3年目で一軍デビューを果たしたものの、
次々と活躍していく後輩の姿をベンチで眺めることしかできなかった。
それでも、決して腐ることなく、野球と向き合った。
まだまだこんなものじゃない、自分が一番わかっている。
さぁ、その拳で一番星を掴み取れ。
―スカパープロ野球チャンネルCM
栗山監督見てて下さい!!男・杉谷、行きます!!
中田翔「ゴチャゴチャうっさいねん、オマエ」
山田哲人「スギヤ、ヒダリデウテヤ」→ヤッテヤロウジャネェカヨコノヤロウ!!
レアード「YEAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!(水バシャー)」
来歴
父の杉谷満はプロボクシング元日本フェザー級王者で世界王座挑戦経験も有る元プロボクサー(父の兄にあたる伯父の杉谷実も元日本ジュニアウェルター級王者の元プロボクサー)というスポーツサラブレット。野球選手らしからぬ名前は、父親の経歴が多分に影響している。
幼少期から様々なスポーツに触れた中で野球一つに絞り、名門帝京高校では遊撃手として1年レギュラーを獲得して2006年の夏の甲子園での対智弁和歌山戦にも出場し9回裏に味方投手を使いきった為に緊急登板、たった1球の死球で負け投手になると言う、不名誉すぎる記録を残している。
高校卒業後は社会人野球の強豪チームへの進路が確定していたが、高卒プロへの夢を諦めきれずプロテストを受験し、見事に合格。2008年のドラフト会議でファイターズから6位で指名を受け、入団した。同期には大野奨太や中島卓也、谷元圭介といった後に日本一の美酒を共に味わうこととなるメンバーや、中継ぎだけで2桁勝利を達成し新人王を獲得した榊原諒などがおり、2000年代の日本ハムでも屈指の当たり年であった。
ヒーローインタビューでは第一声で(インタビューアーのマイクを奪いつつ)「やりました!」と叫ぶのがお約束となっている(関連動画参照)。
2011年に1軍初出場。翌年6月にはプロ入り初本塁打を放つ。
ポジションを問わないユーティリティ性が売りで、どちらかというと守備・走塁面での評価が高い選手であったが、2015年には規定未達ながら.295を記録するなど、意外性を秘めたバッティングも売りのひとつだった。そもそも、本人のキャラクターも相まって「試合に出るとそれだけで盛り上がり、打てばさらに盛り上がる」を地で行く選手であった。
2017年5月、開幕直後に負った怪我も癒え、ファンも待ちわびたの1軍復帰。さっそく大将にイジられる辺り、流石である。
更には交際していた女性と婚約したことも発表し、10月には婚姻届を提出。順風満帆の晴れの門出となった。2020年に離婚したことを発表したが。
しかし2軍暮らしが長かったせいか栗山英樹監督から「出てましたっけ?」と言われるほど、すっかり忘れ去れていた存在(当然イジりである)になっていた。ここから杉谷拳士の逆襲が始まる……はずだったが、その後の成績は芳しくなく、オフにはウィンターリーグで武者修行を敢行。オーストラリアのブリスベン・バンディッツでプレーした。
2019年5月23日、本拠地で5回に今季第1号のソロHRが飛び出し、続く6回左打席で2ランを放つ。
これによりプロ野球史上19人目となる「左右両打席本塁打」を達成する。ファイターズでは2007年のフェルナンド・セギノール以来の記録となるため、ヒーローインタビューで「今日から僕は『スギノール』として頑張っていきたいと思います」(動画参照)と会場内を(主に笑いで)湧かせた。
そんな大記録にもかかわらず、2回ともベンチに戻った際にMLBではお馴染みのサイレント・トリートメント(結局その後チームメイトにはニヤけられるだけで祝福されなかったので本人曰くサイレント・サイレント)を食らった。
また、この年に国内FA権を、翌20年に海外FA権をそれぞれ獲得したが、杉谷は残留を表明した。
2021年は極度の成績不振に陥るも、同様に成績不振となった秋吉亮、西川遥輝、大田泰示が自由契約、成績不振に不祥事もあった中田がシーズン中に巨人へトレードになる一方で、杉谷は早々に減俸での残留を表明した(なお球界全体で見てもFA権保有選手としてはDeNAの宮崎敏郎選手に次いで2番目の速さでの残留表明となった)。
2022年シーズンは「BIGBOSS」こと新庄剛志監督のもと他の選手と同様レギュラー争いに参加。開幕こそ2軍だったものの交流戦前に1軍に昇格。打率は昨シーズン同様1割台で本塁打も出なかった。
この年は「その日無安打だったにもかかわらず新グッズ『しゃけまる』宣伝のためだけにお立ち台を前借する」という珍事が発生。
なお後日ちゃんとヒーローになってお立ち台に呼ばれたのだが、その経緯が、
- BIGBOSSのインスタライブで当日の試合のスタメンを決めるところを放送する
- BIGBOSSが視聴者に9番打者は誰がいいかと尋ねる
- その際に「杉谷」という声が多かったから9番打者に入れる
- その日の試合で決勝打を含む2打点
という冗談みたいなものだった。
このまま新球場でもその雄姿を見られると誰もが疑わなかった10月28日、自ら今シーズン限りでの現役引退を表明。14年間で一度もレギュラーを取れず、現役最終年は打率.165と結果を残せなかったとはいえ、31歳での早過ぎる引退に各方面から驚きと惜別の声が挙がったのは言うまでもない。
引退試合
引退試合はオフシーズンの侍ジャパンの強化試合の相手としてだった。
試合前の練習ではなんと西武ドームのウグイス嬢がアナウンスを務め、いつも通りにイジられるというサプライズもあった。
最終打席は7回ノーアウト1塁、9番阿部和広の代打として出場。
…が、7回の代打で出番が回ってきた直後にまさかの地上波中継終了というハプニングに見舞われながらも打席に入る前に一礼をして、最後の打席に臨む杉谷。東京ドームはバッチングマーチに合わせて両スタンドから割れんばかりの手拍子。高橋宏斗を相手にカウント1-1、3球目のインコース高めのストレートを弾き返し、鋭い打球を放つもののファウル。スタンドからはどよめきが起こったが、続く4球目のストレートを打ち損じ、打球は勢いのないフライとなり、ライトの佐藤輝明のグラブに収まった。
結果はノーヒットに終わったが、両チームのスタンドからの大きな拍手に労われた。
試合終了後には日本ハムのメンバーに胴上げをされる事となったが、そこへ対戦相手の侍ジャパンメンバーも集まり始め、全球団の選手たちに胴上げされるという異例の事態に。杉谷は5回宙を舞い、胴上げの後にグラウンドを1週。観戦に来ていたファンから惜しみない声援と喝采、チームメイトや侍ジャパンの面々に迎えられ、杉谷は最後に礼をしてグラウンドを去っていった。
…が、またしても観戦に来ていた母が杉谷の胴上げをトイレで離席して見ていなかったという信じられないオチを付け、妙な所で「持っている」部分を見せる事になってしまった。
そしてファイターズの2022年ファンフェスティバルにて『前進』セレモニーが行われた……のだが。
本人曰く「球団にセレモニーの集合時間と集合場所を教えてもらえず、一度エスコンフィールドHOKKAIDOまで行きました」らしい。
―最後の最後まで杉谷拳士は杉谷拳士であった。
起業し「社長」に、第二の人生へ
現役から退いた杉谷ではあったが、名実共に「芸人」としてアライバル(高校の先輩である石橋および同じコンビの相方である木梨憲武が所属する芸能事務所)へと所属するだのしないだのという下馬評が立つ中、当の本人の口から出たのは「社長になる」という意外過ぎる回答だった。
杉谷によると「2023年4月上旬を目処にスポーツビジネス関連の会社を設立し、取締役社長に就任する」と明らかにし、その一方で「(石橋含めて)芸能事務所からオファーが殺到したものの、所属タレントではなく経営者として独立を決断した」事も明らかにした。
なお、引退からこの企業発表まではWBCの優勝会見ですら肩書は「無職」となっていた。
ちなみにこの無職期間中、テレビ番組の企画でまだ侍ジャパンとしてブレイクする前のラーズ・ヌートバーを取材しており、早い段階で彼と打ち解けている。また、彼の母久美子さんからも「ケンちゃん」と呼ばれ、大会後一切の取材を断っている彼女に取材を許可してもらったりとヌートバー親子は彼を非常に気に入っているらしい。
4月8日には自身が社長を務める新企業「ZENSHIN CONNECT」を発表。社名は現役時代に栗山監督から授けられ、自身も度々口にしていた「前進」という言葉が由来となる。
起業初年度はテレビからのオファーと同時進行で自身のYoutubeチャンネルを開設し、様々な分野のスポーツや業種を取材しながら、トライアスロンやアメリカのエンターテイメント球団「サバンナ・バナナズ」に加わって日本野球ときつねダンスを輸出する等世界や日本各地へ赴きまだまだ動ける身体を活用して挑戦を続けている…
と、言えば聞こえはいいのだが、メディアの師である石橋貴明には「ブレまくってる」とサプライズ訪問された上に説教されたり、野球の師栗山にも「引退した選手で僕が一番怒ったのは拳士」とその後の進路を心配されている始末。
まあ、栗山が怒った理由は「栗山が監督を務めた侍JAPANのWBC優勝会見という厳かな場所にリポーターとして参加した杉谷が平常運転の芸人キャラで大谷翔平に質問を行って場を凍らせたから」というもっともなものだったのだが…
引退してからも、というか引退してからの方がアンバサダー関係の仕事でエスコンフィールド北海道に赴くことがよくあり、日本ハムファンからは準レギュラー扱いされている。
起業2年目からはYouTube活動や地域のローカル番組、野球イベントのゲストとして各地を転々としている。
また、昨年度に後述の「杉谷拳士が取材中」やアジア大会で期待のアスリートをいち早く取材していた縁もあって、休暇を利用しパリオリンピックで縁のあるアスリートたちの試合を観戦した。ちなみに、偶然にも日本選手団の公式応援サポーターであった石橋貴明とパリで再開している。
プレースタイル
内外野ともに守れるマルチプレイヤーで足も速く、左右で立てる(打てるとは言ってない)スイッチヒッター。両打ちは数多のスペシャリストが揃うプロ野球の世界において、自分独自の武器を模索した末に身に付けたもののようである。
しかし、器用貧乏な一面がある事は否めず、14年の現役生活で出場機会は多くなっていったものの、レギュラー獲得には至らなかった。。
が、それでもチームから最後まで戦力外通告を受けなかったのには俊足巧打で内外野を守れるスイッチヒッターという球界でも稀有なユーティリティープレイヤーであることが大きいだろう。犠打王争いに絡むシーズンがあるなど小技の正確性も売りであり、前述の『スギノール』のように意外性のある活躍を見せることもあり、観客にとっても期待をしたくなる選手だった。
また、彼が外せなかったのはあと一つだけ理由があり、それを下記に記す。
「野球の上手い芸人」
その「現役のプロ野球選手らしからぬ『芸人顔負けのポテンシャル』の持ち主」故に「オフシーズンの三冠王」「野球とお笑いの二刀流」という称号と共に一部ネットユーザーからそう呼ばれる事がある。
伏線自体は高校球児の頃からあり、甲子園で延長戦が続いたせいで帝京高校が投手を使い切ってしまったため、投手でもないのに登板させられ、たった1球死球だけ与えて降板してしまった。しかし、そのことで1球の大切さを痛感した杉谷は練習に対する意識を改め、「このまま頑張ればプロにもなれるんじゃないか」と逆に自信をつけるきっかけになったという。
大体が「リアル野球BAN」を観た上での発言が多いため、あまり不用意に発言するとファイターズファンからひんしゅくを買う事にもなりかねない…と言いたいところだが、当のファイターズファンの大半と何なら一部関係者(主に野球BAN出演陣)もだいたいこんな認識だったりするので、ある意味では間違ってはいない。
この時点でお察しいただけるだろうが、杉谷に与えられた一番の役割はムードメーカーであり、イジられ役である。
練習中は先輩の中田翔から可愛がられて(意味深)いる様子がよく目撃されており、西武ドームのウグイス嬢からも容赦ないイジりを受けている(事の発端は杉谷自身。せっかく友人が試合観戦に来ていたのに出番がなさそうだったので杉谷本人がイジるようにウグイス嬢にお願いした事を、明かしている。)。さらには前述の通りチームメイトのみならず、監督にまでイジられる始末(2016年では復帰時おける監督のコメントが「誰も呼んでないのに勝手に来た」、2017年は記者からの質問に「それ誰?」。散々な言われようである)。挙句にFA権を取得して以降は、本気か冗談か、一部のチームメイトやコーチ、果てに監督にまで「FAしないのか?」と言われる始末であった。前述の通り3年連続で残留宣言、FA権取得4年目で現役を引退したため、最後までFA権を行使することは無かった。
杉谷のイジりやすさは他球団にも周知の様で、後述のリアル野球BANはもちろん、杉谷が引退後の2023年に各チームのキャンプへ取材に赴いた時ですら、彼の取材を受けまいと全力疾走して逃げようとしたり、車から出ようとしなかったりと茶目っ気全開で杉谷をイジる選手や監督たちが続出した。
そもそも、プロ入り時点では「実力的にはプロレベルにはまだ達してないがベンチを明るくすることに得難い才能がある」としてドラフトにギリギリ滑り込んだという経緯があり、要するに(語弊を恐れずに言えば)半ば芸人枠として入団したようだ(しかも、本人もスカウトにこれを直接伝えられたらしい)。
こういう入団経緯からか、実はチームや北海道に対する愛はかなり強い。自分をプロの世界へ引っ張ってくれた栗山監督にも恩義を感じており、監督退任時には花束を贈る役を買って出た。そして、その栗山監督が杉谷の引退時に花束を送る役に選ばれたのは、ある意味必然なのかもしれない。
元気の良さと声のデカさにも定評があり、デッドボール時には「当たった!当たった!」と観客席でも聞こえるくらい叫んでアピールこともあったり、押し出し追加点時には「よっしゃー!」と喜んだりしていた。そのせいで本来ブーイングや乱闘騒ぎにも発展しかねない場面のはずなのだが、杉谷がデッドボールになると何故か球場から笑い声が聞こえる珍現象が起きていた。
シーズン開幕時の国歌斉唱で大きな声で君が代を歌った事もあり(オーストラリアへの武者修行で現地の選手たちに影響を受けたらしい)、COVID-19の無観客試合ではよく声が響いていた。「性格面が図抜けている」という評価の通り、苦境続きだったプロ生活であっても弱音を吐いたり、表で苦しそうな姿を見せることは殆どなく、苦しんだ上の決断とも思われる引退会見ですら「前進会見」と称して次の進路への挑戦を熱く語る程だった。
トークセンスや会話のレスポンスにも優れ、年始スポーツバラエティ特番の「スポーツ王は俺だ!!」内の人気企画「リアル野球BAN」に2015年から3年連続出演(プロチーム枠ではなく、石橋貴明の後輩と言う事でチーム石橋、つまりは帝京枠である)。ツイッターのTLが杉谷一色に染まった。野球BANで見られるような煽りと返しだけでなく、スター選手というわけではないのに契約更改の会見がエンターテイメントとして注目されたり、ジョブチューンのようなトーク中心の番組でも「チャリティーで斎藤佑樹に自分のバッグを寄付された」「大谷が唐揚げにレモンをかけていいと許可したら自分にかけてきた」など自虐系のすべらない話も自前で用意し、更には半ば持ち込み企画のような形で車を買う様子までVTRで放送された。
これらの要因なのか、ファイターズのYouTube動画の内、引退後に公開された動画によると再生数TOP10の動画がざっくりと『杉谷拳士』か『きつねダンス』に分類できるほどに人気が高い。
レギュラー定着経験がなかったにもかかわらず、北海道で出歩けば多くの人が立ち止まって声をかける程の有名人の一人である。
芸人顔負けのキャラクターぶりに前田健太をして「あいつは野球をやめてもいっぱい仕事があるだろうな」とぼやかれた通り、芸能事務所からもお声がかかっているらしく、吉本ならドラフト1位指名してもおかしくない逸材らしい(野球選手としての芸能人力はパンチ佐藤の再来ともいわれる)。ただし、本人は「身体が動く限りは現役を続けたい」とコメントしていた。
なお引退会見では、テレビ・ラジオ等から「たくさんのお話を頂いている」と言っており、彼と入れ替わるような形で日本ハムのコーチに就任した森本稀哲からはテレビの生放送で自分の出演枠の後継に指名されたり、彼を球界の壁を越えた人気者に押し上げるきっかけを作った母校の先輩石橋貴明も「タレントとしてなら自分の事務所がぜひドラフト1位で獲得したい」とコメントしている。
引退後の2022年~2023年には「行列のできる相談所」、「人志松本の酒のツマミになる話」といったバラエティ番組に相次いで出演。また情報番組のスポーツ特集ではインタビュワーとして起用されている。
2023年4月から2024年3月にかけてオムニバスのバラエティ番組「バラバラ大作戦」の一枠で冠番組「杉谷拳士が取材中」が放送。
高い知名度と引退選手にしては格が低い(?)せいか、引退後もユーティリティな元野球選手として他のスポーツや日本ハム以外のチームイベントでもゲストで登場したり、かなり度胸や体力を要求される企画に駆り出されたりする。
別のイベントで千葉ロッテマリーンズに来ていたのに、急遽試合中イベントのダッシュマンレースに参加させられたことも。
エスコンフィールドHOKKAIDOで行われた日韓OB戦ではヘリで上空からグラウンドへ降下し、開会宣言を行う。なお、着地で滑り過ぎてふくらはぎを大きく擦りむいた。試合後、選手でないにもかかわらず特別賞が贈られお立ち台に立った。
2016年には日本ハム球団最多連勝記録を呼び込んだ岡大海の代打で送られ、走者一掃スリーベースの活躍でヒーローインタビューを受けてた際、ブランドン・レアードから水を振り掛けられるという、手荒い(小規模な)祝福を受けた。
「後で(レアードを)ぶん殴っておきます。」とは杉谷本人の談。
また、山田に「ヒダリデウテヤ」と馬鹿にされる程の左打席の成績だったが、「ヤッテヤロウジャネェカヨコノヤロウ!!」と奮起したのか2016年シーズンは左でタイムリーを打つなど中々の成績を残している。
主な活躍
2017年正月放送のリアル野球BANでは、先輩である中田をはじめとして、ゲストのメジャーリーガー前田健太を煽りまくるなど、その芸人っぷりを遺憾なく発揮し、トドメとして切り札の黄金バットを用意。ボールを見事捕えセンター方向へ打ちツーベースヒットにした…かと思われたが、なんとボールがヒットゾーンを超えファインプレーに直撃。しかもそのゾーンは石橋が新たに設置した通称陽岱鋼ゾーン。元チームメイトに阻まれる結果となってしまい、杉谷は芸人顔負けの悲鳴を挙げることしかできなかった…。
それでも、めげずに再び黄金バットで打席に向かい、侍ジャパンチームが指示した反則球140kmを鋭く打ち返しヒットにした…と思いきや今度はレフトのファインプレーに直撃。固まったままの杉谷に侍ジャパンチームから「だからレギュラーになれねえんだよ!」と煽られるものの、普通に打ち返したことに関して密かに感嘆の声が上がった。
2018年は昨年度の成績が先述の通り悲惨だった(この年の契約更改で、プロ人生初めての減俸を経験した)ので、正月のリアル野球BANへの出演は昨年度の放送で煽りまくっていた前田健太に譲って自粛。オーストラリアへと武者修行に旅立った。
本放送では不参戦にもかかわらず『杉谷』がトレンドワード上位に入るという現象が起きた、流石である。
2019年放送分で2年ぶりに復帰。
この年もプロチームに居た山田哲人が居たこともあり、伝統芸能を披露。
また両チーム見渡しても非常に優秀な成績を収め、MVPを獲得した。
柳田からは「あいつ、野球やめても仕事あるんだろうなぁ」と言われている。実際、現役時代に似たようなキャラだったファイターズOBの岩本勉からは「お前が現役を辞めると俺の仕事が減るから、一年でも長く続けてくれ」と冗談交じりの応援を受けている。
ちなみに「リアル野球BAN」の絡みから、2020年には石橋から「スギノールのテーマ」(とんねるずの「がじゃいも」の替え歌)をプレゼントされ(贈呈後の2021年正月にて実際に「リアル野球BAN」でも使用された)、更には石橋のYouTubeチャンネルである「貴ちゃんねるず」にて「今週の杉谷」なるコーナーが設けられるなど、石橋からもかなり気に入られているよう。
2021年放送分では山田…ではなく彼の後輩・村上宗隆が山田に直伝された正月の風物詩を御見舞。自分より10歳も下の相手(山田ですら1歳下であるため、相当ナメられている事になる)からの「煽り」に「お前は山田哲人じゃねぇんだよ!!」と狼狽しつつも最終的には(お約束通りの)啖呵を切るなどのアクシデントもあったが、2度もホームランを放つなど「オフシーズンの三冠王」の名に恥じない活躍を見せている。
2022年放送分では出演しなかったが、これは成績不振の類では無く「新庄劇場の座長」こと新庄"BIGBOSS"剛志が「バラエティ番組に出るな」と監督権限で出演禁止要請が出されたためである。もっとも、巨人へと追放された中田に比べれば名前だけでもネタにされるだけまだマシ(石橋もコーナー冒頭でネタにしており、他の参加選手たちが例年の杉谷ネタを引き継いだりした)なのだが。本人も昨年の成績が振るわなかったことから、これを受けて逆に奮起を誓っていた。なお、インスタグラムでは奮起する杉谷を新庄が「頑張ってね杉下君」と名前を間違えられるイジりをしていた。
2023年放送は、杉谷本人の発言から出演を公表し、更に今回はチームと高校の後輩である松本剛の出演も出演。
「収録時点では現役最後の、放送時点では『前進』宣言…もとい引退後初の出演」という形で凱旋…したまでは良かったが、あろう事か「後輩であるはずの松本が相手チームにいる」事を知り憤慨、さらには(2年の間に実力を付けて三冠王になり、挙げ句の果てには「村神様」などとご神体扱いされイキりまくる)村上宗隆と再会し、格の違いを嫌という程実感する羽目になった。
途中できつねダンスをファイターズガールと一緒に披露するも村上達は微動だにせず(おまけに出番が終わった彼女達を追うかの如く石橋が脱兎したため、試合が一時中断する事態になってしまった)、いつもの「左で打てや」の代わりにプロ用の球種で投げる様に挑発され例によってまんまと乗っかるも、しくじった直後にここぞとばかりに村上達に「コンコンwww」とおちょくられるなど、実況のアナウンサーに「狐につままれたのは杉谷の方でした」とオチを付けられてしまった。
試合そのものは1回敗北するも、土下座により3イニングだけで仕切り直しと形になったが、それも「最後の最後に『ファインプレー(陽岱鋼)』ゾーンに落としてしまう」という、石橋をもってして「アイツやっぱり持ってねぇな…」と落胆されるなど(反面、SNSやネット上はその終わり方に持ってると湧く形となった)、本人にすれば「最低最悪かつ今後の雲行きが怪しくなりそうな形」で幕を下ろす形となってしまった。
しかもトドメに、試合終了後に軽いセレモニーが行われたのだが、杉谷のスピーチを完全無視して他の共演者たちが揃いも揃って退場していくという、最後まで踏んだり蹴ったりな扱いであった。しかも声はハウリング気味だったとか。
オーストラリアでの経験
2017年にオーストラリアの「ブリスベン・バンディッツ」でプレーした経験は以後の杉谷に大きな影響を与えたとされる。
オーストラリアでの愛称は「ケニー」。
加入から持ち前のエンターテイナーぶりでチームメイトともかなり早い段階で打ち解け、彼の噂を聞き付けたオーストラリア在住の日本人や、あまり野球に詳しくなかった現地在住の人々まで野球観戦に来るようになったと語っている。
杉谷自身も上記の大声で歌う国歌斉唱の他に国際的な交流や挑戦に対して興味を抱くようになり、起業に関するインタビューでもキーワードの一つとして「国際」を意識していると答えている。
関連動画
これが件の「やりました!」。
なお、このヒーローインタビューでもインタビューアー(HTBの谷口アナ)からイジられてる辺り、杉谷の愛されようをお察しいただきたい。
こちらが問題のスギノール発言。(当該部分は1:35あたり)
なお、翌日
引退試合後のセレモニー。
誰からも愛された「球界のエンターテイナー」
関連リンク
中田翔:先輩。先述の通りイジり役。
森本稀哲:高校およびプロ入り後の球団が共通する大先輩。チーム石橋の現役プロ枠の前任者でもある。森本は2023シーズンよりFA移籍以来12年振りに日本ハムへコーチとして復帰することになったが、入れ違いで再び肩を並べることは無かった。
斎藤佑樹:実は杉谷が一番尊敬しているのは彼であるとよく口にしている。その尊敬している彼に勝手に自分の鞄をチャリティーに出されたりといろいろやらかされているが。
今川優馬:杉谷と同じチームに所属し、かつ自分が所属するチームの現役ファンクラブ会員というこれまた珍しい選手。ムードメーカー気質なところも共通。ちなみに背番号は杉谷の入団当初の背番号と同じである。
糸井嘉男:元日ハムのチームメイトで、杉谷と同じ年に引退。野球関係のイベントでよく共演している。
平良海馬:同リーグの別のチームに所属する野球の上手いゲーム実況者。こちらも背番号が杉谷の入団当初の番号と同じ。
トレバー・バウアー:杉谷の引退の翌年にMLBからセ・リーグの横浜DeNAベイスターズへと移籍してきた、野球の上手いYouTuber。
瑞鶴(艦隊これくしょん):某動画にて彼を模された結果、「野球の上手い正規空母」と二次創作でネタにされる事も…。なので瑞鶴のネタ絵にタグ付けされる事も多い。
ティモンディ:こちらは野球が上手い本職の芸人。高岸は地方リーグとはいえ芸人からプロ入りしており、本当の意味でお笑いと野球の二刀流を実現している。
槙野智章:プレーよりエンターテイメント面で注目を受けることの多いサッカー選手。杉谷とも番組で何度か共演している。
エフゲニー・プルシェンコ:圧倒的な実力と芸人顔負けの茶目っ気&ユーモアで世界中を魅了したロシアの元フィギュアスケート選手。誰が呼んだか「世界一スケートの上手い芸人」