ、メジャーのシーズンでも見たことないような凄まじい闘志を見せた。

大谷翔平


この勢いはメキシコの動揺と侍ジャパンの奮起を促し、続く吉田選手がフォアボールを選んで出塁、最後はここまで調子が良くなかった村上選手がサヨナラタイムリーで逆転し、決勝へと駒を進めた。


「僕からは1個だけ。(アメリカ代表に)憧れるのをやめましょう!ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていれば誰しもが聞いた事のあるような選手たちが、やっぱりいると思うんですけど、今日一日だけは憧れてしまったら越えられないんで。僕らは今日越えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つ事だけを考えていきましょう!さぁ、行こう!!」

翌日2023年3月22日。
日本を待ち受ける世界最強のライバル、アメリカ代表との決勝戦。
両国の旗手を務めるのは大谷と世界最高峰のバッターマイク・トラウト
二人は上述の通りエンゼルスの同僚であり、チームを代表する二枚看板でもある。

国旗を携えて二人が向かい合う姿は、やがて訪れる未来を予見するかのようだった。

決勝戦は片方がホームランを打てば打ち返し、投手もイニングごとに交代する夢のような継投劇が繰り広げられる。侍ジャパンはフォアボールによる満塁とヌートバーが辛くも掴み取った、或いは岡本和真がホームランで追加した1点が勝敗を分けるという、両者一歩も譲らない息詰まる投手戦となった。

9回表、ダルビッシュから後を託された投手は、大谷。
つい先ほどまでDH打者として打席に立ち、走っていた男がマウンドに立つ。

泥だらけのストッパー、泥だらけのリリーフピッチャーは初めてです
           ~侍ジャパン公認サポートキャプテン中居正広

大谷は一度ランナーを出すもダブルプレーでピンチをしのぎ、そしてアメリカ最後の打席に現れたのはマイク・トラウト。
漫画でもドラマでもこんな筋書きを用意できるだろうか

彼らの熾烈な一打席はフルカウントまでもつれ込み、運命を決める第6球目。

WBC最後の一球。大谷とトラウト。


かつてダルビッシュが2009年のWBCで優勝を決めたような鋭い140kmのスライダーをトラウトは捉えきれず空振り三振。ジャパンはWBC14年ぶりの優勝を7戦全勝で決めた

大谷翔平


振り返ってみれば大谷選手の先発で始まり、打者としての活躍を挟みながら、最後は大谷選手のクローザーで終わる今大会。
大谷選手は全体MVPにも選ばれ、WBCを最高な形で終えて、歴代最強侍ジャパンを世界中に見事に証明したのだった。

『野球』と書いて『大谷』と読む(韓国メディア)
世界で最高な試合だった。あんなドラマを作れるスポーツは他にない。野球はその点では完璧だと思う(エンジェルス監督 フィル・ネヴィン)
ジャパンが勝った。しかし、今夜の試合は野球界そのものの勝利だ(メキシコ代表監督 ベンジー・ギル)

大谷翔平の個人年度別成績・NPB編

年度別投手成績

年度登板先発完投完封勝利敗戦勝率投球回被安打被本塁打四球死球奪三振失点自責点防御率WHIP※1
2013131100301.00061.25743384630294.231.46
2014242432114.733155.1125757417950452.611.17
2015222253155.750160.2100746319640402.240.91
2016212041104.714140.089445817433291.860.96
2017551132.60025.113219029993.201.26
通算85821374215.737543.038424200236241621522.521.04


年度別打撃成績

年度打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打打点盗塁四球死球三振打率出塁率長打率OPS※2
20132041891445151320412164.238.284.376.660
201423421232581711031121048.274.338.505.842
201511910915224051718043.202.252.376.628
2016382323651041812267754198.322.416.5881.004
20172271982467161831024261.338.403.540.943
通算1170103515029670448166131194316.286.358.500.858


2017年シーズン終了時 日本ハム:実働5年
※1:(与四球+被安打)÷投球回。
※2:長打率+出塁率。

大谷翔平の個人年度別成績・MLB編

年度別投手成績

年度登板先発完投完封勝利敗戦勝率投球回被安打被本塁打与四球与死球奪三振失点自責点防御率WHIP※1
201810100042.66751.23862216319193.311.16
2020220001.0001.2308037737.806.60
202123230092.818130.19815441015648463.181.09
2022282800159.652166.01241444221945432.331.01
通算6363002814.683349.226335118134411191152.961.09

※2019年は右腕のトミージョン手術の影響で、投手のみ全休。

年度別打撃成績

年度打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打打点盗塁四球死球三振打率出塁率長打率OPS※2
20183673265993212226110372102.285.361.564.925
201942538451110205186212332110.286.343.505.848
2020175153232960724722050.190.291.366.657
20216395371031382684610026964189.257.372.592.965
202266658690160306349511725161.273.356.519.875
通算22721986326530103211273426626013612.267.354.532.886


2022年シーズン終了時 エンジェルス:実働5年
※1:(与四球+被安打)÷投球回。
※2:長打率+出塁率。

余談

中学・高校時代の体力テストでは全種目満点を獲得し、全国1位に輝いたことがある。

多摩動物公園生まれで現在神戸市立王子動物園に飼育されているアムールトラの雄、「ショウヘイ」は彼の名から取られている。(多摩動物公園出身のトラの名前は有名アスリートから取るのが通例のため)

第5回WBCの3月9日に行われたジャパン対チャイナ戦を観戦したYouTuber・がーどまんが「大谷選手が投げた球ゲットしたよ」とツイート。その後デイリースポーツが「大谷選手とがーどまんがLINEで繋がっており、0.1秒で返信」とする記事を掲載したが、実際にはこの0.1秒はLINEの公式アカウントを指すボケであり、がーどまんも「やばい間違えている全てが間違っている」と反応。そのためなのか、記事は現在削除されている。

小学一年生の頃に書かれたものとみられるノート(参照ツイート)には、将来の夢に「野球選手」と書かれていた。まさか、ここまで活躍するとは思わなかっただろう。一方でそれ故に「普通の(大人の)人」になれなかったようだ。因みにとあるキャラクターの絵が書かれており、かの原作者も反応していた(参照ツイート)。

二刀流誕生&復活秘話とその影響力

二刀流と呼ばれるまで

勘違いされやすいが、彼のプレイスタイル「二刀流」は本人が元々志願したものではなく、大谷選手獲得交渉の際に日ハム球団から提案されたもの。更に言えば、「二刀流を積極的に目指した」というよりは、「検討段階で投打のどちらかに絞ることができなかったので両方やらせてみた」が実態としては近い。
栗山英樹氏は彼をこう評していた。

  • あれだけの打つ才能投げる才能、どちらかひとつを消すことはできない
  • プロ野球じゃ(二刀流は)無理だと言うけれど、無理だと最初から言ったらできっこない。やってみなきゃわからないでしょう
  • 大谷翔平は佐々木朗希投手と村上宗隆選手の二つの才能を併せ持って一人にした選手
  • 大谷翔平に二刀流をやめろというのは【佐々木朗希投手に投手をやめろ、村上宗隆選手に打者をやめろ】と言うのと同じこと
  • 誰が(彼に二刀流を)やめさせる権利がありますか?
  • (彼に二刀流を)やめさせる人は有り得ないと思う
  • いつか一つになる時が来るのかもしれないが、それを決めるのは野球の神様か大谷翔平自身しかいない

とまで言い放ち、大谷選手が高卒からメジャーリーグへ挑戦するパイオニアになる代わりに、NPBで二刀流に挑戦するパイオニアとしての挑戦を後押しする覚悟を栗山氏は決めていた。
これに対してOBを中心に強い批判を浴びることとなったが、理由が全くないわけではない。

本名ジョージ・ハーマン・ルースJRことあのベーブ・ルース氏もデビュー当初は投手のみ、後に投手野手兼任プレイヤーだったが、その実態はというと、戦争や天災よって選手が慢性的に不足し誰かが一人二役をしないと試合そのものが成立しなかったので、首脳陣の説得により投手野手兼任を渋々やらされたというのが実態だった(ルース氏がそれを渋々やらされた経緯の詳細は二刀流(野球)を参照)。
1919年は希望通り野手としての出番が増え、1920年にヤンキースへ移籍すると、投手を本格的に務めることはなくなった。
NPBの藤村富美男氏、関根潤三氏、野口二郎氏などもルース氏と同じ理由で兼任せざるを得なかった選手であり、大谷選手が現れる前の「最後の二刀流」と呼ばれた嘉㔟敏弘氏はインタビューで「本当にしんどいイメージしか残っていない」「どっちかに専念したいと常に考えていた」と述べている。
名だたるプロ選手ですら苦痛にまみれる投手野手兼任を、ましてや積極的・継続的にこなすなど身体的限界からして絶対に有り得ないと考えられており、実際過去に挑んだ者こそあれ、誰一人定着できなかった。
詰まる所投手と野手の兼任は「プロにおいては本来忌避されるべきもの」「選手不足などの事情があって仕方なく行っていたもの」に過ぎなかった。

二刀流がもたらした影響

そんな実態から冷ややかな目で見られた二刀流挑戦だったが、大谷選手の目覚ましい活躍により評価は一変する。
NPBだけでもシーズンMVPのルール改正、指名打者解除制度の周知など、影響を少なからず与えたが、MLBではこれに留まらず、大谷選手に憧れた現役中のアレックス・ベルドゥーゴ選手やマイケル・ローレンゼン選手、プロにこれから入団する矢澤宏太選手やブライス・エルドリッジ選手などが二刀流挑戦を表明しただけでなく、大谷選手クラスとまではいかずとも「継続的に可能な二刀流」の模索が始まっている。
また、メジャー2022年シーズンでは、ナリーグにもDH枠が可能となることで両リーグのユニヴァーサルDHが採用されただけでなく(実はナリーグでは以前にもDH制の導入が議論されたが結局見送られたという経緯があったりする)、投手として登板した選手を降板させる場合、DH枠に入れ替えて出場を続けられるというルール改正;通称「大谷ルール」が導入された。
なお、このルール改正は彼の二刀流を思う存分に発揮させるのと同時に、彼に続く新たなる二刀流選手を誕生させたいというMLBの思惑と期待の表れでもある。このルールは早速第5回WBCにも適用されており、今後世界中のプロ・アマの野球にも浸透していくことが期待されている。
もしあのドラフト指名後に栗山氏と日ハムが二刀流を提案しなければ、今の彼や諸々の影響は絶対に存在しないと言ってよいだろう。



ダブル規定を達成できた価値を考察

上記の通り大谷翔平選手は2022年シーズンに投打同時のダブル規定達成を見事に果たしてくれた。それは1900年以降ではMLB史上初となる大偉業である。
ライト層は「打者で本塁打を何本打ったのか?投手で何勝したのか?奪三振をいくつとったのか?」で目が行きがちだが、規定打席数や規定投球回には大して注目していない。
ライト層にとって馴染みが薄いのが「規定到達」というフレーズ。これはチームの主力選手としての存在を証明するものである。
投手であれ野手であれ規定に到達できなければ、打率・打点・本塁打・勝ち星・奪三振・防御率などのタイトル争いにランク入りすることができなくなるのである。

投手の「規定投球回」は

  • チームの試合数×1イニング(162投球回)
と定義され、最優秀防御率のタイトルを獲得するために必要となる。

打者の「規定打席」は
  • チームの試合数×3.1(502打席)
と定義され、首位打者などのタイトルを獲得するために必要となる。
1回無失点で防御率0.00の選手、1打数1安打の打率1.000の選手がタイトル獲得という不公平性を排除するため、率にまつわる表彰項目の大前提条件である。

2022年シーズンの投手野手の規定到達者は下記の通り
規定打席数(502打席)規定投球回(162イニング)
打席に立った全選手:693人登板した全選手:871人
規定到達者:130人規定到達者:45人
割合:18.8%割合:5.2%



メジャー30球団で野手としての規定到達者は1チームにつきたったの4人のみ、投手としての規定到達者は1チームにつきたったの1人のみである。ちなみに、エンジェルスの規定投球回に達成できた投手は勿論大谷選手のみである。

つまり、「規定達成」は試合にそれだけ出続けて主力として結果を残し続けた存在の証しでもある。レギュラーを不振で外されたり、怪我で離脱があったりすると到達が非常に難しいのである。
一つの規定を達成するのも決して簡単ではないメジャーリーグで、それを大谷選手は投打2つの項目で同時に達成したのだから、あのベース・ルース氏ですら1918年に投球回は達成できたものの、打席数不足でダブル規定達成できなかったことを鑑みると、その価値は全く計り知れないものといえる。メジャー5年目の彼は規定打席数は2年連続、規定投球回は初となる到達となった。

大谷選手のプロ入団時から二刀流を一貫して賛成した落合博満氏は「プロにおいて投打同時でダブル規定達成できれば、それはもう大奇跡!本塁打を何本打とうが、投手で何勝しようが、数字なんかもうどうでもいい!」とまで豪語した。
今シーズンのアリーグMVPはロジャー・マリス氏のアリーグ61本塁打記録を更新した62本塁打のアーロン・ジャッジ選手に輝いたが、「MVPはジャッジ選手でもいいから、大谷選手のためにオオタニ賞かユニコーン賞を新設してくれ」という声が大谷マニアで有名なベン・ヴァーランダー氏を中心にネット上で世界中に拡散されていた。
価値が最もある選手はいったいどちらなのか…………その答えは大谷選手が現役引退してから数十年後に白日の下に晒されることとなるだろう。

ゲームにおいて



パワプロシリーズでは入団翌年のパワプロ2014より収録。OPにもファイターズの代表選手として登場しており、二刀流を表現する為にピッチングとスイングをする大谷が同時に登場するという演出がなされた。パワプロ2018以降はOB選手として収録されている。
作品および前年の記録によって能力は微妙に異なるがパワプロ2017(パワプロ2016のアップデート版)やパワプロアプリでは球速の最高が165キロに設定されている。

2017年1月に大谷がパワプロのイベントに招待されて同ゲームを遊んだ際に自身のDHを試合中に解除しようとしたができず、その機能がゲームに付いていなかったことが判明。このため同年発売のパワプロから試合中にDHを解除する機能が新設された。

パワプロアプリでは2017年7月に大谷翔平コラボとしてイベキャラとして実装された。実装を記念したCMにも登場。イベントでは大谷が高校時代に作ったとされる目標達成シートがエピソードの一つとして登場している。
同年の12月にはメジャー挑戦を記念して挑戦者バージョンが実装された。こちらのバージョンでは自分の目指すパラメーターになっており、ゲームとはいえ170キロを投げることができる。こういう選手になったら皆さんにもっと野球を楽しんで見ていただけると思うと大谷はコメントしている。

プロ野球スピリッツAではWBC決勝から数時間後に開催された侍ジャパンガチャにて他のメンバーたちと共に実装され、盛り上がりの効果もありあっという間にセールスランキング1位を達成した。

MLBを取り扱ったアメリカ製ゲーム「MLB THE SHOW」の22年版ではパッケージを飾る大抜擢となり、更にはMVP Editionとして漫画風イラストの特別パッケージ版も販売されている。
23年版にはWBCモードとしてWBCユニフォーム版も入手可能。さらには決勝最大の見せ場であった大谷VSトラウトの一打席を再現するパワプロのシナリオモードによく似たモードでも活躍する。

関連項目

  • ベーブ・ルース:投手と打者のどちらの分野でも傑出した成績を残した偉大な選手。通称「野球の神様」
  • 金城漢:韓国の元プロ野球選手で、ルースと大谷と同様シーズン2桁勝利&2桁本塁打を達成した人物。
  • プロ野球選手
  • 北海道日本ハムファイターズ
  • ロサンゼルス・エンゼルス
  • 二刀流
  • MLB
  • MVP:2021年に満票で受賞。
  • 無事之名馬:プロ通算9年目にしてやっと初めて獲得出来た、彼の自慢できる称号。
  • 菊池雄星:花巻東高校の先輩。上述したように、大谷は彼に憧れて花巻東に進学した。
  • ダルビッシュ有:現在メジャーで活躍する日ハムの元エース。大谷は高校時代「みちのくのダルビッシュ」とも呼ばれており、ダルビッシュ本人とも交流がある。現時点では対戦したことはないが、第5回WBC大会では共に侍ジャパンの中心としてチームをけん引した。
  • 佐々木朗希:大谷翔平選手の7学年下のエース。大船渡高校時代の2019年に163キロをマークし、彼の記録を僅か7年で更新した通称「令和の怪物」であり、大谷等と並ぶ日本でも数少ない100マイルボーラーの1人である。2022年4月10日のオリックス戦で20歳でのプロ野球史上最年少完全試合を達成。第5回WBC大会では侍ジャパンのチームメイトであり、大谷選手は佐々木投手を「ろうき」と呼称するほど親密な間柄となっている。
  • 村上宗隆:大谷翔平選手の6学年下の内野手。2022年に王貞治氏のNPBシーズン55本塁打記録を56号に更新し、22歳で史上最年少&令和初となる三冠王に輝いたジャパンの主砲。第5回WBC大会では侍ジャパンのチームメイトとなり、大谷は彼を“ムネ”と呼び、大会中不振に喘いでいた彼を何かと気にかけていたという。
  • 大谷智久もう一人の大谷と呼ばれている千葉ロッテマリーンズのベテラン投手。それなりな実績があるエリート投手だが、野球界を二刀流で震撼させる大谷翔平のパフォーマンスのおかげで、割を大変喰っているあらゆる意味可哀想なお方。
  • 沼田翔平もう一人の翔平と呼ばれている巨人の若き投手。支配下登録を巨人の育成ドラフトから2020年5月31日に勝ち取った苦労人。
  • 茂野吾郎:大谷翔平に一番近いスペックを有する野球漫画の主人公。100マイルを記録したことがある剛腕投手であり、打撃センスも野手顔負けである。
  • 野崎夕姫:上記と同じく近いスペックを有する女子野球ゲームのキャラ。こちらはメインは一塁手(ファースト)であるが、投手としても登場している。更に、URは投手として登場しており、性能もスキルも彼に寄せたハイスペック選手となっている。
  • スーパーヒーローの出番ですとある魔法少女シリーズ作品女子主人公の口癖を更に拡大版とした代物だが、大谷選手の登場シーンはこの口癖がまさに相応しいほどのリアルスーパーヒーローとなっている。
  • リアルチート
  • 若者の人間離れ
  • 宇宙人:ルース以上のパフォーマンスを披露し続けている故に、アメリカメディアが彼を挙って呼称している。
  • ユニコーン:メジャーでも唯一無二な存在として、アメリカが彼に呼称する創造的な一角獣。個人的には同じく創造的なペガサスの方が相応しいと思うが…………。
  • オオタニサン:メジャー移籍後のあだ名。元FOXニュースアナウンサーのビクター・ロハス氏が命名。
  • ドコカニイッテハヲミガク:2021年5月11日の対アストロズ戦でメジャー通算100奪三振を記録。その際に実況のアナウンサーが相手打者に対し、英語で「出直してこい」を意味する成句「Go away, and brush your teeth!」を文字通り機械翻訳して発言したもの。
  • LOST_IN_PARADISE_feat.AKLO:2021年に入場曲として使用。アニメ『呪術廻戦』が好きでよく観ていたことがチョイスの理由だとか。
  • ナイトメア:日本語で悪夢だが、彼が孤軍奮闘しても後ろの投手が打ち込まれて、試合を落とす最悪な結果がまさに「悪夢」ということで成立したエンジェルスの中継ぎ以降の投手の別(蔑)称。下記の「なおエ」とセット扱いになっている。
  • なおエ「なお、エンジェルスは負けました」の略語。孤軍奮闘な彼を悩ませている、彼の天敵とも言うべき俗語。
  • 大谷しか勝たん:上記「なおエ」の類義語。2022年5月以降、エンジェルスが深刻な低迷期を迎え、大谷の登板した試合でしかほぼ勝ち星を拾えなかったチームの現状に対して使われるようになった(本来は「~は最高だ」といった意味で使われるネットスラングであり、大谷選手の活躍とのダブルミーニングを込めた皮肉となっている)。
  • 器用万能:何でもソツなくこなせる反面、どれもこれも中途半端となる器用貧乏は吐いて腐るほど枚挙に暇がないが、大谷選手の場合はなんでも出来てあらゆるタイトル部門でベスト10入りできる超一流選手ぶり故に、下記の「もう全部〜」とセット扱いされている。
  • もう全部あいつ一人でいいんじゃないかなとあるマスカレイドヒーローシリーズチートキャラの無双ぶりを端的に表現したタグ。エンジェルスや侍ジャパンの大谷選手を端的に表現するなら、この文言が最も相応しいだろう。
  • 個人軍:元々は坂本勇人選手の巨人における傑出ぶりを揶揄するための俗語だったが、現在ではその傑出ぶりが異次元且つ規格外すぎる大谷選手の代名詞とすっかりなってしまった。
  • ガブリアスポケモンの1種。身長・体重が大谷とほぼ同じ(高さ1.9m、重さ95.0kg)ということで2023年のWBCの際、Twitter上でネタにされた(ちなみに、ヌートバーや岩隈久志もほぼ同じくらいの身長・体重である)。また、どちらもその気になれば両刀型として活躍できることや、初出が北海道という共通点もあったりする(大谷自身の出身は岩手だが、最新作にて岩手を含む北東北をモチーフとした場所が登場予定である。ここにガブリアスが生息しているかは不明だが、少なくとも連れていくことはできる)。
デレマス漫画1410



外部リンク

関連記事

親記事

日本人メジャーリーガー一覧 にほんじんめじゃーりーがーいちらん

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 273644

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました