概要
2000年から年始に放送(2012年~2019年には夏にも放送されていた)されるバラエティ番組「夢対決!とんねるずのスポーツ王は俺だ!スペシャル」における番組開始当初からの人気企画。
野球盤をプロ野球の試合が行われる球場にリアルサイズで再現してプロチームと対戦するというダイナミックなゲームである。
帝京高校野球部に所属していた「帝京高校の『秘密兵器』と呼ばれたが結局『秘密』のまま終わってしまった」男・石橋貴明向けの企画でもある
(そのため、木梨憲武は出演していない。代わりに木梨はサッカーなどの企画に単独で出演している)。
なお、番組内の他のコーナーと比較すると(ハンデこそあるが)ズル要素は少ないどころか、プロ選手側もズルを行うことさえある。
「リアル野球BAN」が正式な表記だが、ネット上やメディアではしばしば「リアル野球盤」と表記されるケースも見られる。
今では少年時代からこの番組を見ていた野球選手も多く、リアル野球BANに憧れを持つプロ野球選手も多いという。
選手達にも大きく知名度が上がるというメリットがあり、出演した松本剛曰く、「出演後は東京や沖縄でも声をかけられるようになった」とのこと。
ルール
基本的なルールは野球盤と同じだが、どちらかと言えば「バッティングセンターでやる野球」に近い。
打者はバッターボックスに立ち、ピッチングマシンから投げられる球を打つ。
通常の野球盤と同様、グラウンドやフェンスに「1BH」「2BH」「3BH」「FINE PLAY!!(フェンスのみ)」「ダブルプレー」などと書かれたゾーンがあり、打球が文字の書かれた場所で止まるかフェンスに当たればその指示に従う。
打球が文字の書かれていないところで止まる、ピッチングマシンや各守備位置のネットに掛かる、「FINE PLAY!!」に当たった場合はアウト。
盗塁・走塁・犠打・犠飛や単打でランナーが2つ以上の塁を進む(単打で2塁ランナーがホームインする等)事はないが、ホームラン・ファウル・三振・四球・敬遠といったルールは実際の野球と同じ。「ダブルプレー」にあたった場合は、その時ランナーがいれば、先頭のランナーがいなくなってアウトが2つカウントされる(ランナーがいない場合は1アウト)。ファウルゾーンには前述のアウトになるギミックがなく、捕手も投球を受けるだけであるためファウルフライは無い。
そのため一見ヒット性の打球がアウトになったり、逆に打ち損じた打球が長打になったりすることがしばしある。
これらの独自ルールによるリアル野球BANならではの意外な展開もあり番組の看板企画となった。
なお、後述の通りルール違反がしばしば起こるが、バラエティ番組なので気にせず進行される。
しかし最近ではズル要素が減っていき、2023年以降ズル要素がない白熱展開の方へとなってきている。
試合は5イニング。だが、後述の土下座による延長戦(もしくは点差をリセット、イニングを短縮しての再試合)があるため、まず5イニングで終わることはない。
バットの使用に関して
石橋JAPAN(石橋貴明率いるチーム)は基本的にアマチュアの集まり(石橋やゴルゴは芸人ではあるが、一応「元・球児」であるため「ズブの素人」という訳では無く、吉岡・杉谷は元プロ、原口も現役だが「帝京枠」としての括りゆえに石橋側にいるようなため)なので、飛距離の出やすい金属バットの使用が認められている。
対してプロチームは木製バットの使用が義務付けられているものの、試合が終盤になると後れを取ったプロチームがなりふり構わず金属バットに手を出したりするが、たいてい有耶無耶のまま使用が認められたりする(仕切り直しになる場合ももちろんある)。なお、プロチームには試合の状況が自分達にとって不利になるとバットに塩を振る(当人達としては「厄払い」としており、さらに塩バットにした後は軒並み形勢逆転という結果も残している)行為も少なくない。
2024年は派生としてWBCネタに因んで塩バットならぬペッパーミルバットを行い、反撃の狼煙をあげることに成功した。
また、石橋JAPANに現役プロあるいは優秀な成績を収めた元プロ(多くの場合帝京高校出身)が居る場合は、その選手も木製バットの使用が義務付けられる(ただし、2015年正月における田中将大、2018年正月における前田健太は投手であることを考慮して金属バットの使用が認められた)。
杉谷や村上に関しては(この企画の為だけに)「黄金バット」やら「レインボーバット」やら「村神様バット」やら特注しているが、それも木製バットに金メッキやコーティングなどを施したもの(全体が金属製ではない)なのでルール上の問題は無い。
ピッチングマシンについて
双方の公平性確保や不要の負傷を避けるため、マウンド上には本職のピッチャーではなく、ピッチングマシンで行う。
選べる球種についてもハンデが設けられていて、プロチームはストレートとカーブしか使えないのに対し、石橋JAPANは3種類前後の変化球を使えるうえ、ストレートも若干早くなっている。
プロチームが使用できる球種
- ストレート(120km/h台)
- 遅いストレート(100km/h台)
- カーブ(100km/h台)
石橋JAPANが使用できる球種
- ストレート(140km/h台)
- チェンジアップ/遅いストレート(110km/h台)
- カーブ(100km/h台)
- フォーク/スプリット(120km/h台)
- スライダー(同上)
- びっくりシンカー(120Km/h)
- ごっついスライダー(120km/h)
- 反則ストレート(155km/h)※マシンの限界速度
※変化球は年によってラインナップが違う
なお、安全配慮のためにキャッチャーにのみ事前に投げる球種がマイクを通して伝えられる。その他、同じ球種でも高さを微調整することが可能。
実際の試合では石橋も二種類のストレートとカーブで勝負することが多く、芸人チームの特権である各種変化球はほとんど使われない。
逆にプロチームは追い詰められると、石橋JAPAN用の球種(主に速い方のストレート)をしれっと使用することがしばしばある。この場合テロップで「違反球!」と突っ込みが入るが、基本的にバレないので特にお咎めは無い。ちなみに現役選手(特に当時の杉谷)が比較的被害に遭いやすい。ただし対吉岡に限っては全員吉岡を恐れて実行されない。最近では、プロチームが要所で石橋JAPANの現役選手や引退間もない選手(2023年放送までの犠牲者は原口・杉谷)を煽って合法的にプロ用球種で勝負するようになってきた。
そもそも、石橋JAPANも石橋JAPANでSAMURAIJAPANに大きく後れを取った時に違反球を使うので、どっちもどっちである。そもそもにしてバラエティですしね、この番組。
またゴルゴがカーブに苦しめられるのもお約束である。
近年ではびっくりシンカー・ごっついスライダー・反則ストレートは使用しなくなった。
マシンの製作は大阪のメーカーであるキンキクレスコが行っており、球種はほぼ同じながらも毎年球のノビや回転数などは改良が施されており、プロでも苦戦すると評判。
マシンに映るピッチャーの映像にも毎年手が加えられており、顔のモデルは石橋貴明で、フォームはシーズン中に活躍した選手のものになっているらしい。
石橋JAPAN
石橋貴明をキャプテンにおいて編成されたチーム。主に帝京高校OBがゲストとして参加するが、過去にとんでもない大物が石橋JAPANとして参加したことも。
ほぼお決まりのメンバーなので、侍チームに比べて紹介は雑なことがほとんど。
主な入場曲はプロ野球シーズンでは山崎康晃がリリーフ登板時に入場曲として使用しているゾンビ・ネイションの「ケルンクラフト400」。
主な参加選手
- 石橋貴明
とんねるずの大きい方(ちなみに相方の「小さい方」はごく初期の例外を除いてこの企画には基本的には参加せず、反対にサッカー企画には石橋の方が原則不参加となっており、相互補完的な立ち位置となっている)。
先述した「秘密兵器と呼ばれたが秘密のまま終わった」というネタ以外にも、対戦相手にメジャーリーガーがいると「俺は『メジャーリーグ』の先輩だ」などと先輩風を吹かす素振りを見せる事があるが、これはリアルでは無く映画の方の「メジャーリーグ2」及び続編の「3」にて日本人メジャーリーガー「タカ・タナカ」役で出演していた事に由来する。
打席に立つ時には「ぐわらきぃーん」という擬音や「花は桜木、男は石橋」の口上など岩鬼正美を意識した動きや、「男石橋!やってみせます!」などの前口上を発し、ホームラン予告をしてから構えたり、球場の看板広告(ミネラルウォーターの財宝、生命保険のアフラック、オーマイパスタのnippnなど。ただし、アフラックに関しては厳密には広告そのものではなく「アフラックの広告内の櫻井翔」に当てようとした)を読み上げ「あそこまで飛ばす」と宣言する事も。
既に60代を超える高齢ながら、密かに身体を鍛え続けており、年齢を感じさせないバッティングを見せる(この成果はテニス対決でも活きている)。2024年にはフォームも変更した。
「全身で『漢字』を表現する芸」を主なレパートリーとし、時には全国各地を回り「漢字の成り立ち」を用いて「説法」する芸人にして、熊谷商業高校時代、夏の甲子園に出場経験のある元・高校球児。
「天狗打法」と言うオリジナル打法を持つが、件の甲子園出場時にレギュラーでは無かった事から、その成績はお察しください。変化球に非常に弱く、カーブ球に苦戦するのはもはや恒例行事。一度は石橋から戦力外通告されるもトライアウトにより復帰し現在に至る。
侍チーム選手の初回打席では杉谷と共に弄りネタを披露する。実はこの弄りネタは杉谷とかなり綿密な打ち合わせをしており、連携力は高い。
ゴルゴの相方。よく家族が一緒に見に来ていた。成績が冴えないゴルゴとは対照的に、確実にヒットを積み重ねて繋ぐのが特徴。ところが2013年正月で突然不振に陥り、同年夏には石橋から戦力外通告が言い渡されるも、ゴルゴとは異なりトライアウトの措置が取られずそのまま降板となった。
巨人・近鉄・楽天で活躍した、帝京高校が夏の甲子園を制覇したときの中心メンバー。相手チームが彼だけには怯むくらいの実力派のバッターで、トークや煽りでは積極的な参加はせず、パンチ力のある打撃で石橋JAPANを支える。しかし、その後の打席が石橋であることが多い為、チャンスで打順が回るとよく敬遠されてしまう。
日ハム・横浜・西武で活躍した、帝京高校OBで元日本ハムの元気印。最近はその帝京OBで後継者(後述する杉谷)が出てきたため、その姿を見せない。
2015年正月放送分からレギュラー出演中の、ご存知「オフシーズンの三冠王」にして、かつて日ハムで活躍し「野球が上手いピン芸人」と称され、現在は「社長」としても活動する帝京高校OB。
しばしば1つ年下の山田から左打席に立つ様に煽られるが、実のところ左でもそこそこ打てる(年によっては左打ちの方が右打ちより打率が良い事も)し、2021年正月にはホームランを2回も出すなど、決して口ばかりの役立たずという訳でもない。何ならシーズンより野球BANの方が結果が出るため、「野球BANが本当のシーズンイン」などと言われることも。引退して一年経った2024年には5キロ太ってしまったが、その分パワーが上がってホームランも1本放っている。
- 藤増くん
石橋のリトルリーグ時代の同級生で、板橋区立成増ヶ丘小学校卒・帝京高校に2年間在籍していた江戸川区出身の外国人選手
…というのは真っ赤な大嘘で、その正体はアメリカ野球殿堂入りも果たした元メジャーリーガー、フランク・トーマスである(小学校の設定に関しては、石橋が成増小学校を実際に卒業しており、そこから成増小の隣の学区にある成増ヶ丘小が選ばれたと思われる)。意外にもノリのいい人物で、ゴルゴ松本と共に松本の持ちネタを一緒に披露したことも。
阪神で活躍する杉谷の1年下の後輩。杉谷同様レギュラーではないためか、時折監督へのアピールが目立つ(とは言え本業では杉谷よりも出番は多く、また、大腸癌という大病を患っていたことから無理のない体調管理等が特に重要となることは考慮すべきではある)。22年には不在の杉谷に変わって挑発ネタを担当していた。そして23年も煽られた。
横浜DeNAで活躍する杉谷の2年下の後輩。しかし、元々救援投手のためか打席に立たず、配球アドバイスと相手チーム選手の㊙エピソード暴露を行う。
対戦チーム
比較的出演頻度が高い選手
ヤクルトの人。ヒダリデウテヤの育ての親であり、1つ年上の杉谷が「ヤッテヤロウジャネェカヨコノヤロウ!!」と啖呵を切るのはだいたいこいつのせい。
2021年からは成績の問題なのか、この役回りを後述の同じチームメイトである村上宗隆に譲った形となっている。
日本ハム→読売巨人軍→中日の人。ヒダリデウテヤの生みの親であり、金のネックレスをしている事から杉谷に「あの金のネックレスを引きちぎってやりますよ!」と煽られたり、石橋からもその強面と相まって「そのジャラジャラしたの」「反社会勢力の人みたい」などといじられた事も。
本人の事情で巨人へ移籍した後は、(石橋ですらフォローが効かなかったのか、コンプラ的な問題か)出演が途絶えている。ただし金のネックレスについての後釜はいる。
広島カープ→ロサンゼルス・ドジャース→ミネソタ・ツインズ→デトロイト・タイガースの人。基本的には石橋の対戦相手となる事が多いが、2018年正月の様に(杉谷の代わりとして)石橋と同じチームで戦った事も。なかなかヒットを打てず、杉谷にアウト要員扱いされたことも。ジャパニーズ土下座や塩バット等こっそり迷言や珍プレーを生み出している。
広島カープ→シカゴ・カブスの人。杉谷とゴルゴ(時には石橋達も加わる事も)から度々「セイヤ、セイヤ、スズキ!」と煽られる人。彼の母校である「二松学舎」は帝京高校とは夏の甲子園で同じエリア(東東京エリア)であり、大事な局面で彼に打順が回ると、石橋から「二松学舎の鈴木君」と呼ばれる傾向にある。2024年では杉谷への「左で打て」挑発を担当するが、自身も初回から3打席までヒット性の打球を全てファインプレーとダブルプレーで台無しにしてしまう珍プレーをやらかしてしまった。
ソフトバンクの人。通称は「ギータ」で、広島出身であるためか自らの立場が鷹でありながら大の鯉好きと評されるほどのカープファン。2021年正月は延長戦にまでもつれ込んでしまったため、勝利を見届ける事無く福岡へと帰らざるをえなくなってしまった。
読売巨人軍から世界を席捲したゴジラの人。自らが大将となってチームを率いる事が多いが、チェンジアップで翻弄された際は「あれは打てないわ!」と嘆いた。石橋からの土下座要求を賄賂(グッズ)で回避した策士でもある。
ヤクルトの人で、令和の三冠王にして村神様。自らの立場がヤクルトでありながら烏龍茶を愛飲してるという変わった人でもある。
2021年出場時こそ初々しさが目立ったが、翌年には一変、自らハンデの解消を交渉しに行ったりチームメイトを率いて石橋に挑発をしに行くなど、(かつての中田や山田のポジションを引き継ぐかの如く)若くして貫禄を磨きつつある。
オリックスの人で、2021年パ・リーグ本塁打王。
ヒットを出す度にまるでどこぞの北斗四兄弟の長男たる世紀末覇者拳王の如く例の昇天ポーズをとるが、アウトゾーンに入るとバッターボックスで大の字になって倒れる芸を見せている。2022年出場時には一試合3併殺という不名誉な記録を打ち立てた。
西武→ソフトバンクの人。自らの立場が獅子でありながら豚(自身の出身地にちなみ「アグー」)呼ばわりされるという(ある意味)ちょっと不憫な人でもある。
杉本同様ヒットを出す度に「どすこい」ポーズをしている。
日本ハムの人で、2022年パリーグ首位打者。
彼は日本ハムにおける杉谷の後輩であるが、一方で彼は出身が帝京高校である(原口・山崎は松本にとって同じ時期に所属していた先輩である。
相手チームに帝京高校出身選手が参加するのは初だったのだが、帝京では無く侍チームで参戦したことで帝京側全員から大ブーイングを買った(当の本人はあっけらかんとしていた)。
なお試合でもMVP級の好成績を残しながら球団ファンミーティングの都合でかつての柳田同様途中離脱した。翌2024年も侍チームで参加するが、タイトルを取っていないことを石橋にイジられた。
見どころ
まずは
負けたチームがホームベース前に横一列となって、泣きの延長を土下座しながら申請するシーン。
特にプロが負けた場合、石橋から飛び出る煽りが一種この番組のお約束となっている。
2022年版では、倫理観の関係から土下座をすることが出来なくなったと石橋の口から語られており、そのため点数で負けているチーム石橋がプロチームを煽って延長戦を申し入れると言う形に変更されている。
なお、翌年の2023年版では普通に石橋JAPANが土下座して泣きの再試合を申し入れている。
が、その翌年の2024年版では侍ジャパンチームが延長を申し込む際、去年石橋JAPANが土下座されたこともあってか侍ジャパンチームが泣きの土下座をすることに。
また、某野球が上手いピン芸人は初登場から先輩を煽る、逆に挑発に乗るなど企画の中心といえる石橋貴明を喰ってしまうほどの存在感を見せることから、リアル野球BANが放送されるとツイッターのタイムラインが彼の名前で染まり、その一挙一動に多くの視聴者からの注目の的となる。
イラストでもリアル野球BANタグ=杉谷関連が多く、挑発に乗りやすそうなキャラがよくパロディで描かれている。
石橋の「デレク・ジーター打法」やゴルゴの「天狗打法」等、謎の打法が度々登場する。
また、夏ではOB選手との試合を行っているがホームランが出たり勝負勘が全く衰えていない等昔からのファンにも嬉しい所がある。
余談
2023年WBCにおいて、チェコ代表の先発サトリア投手は球速がストレート125km、変化球も110kmのチェンジアップとカーブという石橋JAPAN向けの球種とほぼ同じ持ち球で日本やメジャーのプロ選手が滅多に経験しない特徴の選手であったため、序盤は大きく苦戦していた(この手の球種はプロレベルだと容易く打てそうに見えるが、球速が上昇する一方のプロ野球界に対応してしまうと、かえってタイミングが取りにくい)。
しかし、吉田正尚、山田哲人、山川穂高といったリアル野球BANに参加経験のある選手たちが打ち始めて逆転への起点を作ったため、ネット上では「リアル野球BANは国際試合対策として有効」と話題にされた。
少年野球のイベントでリアル野球BANが開催されたことがあり、実況には石橋貴明やゴルゴ松本といったリアル野球BANファミリーも参加した。
この他にも本企画とは別にリアル野球BANを模した企画が、地域やYouTuberの企画で多数行われている。
関連項目
ドラベース:似たような競技が登場する